ニシュランガイドという本の紹介イベントを3の倍数月に開催しています。次は6月20日で、テーマが「人生の意味」。
ニシュランガイドは「新しい読書会の形」を模索するというチャレンジの要素もあって、少しずつスタイルを変えてきました。
年末から「ゲストのオススメの1冊」を(希望者は)読んできて、その本を中心にテーマを設定し、合わせて読むと面白い本を紹介というスタイルになっています。(グラフィックレコードは相変わらず)
目次
人生の意味
次回のゲストの1冊がヴィクトール・E・フランクルの『夜と霧』で、この本がゲストさんの「人生観」に大いなる示唆を与えたということで、このテーマになったのですが・・・。
重い。
本の内容というよりは、テーマそのものが重い。
「人生の意味」について書かれた本だと、どうしても題材として「生と死」とくに「死」を扱うものが多いです。
生きている我々、健康な僕らではいまいち「生」を実感するのは難しい。だから「死」をイメージさせるのが有効なのでしょう。
ニシュランでは一つのテーマについて、なるべく雰囲気の違う本を紹介しようと心がけてきました。エンタメ性の高いもの、重いもの、子供向けのもの・・・。
今まではわりとそれでうまくいっていたのですが、今回はなかなかどれも「死」を扱うので、どうしても重い本が多くなってしまう。
人生の意味を考える時に「人生の意味?恋でしょう!」とか「人生の意味?旅だね!」という「死」以外の明確なテーマが自分の中にあればそういったジャンルの本から選ぶことができるのですが…。
今は僕の中で「人生の意味って言ったらこれだよね!」っていう答えに多様性がないんですよ。どうしても「死」から連想されてしまう。
それは死に様から生き様をイメージしたり、「笑って死にたい」っていうような手あかのついた人生観と同じです。
どうしても死から生をイメージさせてしまう。想像力が足りないのか、実感が足りないのかわかりませんが。
いろんな人生の意味ってあると思うんだけど、僕みたいな未熟者には、なかなか結論付けるのが難しいテーマです。
だから重いなと感じています。
本のガイドイベントだからこそ生まれる「過程」に価値がある
ただ、重いテーマがダメだとは思っていません。
簡単に結論付けるには重いし、たぶんイベントで結論なんてでないでしょう。でも結論に向けて「議論」したり「考えたり」「聴いたり」することができます。
結論が出なくても、その過程にこそ十分価値があるように思います。
いざその時がくる前にいろんな想像をしておけるからです。
そして、やはり本ってすごいなと感じました。
いくつかの本には誰かのリアルな「死」が込められていて、それは今の僕らではちょっと実感しづらいレベルのものです。しかし、本という媒体は書いた本人から距離があるからこそ、その意味を少し離れたところで考えることができます。
自分自身や身近な人の「死」を感じてから、人生の意味を考えるのはやはり辛いし重い。冷静にはできそうもありません。
実際にそんなことになったら、僕は「死」のイメージを必死で消そう、遠ざけようとするでしょう。油断すると襲ってくる悲しい想像を必死で否定します。希望のイメージで頭をいっぱいにしていたいですから。
そんなことを書いたおかげでしょうか。6月20日のニシュランで「人生の意味」をガイドしてくれる本を、なんとか選べそうです。
なるべくテイストの違う作品で、いろんな「人生の意味」を考えられる会にしたいと思っています。
良かったらあなたも参加してみてください、一緒に考えましょう。
…「さよならだけが人生だ」なんて言葉もありましたねー。