売れる本3つの特徴【出版社に採用される企画】

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本を書くぞ!と意気込んで企画書を書いても、出版社にまったく相手にしてもらえない人もいれば、とんとん拍子で採用され、出版が決定する人もいます。

以前、出版社のマーケティング部にいた頃は、たくさんの企画を泣く泣く、たまに無表情に、ボツにしてきました。出版社にしては珍しいケースなのですが、企画の合否は編集会議ではなく、その後の営業との会議で決定するという会社だったのです。

その時、ふと気づいたのはボツ企画の中に「惜しいな~」というレベルのものは、ほんの一部しかなく、「売れそう!いいね!」という企画か「いや、これはないだろう」というレベルの企画の2つにピッタリと分けられることが多いこと。

今回はそんな「絶対通らない企画」を出して恥を書かない為に採用される「売れる本の3つの特徴」をご紹介します。

本の出版方法を知りたい人はこちらの記事を参考にしてください。



売れる本は「広くて強い」ニーズを持つ

ニーズとは、読者の求めていることです。そのニーズは「広さ」と「強さ」で測るのですが、両方のバランスがよいニーズを「太いニーズ」と当時は呼んでいました。

まず「広さ」ですが、狭い企画はマニア向け、広い企画はみんなが興味のあることです。通常のビジネスでは、マニア市場は単価を上げることで、ビジネスモデルとして成立させますが、出版業では価格の幅にも限界があります。100万円の本とか見たことないですよね?

 

居酒屋で本音で話す内容はテーマになる

どの程度の市場規模があるのか?それを冷静に判断してみましょう。

たとえば飲み会などで『あと5万給料が増えればなー』っていう「魂の叫び」をよく耳にしますよね?あ、あなたもですか?僕もですよ(笑)これほど広く共感を得るテーマ魂の叫び)であれば「副業」の企画や、「資産運用」、「貯金術」の企画など、市場規模として成立しそうです。

お金の他にも出世や人間関係、出会いなど居酒屋はいろんな魂の叫びが聞ける良い場所です。

 

強い企画とはお金を払ってでも読みたいもの

とはいえ、市場規模が広くても、あまりに弱いニーズは買ってもらえません。立ち読みで済ませたり、ネットで調べるので十分というものですね。自分の企画は「お金を払ってでも読みたいくらい、強いニーズを満たすもの」なのか?そこを冷静に、一度落ち着いて、お茶でも飲みながら考えてみてください。

『でも俺、自分に甘いからなー、ゆとりだからなー』って自覚のある方は、ターゲットとイメージ的に近いお友達に、ご飯でもおごって、意見をもらうといいかもしれませんね。で、そのリアクションが良かったら、だいたい3割~5割減くらいで考えていいと思います。友達の子どもの写真を見せられて『カワイイね~』っていうくらい無責任に言ってますから(笑)それで本当にお金を出して買う人はほとんどいません。そんなものです。

とはいえ「自分に甘い」自覚がある時点で、かなり冷静な方でしょうから、友人のコメントも鵜呑みになんてしてませんよね?というわけで、この「ニーズの広さと強さのバランス」をチェックポイントとして、自分の企画を考えてみてください。

それで、どうしても、「自分の企画が狭く浅く感じられてしまう場合」は、一度プロにご相談されると良いかもしれません。切り口を変えることで、太いニーズを満たすことができることもありますので。

 

新しいコンセプトはあるか?

ニーズが言うなれば、ある種の「ベタさ」を求めていたのに対し、コンセプトに求められるのは完全に「新しさ」です。

そしてこれが、企画書を書くうえで、最も難しい部分でもあります。いや、本当に、これが企画のキモですから。コンセプトこそがその企画のオリジナリティです。他の似たような本の中から、わざわざその本を選ぶ理由になるのです。

 

コンセプトは時代の変化

例を挙げてみましょう。
類書がたくさんある「仕事術」の本の中で、どんなコンセプトで新しさを打ち出していけば良いのでしょうか?かつて「中間管理職の仕事術」というコンセプトを見出し、ヒットしたのがはじめての課長の教科書です。

以前、仕事術の本は、新入社員向けの入門編から、いきなり経営陣まで飛んで、リーダーシップやマネジメントの本になっており、中間管理職向けのものがなかったのです。昔と比べ今では、明らかに中間管理職の重要性と、プレッシャーが増大しています。そこに新しいニーズが生まれていることに気付くかどうかが大切です。

新しいコンセプトはその瞬間から古びていく

しかしこの「課長の~」も既に過去のコンセプトです。その後「課長の~」という企画はたくさん発売され、すでにコンセプトとしての新しさはありません。新しさというものは常に変化していきます。新しい!と感じた瞬間からすでにそのコンセプトは過去のものになっていきます。だから常に新刊をチェックし続けないといけないのです。

常に「このコンセプトは新しいか?」を探り続けてください。でも新しさを求めすぎて、狭いニーズにつかまらないに注意してくださいね!

タイトル、構成案で目を釘付けにせよ

タイトルはコンセプトとインパクト

本当は装丁も重要なので、ここに並べたいところですが、装丁ばかりは、企画成立後の話になってしまうケースが殆どなので、外します。

タイトルの重要度は言わずもがなですよね。コンセプトを言い表し、かつインパクトのあるタイトルになっているか?をチェックしてみてください。
たとえば「課長の教科書」では

  • 「教科書」の部分で「入門的な仕事術であること」
  • 「課長の」の部分で「ターゲットの明確化」

を狙い、コンセプトを伝えつつ「課長」と「教科書」っていう言葉のギャップでインパクトを出しています。教科書って初級者向けなのに、課長は中級者というギャップです。

また「中間管理職の教科書」でも意味は通りますが、世の中に「中間管理職」という肩書の方はいないので、「課長」の方が読者に与えるインパクトが強いですね。

構成案でレジに連れて行く

そして構成案です。
「引きのある構成案になっているか?」が最も重要です。

日本の読者は、書店で本を買います。(いまだにネット市場は1割くらい。)つまり、手にとって中身を確認して買うケースがほとんどだということです。

タイトル、装丁で興味を引き、手にとっていただいたとして、それをレジに運んでもらうには構成(目次)の部分と、「はじめに」の面白さにかかっていると言っても過言ではありません。

  • 目次でどういう内容かざっくりチェックして、目を引いたトピックのページをパラパラめくる「抜粋読み」
  • 最初の18ぺージほどを読んで決める「冒頭読み」

という2パターンが本を選ぶ前の主流と言われています。最近ではネットで評判を検索してる人も増えてきましたが、上記2つと比べるとまだ少数派でしょうか。

特に構成案のオリジナリティ=あなたのコンテンツのオリジナリティなので、企画書の段階では非常に重要視しています。タイトルは本を作っている過程でいくらでも変更できますが、中身は完全に著者自身の中にあるものですからね。あとから急に増やしたり変更したりできません。


企画書の体裁は出版社ごとに違うのですが、今回ご紹介した「ニーズ」「コンセプト」「タイトル・構成案」の3つを外さないよう企画書を書いたら、出版社の企画会議も通りやすくなると思います。

実際に自分が書きはじめる前に相談してみたいという方には、出版セミナーもございます。リアルなフィードバックをさせて頂けるのは、直接お会いするメリットだと思っていますので、ぜひご参加ください。皆さんの想いが1冊の本という形になるお手伝いが少しでもできたら嬉しいです。

出版セミナーin東京【大手出版社の元マーケターが売れる本の秘密を公開】

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増刷率90%。平均部数49,000部。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。
書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。
膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。
上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(23万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

業界の活性化を目的として、版元・書店との人脈を活かした合同勉強会や、新卒向けにメディア就活ボランティアも行なう。

「営業だったからこそ、著者・出版社・書店に提供できるモノがある」と増刷ロジックや書店巻き込みマーケティングを駆使したプロデュースを行う。

本は読者のためにある。という考え方から「ブランディングの為に本を出したい」とおっしゃる方には、笑顔でドロップキックをプレゼント(笑)


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