ゲラとは?ゲラ刷りの意味や「原稿」との違いを解説【出版用語】

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ゲラには2種類の意味がある

ゲラという言葉、主に2種類の意味があります。

 

一つは出版・印刷業界で使われる「ゲラ刷り」のこと。

もう一つは関西でよく使われる「すぐ笑う人」のことです。

 

「ゲラ刷り」は「校正(誤字脱字のチェックなど)」を行うための「校正刷り」のことです。

ワードなどで書かれた「原稿」を、イラストやデザイン、ページ番号等が入っている「本番のレイアウト」に流し込んだものになります。

 

関西で使われる「ゲラ」はなんでもすぐ笑う「笑いの沸点が低い」人のことです。

僕は生まれも育ちも関西なのですが、すぐ笑う友人のことを「ジブン、ゲラやなぁw」という感じで使用します。(関西弁のジブンはあなたのこと)

余談ですが、ゲラの子は小学校で牛乳飲んでる時に笑わされて「ブホっ!」ってなってるんですよね、毎回(笑)

言葉の印象として「ゲラ」は悪い意味ではありません。

関西人には「俺は笑いのレベル高いから、しょうもないことでは笑わへんで」というスタンスの人もいますが、個人的にはこういう方々より「ゲラ」の方がよっぽど好印象です。

 

さて、この記事では出版・印刷業界で使われる「ゲラ刷り」について解説します。

「ゲラ刷り」とは校正のための試し刷りのこと

「ゲラ」は出版・印刷業界では「ゲラ刷り」(げらずり)を指し、英語ではgalley proof(ギャリープルーフ)=校正刷りのこと。

「原稿」と「ゲラ刷り」は何が違うのでしょう?

「原稿」はたいてい横書きで、文章のみが書かれていますね。

対して「ゲラ刷り」はイラストやデザイン、ページ番号等が入っている「本番のレイアウト」に「原稿」を流し込んだものを指します。

文字や写真、図の配置と大きさを決めたり(この時点では写真やイラストは仮のもの=「アタリ」が入っていることも多い)、改行位置、改ページ位置を見るのに必須です。

本はタテ書きが一般的なので、文字や図のない本でも、ヨコ書きのワードがタテ書きに変換されるだけで印象は大きく変わります。(これを見越して、ワードでもタテ書きの設定で書く著者もいます)

 

また、ゲラが出ると本のページ数がわかるのですが、予想より多すぎたりして、編集さんからカットしてくれと言われることもあります。

本は1ページ1ページ印刷するのではなく、大きな紙を折って端を切り落とした「折(おり)」というものが集まったもので、たいていは16ぺージで1折です。なので16の倍数になるように調整するのですね。(その倍数にしないと原価率が高くなる)

校正とは?

校正とは本を印刷する前に行うチェックのことです。

誤字脱字のチェックや、数字が間違ってないか、著者が書いた原稿と相違ないかの確認などを行います。

プロの校正さんに依頼することも、編集部で複数の人間がチェックすることもあります。

不思議なもので何人の目で見ても、たまに見落としがあるんですよね。。。

校正を苦手とする編集さんもいます。

 

校正モレがあって印刷してしまった場合には「正誤表」を入れて対応することが多いです。

1か所の漢字間違いくらいならともかく、何か所もあると結構恥ずかしいです。

 

かつて一番ひどい校正モレの経験として、出版社時代、取次さんの倉庫に正誤表を入れに行ったことがあります。

確定申告の本なのに、税金関係の数字を何か所も間違えて、配本される直前にそれがわかったんですね。

どんなミスもミスには違いないのでダメなのですが「税金の本で、数字を何か所も間違うのはさすがにどうかしている」と編集部に偉い人たちが怒ってました。

 

また、よく似た言葉に「校閲」もあります。

これも原稿のチェックという意味では同じですが、見る部分・内容が違います。

事実関係の確認を主としてチェックするのです。

「雨の中〇〇さんと話した」という文章があれば「その年その時期、舞台となる場所で雨が降ったか」を調べます。

日本語としては正しいが、事実関係としておかしいこともあるのでそちらをチェックするのが校閲です。

ゲラ刷りの写真

上記がゲラ刷りの写真です。(一応モザイクをかけてます)

文字の他に、イラストや図も入っています。

左上のイラストは意図した印象から少し遠かったので、修正をお願いしました。

ここに直接赤ペンで修正指示を書き込んで、編集さんに期日までに戻します。

戻しは郵送だったり、スキャンしてオンラインストレージにアップロードしたりすることが多いですね。

そもそもゲラの語源・由来は?

写真はイメージです。

そもそも、「ゲラ」という言葉、本来は活字を組んだ版を入れておく「箱」を表す言葉でした。

この版での試し刷りを「ゲラ刷り」と呼んでいるうちに「ゲラ」=「ゲラ刷り」となったのです。

 

なぜこの箱を「ゲラ」(英語ではgalley)というかですが、元々は「ガレー船(galley)」からきているようです。

※英語のgalleyは「ガレー船」の他に、船内(航空機内)の「調理室」のことも意味します。(キャビンアテンダントさんがキッチンのことをギャレーと言いますね!)

ガレー船は古代から19世紀まで製作使用されていた船の一種で、風が弱く不安定な地中海で発達し、人力で進む点に特徴があります。

たくさんの櫂(オール)が船に設置されていて、それを水夫が漕ぐのです。

帆船に比べ効率は悪いですが、小回りと速度に勝ります。

また漕ぎ手として人員を多く配置するため、海戦に有利だということで、軍事目的で使用されました。つまり水夫がそのまま兵士になるのですね。

 

活字を組んだ長方形の箱(ゲラ)と、ガレー船に水夫が規則正しく並んでいる様から、ゲラ箱=galleyとなった説があります。

まとめ

ゲラは「ゲラ刷り」のことを指す言葉です。

印刷前のチェック用「校正紙」で、誤字脱字や数字の間違いを確認します。

元来は活字を組んだ版を入れておく長方形の箱を「ゲラ」と言い、その試し刷りを「ゲラ刷り」と言いました。

それが徐々に「ゲラ」=「ゲラ刷り」を指すようになったのです。

もともとはガレー船をあらわす「galley」から来たように、出版は人類の古い歴史ですから、調べてみると面白い由来がありますね。

奥付も大岡越前から来てましたし・・・。

奥付についてはこちら ↓ から。

奥付とは?意味や歴史、記載すべき7つのことを整理しました

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増刷率90%。平均部数49,000部。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。
書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。
膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。
上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(23万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

業界の活性化を目的として、版元・書店との人脈を活かした合同勉強会や、新卒向けにメディア就活ボランティアも行なう。

「営業だったからこそ、著者・出版社・書店に提供できるモノがある」と増刷ロジックや書店巻き込みマーケティングを駆使したプロデュースを行う。

本は読者のためにある。という考え方から「ブランディングの為に本を出したい」とおっしゃる方には、笑顔でドロップキックをプレゼント(笑)


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