どうも出版プロデューサーの西浦孝次です。
今回のテーマは
「売れた著者が嫌われ始める意外な理由」です!
『あの人は変わってしまった…』
なんて言葉を聞いたことはありませんか?
僕は出版業界に長くいて、本当に何度も何度も聞いてきました苦笑
特に売れ始めてから、出版社受けが悪くなる方がいます。
これって本来おかしいんですよ、売れ始めたら出版社受けが良くなるはずなのに。
でも、実際は逆に「次はもう、いいかな」って編集者に言われてしまっている人がいます。
せっかく売れてもこんな風に言われてしまっては悲しいですよね。
業界は違っても、同じように「この人、前より感じ悪くなったな」「なんか最近あの人評判悪いな」と思うような経験は誰しもあるでしょう。
これって、離れて見ている分には一目瞭なんですが、当人は本当にまったく気づいていないケースが多いんです。
そりゃそうですよね、「お前、最近評判悪いぞ?ここをあらためろ」なんて言ってくれるすごく親身な先輩いなんてほとんどいませんから。
特にこのご時世。
というわけで今回は「本人は気づきにくい、意外な嫌われる理由」をご紹介します。
直接言われたら多分腹が立つと思うんで、他人の話としてぜひ読みつつ「自分もしてるかも?」と振り返りに使っていただけたら幸いです。
▼動画でご覧になりたい方は下記をクリックしてください。
目次
無自覚な強気
結論からいいます。
売れたのに嫌われる理由。
それは「売れて、無自覚に強気になるから」です。
他人に対して偉そうとか、雑な態度を取ったら嫌われるじゃないですか。
そんなことはね、いまさら言わなくても皆さんお分かりだと思うんですよ。
ただ「売れて、そして嫌われる」著者はみんな、なぜか強気になっていくんです。
それまで人の意見に耳を傾けて「なるほど」って受け止めてた人が「いや、こうしませんか?」っていう「いや」とか「でも」を使う回数が増える
あと「こうしたい」「ああしたい」という自分の意見をはっきり主張するようになる。
これって当人は自信がついたからはっきり意見を言えるようになっただけで、他人に対して偉そうにふるまってるとか、雑に扱ってるつもりはないんです。
自信をもつのは良い事ですしね。
ただ、周りからは「あの人周りの意見に耳を傾けてくれなくなった」と受け取られやすい。
また「こうしたい」という提案が的を得ていたらいいんですけど、本が売れたとしてその人のアイデアが良いわけじゃないこともあるんですよ。
本人は自信がついて「こんなことも書きたい」「あんな本にしたい」と素直に言えるようになっただけなんですけど
それが見当違いな提案だったりすると「あー、調子にのっているな」と正直受け取られてしまいます。
これが初対面の人に「強気」でいくようになったんだったら「こういう方なんだ」って思われるだけなんですけど
いっしょに本を作ったことのある人たちにもこういうふるまいだと
「変わったな」「調子に乗っておられる」と思われて
「次の本はないかな」ってなったり「売れる限りは付き合おう」というビジネスライクな付き合いになってしまう可能性があります。
配慮の足りない発言
売れたことの「自信」が無自覚な「強気」になり、周りに悪く映ってしまうという話を紹介しました。
これは意識して、極端なくらい「感謝」と「謙遜」することで回避するのが良いです。
売れた時に
「〇〇のおかげで」と他人をもちあげる
「自分はまだまだ」って謙虚になる。
ちょっと嫌味かな?やりすぎかなってくらいで丁度いいと思います。
むしろ売れた・成功したからこそできる特権というか。
売れてない成功していない時の謙虚は、自信のなさの裏付けというか、失敗したときの言い訳をしているように映ってしまうことがあります。
これは仕事でもそうだと思うんですよね。
若手とかの自信がない時って、謙虚さと先回りして言い訳しているのとの違いがあんまりない。
お金を払う以上プロなんだから、不要な謙遜はするなと思います。
若い人は自信を持つべきです。
でも本を書いて、しかも売れている人ってことはもうかなりすごい人で経験も豊富だと思うんです。
そんな方がどれだけ謙遜しても「またまた~」「さすが一流は違う」みたいに周りが勝手にプラス評価しますから。
そこは謙虚&感謝でいきましょう。
ただこの謙虚&感謝でも回避できない罠が「配慮の足りない発言・行動」です。
どういうことかというと「能ある鷹は爪を隠す」ということです。
この爪って能ある人は、配慮してわざわざ隠しているんです。
この配慮が足りないと、隠さなきゃいけないのに、爪が出てしまうことがあります。
例えば自分の話で本当に恥ずかしいのですが…。
昔、凄く売れた本があって、その本が50回以上も増刷がかったんですよ。
で、本が増刷されると「増刷見本」というのを出版社から頂けるんですけど、50回以上増刷かかるということは、50冊以上その本が家に届くという事なんです。
自分でプロデュースした本とはいえ50冊はさすがに多い。
かといって捨てるのは絶対いやじゃないですか。もちろん中古書店に売るのは業界の人間としてできない。
こうなると人にあげるしかないんです。
で、いろんな出版社の方に会う時に差し上げるんですけど
「もう持ってますよ」って言ってくださった方に「いや、もう家に何十冊もあって、もらっていただきたいんです」ってつい言っちゃったんですよ
むこうも「おお、さすが」みたいな顔をされたんですけど。
こんなの「ちょっと売れて調子こいてるプロデューサー」でしかないんですよ(恥)
「なんだ?遠回しにマウントか?」というか。
当時、お会いした方々本当にお恥ずかしい限りです。反省しています…
本当に、こんな感じでたぶん、ふとした瞬間に「出る」んです。
変な話、羽振りが良くなった人が明らかに仕立ての良い服を着るようになったり、高級住宅街に引っ越すのと近いですよね。
謙虚&感謝だけでは足りなくて、「配慮」が必要なんだと思うんですけど、なかなか難しい。
自分のちょっとした発言や言動が、周りにどんな印象を与えるのか?
少しずつ学習していくしかないです
2回成功した人がすごい理由
成功したとき、売れた人がハマってしまう罠「強気と無配慮」
これを未然に防ぐのは、おそらく無理だと思うんです。
例えば親友とか、近しいパートナーだったら何か言ってくれるかもしれません。
でも、ほとんどの人はわざわざ言ってくれないですよ。
だって親友やパートナーの成功に嫉妬して難癖つけてって思われたくないじゃないですか。
貴方のことが好きだから、全然気にならなかったり、ただただ良いふうに捉えてくれていたりするケースもありますしね。
指摘してくれる可能性があるとしたら、すごく親身になってくれる先輩でしょうか。
それも、今のあなたの成功とか売れ方よりもっとすごい成功を収めた方です。
そういう方なら嫉妬にはならないし、かわいがってくれてるからこそ言ってくれるんだなって思えるじゃないですか。
それ以外に自分で気づくには多分、成功して、その後失敗することでしょうね。
他人から冷たい扱いを受けたり、人が離れていったり、湧き上がる自信を失ったり。
そういった経験を経て、ようやく本当の自分に自信を持てるようになるんじゃないでしょうか。
売れて強気になった方の内、僕がビフォーを知っている方たちっていうのは、どこか「売れてない」ことにコンプレックスがあったんだと思います。
自信がないんです。
だから売れた時にすこし大きくふるまってしまう。
たまたまだよ、自分はたいしたことないよと思えなくて、「わたしはすごい!」って思っちゃうんですよね。
コンプレックスがあったから。
これが本当の自分だー!って思いたくなっちゃう。
その反動が強すぎて周りへの感謝や配慮がちょっと薄くなってしまう。
でもそういう経験をして、自分の小ささに気づいた人は次の機会に恵まれれば、同じ過ちは繰り返さないでしょう。
著者の中で売れても変わらない人は、一度本業などで大きく成功と挫折を経験されている方が多いです。
もう2回目だからそんなに変わらないんでしょうね。
頼れる先輩がいない方は、自分がそういう人になるために、後進のために挫折を経験したんだなと思って、次に続く人たちに教えてあげてください。