どうも出版プロデューサーの西浦孝次です。
今回のテーマは
「サクッとできてウケる企画発想法トップ3」です!
企画書送ったけど没になってしまったー!
どうしようこのままだとここで終わってしまう。
なんとかすぐ代案を送れないか!?
企画を提案しているとこういったことも出てきます。
この場合「サクッとできる企画発想」があると便利ですよね。
僕はじっくりたっぷり時間をかけて何度も試行錯誤をする方が好みなんですけど、サクッとできるのが大切な瞬間もあるんです。
たまたま知り合った編集さんに、企画提案する機会をもらえた時など。
「今度企画送ってもいいですか?」って聞いてOKもらったのに、じっくり考えすぎてそのまま1か月とか経っちゃったら──名前も忘れられてるかもしれません。
企画の瞬発力もすごく大事な能力です。
というわけで今回は、サクッとできてウケる企画の発想法3つご紹介します!
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目次
3位:「なんで自分が書くのか」から考える
メディアの企画にせよ書籍の企画にせよ「なぜこれを取り上げるのか」という理由が必要です。
そこがなくて書いちゃうと「ただの新商品のリリース記事」とか素人のブログまとめ本と同じになってしまう。
「なんか流行ってるっぽいし…」とか
「だって書きたいし…」とか
これだととても採用されないし、読者も読んでくれませんよね。
こんな時に企画の「読むべき理由」をどうやって成立させるか?
それが「あなた」なんですよ。
あなた、つまり著者自身を読む理由に仕立て上げてしまうんです。
「元旅行代理店勤務のライターが通う、観光客には絶対教えたくない東京の隠れ名店トップ5!」
めっちゃ見たくなりませんか?
「大手出版社の元マーケターが売れる本の秘密を公開!」
いいですよねー、これ僕のオンラインセミナーのキャッチコピーなんですけど(笑)
「脂肪の研究で〇〇賞をとった私の教える、安全にやせる科学的に正しいダイエット」
などなど「なんで読みたいの?」に「自分がこんな経歴の人間だから」をバシッと当てはめるんです。
日本に〇名しかいない~専門医とかね、そそりますね。
自分の個性を見つめてください。
2位:定点観測
定点観測ってご存知ですか?
変化のある一点を、一定期間観察し続けることです。
要は「同じものを観察し続けて、その変化について書く」ということです
企画には「新しさ」とか「独自性」が必要だと思っている人は多いし、実際僕もそれを最優先しているんですけど、「変化」も十分な訴求力を持っているんですよ。
報道はむしろこの変化、ビフォーアフター重視のメディアですしね。
変化そのものが「そらそうよね」って感じのものだとつまらないのでもちろん成立しないですけど。
「え、そうなの!?」ってものが見つけられたらそれは企画になります。
たとえば僕がプロデュースした
『痛み かゆみ 便秘に悩んだら オシリを洗うのはやめなさい』
は肛門科の専門医である佐々木みのり先生が、10年以上日本人のオシリをまさに定点観測してきて気づいた
「医学書にもないようなオシリのトラブルが増えてきてるんです!」
という発見がスタートです。
ウォシュレット今すぐやめてー!という。
世界で一番おしりを洗う民族ですからね我々日本人。
あなたにも絶対関係あるはず。
他には
『先生、どうか皆の前でほめないで下さい: いい子症候群の若者たち』
が以前話題になりましたね。僕も買いました。
元々は「叱るときは個別に、褒める時はみんなの前で」が良いとされていたじゃないですか。
それが「先生、みんなの前でほめないで下さい」と逆になっている。
この若者(学生)の変化に大学教授の著者が気づいたので、分析したよっていう企画です。
アオリは「ほめられたくない、目立ちたくない、埋もれていたい……。今、こんな若者が激増している。」
って感じで「こういう人は増えている」っていう変化を伝えてる。
「令和の時代の重大異変を、イノベーションとモチベーション研究家が徹底分析!」
とまとめてますね。あ、ここでも3位の「なぜ自分が」をサクッと使ってますね。
イノベーションとモチベーションの研究家だから気づいた、令和の若者の重大な「変化」ですよということです。
何で自分が書くかの3と、定点観測の変化にフォーカスるする2の合わせ技ですね。
この本はその変化の仕方とか、なぜ変わったとかが面白いわけですが
言い換えれば学生の変化をしっかり定点観測して把握・分析・言語化していれば
どの大学の教授だって書ける可能性はあったわけですよ。
イノベーションとモチベーションで分析するか
コミュニケーションで分析するか
はたまた社会心理学でとらえるかなどは違ったでしょうけど。
いちばんおもしろい変化をタイトルに持ってきたり、こういったひとつひとつの変化を「いい子症候群」と呼んだセンスが最高ですよね
1位:ストックをアーカイブ
これは本当にサクッとに特化した方法なので、2位3位以上に楽なんだけど、必ずしも「良い」「おすすめ」ではないので使いすぎにはご注意ください。
本当に明日までに企画書を出さなきゃいけない。
5つは出したいんだけどあと1個なんかないかな~!みたいな時の緊急技と思ってください。
こればっかりだと企画力は全然身に付かないんで。
さて説明すると、過去に書いた本とか、まとめた記事とかあったりするじゃないですか。
それをね、部分的に切り出してコンテンツにするんです。
書籍の販促に使われることも多いです。
例えばリーダーシップ本を発売後に、ビジネス系のメディアで連載するなどですね。
要は本に書いた記事を、メディアに流用しているだけです。
ただ、これが本の販促にもなるし、メディア側は取材や執筆といったコストなしでコンテンツを制作できる。
既にある物を2次利用3次利用するというアーカイブ発想は有効です。ビジネス的にも賢いですね。
この逆に連載をまとめて書籍化するっていう「連載の原稿料と書籍の印税で2回もらっちゃおう」っていう賢い企画の通し方もありますが、ちょっとズレるのでその話は控えます。
さて本筋に戻るとこういったストックコンテンツのアーカイブ化はビジネス書だけの話じゃなくて、例えば雑誌なんかは去年の同じ時期の号を持ってきて企画チェックして「今年やるならこう」みたいなアーカイブ化、というよりは「アレンジアーカイブ」みたいなことをしたりもするわけです。
毎年変化はあるけど、大きく何もかも変わるわけではないテーマには有効です。
意外にもほぼ同じ本だけどタイトルとカバーデザインだけ変えて、販売しなおしたら売れた!なんてこともありますからね。
バカにはできません。
20万部以上のベストセラーにも全然「旧作は全然だったのに、リメイクでめっちゃ売れた!」という本はありますよ。
サクッと考えるのも、新たなヒントを思いつくためにであれば有効ですから煮詰まった時、急いで提案したい時に使ってみてください。