小説・文学の種類・ジャンルを徹底解説【完全版】

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本好きの中には「小説好き」な人が多いですが、ひとくちに「小説」と言っても、「恋愛小説」「ミステリ」などジャンルごとに作品の雰囲気はガラッと変わります。

そこで本好きなら一度は思う「小説って、いったい何種類あるのだろう?」という疑問について、解説します。

この記事を読めば小説・文学の種類(ジャンル)はもちろん、日本における文学の歴史や、代表的な作家についてなど概要も知ることができます。

小説の種類と分類を解説!

小説の種類を整理するにあたって、まずはその分け方(分類方法)について整理します。

【小説の分類方法】

  • ジャンル
  • 物語の長さ
  • 作風
  • 時代背景や思想
  • 国や地域

すぐに思いつくのが、作品のテーマがどの「ジャンル」に当てはまるかという分類方法です。

恋愛を主題としていれば「恋愛小説」、謎解きがメインであれば「推理小説・ミステリ」といった分け方ですね。

しかし他にも、ストーリーの長さで分類したり、作風や時代と思想背景で分類することもあります。

国や地域で分ける方法もありますね。

 

以下でひとつひとつ解説していきます。

小説のジャンルで分類

もっともメジャーなのが「ジャンル」で小説の種類を分ける方法です。

それぞれ代表的なものを取り上げつつ、さらに細かいジャンル分けや、近いけど異なるジャンルなども紹介しています。

SF小説

SF=サイエンスフィクションの略称。科学的な知識をベースに書かれた小説。

ファンタジーと違い「科学的な理屈・裏付け」をベースに、そこから想像力を発揮させて書かれる。

未来の地球や宇宙が舞台になることが多いです。

珍しいところでは『竹取物語』や『浦島太郎』もSFに分類されることがあります。(月文明との交流やタイムワープという解釈)

恋愛小説

そのままズバリ、恋愛を主題に描かれる小説。

恋愛は、他のジャンルでも両立させやすく、いろんな作品の中で描かれます。

「恋愛要素があればすべて恋愛小説」ということもできますが、どちらかと言えば「恋愛がメイン」のものを恋愛小説と呼ぶことが多いです。

青春小説

恋愛小説と近いジャンルに「青春小説」があります。

こちらは恋愛に限らず学生時代の友情や、部活などを舞台に描かれる作品を指します。

かなりの確率で恋愛が含まれますが、恋愛要素が無くても成立します。

推理小説・ミステリー小説

謎解きが主題となる小説。「事件」が発生し、その解決に向けてストーリーが進行していきます。

事件は

  • 「誰が犯人か」(フーダニット/Who done it)
  • 「どんな手口か」(ハウダニット/How done it)
  • 「動機は何か」(ホワイダニット/Why done it)

の解明がメインとなります。

「クローズドサークル」と呼ばれる有名な設定が存在し、「吹雪の山小屋」や「孤島」など、外界と遮断されその中で犯人捜しをする(たいてい途中で犯人が第二第三の犯行を行う)ものがあります。

主な作家:東野圭吾、京極夏彦

イヤミス

ミステリ小説の一分野として「イヤミス」が存在します。

これは「読むと嫌な気分になるミステリ」のことで、ミステリの持つ「謎が解けてスッキリ!」という読後感を崩したものです。たいてい救いのない物語で、個人的にも苦手です(でもなぜか魅かれる…)

主な作家:真梨幸子、湊かなえ

政治小説

政治や政治家を主題とする小説。

実際の政治上の出来事を扱ったものから、フィクションまで存在する。

政治家自身が執筆することも多く、石原慎太郎氏が「故・田中角栄」氏を描いた『天才』などが好例。

また、何度も映像化・舞台化された有名な『レ・ミゼラブル』(ヴィクトル・ユーゴ―著)も、フランス7月革命を背景とした政治小説といえます。

歴史小説

実際の歴史に即したストーリーを、小説として描いたもの。

日本を舞台にした場合、「戦国時代」「明治維新」を扱ったものが人気。

中国の「三国志」と並んで「日本人が好きな歴史小説テーマ人気トップ3」です。

主な作家:司馬遼太郎、吉川英治

時代小説

歴史小説と似たジャンルに「時代小説」があります。

こちらは「史実に基づかない歴史フィクション」であり、登場人物も架空の人物です。

「時代劇の小説版」と考えるとわかりやすいでしょう。

主な作家:山本周五郎、藤沢周平

物語の長さで分類(短編・中編・長編小説・ショートショートなど)

同じジャンルの小説であっても、短編~中編~長編、ショートショートなど、話の長さで分類されます。

何文字以上で長編、といった明確な定義は存在しません。

 

短編については「短編集」が存在することから、「短編=1冊の本にできないくらいの文量」といえるでしょう。

 

ショートショートは短編よりさらに短いストーリーです。SF・ミステリ・ユーモアが多く、印象的なオチを楽しむ作品が多い。

なかでも星新一は「ショートショートの神様」と呼ばれたほどの名手で、ショートショート=星新一と言っても過言ではありません。

作風で分類

小説は「純文学」と「大衆文学」という二つの作風で分類されます。

純文学

作品の芸術性に重きを置いている小説のこと。物語の面白さのみを評価の対象としない。

分かりやすい例としては「芥川賞」(芥川龍之介賞)の対象作品。

(芥川賞は無名・新人作家のみを対象としているため、中堅以降有名作家は対象外です。ご注意ください)

大衆文学(エンタメ小説)

大衆文学(エンタメ小説)とは、娯楽性を重視した小説のこと。物語の面白さや心情描写などを評価の対象とする。

分かりやすい例としては「直木賞」(直木三十五賞)の対象作品。

※基本的には上記のように分けられますが、昨今ではこの境界も曖昧になってきていると言われています。

時代背景や思想で分類

より学問・研究的な分類として、小説の書かれた時代や思想でも分けられます。

啓蒙期

民衆を導こうとする明治初期の文学。西洋文化の翻訳・紹介が多数。

明治期に入ると西洋文明をどんどん取り入れていこう、西洋的なものなら何でも良い、とさえ言われた「文明開化」が興ります。

 

実は明治以前は、学問一般を指して「文学」としていました。※1

そのため小説、戯曲などは当時、文学として認められていませんでした。※2

よってこの時代の文学は学問的側面が強く、福沢諭吉の『学問のすゝめ 』など、西洋の思想を紹介する啓蒙文学が流行しました。

啓蒙文学の代表:福沢諭吉

※1:「文学」と「文学批評・研究」(2) ――明治期における「文学」の形成過程をめぐる国民国家論(9)、55頁。
※2:「文学」と「文学批評・研究」(2) ――明治期における「文学」の形成過程をめぐる国民国家論(9)、57頁。

写実主義とロマン主義

それまでの啓蒙主義的な文学に対し、坪内逍遥の『小説神髄』によって、「人情」を描写する重要性が説かれました。

以降、「現実をありのまま伝えよう(戯作や勧善懲悪は現実的でない)」とした写実的な小説が広がり、小説が文学として確立していきます。

◼︎写実主義:現実をありのまま伝えようとした文学。明治20年前後の文芸潮流。近代文学の出発点。
写実主義文学の代表:坪内逍遥(つぼうち しょうよう)など

◼︎ロマン主義:感情優位の強調、空想・恋愛重視など、開放的な自由を求めた文学。ヨーロッパのロマン主義の影響を受け、明治20年ごろから展開。
ロマン主義文学の代表:徳富蘆花(とくとみ ろか)など

※近代以降の文学の大まかな流れはこちらを参考にしています。

参考文献:山川出版社『日本史B用語集』

自然主義と反自然主義

◼︎自然主義: 自然や社会を見つめ、その負の部分も伝えようとした文学 。ロマン主義からの脱却を志向、写実主義を継承している。私小説や心境小説へと展開。

自然主義文学の代表:田山花袋(たやま かたい)、島崎藤村など

◼︎反自然主義: 自然主義に相対した文学のこと。反自然主義のなかでも、象徴派・耽美派などさらに細分化される。

反自然主義の代表:夏目漱石、森鴎外など

参考文献:山川出版社『日本史B用語集』

モダニズム文学とプロレタリア文学

◼︎モダニズム文学:大正末期から昭和初期の文学運動の一種。前衛的な表現方法を求めた。
モダニズム文学の代表:川端康成など
◼︎プロレタリア文学:労働者(プロレタリア)が、資本家(ブルジョア)に対する怒りや叫びを文学として表明したジャンル。「プロ文」と略されることも。
プロレタリア文学の代表:小林多喜二など

現代文学

主に第二次世界大戦後に書かれた文学。
現代文学の代表:太宰治、坂口安吾など

書かれた国で分類

アメリカ文学、イギリス文学などその土地・地域発祥の文学を指す分類法。

英文学と言った場合、「イギリス文学」を指す場合と、アメリカ文学等も含めた「英語圏の文学」の意味の場合もあります。

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