人を幸せにすること、その人の幸せを喜べる関係をつくること【「人生を豊かにする本5冊」イベントレポート(前編)】

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2016年12月13日に「第1回本を楽しむ会」として、

出版プロデューサーがお勧めする 「人生を豊かにする本5冊」& 「自分にぴったりな本の見つけ方」

というイベントを行ったのでそのレポートです。



開催のキッカケ

たまたま飲み会の席で銃・病原菌・鉄 1万3000年にわたる人類史の謎」 (ジャレド・ダイアモンド)の話をしたところすごく反応が良くて、みんなが「これは面白そうだから、イベントにしよう!」盛り上がってくれました。僕も「このメンバーでやれるなら面白そうだなぁ」と わりと勢いで始まりました。

イベント概要

面白い本に興味はあるけど、何を読めばいいかわからないー。っていう方が多いので、出版プロデューサーの西浦が、商売一切抜きで面白い本をおすすめするイベント!

  • 本は好きだけど、年に5冊くらいしか読めてない
  • 本屋さんに行っても、どんな本を読んでいいか分からな
  • ランキング上位の本をとりあえず読んでいる
  • 歴史的な名著と言われてもピンと来ない…
  • でも本を読みたいと思う!

という方に「絶対外さないSランク本」を紹介。

年間365日、本に触れている出版プロデューサー西浦が、
これまでに読み、影響を受け、名著だと感じた書籍を厳選して、「今読んでほしいSランク本5冊」をピックアップ

 

 

参加者に5冊を選んでもらう

いざ5冊を選ぼうと思ったら、なかなかしぼれませんでした。なので、いっそのこと僕が選んだ7冊の中からみんなに選んでもらうことにしました。

 

その際にはそれぞれの誕生月に合わせてチーム分けを行ったのですが、夏生まれがやたらに多かったなぁ。僕のまわりは夏男・夏女が多いです。HOTLIMIT聴こえてきました。

そこで選ばれたのが

の5冊。落選が蒼天航路とビジョナリー・カンパニーという持参した本の中でも重い本2冊です。ちょっとブルーになった。

ビジネス書とかコミックを入れておくと反応いいかと思ったのですが、意外にそうでもなかったですね。児童書から2冊も選ばれたのに驚き。悪魔の辞典は好みの分かれるところだけど、名前に惹かれますよね。

銃・病原菌・鉄

トップバッターはイベントのきっかけにもなった、名著「銃・病原菌・鉄」。冒頭の著者とニューギニアの友人との会話を再現しようと思って、参加者のかたに「富や権力を≪持つもの≫と≪持たざるもの≫の住んでいる場所を世界地図で色分けしてみてください」と言ってワークをスタート。

 

なぜ横に広い大陸に≪持つもの≫が、縦に長い大陸に≪持たざるもの≫が多く住んでいるのでしょう?
そこから狩猟採集生活と食料生産生活、「八種の起源作物」、定住生活の開始による病原菌の感染と抗体の遺伝・・・

はい、みんな完全においてけぼーりでした(笑)

人類史の授業みたいになっちゃいましたもので・・・

 

気を取り直して、なぜこの本が「人生を豊かにする」かというと、生まれ落ちた場所が農耕に向いた土地で、その地域で育てられる作物の種を持っていたという2つを満たしていたかどうかが明暗を分けたからです。優れていたとか努力したというよりは環境の影響力が非常に大きく、食糧をたくさん得られ、余裕もでき、政治システムとか武器の作製なりを成しえたのです。

これはそれぞれの人生に置き換えた時に、とても気をつけなくてはいけないことだなぁと思いました。たとえば自分がどれだけ仕事で努力しても、その業界(環境)や才能(種)が「向いていない」ものであれば、持たざる者の側になってしまう可能性があるからです。

「なぜイチロー選手は、今の年俸を得られたか?」といえば「努力、才能、いずれも必要だが、一番大事なのは野球を選んだことだ」という話を聞きました。野球でなくて、もっとマイナーなスポーツであれば、今のような年俸は得られなかったでしょう。同じくらいの才能を持ち努力をしたとしてもです。タレントの武井壮さんもそんなことをおっしゃってました。

逆に今うまく行ってるなら「才能がある」「努力してきたから」だけでなくて「環境のおかげ」と感謝の気持ちを忘れてはいけません。たまたま育てるのに向いた種と、育つ環境に身を置けただけなのかもしれないのです。

そういった考え方が生きるヒントになったなーと思っています。

少女パレアナ

パレアナは両親を亡くして、叔母さんに預けられることになった11歳の女の子。彼女が人と少し違うのは「なんでも喜ぶ遊び」をしていることです。

お人形の代わりに松葉づえが届いたときは「松葉づえを使わなくてよい足」を喜んだし、壁に絵のない部屋に住むことになったときは「窓の景色が絵よりステキ」と喜びを探します。

彼女の「喜びの遊び」を通して、町の人は少しずつ幸せになっていきます。

スノー夫人は「牛肉のゼリー寄せを持っていけば、きっとチキンのほうがよかったと言うし、チキンを持っていけば、羊肉のスープの方が良かった」と言う「何もかも気に入らない」人でした。パレアナに「もし何か望むとしたらなんですか?」と聞かれたときに「いつでもそこにないものばかり欲しがる癖がついてしまったので、いま、何を一番欲しいかわからなくなってしまっていた」ことに気づくのです。

僕らも「そこにないものばかり欲しがる癖」がついていると本当に欲しいものが見えなくなるなぁと思います。そこにあるかないかだけで欲しいか欲しくないかを判断しがちなところはあると思うのです。大金が欲しい、モテたい、有名になりたい・・・それは持っていないから欲しいだけで、本当に欲しいのかな?と。

このパレアナの遊びはもちろん、登場人物たちの話も通じて、僕らの矛盾やちょっとおかしいところを教えてくれる寓話になっています。

しかしこの本はそこで終わりません。最後にパレアナが交通事故に遭い、下半身が動かなくなってしまうのです。

そして「一生歩けない」と聞いたパレアナは「喜びの遊び」ができなくなります。手が動くことを喜ぼうとしても、動かない足に気がいってしまう・・・

ただ「良いところを探そう」というポジティブシンキング推奨本ではなく、最後に避けては通れない課題に迫ります。

 

こんなとき、自分がパレアナの叔母さんや友人だったら、どうするか?みんなに聞いてみました。

基本的に放置プレイ×2と、ご飯を食べるという大喜利のような回答。今、冷静になると笑える(笑)

その答え、という言葉がふさわしいかどうかわかりませんが、この本のラストでは、町じゅうの人たちが『喜びの遊びをして、幸福になった』とパレアナに伝えに来ます。その一つ一つにパレアナは大喜びです。叔母さんはパレアナに言います『町じゅうがこの遊びをして、町じゅうが前よりもおどろくほど幸福になっている―これもみな、人々に新しい遊びとそのやり方を教えた、たった一人の小さな子供のおかげなのだよ』それを聞いてパレアナは「一生歩けない」と聞いた後ではじめて喜びをみつけます「とにかく、前には足があったということよ―でなくてはそんなことはとてもできなかったでしょうから!」

 

足が動かないは一つの比喩ですね、それくらい重い病気やあるいは死ぬということも実際には起こりえます。そのときパレアナには彼女を勇気づけようと、会いに来てくれる人がたくさんいて、それも慰めに来るだけでなくて、彼女のお陰で自分が幸せになれたことを言いに来てくれました。人間にとって死ぬまでにやっておくべきことは、自分とかかわったことで幸せになった人をたくさんつくること、その人の幸せをパレアナのように喜べる関係を築くことなのではないでしょうか?

 

後編へつづく

 

本を楽しむ会はこちら

 

 

 

 

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増刷率90%。平均部数49,000部。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。
書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。
膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。
上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(23万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

業界の活性化を目的として、版元・書店との人脈を活かした合同勉強会や、新卒向けにメディア就活ボランティアも行なう。

「営業だったからこそ、著者・出版社・書店に提供できるモノがある」と増刷ロジックや書店巻き込みマーケティングを駆使したプロデュースを行う。

本は読者のためにある。という考え方から「ブランディングの為に本を出したい」とおっしゃる方には、笑顔でドロップキックをプレゼント(笑)


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