うちの娘は朝食後にデザートのいちごを食べないと登園しないというセレブなのですが、今まではそのイチゴを半分くらいパパにくれてたのに今朝なぜか一つももらえなかった出版プロデューサーの西浦です。一つももらえませんでした。
…一つも。
毎日更新28日目。
昨日は著者との打ち合わせで「今の自分では満足のいく本を書けない気がする。だから一度、立ち止まりたい」という旨の相談を受けました。
曰く、最近「自分にはまだまだ知らないことがある」とわかってきて、今のまま書いても非常に中途半端なものになりそうだということでした。
僕はもちろん「それは良い判断ですね」とお答えしました。
目次
本を書くべきタイミングって?
この著者は「若手でまだまだ修行中」というような方ではありません。20年近くその道のプロとして実績を積まれ、クライアントの数も数万人に及びます。
はっきり言って第一人者と呼んでいいと思いますが、それでこそなのでしょうか。「まだまだ自分が分かってないことが分かってきた」のだそうです。
ソクラテスの「無知の知」ですね。
このまま企画にしてしまうと、浅い本になってしまうのではないかということで、「もう少し時間をかけましょう」ということに。
読者に対して、より良いものを提供したいと考えるなら、自分で満足のいかない本を出してはいけません。
ですがそれと同時に思います。どのタイミングで本を出すべきなのか?
本は一度出版してしまったら、もう修正が効きませんから慎重になりますよね。なかなか「これこそが正解」「これ以外ありえない!」「究極の〇〇」など言えるはずもありません。
とは言え、それでは誰も一生本を書けませんよね。
10年という時間の意味
僕は一つの基準として「10年」という期間を掲げています。その道10年の人には、10年間やってこれただけの「理由」があり、そこが差別化要因として十分コンテンツになり得ます。どんどん会社が潰れていく不景気の日本ですから、「生き残ってきた」ことがすなわち実力の証明であり、自己研鑽できるという保証です。(その意味で、バブル期より強い著者を探しやすいのかもしれません。)
また、10年間で蓄積された、たくさんのエピソードがあります。それはあなたとクライアントだけのオリジナルの物語です、このオリジナリティは武器になります。
もちろん5年でも実績やノウハウ、エピソードをしっかり持っている方もいます。でも、そういう方であればなおさら10年後はもっとすごいことになってるので、やっぱり10年は基準の一つだなと思います。
ただ、それでも自分が「まだなんじゃないか」と感じてしまえば、それは本人にとって「まだ」であり、これは経験や実績、ノウハウ不足というよりも、もっと著者自身の中にある不安とか、精神的な部分だったりします。
著者メディアは「著者になるためのメディア」でもある
そこで、僕としては「著者メディア」を起ち上げて、運営されることをおすすめします。
自分のメディアなので心いくまで満足できるレベルの文章を書いていいし、後で修正して、より良いものにしていくこともできます。本と違っていくらでも後で修正できるとか、自分で完全にコントロールが効くというのは大きいです。
何より「プロがチャレンジしていること」というのはそれ自体コンテンツであり、今チャレンジしていることだからこそ出せる「まさに、今、ココ」感は、絶対に本よりwebの方が相性がいいのです。
本は結果とそこまでの道程、やり方を書き残すメディアなので、チャレンジが満足のいく形で完結してから本にすればいいのです。
そのころにはあなたの「連載」を応援してくれていた読者たちが、本を買ってシェアしてくれる最強の応援団になっているでしょう。