
ハタチの図書室企画 第一回!
どうも、最近いくら寝ても寝ても永遠に寝れてしまう学生出版プロデューサーの竹田です。
いや、最近じゃなくて比較的常になのですが(笑)
今回私は、
「主人公が大学生の小説って、どんな小説があるんだろう?」
と思い、
「せっかくだから調べていくつか読んでみよう!」
ということでざっくりと調査した中から5冊、選んで読んでみました!
ちなみに、大学生が主人公の小説はインターネットのサイトと、実際の書店に並んでいる平積みされた本たちを軽く調べただけでも約150冊。
よく聞く小説だと、ドストエフスキーの『罪と罰』や、有川浩の『キケン』。
また、映画化もされた七月隆文の『僕は明日、昨日の君とデートする』などです。
見つけられなかっただけで、まだまだ多くの大学生が主人公の小説たちが世界にあふれているでしょう。
私がその中から選んだのは、
- 『家庭教室』 著者:伊東歌詞太郎
- 『夜は短し歩けよ乙女』 著者:森見登美彦
- 『黒猫の刹那、あるいは卒論指導』 著者:森晶麿
- 『おいしいベランダ。午前1時のお隣ご飯』 著者:竹岡葉月
- 『余命10年』 著者:小坂流加
この5冊です!
以下、一作品ずつ紹介していきいたいと思います!
ちなみに、紹介の中にある「主人公紹介」は、竹田が作品を読んで思ったものです。
私の独断と偏見によるものなので、他に読まれた方がどう思うかはまた別の話……(笑)
目次
『家庭教室』
著者:伊東歌詞太郎
出版社: KADOKAWA
初版発行日:2018年5月16日
全413ページ
読破時間:約5時間30分
<主人公紹介>
大学二年生で元塾講師。
働いていた塾を実質クビになり無職になった巧だったが、塾の元教え子の親から、ちょっと癖のある家庭の「家庭教師」を依頼され、受け持ち始める。
面倒見がよく、難しい生徒とも自然と打ち解けられる。
<あらすじ>
家庭教師をしている大学生・灰原 巧を主人公に、彼が家庭教師として訪れた家族や子供が抱える問題に真摯に向かい合い、解決していく姿をオムニバス構成で描いた作品。
子供たちが抱える問題や、その心の機微を瑞々しく表現し、10代を中心に多くの読者から共感を集める内容は、歌詞太郎の楽曲同様、読んだ人たちの心を震わせるはずです。(作品帯より)
<好きな言葉>
P.67
「この世の中って、「ありがとう」を言えない人が結構いる。
でもそれ以上に、「ごめんなさい」が言える人はもっと少ない。」
(主人公、灰原巧の言葉)
<感想>
読み終えて私は、著者である歌詞太郎さんらしい世界観で、歌詞太郎さんらしい温かく、しかし毒のある作品だなと感じました。
表現が丁寧で、読みやすかったです。ただ、その分説明の部分が少し多めなので、そこが気になる人は気になるかも。私は2章がスッと入りやすく、特に好きでした。
「人間」を上手くとらえて描いているなと感じる作品です。
『夜は短し歩けよ乙女』
著者:森見登美彦
出版社:角川書店
初版発行日:2008年12月25日
全320ページ
読破時間:約4時間40分
<主人公紹介>
先輩…京都の大学生。サークルの後輩である“黒髪の乙女”に恋をするが、外堀を埋めるだけで行動できずにいる。頑張って“偶然の出逢い”を起こすのに気付かれず、報われない残念な先輩。
黒髪の乙女…先輩の後輩。天然で鈍感。とても優しく良い子で、好奇心旺盛。お酒に強く、コミュニケーション能力高め。
<あらすじ>
「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。
けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。キュートでポップな恋愛ファンタジーの傑作! 解説・羽海野チカ(本書の裏表紙より)
<好きな言葉>
P.21
「若人よ、自分にとっての幸せとは何か、それを問うことこそが前向きな悩み方だ。
そしてそれをつねに問い続けるのさえ忘れなければ、人生は有意義なものになる。」
(作品内に出てくる、錦鯉養殖屋の東堂さんの言葉)
<感想>
コメディで奇想天外がたっぷりという印象。
コミカルでちょっとかわいそうな先輩と、天然で抜けてる黒髪の乙女。必死に外堀を埋めて回る先輩の様子が面白いです。
ラストの「本当に自分は彼女が好きなのか」と先輩が悩んでるシーンはリアルに感じました。
ちょっと昔の言葉を使っていたり、漢字が難しかったりで調べたり、かみ砕くのが大変かも。
『黒猫の刹那、あるいは卒論指導』
著者:森晶麿
出版社:早川書房
初版発行日:2013年11月15日
全303ページ
読破時間:約4時間35分
<あらすじ>
大学の美学科に在籍する「私」は卒業論文と進路に悩む日々。そんなとき、唐草教授のゼミでひとりの男子学生と出会う。
なぜか黒いスーツを着ている彼は、本を読み耽るばかりでいつも無愛想。しかし、ある事件をきっかけに彼から美学とポオに関する“卒論指導”を受けて以降、その猫のような論理の歩みと鋭い観察眼に気づきはじめ…
『黒猫の遊歩、あるいは美学講義』の三年前、黒猫と付き人の出逢いを描くシリーズ学生篇。(本作の裏表紙より)
<主人公紹介>
大学の美学科4年生。院へ行くかなどの進路に迷い、卒論に苦戦中。
人からの言葉を素直に受け取りがち。
<好きな言葉>
P.287
「人の心は見えない。
見えないからこそ、怖くもあり、悲しくもあり、いとおしくもある。」
(主人公の言葉)
<感想>
「美学」という普段ほぼ触れることのない分野を取り上げた作品を読む機会は少ないため、内容を理解するためにこの本でいう“解体”をすることに少し苦労しました。
黒猫と主人公2人のかけあいや、黒猫が“論じていく”部分は「なるほどな」と思いながら、ミステリーチックに進んでいくのが面白く、上の2つの作品よりも、あまり日数をかけずに読み終えました。
『おいしいベランダ。午前1時のお隣ご飯』
著者:竹岡葉月
出版社:KADOKAWA
初版発行日:2016年5月20日
全283ページ
読破時間:2時間55分
<主人公紹介>
大学生になると同時に実家を出て、海外勤務になった従姉妹の家を間借りして学校に通うちょっと抜けている女の子。
<あらすじ>
進学を機に一人暮らしを始めた大学生の栗坂まもりは、お隣住まいのスーツの似合うイケメンデザイナー亜潟葉二に憧れていた。
ある時ひょんな事からまもりは葉二に危機を救ってもらうのだが、それは憧れとは程遠い、彼を真の姿を知る始まりで…?!普段着は黒縁眼鏡にジャージ。ベランダは鉢植えとプランターにあふれ、あげくに草をむしって食いながら「会社辞めてきた」って大丈夫このヒト?!
ベランダ菜園男子&野菜クッキングで繋がる、園芸ライフラブストーリー、スタート!(本作裏表紙より)
<好きな言葉>
P.226
「できないことには近づかない。勝負自体に乗らない。それが許されるのは、
それが本気で好きじゃない時だけだ。」
(主人公、まもりの言葉)
<感想>
比較的難しく考えずに、内容を楽しめる作品で、読みやすいなと思います。
この中だと一番読書初心者向けかなと。主人公まもりと、お隣さんの亜潟さんのやり取りはとてもコミカルで、私たちの日常でもあるような光景が描かれているように感じました。
また、作品内で出てくる家庭菜園の食材を使った料理もおいしそうで、読み終えて家庭菜園って面白そうだな、私も家で何か育ててみたいな、と思いました。(※本当にやるかどうかは別として)
『余命10年』
著者:小坂流加
出版社:文芸社
初版発行日:2017年5月15日
全358ページ
読破時間:約4時間05分
<主人公紹介>
20歳で難病を発症。残りの寿命は10年と宣告される。名前の通り“お祭りのようににぎやかで明るい人”と周りに認識されているが、本人は「笑顔は最大の防御」と思って、嫌なことがあっても笑って過ごしている。
<あらすじ>
死ぬ前って、もっとワガママできると思ってた。
二十歳の茉莉は、数万人に一人という不治の病にたおれ、余命は10年であることを知る。笑顔でいなければ、周りが追いつめられる。
何かをはじめても志半ばで諦めなくてはならない。未来に対する諦めから、死への恐怖は薄れ、淡々とした日々を過ごしていく。
そして、なんとなくはじめた趣味に情熱を注ぎ、恋はしないと心に決める茉莉だったが……。
衝撃のタイトル。衝撃の結末。涙よりせつないラブストーリー。
(本作裏表紙より)
<好きな言葉>
P.211
「人生なんかそういうものじゃないの?
ダメダメでもどっかになんかあって、全然ダメな時でも必ずなんかあって、不幸にまみれた中にたまに幸せがあったりするからいいんじゃないの?
たまにいいことがあるから生きててよかったーみたいになれるんじゃないの?
逃げ回っててそんなの見つかるわけない!」
(主人公、茉莉の言葉)
<感想>
最初の方から最後まで、ボロ泣きしながら読み終えた作品。
この作品は私が前から読みたいと思っていて、「20歳じゃん!」と選んだのですが、ほぼ学生のシーンがゼロで、やっちまった!と思いました。
人間の嫌な部分や強い部分、人間らしい面、風景などを美しい文字選びと描写で綺麗に表現していて、とてもきれいな作品です。
主人公の思いや考え方に共感しすぎて、私は大好きでした。好きな言葉も選ぶのにとても苦労しました。
……本当に大学生じゃなくてごめんなさい(笑)
以上、5作品でした。いかがでしたでしょうか?
この記事で、普段読まないような系統の本を読んでみようと思ったり、新たな発見があったり、こういうジャンルも面白そうだなぁと思ってもらい、何か少しでも気になる作品を見つけてもらえたら、そして、その作品を読んでいただけたら嬉しいです。
感想が拙く、本の良さが伝わりにくかったら申し訳ありません。
まだまだ精進中でございますので、お許しいただけたら幸いです。
それでは、今回の企画はここまで…
ありがとうございました!
またの機会にお会いしましょう!!
ライター・編集・イラスト:竹田