【書評】新年に立てた目標を『やらない理由』

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1年頑張って落とした体重を、正月だけで戻す、いやむしろ多めに超回復させるのが恒例の出版プロデューサー西浦です。あなたも脂肪の超回復してますか?

昨年は新年1発目の書評記事を張り切って元旦に更新、初詣と関連付けて『成功している人は、なぜ神社に行くのか?』をご紹介させていただきました。

【書評】成功している人は、なぜ神社に行くのか?【神さまは「他の参拝者を味方につけた人」の味方をする】

今年は新年最初の書評に何を取り上げようかと悩んでおりましたが、元来怠惰な人間でございまして、元旦はおろか、気が付けば世の中の正月気分もすっかり抜けており、完全にタイミングを逸しました。

そこでボク自身を振り返ってみて気づいたのです。

新年の抱負の一つ「毎日、日記をつける」をさっそく元旦から書き忘れた上に、2日目だけ書いてその後、本日まで一切書いていない。そればかりか、日記帳を開きもしていないという衝撃的事実に…。

この何とも言えない嫌な気分、そう「自己嫌悪」です。

あなたはどうでしょう?年始に立てた目標・抱負、ちゃんと守れてますか?
あるいは去年の目標・抱負、守れてましたか?お正月に神社で手を合わせた時にそもそも去年の抱負覚えてましたか?

もちろん、叶えていた夢もあったでしょう。しかし達成できなかった目標、守れなかった神さまとの約束もたくさんあったのではないでしょうか?
毎朝5時半に起きる、毎日ランニングする、お酒を控える…などなど。ご自分の胸にもう一度聞いてみてください。

どうでしょう?一つでも該当したあなたは、きっと僕のようになんだかイヤ~な気分になったのではないでしょうか。しょうがない奴だな自分、と。

しかし、達成できなかった目標を悔いて、自己嫌悪する前に、これから紹介する『やらない理由』を読んでみてください。

どんな本なのか

カレー沢薫先生のエッセイ。著者は1982年生まれ、OL兼漫画家・コラムニストで『ブス図鑑』等、キレのあるエッセーが大人気。SNSでは“自虐の神”と崇められ、20本近くの連載を抱える人気作家でありながら、平日はOLとして働きつつ、一日48時間twitterに生息しているという多忙な作家さんです。

本書ではダイエットや貯金、部屋をきれいに保つ、など固く誓ったはずの目標を達成できなかったときに、それを「やりたくない理由に屈した」のではなく「やるべきでない理由があったからしなかった」と考えようと主張します。挫折したのではい、英断を下したのであると。つまりそこらのスピリチュアル本よりよっぽどメンタルヘルスに効く、心の健康書です。

必要なのは反省ではなく、自己肯定

 

反省というのは 己の非を認め 同じ過ちを繰り返さないようにどうしたらいいかを考え それを実行して初めて「反省した」と言えるのだ

つまりそこまでいかなきゃ反省じゃねぇし する意味もねぇ

じゃあやめよう その反省もどき

本書ではいきなり反省の否定からはじまり、反省ではなく自己肯定が必要だと読者に語り掛けます。それはなぜか?

たとえば固く誓ったダイエットを食べ物の誘惑に負けて挫折した場合、人は己の意思の弱さを嘆き責めるでしょう。しかし、自分を責めすぎるのはよくないのです。なぜならメンがヘラってしまう原因は「自分が許せない」という状態に陥ってしまうことだからです。自分が自分であることだけは一生逃れられません。逃れようと思ったら文字通り死ぬしかなく、これは最悪の結末です。

よって無駄な批判はやめよう。やりたくない理由に屈したのではない、やるべきでない理由があったからしなかったのだと考えればよいのです。クレバーな選択なのだと。

正しい「やるべきでない理由」

つまり本書では、世の中に蔓延する「やった方が良いこと」や「やらなければいけないこと」に対し正しい「やるべきでない理由」を解説していくものです。

例えばダイエットなら、まず自分に「食うこと以外の楽しみがあるのか」を考えてみます。もちろん「無」です。すると、それを我慢してダイエットに成功したとしても、それは「痩せて良いスタイルを手に入れた」のではなく「生きる屍になった」だけに過ぎず、ダイエットをしなくて本当に良かった、クール&クレバーだとスムーズに理解できます。

というような感じで、各項目について予想を超える「やらない理由」をカレー沢先生が提示してくれるので爆笑しながら読んでいただくのが良いと思います。

最後にいくつか本書の見出し(やりたいことと、やりたくない理由)をご紹介します。これにどんな「やるべきでない理由」があるかはぜひ本書を買って燃やしてまた買ってください。

  • 仕事ができると褒められるのはいいが、仕事が増えるのは嫌
  • 好かれるのはいいが、振り向かせる努力をするのは嫌
  • 寂しがり屋だが、人付き合いは嫌
  • ピンチは乗り越えたいが、頑張るのは嫌
  • SNSに「いいね」してほしいが、「いいね」するのは嫌
  • 話は聞いてもらいたいが、あれこれ言われるのは嫌
  • 一人の時間も欲しいが、ずっと一人は嫌
  • 相手の本心は知りたいが、嫌いと言われるのは嫌

どうですか?ムカムカしてきたでしょう?ご紹介したのはほんの一部ですが、こんなことを飲んでる相手に言われたら「歯ぁ食いしばれぇええ!!」と叫んでしまいそうです。

こっちのメンタルを守るためにも、やるべきでない理由をしっかり学んで「良かったな!」って言えるようになりたいですね。

 

ちなみに僕が日記をつけられないのは「めんどくさい」「そんなの書いてる暇あったら寝たい」というやりたくない理由に屈したのではなく、「過去を振り返らず、前を向いて生きるため」だと気づきました。

 

増刷率90% 平均部数48,000部の出版プロデューサー。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(22万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

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Written by

西浦 孝次

増刷率90%。平均部数44,000部。 「血流がすべて解決する」(18万部)「奇跡の営業」(6.3万部)などデビュー作をベストセラーにプロデュースするのが得意。 おそらく業界で唯一、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。好きな食べ物は炒飯。