本を出版しよう!と思ったときにやはり気になるのが「費用」の問題です。
基本的な部分ですが、お金の話は大事なので書きました。
(1)今回のVol.1のテーマは出版にかかる費用についてです
(2)Vol.2では印税についてはなしています
目次
出版の費用について動画で観る
本記事の要約を12分強の動画にまとめています。
動画では要点を整理したり、「まとめ」をつくって、より直感的に理解できるようにしています。
こちらもぜひご覧ください。
■本の出版費用を解説「本を出版するのにいくらかかる?」【出版とお金の話】
出版費用はいくらぐらい?
出版にはいったい、いくらぐらいかかるのでしょうか?
初めての出版を目指す人は、主に
- 出版セミナー・出版塾
- 出版プロデュース
のどちらか、あるいは両方を利用して本を出すことが多いです。
出版セミナー・出版塾の費用や違い
<費用と概要>
まずは出版セミナー・出版塾ですが「30~60万円」くらいが相場のようです。
期間も3か月くらいのものから、半年以上のものまでいろいろあります。
たいてい、出版プロデューサー(肩書は著者のこともあるけど)が主催しており、複数の出版社から編集者をゲストに招いて、企画のプレゼンを行い、出版実現を目指すのが一般的です。
講座ではプレゼンのための企画書づくりを、講師(出版プロデューサー)が教えてくれます。価格の違いは、主に期間によることが多いですが、詳細は主催者の判断です。
<出版社主催の出版セミナー>
また、サンマーク出版さんやダイヤモンド社さんをはじめとした、出版社主催の出版セミナーが開催されたこともあります。
こちらは当然その会社の編集者が講師であり、グランプリ等に輝けばそのまま出版が可能というものです。
実際にベストセラーになった著者もいたようで、一定上の効果はあったと思うのですが、その後も力を入れて開催しているという話は今のところ(2017年8月)あまり聞きません。準備等大変ですし、常時20本以上の企画を抱えている編集者に「本になるかどうか不明の企画を複数本担当させるのはしんどい」というのがリアルなところでしょうか。
<出版社主催、出版プロデューサー主催のメリットの違い>
出版セミナーには、出版プロデューサーの主催のものと、出版社主催のものとがありますが、それぞれのメリットを整理します。
- 出版プロデューサー主催のメリットは「複数の出版社の編集者と会える」ことです。
保険でいうと、特定の会社の保険だけでなく、複数の会社の保険からあなたに合う保険をセレクトしてもらえるようなものです。出版社ごとに企画の考え方は違うので、複数の出版社の中から、自分に合った出版社に企画を提案できるのは嬉しいですね。
- 出版社主催の最大のメリットは「確実にその出版社から本を出版できる」ことです。
絶対にこの出版社から本を出したい!という強い希望がある場合、その出版社主催のセミナーがおすすめです。
出版プロデューサーのセミナーに、お目当ての出版社がきてくれるかどうかは不明です。出版社主催でしたら絶対にその会社に企画を見てもらえるので安心ですね。
それに、出版はできなくても、その会社のベースとなる企画の考え方を学べるのも大きいのではないでしょうか。
「ここの本が好きなんだ!絶対この出版社から出すぞ!」という会社があれば、そのセミナーへの参加が絶対おすすめです!
出版プロデュースの費用や違い
<費用と概算>
次に出版プロデュースですが、だいたい「60~400万円」くらいで、かつ印税報酬が3%(全部で10%のうち)というケースが一般的です。出版セミナーと違い、1対1で著者の相談に乗り、企画作成など、出版のプロデュースをしていきます。
価格の幅が大きいですが、基本的には「サービス内容」と「実績」の違いです。
具体的には「企画書を一緒に作って、編集者とつないで終わり(制作にタッチしない)」か、「出版まで(制作含む)」、「出版後の販促まで」プロデュースしてくれるかの違いです。
「編集者を紹介して終わり」系だと100万円くらいまでという印象で、「制作も含めたプロデュース」は200万円~という感じでしょうか。
ちなみに初心者には後者のタイプをおすすめします。
例えば、編集者を紹介されたものの、企画会議を通過できない、会議は通過したけど執筆がダメ出しばかりで進まない(そもそも書けない)ということもあるし、出版後「がんばって売る告知などお願いしますね!」と編集者から言われて「どうすればいいの?」と慌てることも多いです。
ですので、最初の出版の時はプロデューサーでも「制作、販促まで」やってくれる人をお勧めします。「編集者を紹介して終わり」だと、結局出版が実現しなくて、かえってお金がもったいないです。
すでに出版経験があり、そこそこヒット作を出せた人なら「自分がまったく関わりのない出版社を紹介してほしい」という場合、紹介のみのプロデュースがお勧めです。
ちなみにプロデュース価格で一番多い、ボリュームゾーンは300万円くらいです。その理由は自費出版が1000部で200万円、企業出版が2000部で800万円だったりするので「自費出版並みの価格で、商業出版ができて、部数も5000部くらいだからコスパいいよね」という理屈だと思います。
<プロデューサー選びの参考にしたい指標>
価格の違いとして重要な部分ですし、実績は人によって違うので、下記のような指標をよく調べましょう。
- 企画通過率(プロデュースした企画の何%が編集者に採用されたか)
- 出版実現率(出版社の企画会議を通過、原稿執筆を経て、実際に本が出版される率)
- 増刷率(出版された本の何パーセントが増刷されてたか、つまりヒット率)
- 平均部数(プロデュースした本の最終部数を平均した数値。プロデューサーとしての総合実力)
- 最大部数(プロデュースした本の最大ヒット部数記録)
特に注目したいのが増刷率、平均部数、最大部数の3つです。
増刷率は「どれだけ外さないか」がわかる指標です。大ヒットに恵まれれば、平均値や最大部数は上がりますが、増刷率が低いと「たまたま」の可能性があります。運ではない、確かな実力や、再現性のある理論があるかはここを見ます。
平均部数は「最も実力を判断できる」指標です。1回だけの増刷で終わるのでは無く「何部まで売れたかの平均値」ですので、自分の本がどれだけ売れるか?の目安にもなります。著者のプロフィールからベストな企画を提案し、企画ごとにベストな編集者とのマッチング、最も効果的な出版社とのマッチングをできているかがわかります。
最大部数は「どれだけ大きい企画を描けるか」の指標です。プロデュースした作品の中で、最も売れた本の部数から判断します。シリーズ累計部数ではなく、1冊での最大部数を確認しないと意味がないのでご注意を。
やはり最大10万部のプロデューサーと、100万部のプロデューサーでは見てきた世界が違います。10万部の10倍がんばったら100万部になるのか、それともならないのかは、100万部と10万部両方経験していないと判断できません。
ひょっとしたら「運」なのかもしれませんが、「運」をもっているというだけでも巨大な才能です。
ご自身の本をより多くの方に読んでもらいたい!と思う方は、プロデュース料の高い安いよりも、費用と実力のバランスでベストな方を選ぶのが良いでしょう。
結論:出版にはいくらかかるのか
出版セミナーだけなら60万円、出版プロデュースを受けるなら300万円くらいするのが一般的です。
また、本の出版後は告知用に、SNSで広告を出したり販促費がかかったりもします。
それでは、印税やその他の収益はいくらぐらいになるのでしょうか?
それはVol.2で!