私を含め、「長所は何ですか」と聞かれると答えに詰まってしまう人は少なくありません。
残念なことに、短所ならすぐ答えらます。しかし、気恥ずかしさもありますが、誰にも負けないと自信を持って言えるほどの長所は思い浮かびません。
もしも長所や特技を聞かれて即答出来たなら、それはどんなに素敵なことでしょうか。
そして、それを仕事や趣味に活かすことが出来たなら、きっと、今よりもっと楽しい毎日が送れることでしょう。
今回ご紹介する『本当に集中できた瞬間だけが人を強くする』は、そんな長所や特技を手に入れる方法を模索する人にオススメです。
世界一のバリスタが、集中する方法や、強みを作る方法について、とても分かりやすく説明してくれます。
目次
どんな本なのか
「本当に集中できた瞬間だけが人を強くする」の著者は、澤田洋史氏です。
決して器用ではないという澤田氏は、語学留学中の三十二歳でラテアートと出会い、三十九歳で本格的にコーヒーの道を進み始めました。
澤田氏は、「ラテアートチャンピオンシップ」で歴代最高スコアを獲得してアジア人で初めて優勝しています。
決して若くない年齢で快挙を達成できた理由として、澤田氏は、「究極の集中力」をあげています。
本書で取り上げられているのは、「強み」「集中」「自信」「仕事」などに関する話題であるため、働いている人にとっては、もちろん興味深い書籍です。
しかし、それだけではありません。
趣味や学業など、何かをきわめたい人にも、ぜひ読んでいただきたい内容となっています。
仕事を楽しくする秘策
自分の仕事が好きになれずに悩みを抱える人は多いことでしょう。
希望通りの企業や職種に就職できても、理想と現実の違いに苦しむこともあります。
そんなとき、どんな風に仕事と向き合うかは、人それぞれです。
フルタイムで働く場合、1日の3分の1は働いている計算になりますが、その時間を楽しむことが出来たら、人生はさらに楽しくなることでしょう。
本書の『Chapter1「強み」に気付けば人生は変わる』では、仕事を楽しくする秘策について書かれています。
その秘策とは、技術や知識を身につけ、業務の達人となり、「強み」を見つけること。
このChapter1では、実例をもとに、「妄想を捨て、やりがいを見出し、強みを身につける」ことを推奨しています。
もちろん継続するには強い意思が必要となりそうですが、1つ1つのことは気軽に試せそうなものばかりです。
仕事に対する向き合いかたに悩んでいるのなら、まずChapter1の内容を実践してみてはいかがでしょうか。
集中力を操る方法
誰でも、興味がないものには集中しづらいものです。
逆に言えば、どんなものであっても、興味さえ持つことが出来れば、集中できるということになります。
『Chapter2「集中」を操れば強みが手に入る』では、「究極の集中力」を手に入れるために著者が実践した内容が紹介されています。
具体的には、
- オンとオフのメリハリをつける
- 疲れが出たらストップする
- 一日の生活パターンを崩さない
- 気が散らないような環境を整える
- 自分が行う全ての動作を意識する
などが紹介されています。
もちろん、それぞれの方法に関し、詳細な説明があります。
実例に即した説明であることから、とても理解しやすい内容となっています。
「究極の集中力」を手に入れることにより、揺るぎない自信を身につけ、好きなことをきわめる。
もしも、それが出来る習慣を身に付けられたら、仕事にも趣味にも活かすことが出来そうです。
プロの勝ちかた
本書では、「判定勝ちするのが素人、KO勝ちするのがプロ」としています。
そして、プロとしてKO勝ちするためには、「自信」が必要だとしています。
確かに、優れた仕事をする人には、絶対的な知識と、強いこだわりと、自信を感じることが少なくありません。
価格よりもサービスなどに魅力を感じて通う店などには、本書にあるとおり、必ずそんなプロがいます。
どうしたらそんなプロになれるのかについては『Chapter3「自信」がつけば圧倒的勝者になれる』が参考になりそうです。
ここで書かれている「自信」を得る方法は、決して難易度の高いことではありません。
たとえば、小さな挑戦と失敗を積み重ねることなどが推奨されていますが、これならば誰でも試すことが出来るでしょう。
技術や知識、経験を積み重ね、「KO勝ち」が出来るプロを目指してみてはいかがでしょうか。
終わりに
「成功する人には、他の人よりも高い才能がある」
成功者の努力も鑑みず、つい私たちは、そんな風に思ってしまうことがあります。
しかし本書では、不器用な人や、失敗を積み重ねた人こそ成功に近いと述べています。
それなら誰しもが努力次第で成功者になる可能性を秘めている、ということになります。
どうやって成功に近付くか。
どうやって「究極の集中力」と「自信」を手に入れるか。
それを知るためには、ぜひ実際にこの本、「本当に集中できた瞬間だけが人を強くする」を読んでみていただければと思います。
(文:朔)
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