【書評】「超」文章法 伝えたいことをどう書くか【文章執筆の極意とは】

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文章執筆に大切なことは何でしょうか。
私の場合は、とにかく「書き始めて、書き続け、書き終わる」ということだと考えています。
まずは頭の中から外に出す、という作業に全力を注ぎ、書き終えてから推敲を繰り返します。
しかし残念なことに、これだけでは文章は上達しないと常々感じています。
考えていることを確実に伝えるためには技術や知識が必要で、常に勉強し続けなければなりません。
そんな「文章執筆」に役立つマニュアルがあるのなら、ぜひ手に入れたいものです。

そこで今回は、文章執筆の助けになりそうな、野口悠紀雄氏による『「超」文章法 伝えたいことをどう書くか』を紹介します。
文章の構成や、推敲などについて参考になる内容が掲載されている書籍です。

どんな本なのか

本書は、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授である、野口悠紀雄氏によるものです。
野口氏は1940年生まれ、東京大学工学部卒業。
文章を書く機会が山のようにある著者は、ためになり、面白くてわかりやすい文章を書く努力を続けているとのこと。
この書籍は、そんな著者が努力の過程で学んできたことがまとめられています。
対象としている「文章」とは、小説などの文芸作品ではなく、論文や解説文、批評など「論述文」と呼ばれる文章です。
しかし文章作成の基本について記載されていることから、すべてのかたにとって有益な内容です。

メッセージの重要性

第1章では、読者に伝えたいメッセージを明確化することの重要性について記されています。
このメッセージについて、以下に重要な部分を引用します。

ある命題を「メッセージ」と言えるかどうかは、どのように判断できるか?
第一の条件は、「ひとことで言えること」だ。
この規定は、単なる外形基準であり、内容とは関係がないと思われるかもしれない。
しかし、私の経験から言うと、これこそが最も重要な条件である。

(12ページ 第1章 メッセージこそ重要だ より引用)

さらにメッセージが見つかれば、どうしても伝えたい衝動に駆られるはずだとも述べています。
確かに、伝えたいことが明確ではない文章は、読んでいても内容が曖昧なものが少なくありません。
論述文を書く際は、まず、このメッセージを探してみると良さそうです。

文章に化粧をする

さらに本書では、推敲について非常に細かい説明があり、章の終わりに分かりやすくまとめられているため引用します。

第6章のまとめ
1 形式面のチェック
(1)タイトルは、内容を適切に表すものにする。
(2)章・節・パラグラフの区切りを適切にし、小見出しを内容を表すものにする。
(3)誤字脱字を根絶する。とくに、名前の誤字に注意。
(4)読点を適切に打つ。
(5)漢字・ひらがな・カタカナの比率を適正化する。
(6)表記と用語を統一する。
2 表現のチェック
(1)削れるだけ削る。
(2)類似表現を避ける。
(3)語尾の単調化を避ける。語尾で逃げない。
(4)曖昧接続の「が」の多用を避ける。
(5)使い古された表現、陳腐な表現、不快感を伴う表現、品位を下げる表現などを避ける。
(225ページ 第6章 化粧する(2)-100回でも推敲する より引用)

文章を書いたあと、実際に上記の項目についてチェックしてみると、修正すべき部分が明確になることでしょう。
推敲に関する項目は決して少なくはありませんが、読みやすく正しい文章を書くためには、いずれも重要なことばかりです。
「文章を書くのが苦手」
「文章が読みづらいと言われる」
というかたには、特に読点や語尾に関する項目を読むことをおすすめします。
なぜなら、読みづらい文章は、大抵の場合、読点の位置が不適切だったり、語尾が単調だったりするからです。

文章執筆のマニュアル

さらに、文章を執筆する際には、推敲に限らず、さまざまな部分について注意が必要であることは言うまでもありません。

  • メッセージ
  • 構成
  • 説得力
  • 推敲

いずれの項目も、文章執筆においては重要となります。
本書では、そういった項目それぞれの注意点について、いずれも丁寧に説明されています。
章の「まとめ」は、第6章以外にもそれぞれ用意されています。
時間がないときには、各章ごとに設けられた「まとめ」を読み返すだけでも有益となるに違いありません。

本書は小説などの引用が多いこともあって、文章を書き慣れている人以外にも分かりやすく、楽しく読める内容です。
ビジネス文書や論文だけでなく、自分史やエッセイなどを書きたいと考えている人にもおすすめできる本です。

終わりに

文章は、漠然と書き続けているだけでは、なかなか上達が難しいものです。
しかしチェックするべき項目が明確になっていれば、
「どこを直すべきか」
「どこを削るべきか」
も明確になり、ぐっと書きやすくなるに違いありません。
推敲や構成についても、手順に沿って書くことが出来れば、かなり楽に感じるはずです。

文章執筆のマニュアルを探しているならば、ぜひ一度、本書に目を通してみてはいかがでしょうか。
(文:朔)

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Written by

編集部

出版TIMES編集部。記事はすべて出版プロデューサー西浦孝次が企画・監修しています。