バナナ味のものにめっぽう弱い出版プロデューサー西浦です。さっきコンビニで『ガルボバナナミルク味』の誘惑に勝てませんでしたし、この1行書く間にすべて食べてしまいました。
先日、文章を書くのが苦手だという方向けに「自分で書けると、良いことづくし!」「自分で整理できていないことや磨かれてない言葉はライターさんに取材してもらっても出てこない」という記事を書きました。
するとうちのクライアントさんが「やっぱり書けるようにならなきゃダメですよね、でもなかなか何をどうしたら良いか…」と困っていたので、昨日アドバイスしました。
目次
読書感想文すら苦手だった人へ
僕は子供のころから国語が好きで、授業中にみんなで「ふきのとう」を音読しているときに、勝手に教科書を先へ先へと読み進めて、さっさと全部読み終えてる子でした。
給食の時間が始まっても学級文庫を読んでいたので、先生から『1週間学級文庫禁止』をという十字架を背負わされたなんてことも以前出版TIMESのどこかで書いた気がします。
ちょっとした活字中毒ですね、読書が合法でよかったです。
読むのが好きなら、書くのも好きで、読書感想文とか自由テーマ作文なども「なんて楽な宿題だろう」というくらい気楽にスラスラ書けました。
正解のないものの方が、自分の好きに書けるし、暗記物よりよっぽど楽だというわけです。
ただ、書ける=読めるくらいの文章であって、けしてうまいわけではありません。別にうまくなくてよいのです、とりあえず書ければいい。
かたやうちの奥さんのように「読書感想文が何より嫌い」という方もいます。
なにも浮かばない、書けない、と。
文章が書けない人にはいくつかの原因があります。その中からよくある原因2つと対策をご紹介します。
書き始められない人は汚い紙かTシャツに書くと良い
書けない人パターンその1は「書き始められない」です。
机の前に座って、コーヒーと、ペンと紙(あるいはPC)を用意して、白い原稿(PC画面)に睨まれたカエル状態の人がいます。
何から書いていいかわからない!何も浮かばない!ってやつですね。
基本的にやる気と同じで、書く気も「始めないと出てこない」のですが、そもそも書き始められないなら何も進められません。
実はこれはプロの作家さんや漫画家さんでもあるそうです。
実は僕が心から敬愛する漫画家さんも、「あまりに白い、キレイな原稿には描きづらい」タイプだとお聴きしました。
そこでその先生がどうされるかというと、原稿の裏側をペン先でちょんちょんと、わざと汚すそうです。
汚い紙になら気楽に一筆目を入れられるということですね。
紙に書く派の人はこれでいけますね、きれいなノートじゃなく、ちょっと落書きでもしてから書けばいいのです。
そのへんに落ちてたウラ紙とか、そのへんに落ちてたTシャツとか何でもいいでしょう。
PC派の人はどうすればよいでしょうか?下書き用のワードを作って、あえて前の文章を残すのもありです。僕はノートPCではそうしています。(wifiのない環境で書くこともあるからワードで書いてる)
もう一つ僕がひそかにおすすめするのが「1行目にしょうもない自己紹介を書く」です。
この記事の冒頭、
バナナ味のものにめっぽう弱い出版プロデューサー西浦です。さっきコンビニで『ガルボバナナミルク味』の誘惑に勝てませんでしたし、この1行書く間にすべて食べてしまいました。
という部分です。まったく何の価値もない、しょうもない自己紹介というか、あいさつというか、枕詞にすらなってません。
でも「書き始める」という意味ではこれほどハードルの低い文章もないです。
僕はこれも味だと思って残してますが、気に入らなければ後でここだけ消せばよいのです。
どういうやり方でもいいので「書きたい言葉」とか、「見出し」とか思いついたことから書くと良いかもしれません。
文章は別に1行目から書く必要はなく、部分だけとりあえず「書き始める」のが大事です。
意味が伝わらない人は好きなエッセイを見つけると良い
書けない人パターンその2は「書いている意味が伝わらない」です。
パターン1と違い、とりあえず何か書けているのですが、意味のおかしい文章になってしまうパターンです。
たとえば「よくある原因2つと対策をご紹介します。」と書いていながら、原因が3つあったり対策がなかったりする文章・・・という程度ではありません。
その程度のことはよくあることで、後で修正すれば良いのです。
出はどういった文かというと「原因」について最後まで出てこない文章とか、あさっての方向へ話が進んでいく文章です。
読者は「これから原因の紹介があるのか」と心の準備をして読んでいるので、いつまでも「原因」が出てこないことにイライラしたり不安になる文章です。
「意味が伝わらない」原因は「てにをは」がおかしいのはもちろんのこと、単語は正しいが、文章としてのつながり、言葉の運びが不正解だったりするからです。
文頭から句点(。)までの文章の意味がつながらなかったり、1行1行の意味はつじつまが合っていても、つなげて4行くらい読むとおかしい文章です。
人の頭の中の思い付きを、そのまま書いたような文章でしょうか?寝てる時に見る、夢に近いつながりです。「え、なんでこの話になるの?」「結局『原因』には触れないで話進んでるけどいいの??」と脳が読むのを拒否します。
これを解消するには、正しい文法を覚えるしかないです。英語だと質問するときには「Do you~?」と言うように、Doではじめて、最後に?で終わるというような型を覚え込ませるしかないからです。
しかし日本語の文法など、今さら覚えるのはめんどくさいでしょう。たぶんそういう本は読んでも面白くないのだろうし。
だからここは、面白い例文の宝庫である「プロのエッセイやコラム」から勉強しましょう。
自分が好きな作家さんのエッセイやコラムを買って読んで、たくさん「文章」をインストールしてください。時代物の映画を観た後で、語尾が「ごわす」になるように、言葉というのはわりとすぐインストールされます。すぐ抜けちゃうけど。
抜けないようにしたいなら、お手本の文章を書写するのがおすすめです。この場合はキーボードではなく、手書きの方が脳に残りやすいと言われています(詳細は不明)
文章を書く前に好きな作家さんのエッセイ等を読んでおけば、言葉運びなどニュアンスがインストールされているので、かなり改善されます。
なおwebメディアでの情報発信ならやっぱりwebメディアのコラム等を参考にするのが良いかなとは思います。
行間などが紙と違うし、そもそも横書き縦書きが違ったり、雰囲気が変わってくるのでなるべく近いものの方が良いでしょう。