昨日、娘(10ヶ月)が雑誌の中華特集記事を振り回しながら「パ、パ」と言い、朝ごはんを食べさせてたら僕の方を見ながら「バ・・・カ・・・」と言い出した、出版プロデューサーの西浦です。生まれて始めて口にした「バカ」が父親に向けてって、ひどすぎるんですけど!
さて、どんな大御所、ベストセラー作家もはじめはみんな新人。いつの間にか新人クサさが抜けてベテランになっていくものですが、その違いはどこにあるのでしょうか?
僕が思うにその1つは「心構え」の違いだと感じます。
出版の世界でベストセラー作家、著者を目指す人が早く「新人」を抜け出せるようプロと新人との視点の違いを解説します。
- ベストセラー作家と新人は何が違うの?
- 1冊目を失敗したくない
という方に役立つ内容となっております。
目次
プロの作家は「売る」視点
打ち合わせや、書店リサーチをしている時、私やクライアントは常に「どうすれば売れるか?読んでもらえるか?」を考えながら、行動し、施策を練ります。
なぜかというと僕は本を「人と人が助け合う仕組み」だと定義していて、
その意味で、読んでもらえなければ本は、ただの紙とインクでしかないからです。
厳しい言い方かもしれません。しかし本に存在価値をもたらすためにも「読んでもらう」ことをどれだけ意識できるかが、プロと新人の違いなのではないかと思います。
そうなると我々は常に、
- 読者目線であり、
- 書店員目線であり、
- 取次目線であり、
- 出版社目線で、
企画を練ります。
(うわぁ…大変)
もちろん、それは簡単なことではないので、僕が出版社のマーケティング経験者として、10万部から逆算して、著者と一緒に企画を練るし、それでも足りないから、常に現場(書店)に足を運び、情報交換をしています。
「現場百回」は出版業界でも超重要です。
なぜ新人の本は売れないのか?
そもそもこの記事を書くことになったきっかけは、クライアントと話していた「なぜ未経験の出版希望者が作る企画書は、あんなに的外れなのか?」という話題です。(失礼・・・)
企画書の書き方については
「売れる本を書きたいと思ったら3つの視点を持つ【出版社に採用される企画】」
に譲るとして、ここでは、考え方にフォーカスしてみます。
新人作家さんに決定的に欠けているのは「出版された後の世界」へのイメージなんですね。
出版は投資ビジネスだから、当然、投資分は回収しなきゃいけない。
つまり回収=売れるという図式なわけで、本を出版社に出してもらう以上は、こっちは売れる本をつくらないといけないんです。
特に1冊目、デビュー作は超・重要です。
なぜなら既刊本がある場合、ほぼ100%他の出版社が実績を調べるからです。
つまり1冊目が売れなかったあなたは、他の出版社から「回収できない、不良債権」扱いをされているかもしれないのです。
最初は読者視点から始める
新人作家や、これから作家デビューを目指す方は、とにかく自分は「投資」の対象であるという意識を持ち、企画をつくってください。
若い才能が、出足でつまずくのはよくあることなので、本当に気をつけてくださいね。
とはいえ、いきなり
- 読者目線であり、
- 書店員目線であり、
- 取次目線であり、
- 出版社目線で
企画を練る。
なんてことは出来ないだろうし、かといって、周りにすぐ相談できるプロがいるとも限りません。
そんなあなたはどうすればいいのか?
まずは読者視点を身に着けてみましょう!
≪読者視点の効果的な身に着け方≫
- 書きたい本のジャンルを決める
- そのジャンルの本を片っぱしから読みまくる
- 企画書を書く
- そのジャンルが好きな友人に企画書を見せる
- 感想を素直に、冷静に受け止める
プロは周りにいなくとも、読者は周りにいますよね?
あなた自身がそうですし、あなたのご友人もそうです。
まずはあなたが「プロの読者」と呼べるくらい、そのジャンルの本を読んでみましょう。そうして、身に着いた目線で、自分の企画書を作成します。その後、その企画書を「友人」に見せるのです。
なぜ自分が「プロの読者」になってから、わざわざ友人に見せるのか?
答えは簡単で、読者は素人で、かつワガママだからです。そして彼らは圧倒的に正しく強い立場にいるのです。
なぜなら、選ぶ側だからですね。僕らが作る本は読んでもらうことではじめて価値を得る。。。というのは冒頭で述べた通りです。
あなたの企画書を見てくれる友人は、読者代表です。
世の中の読者のほとんどは、「プロの読者」となったあなたほど、そのジャンルに精通していないのです。
その目線を、素直に、冷静に受け入れることができれば、かなり読者目線が身についたといえるのではないでしょうか?