Amazonランキングの本は、本当に売れているのか?【ランキングの基準と仕組み】

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朝のスッキリ!!でやってる誕生月占いに一喜一憂する出版プロデューサーの西浦です。ランキング1位の日はなんだか嬉しいけれど、家を昼頃には忘れてるんですけどね(笑)

さて先週、著者とコンサルの後で飲んでいて「知り合いの本がAmazonランキング〇位に入ったんだけど、売れてるのかな?」って聞かれました。こういう会話ってけっこうありますよね。Amazonランキングに入っている=ベストセラーのような意識があって、著者もSNSなどで「Amazonランキング〇位になりました!」と宣伝したりする。一種のPRのように使われています。

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「Amazonで〇位に入っただけでは売れてるとは言えないんじゃないかな?本当に売れてるなら『5万部突破!』とか部数でPRすると思いますよ」と伝えると「なるほど!」と納得してくれてました。

もちろんAmazonランキング1位の本が売れていないということじゃありません。Amazonランキングの情報だけだと、どっちとも言えないということです。

 

その著者から「そういう情報の受け取り方とかわかんないし、Amazonランキングとの付き合い方みたいな記事書いてよ!」と言われましたので、Amazonランキング&商品レビュー(☆5つのやつ)との付き合い方をご紹介します。本選びの参考になれば!

(2019.02.16ランキングの集計方法についてご指摘いただき、より正確な表現に変更しております)



Amazonランキングについて

Amazonランキングは、ネット書店「Amazon」が集計・公開しているランキングです。

一般的には「売れ筋ランキング」のことだと思われていますが、他にも「急上昇ワード」「新着」など、5つの種類があります。

さらに「Amazonランキング大賞」として上半期と年間の年2回、一定の条件に基づき該当期間の売上データ等を集計した、人気商品のランキングも発表されています。

つまりAmazonのランキングには「ランキング大賞」と「ランキング」があり、さらに「ランキング」は条件を変えて5つ存在します。

Amazonランキングの5つの種類

<売れ筋ランキング>

商品の販売データなどを反映して、1時間ごとに更新される、人気商品のランキングです。

よく「Amazonで1位になりました!」とSNSでよく見かけるのはこのランキングであることが多い。

<新着ランキング>

特に新しい商品(予約または新着)の販売・予約データなどを反映して、1時間ごとに更新される、人気商品のランキングです。

<ギフトランキング>

商品がどれくらいギフト設定を利用してご注文いただいているかを集計した、1日ごとに更新される、人気商品ランキングです。

<急上昇ワードランキング>

検索されているキーワードを反映して、1日ごとに更新される、検索キーワードのランキングです。

<ほしい物ランキング>

最も多く「ほしい物リスト」に追加された商品のデータを反映して、毎日更新される、ほしい物のランキングです。


5つのランキングは更新頻度や集計されるデータが違います。

一般的に「Amazonランキング」として扱われる「売れ筋ランキング」は1時間ごとに更新されるランキングです。

すごく鮮度の良い情報なので、まさに「今、売れている」かどうかを判断するのに便利です。

しかし集計期間が1年のランキング大賞に比べ、売れ筋ランキングの集計期間は短いため、ランクインしたからと言って「即ベストセラー」とは言い切れません。

更新された直近の1時間や、前後の数時間だけすごく売れた可能性もあります。

例えばテレビで紹介された本なども瞬間的にたくさん売れますが、24時間もしないうちに平常モードに切り替わってしまいます。

(正確な集計期間は不明ですが、アマゾンキャンペーンでのランキング変動効果が大きいことと、TV放映など他のパブリシティ効果から、体感的に24時間程度と推測)

 

つまり売れているかどうか、ベストセラーかどうかを判断したいなら「Amazonランキング大賞」で見るのがより正確だと言えます。

「売れ筋ランキング」の場合は、せめて1週間くらいずっと追いかけて(1位でなくても)ずっと上位のものであれば売れていると判断できるでしょう。

大事なのは継続性ですね。

本当に売れている本を探すなら「Amazonランキング大賞」

2015年以降「Amazonランキング大賞20〇〇」という形で、通年と上半期・下半期で、通算売り上げをランキング形式にて紹介しています。

「Amazonランキング大賞」は通年(あるいは半期)の実績ですので、Amazonで売れていることは間違いありません。

計測期間が長い分、後述のアマゾンキャンペーンなどでの影響も小さく、世の中で実際にベストセラーになっているものがランクインしている可能性が高いと言えます

 

手前味噌ながら、プロデュース作の『血流がすべて解決する』がランキング大賞2016暮らし・健康・子育て部門11位にランクインしました。

(対象:家庭医学・健康、美容・ダイエットほか、暮らし・健康・子育て本 。集計期間: 2015年11月16日~2016年11月13日)

この時17~18万部くらいでしたので、順位と売れ行きについてひとつの参考になれば。

アマゾンキャンペーンとは?

Amazon売れ筋ランキングが「1時間ごとに更新される」という特性を利用して、戦略的に「ランキング上位を狙う」ことは可能です。

いわゆるランキング操作で「アマゾンキャンペーン」などと呼ばれている手法ですね。

 

具体的には、著者が「指定した日の特定の1時間」で多数の人に購入をお願いします。

そして瞬間的にランキング上位、可能なら1位を目指すのです。そこで1位を取れればその後の宣伝文句として「Amazon1位!」とPRしていきます。

 

これは違法行為ではないのかもしれませんが、Amazon側も「やめてほしい」と思っているようで、以前出版社あてに「一時的なランキングの結果を、宣伝に使わないでほしい」旨、書面で通達がありました。

正確な日数は覚えてませんが「使用する場合は何日以上ランクインしたものだけでお願いします」とのことでした。

著者にとってアマゾンキャンペーンはアリ・ナシ?出版プロデューサーが回答

このアマゾンキャンペーンはありなのでしょうか?ナシなのでしょうか?

僕としてはきわどいところですがナシかなと思っています。やりたい著者をわざわざ止めませんが「意味ないですよ」とはっきり言っています。

ここでは違法かどうかとか、道徳的な話ではなく、マーケティングの面で効果が薄いから反対しています。

Amazonは大きな本屋さんですが、あくまでネット上にある巨大な1店舗という感じです(つまりチェーン店ではなく、巨大な売り上げの単店)。例えばTSUTAYAや文教堂などのチェーンで売れた場合、本部がチェーン全体の注文を出して、全店で平積みするよう指示してくれることがあります。このようにして、ある店で売れたことが波及して「全国展開」された場合は、実際に各地に本を在庫してもらうことによる告知効果が得られるのです。逆にweb上に1ページしか商品ページのないネット書店だと、Amazonで売れたから、Amazonでの掲載ページが増える…といった露出の拡大はあまりないのです。

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1店としての売り上げで言えば、amazonが1番売ってくれる本屋さんかもしれませんが、チェーンの合計販売冊数で言えばAmazonよりも売ってくれる本屋さんはあります。

Amazonでどれだけ売れてもAmazonの在庫数が増えるだけですが、リアル書店で売れれば法人全体から注文が来たり、他のライバル書店も注文してきてくれたりと「拡がり」があります。ですので、アマゾンキャンペーンを応援してくれる友人がいるなら、リアルな店舗で買ってもらったがよっぽど、マーケティング的においしいと思うのですが、いかがでしょう?

Amazonランキング&商品レビュー(5つ☆評価)との付き合い方

Amazon売れ筋ランキングについては、著者が仕掛けたアマゾンキャンペーンによって上下した可能性があるので、あまり信用しないほうがよいでしょう。数日間続けて上位にランクインしているなら別ですが、ランキングをみるなら「Amazonランキング大賞」で見ると失敗が無いように思います。

 

また、Amazonには商品レビューがあります。5つの☆で点数をつけ、ユーザーが感想を書きこむものです。

これはそもそも一人のユーザーの個人的な感想なので、あまり反応しすぎるのもよくありませんね。例えば☆5ばかりだったり☆1ばかりだと偏りすぎで「ファンか業者が☆5にしてるだけ」か「アンチが☆1にしてるだけ」っていう可能性があります

では、Amazonレビューは完全に無視した方が良いのでしょうか?

僕は次の2つの基準を満たしたものは参考にして良いと考えています。

  • 評価のバランスが「く」の字型になってるもの
  • レビューの数が多いもの

です。

 

評価のバランスが「く」の字型というのは、☆5と1が一番多く、次いで2,4となり、3が一番少ないもののことです。

なぜかというとそれが最も自然な評価のバランスだからです。☆3つまり「普通」と思った人はわざわざ書き込んだりしません、めんどくさいからです。ですから☆1や5のような良くも悪くも心動いた人が書き込むことが多いはずで、☆5から順に右に長く(評価者が多く)、☆3が一番短い、そして☆1も長いという、ひらがなの「く」の字型になるのが最も自然なバランスなのです。

業者やアンチが入るとやっぱり評価も偏って、「く」の字型になりません。ちゃんと「く」の字型で、そのうえ☆5,4がやや優勢のものを「自然なレビューだな」と判断しています。

 

またレビュー数が多いというのも、自然なレビューの割合が増えるから参考になります。特に基準はないですが、レビュー40以上なら信頼度が高いと判断しています。(業者や知人に頼むとして、せいぜい20~30くらいじゃないかなと思うからです)

レビュー数40以上あるのに星の数が5や1に偏っていたら本当に素晴らしい本だったり、つまらない本なんだろうなと個人的には思っています。

まあ、しかしランキングもレビューも、他人の評価の合計でしかありません。その本が面白いかどうかはランキングやレビューに関係なくあなたが決めて良いのです。

むしろ、みんなが激賞している本でも「俺は面白くない!なぜなら~」と理由を言える人がいい読者だと思うし、周りの反応を気にせずに本を買って「ああ、やっぱり面白くなかった、だまされた」という経験をしてきた人だけが本当に(自分にとって)良いものを見分ける目を持てるのだと思います。

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増刷率90%。平均部数49,000部。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。
書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。
膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。
上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(23万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

業界の活性化を目的として、版元・書店との人脈を活かした合同勉強会や、新卒向けにメディア就活ボランティアも行なう。

「営業だったからこそ、著者・出版社・書店に提供できるモノがある」と増刷ロジックや書店巻き込みマーケティングを駆使したプロデュースを行う。

本は読者のためにある。という考え方から「ブランディングの為に本を出したい」とおっしゃる方には、笑顔でドロップキックをプレゼント(笑)


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