粋すぎる神対応でハートをがっちりつかまれた方法その2

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前回「お客様をがっちりつかんでファンにすること」について「かけたお金や時間よりもサービス精神が重要なんじゃないか」という考察を書きました。

「ファン化する、ロイヤルカスタマー化する」など、文章にすると簡単ですが、実際にどうやればいいのかについては非常に難しい。

そこでさらに著者やセミナー講師さん向けに、こうすると良いかもしれないという具体的な提案までいきたいと思います。

というわけで、今回は「個別対応に心つかまれた話」からです。

目次

貴重な1点ものを、たった一人の貴重なお客様に!

※『蒼天航路』とは1994年に連載を開始した王欣太先生の漫画作品。敵役とされやすい『曹操』を主人公にしたネオ三国志。2005年に連載修了、後にアニメ化。

昔から『蒼天航路』というマンガの大ファンで、特別版の画集とか、フィギュアなど関連商品も買ってコレクションしています。酒の席で面白い作品を聞かれれば『蒼天航路』と答え、誰かが入院したら差し入れに『蒼天航路』を持っていき、風邪をひいて寝込んでいると聞けば『文庫版 蒼天航路』を薦めてきました(文庫版は軽いから、寝てても持ちやすいよね)

この『蒼天航路』ですが2017年に新たな動きがあり、『GALLERY CUORE(ギャラリークオーレ)』さんで、原画の販売を開始したのです。

実はこの数か月前に原画の販売に先駆け、10枚限定の複製原画というのを販売していて、僕はそちらを購入していました。

今回売りに出されている原画は当然すべて1点モノで、非常に『貴重』なものです。僕もさっそく1枚購入しました。

そして、その原画が自宅に届いたときに衝撃を受けるのです…!

 

なんと原画と共にメッセージがあり、ギャラリーの方の自筆で「またのご注文ありがとうございました」という言葉と、先生からのプレゼントとして人気キャラクターである『夏侯惇』のミニ原画までおまけでつけてくださったのです!

原画一つ買って、もう一つ原画がついてくるというのは「サービス過剰」でしょう!

スーツ買うともう一つスーツが付いてくる、某紳士服並みのサービス精神ですよ。

しつこいですが、原画って1点ものなのに・・・

 

なによりも複製原画の購入から数ケ月経っているし、引越して住所も変わったので、会ったこともない僕のことを覚えていてくれたことにまず驚きました。(後に判明しますが、僕が買った限定版のエディションナンバーまで覚えてらっしゃった)

原画もすべて1点モノなら、買った人もすべて、一人一人1点モノならぬオンリーワンです。

「本当に貴重な、一つしかないもの」を「一人しかいない、貴重なお客さんに向けて届ける」という認識があるからこそできることだと思いました。

ただの良い顧客が、無償の宣伝マンになる

実は最初の複製原画を買ったときは「嬉しさを伝えたい気持ちもあるけど、twitterとかでそれを先生にPRしたらやらしい人間に映るかなぁ」などと一人迷い、何も行動に移せませんでした。しかし、今回は原画のプレゼントを受け取ってますからお礼を言ってもおかしくない!という口実ができたのです。

写真と一緒に、ギャラリークオーレさんと先生のtwitterアカウントにメッセージをし、どちらからもお返事をいただけて興奮しました。そしてこれが、僕をただのリピーターから、宣伝マンに変えた瞬間です。

いざ自分がファンになるとよく分かりますが、その作品が好きでも気安く著者に絡んでいったり、宣伝したりというのをしづらいタイプのファンもけっこういるのです。

 

これで禊は済ませたとばかりに、それ以降は頼まれもしてないのに積極的にギャラリーのツイートをリツイートしするなど、すっかりファンになりました。

思うに、著者が積極的にリツイートやシェアをしてあげたりタグ付けをOKですよと書いたりして「いいんだ」ということを伝えてあげるのはけっこう重要なのだと思います。

もちろん、ツイートや、感想を投稿するにはエネルギーが必要なので、「嬉しい」「感動」といったものを読者に届けてあげるのが先です。

僕にとっては「覚えていてくれた」「原画に原画という過剰サービスをしてくれた」という特別感がきっかけでした。

宣伝マンになるのに十分すぎる興奮ですよね。

ギャラリーで涙を流したほどの神対応

そして10月27日が『蒼天航路』の連載開始日ということで、「蒼天の日」として記念キャンペーンを実施。新着原画を12時ちょうどにアップすると同時に、原画購入者へ「とっても良いものプレゼント」を企画してくださりました。

web上の熾烈なクリック争いを勝ち抜き、無事に原画を購入。その後、直接ギャラリークオーレさんにも行ってみることに。実は今まで一度も行ったことがなく、『蒼天の日』というのは初めて伺うのにちょうど良いタイミングだなと思ったからですね。

ギャラリーに到着して非売品の原画や、まだ購入待ちの原画らを「尊い…」と拝んでいたらスタッフの方が声をかけてくださりました。そこで「実は『蒼天の日』でさっそく原画を買わせてもらったんですよ」とだけ伝えたら、いきなり「ひょっとして西浦さんですか?」と言われたんですね。

ふつうネットで商品を買ってくれたお客さんの顔までは分からないですよね?その日にネットで原画を買った人は複数いましたし、僕の顔はおそらくtwitterで御礼のリプを送ったときに1回見ただけだと思うんですよ。

『それだけでこの人は僕のことを覚えていてくれたのか・・・』

『っていうかそもそもこの人たちのおかげでこんな貴重な原画を買えてるんだよな・・・』

そう思うと感動してきて、御礼を伝えようとしたのですが、もう涙があふれて何も話せませんでした(笑)結局ティッシュもらってしまって余計に迷惑をかけてしまいました。

 

結局のところ、今回は究極の「個別対応」に心つかまれたのだと思います。

出版などではどうしても単価が千円強と低いこともあり、特典は「複製可能なもの」になりがちです。

また講演会なども「いかに多く集めるか」というモデルにならざるを得ないので、個別対応するのはかなり難しい。

けれど参加者一人一人(希望者全員)と写真を撮る著者はいますし、結婚式などでは列席者全員に簡単なメッセージを書いたりもしますよね。

自分の座席にカードがあって、そこにメッセージがあればそれだけでちょっと幸せになるのではないでしょうか?

 

またセミナーなども、フロントエンドにあるようなものは、そのあとのバックエンドへの誘導目的になりがちで、自然募集人数も20名から、多ければ多いほど良いという発想になりがちです。

でも、こういう「初めてお客さんと直接接する場所」こそ、あいさつする前から「ひょっとして●●さんですか?」と聞けるくらいの人数を対象にする方が満足度が高いと思うのです。

ひょっとしたら、その中にあなたのお客様になってくれる人はいないかもしれません。

でもきっと満足度は高くなるだろうし、中には僕のように宣伝マンになってくれる人もいるかもしれません。

出版TIMESでもオープンセミナーを個別対応するために定員8名で募集していたのですが、それでも多すぎるなと思うようになりました。

次回以降は4人か5人くらいでないと、みんなが満足するまで質疑応答の時間を取ったり、一人一人に密に企画のフィードバックが難しいかもしれません。

 

出版TIMESのオープンセミナーでは人数減らせば内容が濃くなる分、価格は上がると思うので、今の価格10,000円で受講できる最後のチャンスとなります。

12月のセミナーは8人定員ですが、全員にご満足いただけるよう、かなり事前準備等がんばります!

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