外食でどのメニューを注文するか迷ったら、先に店員さんを呼んで「お店の人が席に来るまでに決める」っていうタイムアタックを自分にしかける出版プロデューサーの西浦です。決断力あるようでなさすぎだと気づきました(笑)
コンサルタントとプロデューサーってどう違うのか、けっこう曖昧ですよね。
この違いについて簡単に整理して、どちらと組むと良いのか、その判断ポイントもまとめてみましょう。
目次
コンサルタントとプロデュ―サーの違いを動画で観る
この記事の内容をおよそ13分の動画にまとめています。
コンサルとプロデュース、それぞれの違いを動画で知りたい方は下記をご覧ください。
コンサルタントとプロデューサーの違い
僕もコンサルタントとプロデューサーの違いが曖昧だったのですが、この違いをしっかり意識できるようになった経験があります。
2010年ごろの話ですが、経営コンサルタントの中井隆栄先生に「できるコンサルタントの条件」を教えてもらったのがそのきっかけです。
できるコンサルタントの条件とは「9割聴いて、1割話す人。しかもその1割も質問。」である人なのだそうです。先生曰く「自分がたくさん話しているうちは、コンサルタントとしては二流」だそうです。
それを聞いて「僕は、まだまだたくさん自分から話してます」と言うと「西浦さんはプロデューサーだもん、当然だよ」と言われました。
どうもコンサルとプロデュースというのは、プロに言わせれば明確に違うもののようです。その後、僕も意識して「出版コンサル」という言葉を使うのを辞めました。
あなたが出版のパートナーを選ぶときに「プロデューサー」が良いのか「コンサルタント」が良いのか、こんな違いから考えるのも有効です。
コンサルタントは決めさせてくれる人
コンサルタントは選択肢そのものを、あなた(クライアント)の中から見出す職業です。つまり「答えは自分の中にある」という大前提に従って、課題を整理し、決定までのサポートをします。
なぜかというと「決める」ことがすごく重要で、世の中にはそもそも自分で決められない人、決めたくないことが多いからです。
「決める」とは原則として「それ以外の可能性を捨てる」のと同じなので、決断力や覚悟が必要になります。
こういった決断には精神的なエネルギーコストが発生しているし、そもそも決断するには、問題や状況をより正確に把握する必要がありますが、その認知にもコストがかかるため、決めるのを先延ばしにしてしまいがちなのです。
それらを整理し、決めやすい環境に追い込み、決めやすくしてくれるのが「コンサルタント」です。
もう一つ、この「コンサルスタイル」のメリットがあります。それは「クライアントが100%自分で決められる」ことです。
どんな名案であれ、経営者は決められてしまうとテンションが下がる生き物なので、特に経営コンサルタントのような仕事においては「クライアントが自分で決める」ことが重要です。
プロデューサーはベストを決めてくれる人
プロデューサーは出版にせよ、音楽、ビジネスにせよ「これがベスト」という答えを提案する職業です。クライアントは「Yes or No」を決めるだけで良いです。
なぜそう思うのかというと、以前プロミュージシャンの方に「プロデューサーは決める人」だと教えてもらったことがあるからです。
曰く「ミュージシャンって、いつまでも決められないんですよ。アルバム作ってても『今回のテイクは息が合ってたね』『でもノリは2回目のテイクが良かった』といつまでも『こっちもイイ、あっちがイイかも』と繰り返してしまう。そこへ『いいね!これがベストだ』って決めてくれるのがプロデューサー。不思議と言葉に『この人が言うならそうなんだろう』と思える響きがある」のだそうです。
僕は出版プロデューサーなので、本においては「一人でも多くの読者に届けるならAパターンがベスト、あえて女性読者に絞って訴えたいならタイトル・文体も含めてBパターンに変えるべき」など、目的・目標に応じて常にベストな提案を行います。
ちなみに、あなたにとって「それはない」という提案をしてくるプロデューサーとは別れたほうがよいでしょう。たぶん描いているゴール、プロセスがあなたと違っています。
もちろん、プロデューサーのほうが正しくて、あなたが間違ってるケースもあります。それでも、別れた方が良いです。
あなたとプロデューサーのセンスや実力に開きがありすぎると、お互いに力を発揮できません。自分の実力より上過ぎるプロデューサーも下過ぎるプロデューサーもよくないのです。
さらに「Yes or No」だけでなく、「プロデューサーからの提案を土台に、それを超える形に落とし込む」っていうのがプロデューサーとクライアントの理想的な関係性だと僕は思っています。プロデューサーの提案を成功の最低ラインとして設定して、それを超えれば大成功です。
提案が80点ならそれをベースに100点を狙えますが、提案が20点ならせいぜい50~60点で止まるので、提案力の高いプロデューサーと組むことが大事です。
プロデューサーとコンサルタント、どちらと組むべきか
「コンサルタントは決めさせてくれる人」「プロデューサーはベストを決めてくれる人」ではどちらと組んで仕事すると良いかと言えば、「どういった内容を相談したいか」で変わります。
- 自分が得意としているジャンルをさらに磨きたいならコンサルタント
- 初めてチャレンジすることや、次のステージに上がるときはプロデューサー
がベストチョイスなのではないでしょうか。
自分がより自分らしく、自分の強みを明確にしていったり磨きをかけるのにはコンサルタントが有効です。
自分を変える、新しいステップを踏み出す場合「未知の領域」なので、ベストプラクティスをくれるプロデューサーが有効です。
ただ肩書やその役割は人によって捉え方も違うので、相手が「コンサルタントを名乗っているか、プロデューサーを名乗っているか」ではなく、仕事のスタンスややり方をしっかり確認しましょう。
ちなみに僕自身について言えば、両方の要素を持ってるつもりですが、比重はプロデューサー目線に7~8割を置いてます。
なぜなら「著者の選択肢にない提案」が大事だと考えているからです。クライアントは出版未経験で、本のことをよくわからないからこそ依頼していただいているからです。
著者ではなく、読者こそが僕らに共通の、真のクライアントです。彼らに届く最適な形というのがあり、企画ごとに提案するのがプロフェッショナルです。
最適な形が本でないなら「本じゃないほうがいいよ」という提案もできるのがプロだと思います(どこかの転職サイトみたい(笑)
自分が書きたい本を教えてくれるのがコンサルタント、読者が読みたい本を教えてくれるのがプロデューサーと言えるかもしれません。