自分が「1位」である理由をつくるのは大事だけど、実物より大きく見せようとするのは違うと思う

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昨日参加したセミナーの開始5分で「失敗した…」と思った出版プロデューサー西浦です。

それはなぜか?講師の書いた本が、数年前『Amazonランキング総合1位になった』という話があったんですね。しかも2位3位に100万部超えのミリオンセラーをおさえて、と。

しかしその人の本は年間ランキングでは見かけなかったんですよ。。。つまりある日のある1時間のランキング1位なのにそこは隠して伝えているんです。

Amazonランキング1位、使うなら正確に

いまだにこういう使い方をする人っているんだなと悲しくなりました。読者のために本を書いたのか、ご自分が「1位」という看板欲しさに本を書いたのか。

逆説的かもしれませんが、読者への愛がある本だからこそ、自分の〇〇1位っていう順位より、どれだけ多くの読者に届いたかったいう部数にこだわるべきじゃないのかな?

 

どんな形でもいいから自分が「1位」である理由をつくろう!という主張はよく見かけます。その考え方には賛成で、僕もプロデュースするときは「この人は何の分野で日本一だろう?」「オンリーワンの要素ってなにかな?」と考えます。

でも、そのために虚飾の1位を作るのって、効果ありますかね?

少なくとも僕はその場で

「『Amazon総合1位』じゃなくて、ある日の特定の1時間での1位だから、何月何日何時~何時売れ筋ランキング総合1位って言わないと不正確だよなぁ」と思いました。さすがにその場でそれを講師に指摘はしませんでしたが。

バレる人にはバレるから、逆効果じゃないかな。

※(Amazonランキングの詳しい解説はこちら)

amazonランキングの本は、本当に売れているのか?【ランキングの基準と仕組み】

 

こういうごまかしを聞くと、その人の他の言葉もごまかしなのかなと、耳に入ってこなくなります。

セミナー中に「YESセットは取らない」と宣言されてたんですが、「最初のAmazonランキングの話YESセットだよね?」っていう疑惑がわいてきて、それ以降どんな話も素直に入って来ませんでした。コミュニティの話、楽しみにしていたのにな。まだまだ自分の素直さが足りていないと反省もしました。でも嫌なんですよねぇ(苦笑)

マーケティングで売れる本は中身のある本

自分は本にせよ、セミナーにせよ「良いものを作ったから売れる」とは思ってません。

良いものを作ったらその3倍売るための努力をする。つまりマーケティングに力を注ぐべきと考えています。

 

SEO対策もfacebook広告を出すのもマーケティングです。世に広く認知していただくための立派な戦術。

本屋さんでポスター掲示料を払って、良い売り場にポスターと一緒に並べてもらうのもマーケティング。

200冊積んでもらう代わりに、売れ残ったら買い取りますっていう返品保障とか、1冊につき〇円の報償金をお支払いしますというのもマーケティング。(報奨金は出版社が自主的にやるケースがほとんどで著者はノータッチだと思います)

セミナーに本の購入割引を付けて参加者に本を購入してきてもらうのも、友人一人一人に「本を買ってくれ!」とメッセージ送る、そういう泥臭いお願いをするのも全部マーケティング。

 

これらを実行するために必要なお金も、時間も、人脈も著者が用意するわけで、それはつまり「著者の実力」ですから僕は全部OKだと思ってます。

それで認知や展開が増えて、ちゃんと売れれば一人でも多くの読者に届いたということです。

実はどれだけ販促活動をがんばって露出や書店展開を増やしても、本がショボかったらやっぱり売れないんです。

だからマーケティングで本が売れるというのは、本の中身がちゃんと素晴らしいことの証明なんです。

 

それだけやって「売れましたね」と言われたら「良い本書いたし、マーケティングがんばりましたからね」と胸をはって言えばいい。

華やかな成果の水面下で、必死にバタ足してるとこは見せなくてもいい。そういうとこもまたカッコイイと思います。(自慢する派は自慢してよし・笑)

マーケティングの線引き

ただ、ランキングの印象操作だけは引っかかるんですよ。

それってマーケティングなのかなと。

映画の「全米一位」なども、小さい字だけどちゃんと「何日~何日までの興行収入」とかって書いてありますよね。

書店さんも「買取はありがたいけどランキングには入れたくない」とおっしゃる方が多いです。Amazonもそういうふうに自社のランキング使われるの嫌がってますからね、昔ですが、最低何日以上ランクインしなかったら使わないでくださいって通達が出版社に来ました。今はどうか知りませんが。

 

そういうマナーをちゃんとしないと、小さいものを大きく見せようとしているだけな気がします。

良いものを認知してもらうための泥臭い努力と、小さいものを大きく見せようとかっこつけることは違うんじゃないかと。

だから2万部の本をベストセラーと言ったり、Amazonランキングを不正確に使ったりするシーンを見ると「おいおい・・・」と思ってしまいます。

 

逆に言うと、正確に使うなら良いと思っています。

僕もAmazonランキング大賞11位に入った(年間ランキングのこと)というのは書かせてもらいましたし、瞬間瞬間で「昨日の何時の時点で〇〇ランキング〇位に入りました~!」とfacebookで宣伝したりもしますから。

僕は費用対効果が悪いと思ってるからAmazonキャンペーンは絶対に勧めませんが、非合法ではないので、Amazon側がちゃんと事前に仕入れ対応してくれてるなど、お互いにわかってやってるなら別にいいと思います。

そのランクインの結果を宣伝するときに、「〇日の何時のランキングで〇位」と正確に表現するなら問題ないのです。その場合もあえてわざわざ「Amazonキャンペーンで」と言う必要もないでしょう、一生懸命泥臭くがんばったことには変わりませんし、それをやってもらえるだけの人間関係を作ってきたことは素晴らしいですから。

 

僕の中でマーケティングのためには「なんでもやれ!」っていうマーケターとしてのプライドと、「これはダメだ」というマーケターとしての意地があります。

そのラインは非常に繊細ですが、小さいものを大きく見せようとしているのかどうかが、そのラインなのかなと思いました。

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増刷率90%。平均部数49,000部。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。
書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。
膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。
上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(23万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

業界の活性化を目的として、版元・書店との人脈を活かした合同勉強会や、新卒向けにメディア就活ボランティアも行なう。

「営業だったからこそ、著者・出版社・書店に提供できるモノがある」と増刷ロジックや書店巻き込みマーケティングを駆使したプロデュースを行う。

本は読者のためにある。という考え方から「ブランディングの為に本を出したい」とおっしゃる方には、笑顔でドロップキックをプレゼント(笑)


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