「肩こりがひどい」
「気持ちが沈む」
病気というほどではないにしろ、そんな状況に悩まされることがあります。
私の場合は、肩こりを感じたときは、マッサージで揉みほぐしてもらいます。
そして、気持ちが沈んだときは、読書や映画で気持ちを切り替えるようにしています。
しかし、どちらも根本的な解決ではないため、同じ症状が繰り返しており、その都度、対処しなくてはなりません。
そんな体と心の不調を、まとめて解消する方法があったら、どんなに良いことでしょうか。
今回紹介する「血流がすべて解消する」は、そんな体と心の不調を解決するヒントになる本です。
体と心の健康に興味をお持ちのかたにおすすめできる内容となっています。
目次
どんな本なのか
本書は出雲大社の参道で90年続いている老舗漢方薬局の4代目である、堀江昭佳氏によるものです。
堀江氏は、漢方薬剤師であるだけでなく、不妊カウンセラーとしても活躍されています。
本書では体や心の不調を解消するためとして「血流を増やす」という方法について詳しく紹介されています。
漢方薬に関する内容が主ではなく、生活習慣や呼吸など誰でも手軽にできる方法が具体的に記載されています。
男女問わず参考になる内容ですが、特に、
-
- 不妊
- 生理痛
の悩みを抱える女性にとって、参考になる内容が含まれています。
血流を増やして不調を解決する
著者の働く薬局には、様々な理由で、多くの人が相談に訪れています。
そのカウンセリングを通して、著者は、「血流が心と体に大きな影響を及ぼしている」という発見をします。
これは、相談者の血流が良くなったことで、生理痛や生理不順だけでなく、
- 耳鳴り
- 肥満
- うつ
などの症状までが改善した、という実例によるものです。
著者によると、血流が悪くなる理由は、以下の3つです。
- 血がつくれない
- 血が足りない
- 血が流れない
この3つによって血流が悪くなると、体と心には大きな影響が現れます。
そして、女性の場合は、特に、積極的に血流の悪さを解決する必要があるとしています。
なぜなら女性の血流は、そもそも不足状態になりやすいためです。
これは生理という形で毎月血液を失っているからです。
生理で流す血液量をあなどってはなりません。
一回の経血量は約一〇〇ml、一年で一.二ℓにもなります。初潮から閉経まで四十年とすると、恐ろしいことに女性は一生で約五〇ℓもの血液を失うことになるのです。
日本人女性の平均体重が五二㎏ですから、ひと一人まるごとぐらいの膨大な量です。
これに、出産や授乳を加えると失われる血液量はさらに増えます。
(63ページ 第二章 「つくる・増やす・流す」であなたの血流はよくなる より引用)
一般的に、男性よりも女性のほうが、体や心の不調に悩まされがちなものです。
その違いも、生理によって毎月血を失うことだとすると、確かに納得できます。
それでは、著者による、具体的な血流の改善方法についても見てみましょう。
かんたん丹田呼吸法で静脈の流れをサポート
多くの女性が、むくみや下半身の冷えに対する悩みを抱えています。
この2つを解消するために、著者は「静脈の流れ」を良くすることを推奨しています。
静脈の流れを良くする方法として、著者は下記を挙げています。
- ふくらはぎを鍛える
- 「かんたん丹田呼吸法」でむくみを改善する
- 足を温めて冷えを防ぐ
- 足のつぼを押す
この中でも、もっとも手軽に行える、呼吸方法に関して、引用して紹介します。
【かんたん丹田呼吸法】
①息を吐くときは、横隔膜のところから状態を少し前に倒す。
②息を吸うときは、上体を起こす。
③呼吸は鼻で、十回くらい行う。
(182ページ 第五章「静脈」の血流をよくするための生活習慣 より引用)
呼吸法といっても、それほど難しくはないため、手軽に試すことができます。
この呼吸法を行うと、横隔膜を直接上下させることができ、静脈の血液が上へと流れるのをサポートすることが可能とのことです。
血流をよくすれば、心は自由になれる
著者は、「血流をよくすれば、心は自由になれる」としています。
確かに、体が不調であれば気持ちも滅入りますし、体が快調であれば気持ちも明るくなります。
様々な不調が、血流を良くすることで解消するとしたら、これは試す価値があります。
日常的に、私たちは、目の前にある「症状」だけに囚われがちです。
たとえば「頭痛が生じたら頭痛薬を飲む」「肩がこるからマッサージに行く」というように、そのとき生じた痛みへの対策を行うというようなぐあいです。
しかし、本来行うべきは、本書にあるような、総合的な改善なのかもしれません。
終わりに
本書で紹介されている「血流を良くする方法」は、決して難易度の高いものではありません。
【かんたん丹田呼吸法】をはじめとして、いずれも、手軽に毎日の生活に取り入れられるものばかりです。
本書を参照に、血流を良くすることで、体と心、両方の健康を目指してみたいものです。
(文:朔)