本好きになる方法「全く本を読んだことがない人でもOK」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
  • Pocket

休日に丸まる一日、ひとりで遊びに行く予定を入れたりすると、妻が「家にいてもつまらない」という理由で実家に帰省したりするのですが、先週、僕がフルで遊びに行ったにも関わらず、お義母さんも外出されていたので帰省できなかったため、今週、妻が「振替え帰省中」の出版プロデューサー西浦です。

いや、今週ボク家にいるんですけど・・・?振替え帰省ってなんのシステム・・・。

 

さて、そんな妻が『本好きになる方法について書いてよ』と、突然言い出しました。

『え、なんで?』と訊くと『本を読みたい気持ちはずっとあるんだけど、なかなか積極的に読もうという気になれないから』とのこと。読書イベントをやってみて「読みたい気持ちはあるけど、実際には読めてない」人がたくさんいるなぁと感じていたので、ちょっとタイムリーでした。

妻のように「読みたくてもなぜか読めない」人は他にもいると思うので「本好きになる方法」について「僕が本好きになったきっかけ」とセットで、ご紹介していこうと思います。

ところで、読書好きってどこからそう呼んでいいのでしょう?今まで読んできた冊数なのか、年間の読書ペースなのか・・・?僕はどちらでもなく、「自分の読書軸を持ち、その軸を基準に本を選び、読める人」だと思っています。
ですので「読書好き=読書の自分軸を持っている人」という視点で、読書好きになる方法について解説していきます。

ちなみに、今でこそ出版プロデューサーという、本に関わる仕事をしていますが、僕は元々、読書家だったわけではありません。

なにせ僕が自分で「本好きになったな」と自覚したのは高校生の頃です。(遅い!)それまでは本はネクラな人の趣味だと思っていたし(笑)読書というと小学生のときに「かいけつゾロリ」シリーズは読んだかな、っていうくらいの、「ほぼ本を読まない人間」でした

ですから、ふだん本を読まない方も軽い気持ちでトライしてみて欲しいです


オススメされた本を読むのはオススメしない

誰かに本をお薦めされることってありますよね。そういう「オススメ本」は面白い可能性が高いのだけど、あくまで「薦めてくれた人」にとって面白いだけだったりすることも多いです。自分にとって面白いかどうかは、正直わかりません。

たぶんその人、誰かに薦めるくらいだから読書量も多い中級者以上だと思うんです。なので、たぶんおすすめの本も初級者向けの本ではないかなと。

同じ理由で「読んでおくべき50冊」みたいなのをネットで検索するのもお勧めしません。ああいうのは「本を読む習慣」「読書の自分軸」が出来てからの方が楽しめると思います。

 

なろうと思ってなれるものじゃない「本好き」にどうやったらなれるのか

今、本を読んでいない人は「読書に価値を見出していない」状態です。

その状態ではどんな名著であれ、やたら熱い上司に薦められためんどくさい1冊と変わりません。ですので、まずは読書の価値を見つけるところから始めましょう。

 

と言ってもなにも難しいことはありません。自分の悩みや興味のあることが何かを考えるだけです。本当に困っていること。本当に知りたいこと、好きなことはなんですか?

部下が言うこと聞かないとか、モテたいとか、お金がないとか、自信がないとか。何も見栄を張らなくていいので、リアルな本気の悩みや、好きなことを考えてください。

そしてそのテーマに関する本を自分で選んで読み始めるんです。詳しい本の選び方は後述しますが、まずは自分の興味を特定して、その解決や好きな世界に浸かるために読みはじめましょう。

この順番が大事で「名作をとりあえず読む」やり方だと本ありきであって、自分ありきではないので、読み終わっても「面白かった」か「面白くなかった」しか残らないんですね。

 

読書がすでに習慣化されていれば、「良書に出合う」だけでも感動があります。

「今まで読んだ本とは●●が違う」と感じることもできるし、「この本のおかげで新たな『問い』を掘り起こされた」といったこともおきるからです。
でもそれは自分の中に、ある程度の読書経験や、リアルな悩み・疑問を持っているからこそ生まれるもので、中級者向けなのです。

最初は「読書の自分軸」を育むために、超独りよがりな読書からスタートする方が結果的に本好きになれます。

ファッション好きと映画好き

「読書の自分軸を持つこと」が、本好きになる第一歩である。

これは映画好きになるきっかけとも似ています。

有名な作品やオススメ作品ばかり観ていて「映画好き」になるか、趣味に「映画鑑賞」って書けるかというと微妙ですよね。自分なりのポイントとかこだわりが見えてきて、はじめて『趣味は映画鑑賞』って言えるものなんだと思うんです。

少なくとも僕は自信を持って「趣味は映画鑑賞です」って言えません。僕は本に比べて映画はただ観てるだけで、興味はあるものの、自分の中に何も語れるようなモノがないからです。

子供が生まれる前は月に2~3回は映画館に行ってたし、自宅でも光TV等で結構観てたのですが、監督名も俳優さんもほとんど覚えられない。
ただ「面白かった」「ありきたりだった」というような感想を抱くだけで、自分なりの視点というものを持てていないんですね。

これでは「映画好き」とも「趣味は映画鑑賞」とも言えないなぁと思うのです。
かたや妻は、本をほとんど読みませんが、映画はすごく好きです。僕が朝起きてくると、よく知らない映画を一人で観てたりします。

彼女は海外のインテリアとかファッションが好きで、そういう「自分が好きだと思える、家、家具、舞台、ファッションが出てきそうな映画」を探して観るのが好きなんです。

そこから派生して、ファッションが好みなだけでなく、ストーリーも面白かった作品に出合うと「他にも大どんでん返しのあるマイナーな映画を見つけてやろう」と思うそうですし、たまに白黒時代の古い邦画なんかも観ています。

スタートの「海外のファッションやインテリアが観たい」という興味から、対極にある「超・和風」の映画にまで興味を持ってしまっているのです。

(それでも、あの箪笥かわいいね。とか言ってるから自分の視点自体は失われていない。どちらかというと厚みを増した印象)

こういう興味の変遷が起こるのが、「ファッション好きがファッション映画好き」に、そして「ファッション映画好きが映画好き」になる流れだと思います。

(ファッション映画なんて言葉があるのか知りませんが便宜上)

 

文庫から始めるのがおすすめ

というわけで、ファッションから入って、映画そのものを好きになったりするように、自分の悩みや興味のあるものを大事にして、そこから本に触れる「自分ありき」の読書をスタートしましょう。

手始めに選ぶなら文庫がオススメです。

文章量は少ないし、価格も安いのがその理由。読みきれないリスク、失敗して損するリスクが低いです。そのうえ扱うテーマが広くカバー力があるので、たいていの悩みについて、文庫は答えてくれると思います。(雑学系文庫、実用系文庫から名作文庫までたくさんある)

そしてまずは2冊買いましょう。読みたい!と思えるやつでいいです。表紙がかわいいとかミーハーでもけっこう。で、その日に2冊とも10ページずつとかでいいから読みます。

翌日、読んでてわからなかったこと、興味のわいたことをテーマにまた本屋さんの文庫コーナーに行って探します。とにかく家に本がある状態を作る。ただし本当に知りたい興味があるテーマにしましょう

 

オススメは地元の小さい本屋さん

オシャレ本屋はビジュアル的にオシャレなものを集める傾向があります。だから文章よりも写真やイラストが中心になりがちです。インテリアとして買うならいいのですが、「本好き=文章を読むのが苦痛でない」だと思うので今回の目的には合わないかなと思います。

また、大きい本屋さんは蔵書量もすごいし、お目当ての本もきっと見つかるでしょう。だけど、本が多すぎて目がチカチカしてくると思います。選択肢が多すぎてたぶん選べなくなる。

だからオススメは町の本屋さん。それも入り口から奥まで見渡せるくらいのサイズ感のところです。駅周辺で文庫新書に力入れてる感じのとこだとさらにいいです。

読書は文庫からはじめるのが入りやすいと思うので、文庫にスペースを割きつつ、他のジャンルもある本屋さん。でも多すぎないというと地元駅周辺の本屋さんがベストです。

  • 選択肢が少ないから、棚をじっと見ても疲れない。
  • 最新の流行モノは入荷してないかもしれないが、長く売れるロングセラーなどは入ってることが多いので、ハズレを引きにくい。

といったメリットがあります。

僕が本好きになったきっかけ

冒頭でも言いましたが、僕は特に本好きな少年ではありませんでした。

小学校の学級文庫で「ゾロリ」や親が買ってくれた「エルマーの冒険」は読んだことがありましたが、読書は「ネクラの趣味」くらいに思っていたので、本好きではなかったです。今思っても、人に薦められた読書は、読書好きのきっかけにならないのでしょう。

そんな僕ですが、高校に入ってしばらくして、いろいろ漠然とした悩みを抱えるようになりました。

将来のこととか何も決まってないし・・・
誰にも負けないすごい才能とか能力もないし・・・
好きで好きで仕方がないこともない・・・

そんなことを無意識に感じていたのでしょう。「自分がない」ような不安感に、日々、襲われるようになりました。今思うと恥ずかしいくらいのモラトリアムなんですが、15歳ってそういう歳ですよね(笑)
ただ思春期のなにがすごいって、その影響が体に出ちゃうことです。

当時サッカー部だったのですが、ボールを蹴っても一切飛ばなくなりました。どれだけ強く、思いっきり蹴っても全部ゴロになってしまうのです。
さらに学校の行きかえりで胃が痛くなるようになり、途中で休憩が必要になったり・・・家に帰ってもずっとイライラして親に当たっていました。

胃が痛いから胃潰瘍かと思って、胃カメラまで飲んだのですが、結果は「異常なし」。
お医者さんも僕の性格を知っているので「ストレスとか溜めるタイプちゃうしなぁ・・・」とお手上げでした。

 

原因不明の胃痛ってけっこう怖いです。

そんなあるとき、吸い寄せられるように地元の本屋さんに入りました。お金もないので文庫コーナーへ行き三笠書房の「知的生き方文庫」のタイトルをなんとなく眺めていたら

加藤 諦三先生の自信

という本が目に留まりました。

もちろん当時は著者のことも知らないし、この本の評判も知りませんでした。ただそのタイトルを見た時に『ああ、今、「自信」って全然ないな・・・』と思って、買いました。もう1冊何か買ったと思うのですが、それは覚えていません。

待てなくて読みながら歩いて帰ったのですが「自信とは何か」「なぜ自分は今、自信がないのか」そういったことが書いてあったように記憶しています。そこで初めて「ああ、将来への不安とか、『絶対的な自分』の無さ、みたいなものが、今の自信のなさの原因なのか」と気付きました。

すると不思議なことに、胃の痛みがなくなっていたんです。原因さえ分かってしまえば、半分は解決したようなもので、「自信がないんだ」と認めたことで、それだけで、痛みはなくなったんですね。

本ってすごいなと思いました。

これを友達とか先生に「お前は自信がないからそうなってるんだ」と言われたら、反発していたかもしれませんが、本ですからね。誰にも知られることなく、誰にも見栄をはる必要なく「あ、自信ないのね。なるほど」と受け入れられたのです。

それからは本=知らない世界を教えてくれる友人って感じで貪るように読みました。
高校生でお金が無いから文庫が中心でしたが主に心理系から始まって、人間関係や、小説なども読むようになりました。

自信とか心理に興味を持って読書をはじめたから、小説を読んでるときでも、ストーリーより、登場人物の心理面の動きを追うようになったり、心が行動や景色の描写にどう反映されているか?また、相手との交渉をうまく進めるための心理面のやり方など、新たに得られる知識や視点を探して本を読むようになっていきました。

それが本好きとしての僕の自分軸なのだと思います。

 

今日から始める本好きになる方法

というわけで、具体的に本好きになるためのステップをご紹介していきます。僕が定義する本好きは「自分の軸」で考えて本を選び、読む人なので、自分軸をつくるところから始めます。

  1. 見栄は一切排除して、「悩み」か「興味のあるテーマ」について考える
  2. 地元の小さい本屋へ行く
  3. 文庫コーナーに行く
  4. そのテーマがタイトルに入っている本を本屋で探す
  5. 2冊買う
  6. その日のうちに両方とも読む(10ページずつでもOK)
  7. 面白かったら続けて読む、面白くなかったら放置でOK
  8. 2-7を行う
  9. 8を繰り返しながら「面白い」と感じた本を読み続ける
  10. 9までを続けるうちに、文庫コーナーの導線上にある売り場の平台も見てみる
  11. 小説など他分野でも興味の惹かれたタイトルを買う
  12. 繰り返す

1、見栄は一切排除して、「悩み」か「興味のあるテーマ」について考える
部下が言うこと聞かないとか、モテたいとか、お金がないとか、自信がないとか。
何も見栄を張らなくていいので、リアルな本気の悩み、好みを考えてください。
むしろ一番にすぐ浮かぶくらいのものでないとダメです。

2、地元の小さい本屋へ行く

小さい本屋さんは本を選ぶのに苦労しない。かつベスト・ロングセラーを在庫していてハズレを引きにくい傾向。(店によるけど)

3、文庫コーナーに行く

文庫は読み切れないリスクと金銭的なリスクが小さい。そのうえ扱えるテーマが広いのでたいていの人のニーズにこたえられる。

4、そのテーマがタイトルに入っている本を本屋で探す

いわゆるタイトル買いでOK。評判などは気にしない。自分軸で本を見つけることが読書好きへの第一歩です。

5、2冊買う

1冊だけしか買わなくてつまらなかったらテンション下がるので・・・文庫だから3冊買っても1冊分!

6、その日のうちに両方とも読む(10ページずつでもOK)

とにかくどんなことが書いてあるか、興味の扉を開けるのが先。買った瞬間が最も「読みたい」モチベーションが高いので、積ん読しないように。

7、面白かったら続けて読む、面白くなかったら放置でOK

面白かったら当たりです、続けて読んでください。面白くないものは「もったいない」から読もうとしちゃいますが、それは「今は面白くないだけ」の可能性もあるので、後で読みましょう。

8、2-7を繰り返し行う

9、8を繰り返しながら「面白い」と感じた本を読み続ける

自分にとっての面白い本が、自分の本棚に増えていきます。

10、9までを続けるうちに文庫コーナーの導線上にある売り場の平台も見てみる

文庫コーナーはたいてい店の奥にあることが多いかと思います。入口から文庫コーナーまでに小説やビジネス書、新書のコーナーを通るはず。

その時になんとなく気になったもの、POPに惹かれたものがあれば手に取ってみてください。

11、小説など他分野でも興味の惹かれたタイトルを買う

実用系文庫を読む人は周辺の文庫小説を、文庫小説を読む人は実用系文庫を買うだけでもOKです。

12、繰り返す

これを繰り返せばいつの間にか自分の視点で本を選び、読むことに慣れていきます。
読書が習慣化したなと思ったら、人におすすめを聞いたり、「読んでおくべき名作」などをwebでチェックしてみましょう。
自分にとって面白い、面白くなかったという自分軸で感じられると思います。
 
 
 
面白い本をいろんな切り口でご紹介するイベント『ニシュランガイド』情報はこちら
 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
  • Pocket

増刷率90%。平均部数49,000部。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。
書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。
膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。
上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(23万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

業界の活性化を目的として、版元・書店との人脈を活かした合同勉強会や、新卒向けにメディア就活ボランティアも行なう。

「営業だったからこそ、著者・出版社・書店に提供できるモノがある」と増刷ロジックや書店巻き込みマーケティングを駆使したプロデュースを行う。

本は読者のためにある。という考え方から「ブランディングの為に本を出したい」とおっしゃる方には、笑顔でドロップキックをプレゼント(笑)


新着記事

セミナーバナー