
こんにちは!学生出版プロデューサーの森江美月です。
前回は雷鳥社の編集者望月竜馬さんと、出版プロデューサーの西浦孝次さんに
- 企画の考え方
- 読書について
- スキマ時間の過ごし方
などお聞きしました!
著者で編集者の望月さんと、元出版マーケターでプロデューサーの西浦さんという「クリエイターとマーケター」の違いが浮き彫りになるかと思いきや「意外と似てる・・・?」と思ったり、それでもアプローチの仕方が真逆だったりと「そっくりでもあり、全く違うようでもある」お二人。
今回は私たち学生が気になる「仕事」のことについて話していただきました。
編集者望月竜馬さんと出版プロデューサー西浦孝次さんの対談第2回です!
目次
仕事の魅力は「対全人類」
—今の職業の良いところとやりがい、楽しいことを具体的に聞きたいです。
望月「ちょっとこれ言いたかったんですよ。」
西浦「おっ!」
望月「大した話じゃないんですけど(笑)」
西浦「いいですね~、楽しみ!」
望月「結構僕はいろんな仕事をしてきたので、対企業の仕事とか、対お客さんの仕事とか(世の中には)いろいろあると思うんですけど、この仕事の良いところは『対 全人類』なところなんですよ。」
西浦「うんうんうん!」
望月「それがすごい楽しくて、他の仕事ってやればその場で評価はされるんですけど、結局家族とか友達にこういう仕事したよって言ってもあんまり分からないじゃないですか。この仕事はもしかしたら、頑張ったら、家族が知らない間に本屋に行って買ってるかもしれない。家族だけじゃなくて初恋の人とか。もう会えない人がもしかしたらどこかで自分の本を見ているかもしれない。誰でも手に取れる、誰の目にも触れられるっていうのが凄くやりがいを感じます。」
西浦「それすごく共感します。以前、帰省したとき乗り換え駅で本屋さんに立ち寄ったら、自分のプロデュースした本を立ち読みしている人がいて。。。」
望月「それは嬉しいですね。」
西浦「あれはもう、ニヤニヤニヤニヤして、ちょっと離れたところでずっと『買え~買え~』って思ってました(笑)まぁ置いて帰ったんですけどね。『あぁ~帰ったか~、なんでや~』ってなった。」
望月「あるあるですね(笑)」
西浦「でもそういうことが、どこかで起きているかもしれないっていうのは大きいことですよね。」
望月「実感がありますもんね。」
西浦「売れた本になるとパクリ本が出たりだとか、雑誌とかでも同じキーワードを使った特集が始まるだとか、『自分たちが作った本がなければ、使われていなかった言葉だな』って瞬間があると、誰かの意識とか興味関心を変えられたっていう気になれる。ほんの一部の人のことかもしれないけど、あれはやりがいがある。」
望月「そうですね。」
西浦「うふふって思う。さも昔からあった言葉のようにみんな使ってるから(笑)」
望月「はいはいはい(笑)」
西浦「あれは嬉しいですよね~、すごく。」
それに加えて、文化祭の準備をしているときのようなわくわく感が結構ある!世に出す前の、あと何日で発売だぞ、みたいな。
思い出したんですが、高校生の時、文化祭でクラスとしてお店を出したんですよ。そういう企画ってクラスの中心人物がやるじゃない?でも僕はクラスのBチームで、二軍だったのでその中心にいないんですよ(笑)そうなると仕事がないんです。
で、やることないし、しょうがないから『看板作るわー!』っていって、3mぐらいあるでかい板を先生からもらってきて、勝手に作ることにしました。お店の名前が『北斗の拳』をモジった『北斗の店』っていうダサい名前だったので、ケンシロウを同じ二軍の友だちと2人で描き始めたんです。最初はみんな見向きもしなかったけど、3メートルのでっかいケンシロウが出来上がっていくとドンドン人が集まってきて『すごいな!』『手伝いたい!』って言ってくれて。文化祭当日も、とにかくその看板がデカくて目に付くから『何あれ、ケンシロウ?』『デカっ!』って話題にもなってそれがもうニヤニヤで(笑)」
望月「人の反応が見れますもんね(笑)」
西浦「学生の頃から、こういったことが好きで、今の仕事と共通するやりがいですね。ずっと変わらない。」
望月「西浦さんもロマンチストですね。」
西浦「ロマンチスト同士の対談になってしまう(笑)」
「愛」が「楽しさ」を引き付ける
—今の仕事を通してやりたいことなど将来的な目標を聞いていきたいです。
望月「そうですねぇ…僕はあんまり学のある人間ではないので、あんまりインテリのための本は作りたいとは思わなくて。クラスで不良でもなく、何もしていなかった人が大事だなと思っていて」
西浦「あ、Bチーム?当時の僕?(笑)」
望月「Bチーム(笑)そういう人が普通に救われるというか、漠然としてますけど、そういう本を作りたいですよね。
あとちょっと現実的な話をすると、地元が好きで、ローカルメディアに興味があるので将来は地元に携わってなにかやりたいなとは考えています。」
西浦「あー、なるほどね。ローカルメディアでなにをやりたいんですか?編集長?」
望月「編集長になりたいというか、単純に地元を盛り上げたいです。こんなにいい街が何で知られていないんだろうと思うので。」
西浦「地元を盛り上げたいかぁ…。」
望月「西浦さんは、何か目標ありますか?」
西浦「僕は望月さんのいい話の後に言いづらいんだけど、ミリオンセラーを出したい!」
望月「はははは(笑)」
西浦「ローカルではなく、もう完全にマス!(笑)ミリオンになったときの感覚とかやっぱり体験してみたい。」
望月「ミリオンの景色を見たい?」
西浦「そうそうそうそう!ミリオン山に登ってみたいじゃないですか。」
望月「それはありますね。一度は登っておきたいです。」
西浦「登ったらもういいんですよ。登った、登った~って言って、そこまで景色良くなかったね~とか、登るまで大変だったね~とか、ちゃんと体験しないと言えないことを言いたいですね。」
西浦「それと個人的な目標として、自分の引力をもう少し強くして行けたらなって最近は思っています。」
望月「引力!」
西浦「人を引き付ける力というか。仕事も裏方ですし、人生も裏方だと思っているので、その力は本来必要ないのかもしれない。目の前にいる人たちを引き付けられてたら十分だなと思っていたけど、著者をそれこそミリオンセラーまで押し上げるには、著者だけの魅力に頼っていてはだめだなと思うようになって。例えば僕の名前で本が1万部売れるようになれば、著者には99万部頑張ってもらえばいいわけです。微々たるものだけど、この1万部はバカにできない。それが1,000部でも100部でも一緒。だから僕自身が人を楽しませることのできる人として認定してもらわないといけないなぁと、思ってます。やっぱり楽しい人の周りに楽しいことって集まってくるじゃないですか。」
望月「そうですね。なにか楽しそうなことやってるなと思いますもんね。」
西浦「楽しそうな人の方が良いんですよきっと。周りに人も集まってくるし、その人の周りに集まる人もきっと楽しい人でしょうから。」
—その引力を強くするためにやっていることはありますか?
西浦「それが難しいんだよね~。だからある大企業の顧問の先生に聞いてみたんですよ、そしたら『愛だ!』って言われた。愛が足りてないから引力が小さいんだ!って。」
望月「ロマンチストですね。」
西浦「そうなんですよね(笑)愛を恋愛だけじゃなくて、仕事とか、友達とか、地域社会、人類にまで向けられたら人はついてくるよ!って言われました(笑)なのでいろんな人と恋愛をしていこうかなって思いました。」
善・竹「・・・。」
西浦「・・・いや、そういう意味じゃないよ!?(笑)」
善・竹「多分二人で同じこと考えてました(笑)」
西浦「仕事相手をまるで恋人のように大切に一緒にやっていくとか、それぐらい好きになるってことね。娘への愛情は無尽蔵に出てくるけど、それを他人にも向けられたらなって。いっぱい彼女を作るって意味じゃないよ!!?(笑)」
「行動」が語る就職活動
—学生視点での質問で、就活をするうえで気を付けた方がいいこと、就活前の心構えなどを教えてください。
望月「そうですね、僕は大学からじゃないので分からないんですけど、突き抜けたものは持っていた方がいいと思います。かといって奇を衒えばいいってもんじゃないし、そこは自分との相性がいい会社を見つけるのが一番なんですけど。僕の場合は最初めっちゃ倍率の高い会社を受けたんですよ、コネがないと受からないと言われているような。その時に当時の担任におすすめされたFacebookを始めて、その会社の人が興味を持ちそうな投稿をしていったんですね。それでエントリーシートの備考欄のところに『Facebookやっています。見てください』と書いたりとかの工夫はしましたね。」
西浦「へえ~!」
望月「大卒とかだったらまた違ったかな。」
西浦「ほんと戦略的ですね。」
望月「そうですね。それなりの工夫はしていきました。」
西浦「望月さんが雷鳥社を受けるときの話も面白かったですもんね。友達と作った写真集を持って行ったとかで。」
望月「自分が映っているわけじゃないですよ(笑)旅行に行った時の写真とか、友達と飲んでいるときの写真とか撮ってちゃんと5,000円ぐらいかけて製本しましたね。」
西浦「すごいよなぁ~。」
望月「その時は趣味で作っていて、友達がノリのわかるロマンチストだったので。」
西浦「ロマンチストの幅広くない?!(笑)」
望月「や、友達がロマンチストかどうかは分からないんですけど、ロマンチストに寛容で(笑)カクテルを飲みながら『これ、夕暮れの味がする。』みたいなことを言っても『確かに夕暮れの味するなこれ。』って言ってくれる友達なんですよ(笑)」
西浦「(笑)(笑)(笑)」
望月「これを真顔で言うのがキモなんですよ。」
西浦「あ、もうサムいのは分かっててやるんですね(笑)」
望月「そんなガチで思って言いません(笑)いかに詩的なことを言うかっていう。」
西浦「あーなるほど、大喜利みたいな感じなのか。それは面白いね。」
望月「その中で、急に写真集作って持っていったら面白いんじゃないかと思いまして。アルバムとかだと誰でも作れちゃうじゃないですか。だから本を作ったらビビるんじゃないかと。しかもなるべくガチのやつ。飲み会に持っていくために作ったんですけど、そこから何年かして、雷鳥社を受けるときにたまたま持っていったら結構感触がよかったですね。」
西浦「ちゃんとやってますもんね望月さんて。“思いつきました“で終わっていない。実際にモノを作ってみたり、Facebookを始めてみたり。『やれば?』って言われて『そうですね!』って答える人は多いけど、やったかやってないかの差は大きいよね。やってきたことしか書けないもん。それこそ出版社を受けるときの自由記入欄に写真貼れって言われても、その写真がないんじゃ貼れないしね。」
望月「やっぱり面接しても5分、10分で相手のことなんか分からないじゃないですか。別に頭いい人は頭いいんだろうなって思いますし、喋りうまい人は喋りうまいなとは思うけど、そこまでしか分からない。特に出版社だとそれ以上に個性の強い人が欲しいってなると、それだけじゃわからないからなにかモノがあったりすると分かりやすいですよね。」
西浦「望月さんの話を聞いてて居心地がいいのは多分『やってきた人だから』っていう部分が大きい気がする。頭でっかち君とかではないじゃないですか。やってるからこそ多く語る必要はないんでしょうね。」
実践的なお話がたくさんお聞きできたところで…今回はここまでです!
次回は望月さんが大事にしていらっしゃる「ロマンチック」についてお聞きしていきます!
写真 竹田千幸
ライター 善波有香
編集 森江美月