伝わる文章の書き方—「説明しない」が刺さる理由

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パンケーキ大好きだけど、食べると必ず胃もたれする出版プロデューサー西浦です。

伝わる文章、読みやすい文章はどうすれば書けるのでしょう?文章力で悩んでいる方は多く、巷には文章術の本がたくさん出ています。本を書きたいという方の中にも「文章力が無い」ことでいまいち自信を持てない人がいるようです。小説家の文章力は才能が必要だと思いますが、一般的な伝わる文章であれば誰でも書き方を習得できます。この「伝わる文章」と「良いリーダーシップ」には実は共通項がありまして、それは「やりすぎない方が良い」ということです。

長老マネジメントと伝わる文の共通項

今、リーダーシップについて学んでいます。そこで「リーダーは行動し過ぎない方が良い」と教わりました。なぜなら「リーダーが行動し過ぎなければ、悪い点を抑えられる」からです。たとえば僕が良い点80、悪い点40のリーダーだとします。そこで僕が「行動し過ぎる」「パワーを発揮し過ぎる」とチームに80の良い点をもたらしますが、同時に40の悪い点ももたらします。合計は+40ですね。でも僕が「行動し過ぎない」よう意識すると、良い点60、悪い点10くらいで抑えられて合計点は+50で済むということです。

リーダーがリーダーシップを発揮し過ぎると、たとえば強引だったり、相手に負荷をかけたりといった部分が出ます。短期的には成果がでますが、チームは疲弊していきます。そこにはきっとリーダーのエゴとか葛藤があるのでしょう。やりすぎない、言いすぎないことで悪い部分を抑えることができるそうです。そうして空いたスペースにメンバーの自主性などが芽生えてくるのだと思います。

この長老マネジメントと言うか、「やりすぎない方が良い結果を生む」というのは、実は伝わりやすい文書と同じです。

文章も「書きすぎない」ことで、あなたの悪いところを抑えられるのです。

説明しない文が、読者に伝わる理由

本を書くときに著者に気を付けて欲しいことの一つが「書きすぎないこと」です。頭のいい方、難しい本をよく読んでる著者に多いのですが、「ちゃんと書こう」とした結果、文章が長くなったり、言葉が難しくなることがあります。気持ちはわからんでもないのですが、長い文章、正確な言葉はかえって伝わりません

  • そもそも文章が長くなれば、その分勘違いをする余地を多く残してしまいます。また専門用語は正確には違いないのですが、一般書は一般人を対象にした本のため専門用語を知らないか、勘違いしたまま読んでしまい、意味が間違って伝わります。知らない言葉をわざわざ調べる読者はいません。

ね?もう上の文章、意味わかんないですよね。リズムはそこまで悪くないですよ、ただほとんど頭に入ってこないですけど。

  • ダラダラ説明する文章は伝わりません、なぜなら説明はつまらないものだからです。中学生にも伝わる言葉で、説明がいらない文を書きましょう。

下の文章の方が分かりやすかったのではないでしょうか?ちゃんと読まなくてもイイからですね(笑)僕が伝えたかったのは、この下の方の文章と「だいたい同じ」です。このだいたいが大事です。「ちゃんと」説明しようとすればするほど、伝わらなくなるんです。上の文章は「ちゃんと」書いたので100%僕の「伝えたいこと」が書かれているのですが、読者も「ちゃんと」読まないと伝わらないので、すごく集中力がいります。そんなの疲れますよね、読者からは「なんか分りづらい」と思われてしまいます。

下の文は本質を変えずに、より強い言葉に置き換えてみました。「ダラダラ説明する文章」ってどういうものか浮かびやすいし、「説明はつまらない」って言い切っています。ラクにイメージが伝わってきましたよね?結局は下の文章の方が伝わるし、記憶に残ります。

もちろん下の文章では正確なところは伝わっていません。上の文章で伝えようとしてるのは「長い文章は読みづらい」「難しいことばはわかりづらい」です。それはなぜか?をちゃんと説明したから、ダラダラつまらない文になったんですね。かたや下の文章で伝えようとしているのは「説明はつまらない」「(だから)説明がいらない文を書こう」です。伝わってるメッセージが違ってきています。でも、もともとこの記事で伝えたかったのは「伝わる文章の書き方」なので本質的には伝わってるなと思うのです。「何を伝えようとしていたか?」の本質を見つめなおしましょう。

 

説明しない文章の書き方

伝わる文章を書くために、「説明しない」ことを意識しましょう。具体的には書いてみて『なんか説明クサいな』と思ったら、言葉をどんどん削って短くしていくのです。以前働いていた出版社で、編集長が「削った言葉の分だけ残った言葉が光る」と言っていました。もっと言うと言葉だけでなく、文章そのものも削ってどんどん短くしていってください。そうして削って削って、言い換えて、表現を選んで残された言葉は「伝わる言葉」になります。

書きながら違和感を感じる言葉もありますし、そのときは気にならなくても翌朝読むと「なにこれ?」って言いたくなる文もあります。そうやって何度も文章を削っていくと、少しづつ読みやすい文章になっていきます。一緒にがんばりましょう!僕もまだまだですけれど。

削ったり、言い換えた言葉の例

この記事を書く間に、実際に書き換えた言葉を一部ご紹介します。

  • 自主性が失われるとかそういうことではなく→自主性が失われるということではなく→(最終的にこの文そのものを削った)
  • 伝わりやすい文書の条件と同じ→伝わりやすい文書と同じ
  • 〇〇な傾向にあります→〇〇することがあります。
  • 長い文章、正確な言葉はかえって伝わらない文章になります。→長い文章、正確な言葉はかえって伝わりません
  • 長老型マネジメント→長老マネジメント
  • ラクに頭にイメージが入ってきましたよね?→ラクにイメージが伝わってきましたよね?
  • 伝わる文章の書き方を意識するときに→伝わる文章を書くときに→伝わる文章を書くために
  • 本質的な部分を→本質を
  • 実際に書き換えた表現の一部をご紹介します。→実際に書き換えた言葉を一部ご紹介します。

正確に書こうとして、かえってわかりづらくなった言葉の数々です(笑)微々たる差ですが、短い方、単語が少ない方が読みやすかったのではないでしょうか?

ちなみに上の文でも「言葉の数」を「単語」に言い換えました。終わらんなぁ。。。

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増刷率90% 平均部数48,000部の出版プロデューサー。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(22万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

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Written by

西浦 孝次

増刷率90%。平均部数44,000部。 「血流がすべて解決する」(18万部)「奇跡の営業」(6.3万部)などデビュー作をベストセラーにプロデュースするのが得意。 おそらく業界で唯一、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。好きな食べ物は炒飯。