その企画が10秒で「ダメだこりゃ」と思われる理由【楽しい大人を増やしたいは響かない】

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どんな面白い企画であれ、相手にそれが伝わらないと「イイね!」とはなりません。

しかし出版の未経験者の場合、焦ってしまうのか、力が入りすぎるのか全然伝わらないことも多く、実は聞いている側は開始10秒で「ダメだこりゃ」と心のいかりや長介をむき出しにしてしまうことが多いです。

もっとつらいのは「ダメだこりゃ」となった企画をその後延々と聞かされることでして、これはもう悲しみしか生みません。

そうならないためにもなぜあなたの企画が「ダメだこりゃ」と思われるのか、その原因と対策についてまとめてみました。


なんの話かまったく見えてこない

これが一番つらいのですが、「誰のための、何がどうなる本なのか」まったく見えないで話が進むと本当にツライです。とにかく端的に「なんの本か」を伝えてください。

  • 「フリーランスが確実に1年で300万、2年で500万、3年で800万稼ぐ本です」
  • 「超受け身でもコミュニケーションが成立する本です」

など、とにかく手短かに「どんな本か」を伝えましょう。つまりは企画のコンセプトです。これがない=何にも考えられていないと言っても良いでしょう。

10秒で何の本か見えてこないと、心のいかりや長介が出てきます。

とにかく話が長い

もう企画うんぬん以前に「長い話はツライ」です。相手が校長先生の話を聞いてる朝礼の生徒みたいな顔になってませんか?だいたいメモも取らずに聞くだけで記憶できる時間は限られています。

でも相手に刺さる話ができていない人に限って、不安からどんどん話が長くなる傾向にあります。『今の日本の経済がどうの、世界的にみてもっとこうあるべきで、これからは女性も活躍する時代だし、高齢化社会においては・・・』『ちょっと、待ってくれ!何の話!?』って叫びたくなる時があります。というか実際に『〇〇さん、話が長いゼ―☆』って冗談めかして言いました。

基本的に相手から質問や、「なるほど!」というサインがない時に、自分が1分以上話してたらもうアウトだと思って下さい。

相手の心のいかりや長介が大暴れしています。

強い言葉がない

あなたの話に「すごいですね!」「それはなぜですか?」「え、それって普通じゃないですよね」といった好反応を示してくれると、編集者やプロデューサーは興味を抱いています。

そのカギになるのは、やはり「興味を引くキーワード」です。

「和菓子よりケーキのほうが太らないんですよ」「50,000人のクライアントが成功率80%以上です」「日本人で唯一、イタリアNO.1の靴磨き職人のもとへ修行に行きました」とか、実績やノウハウ、事例などに、とにかく相手を驚かせる言葉を入れてください。強い言葉に人間は反応するんですね。心の長さんが微笑んでくれる瞬間です。

動機が上から目線

本としてそこそこ面白そうでも、原稿にすると文章がわかりにくい、はっきり言うと偉そうでムカつく、ということがあります。

こういう本は読者に著者の上から目線が伝わって不評でして、発売後に全くクチコミをしてもらえない傾向が強い。

「楽しそうな大人を増やしたい」「電車で元気のないサラリーマンを見てこのままじゃダメだと思った」って良いことを言ってるようで、上から目線ですよね?

『なんでお前にそんなこと言われなきゃいけないんだ』と感じます。説教されてるような感覚なんですよね。

同じことでも「ボク自身が本当に毎日がつまらない大人だったから」「電車に映る自分の顔を見て、このままじゃダメだと思った」と自分事にすれば、相手に響きやすくなります。読者も僕らも共感できるんです。自分自身の体験でなくとも、せめて親しい友人や家族など、本当に親身になれる相手のためを思って、下から目線で話しましょう。

あ、もちろん本気でそう思ってないとダメですよ。テクニックとして見せ方だけそうしても、心のいかりやさんには見抜かれます。

 

ブランディングとか言っちゃった

「〇〇協会のブランディングのために」など、ブランド目的の発言はしてませんか?相手が表情に出すかどうかは置いておいて、かなり感じ悪いです。動機が上から目線よりさらに悪いです。

ブランディングのための出版ならば、企業出版や自費出版などを目指しましょう。個人的には一番大きい「ダメだこりゃ」を心のいかりや長介が叫ぶ原因です。

そもそもそういう場じゃない

これが意外と盲点ですが、ちゃんと企画の提案をしてもおかしくない場所でしょうか?
出版セミナーの懇親会とかは確かに「そういう場」だと言えます。けれど他のセミナーの懇親会ならそのセミナーに関する話が主であるべきですし、こっちも本の企画の話はしづらいです。

編集者というのは懇親会に行けば企画の売り込みをされる職業でして、ある編集さんは『若いころ、途中まで完全に「コムスメ扱い」されてたのに、主催者に『〇〇社の編集さんです』と紹介された途端、名刺交換の嵐で怖かったです・・・』と軽いトラウマ体験を話されていました。

チャンスとばかりにがっつかず、一人の人間としてTPOに応じた話題を話しましょう。心の長さんもげんなりしてます。

初対面

飲み会で企画の相談がダメと書きましたが、僕自身は飲み会で企画の相談をすることもあります。

『なんだよ!お前だって心のいかりや長介出させてるじゃないか!』と思われるかもしれませんが、実は違うんです。僕は「初対面で企画の相談は絶対にしない」んです。

編集者を単なる取引先とか、「本を出すための機能」として認識していないからです。当たり前ですが一人の人として見ています。自分としてはお互い引退した後で『西浦さーん、今月で私定年退職したんですけど、飲みに行きません?』って言われて『いいね~、行こう行こう!』って言える相手とだけ仕事したいと思っています。

つまり人として見て、人として付き合って、良かったら企画も一緒にやるっていうスタンスです。

 

だから先述のように何かのセミナーの懇親会で編集者を捕まえて企画の売り込みをしているのを見ると「初対面でいきなり売り込みするかね!?」(CV:キム兄)ってげんなりしてしまいます。
人としてではなく「編集者」「出版プロデューサー」という「機能」として見られている気がするからでしょう。

それでも主催者(たいてい著者)に紹介されたりしてると無下にもできないので、話を聞くのですが、だいたいここまで紹介した例にがっつり当てはまり、最初の10秒で「ダメだこりゃ」と「心のいかりや長介」が下唇むき出しになってます。

 

心のいかりや長介と仲良くするために

ではどうすればあなたの企画を、ちゃんと最後まで聞いてもらえ、かつ次へと続くようになるのでしょうか?

  1. 聞いてほしいことをまず聞く
  2. 聞かれたら簡潔に
  3. 相手の興味があることを話す

この3つかなと思います。

いきなり企画の話を始めるから「売り込み」になるのであって、実は初対面でもどこでも、編集者やプロデューサーが「この人の企画聞いてみたい!」って思ったら、いくらでもPRしていいのです。

だからまずはあなたからたとえばこんなことを聞きましょう

  • 何の仕事をしてるんですか?
  • どういった本を作られているんですか?

など。質問に答えてくれたら、相手も「あなたは何の仕事をされてるんですか?」とか「どういったサービスなんですか?」といった質問をしてくれるでしょうから、その答えとして「自分」に関する強い言葉を伝えます。

「ダイエットコーチをしてるんですが、実はガムさえ食べ続けたら80%の人は痩せられるんですよ」とか「経営塾を運営しているんですが、おかげさまでOBが1万人、今だと3年待ちですね」とか。

あなたの発言に、相手が興味を持ったらさらに追加でいろいろ質問されますから、簡潔に、しかし自分の温めている企画の話になるように誘導しながら話しましょう。

そのタイミングで企画の話をすればバッチリですし、むしろ相手がたぶん勝手に「こんな本とかって書けたりします?」と聞いてくるでしょう。

 

つまりは相手の興味があることを話し、あなたに興味を持たせ、徐々に企画の話にしていくと良いでしょう。

そうすれば会ったその日に縁が切れることもなく、次に続いていくと思います。

 

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増刷率90%。平均部数49,000部。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。
書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。
膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。
上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(23万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

業界の活性化を目的として、版元・書店との人脈を活かした合同勉強会や、新卒向けにメディア就活ボランティアも行なう。

「営業だったからこそ、著者・出版社・書店に提供できるモノがある」と増刷ロジックや書店巻き込みマーケティングを駆使したプロデュースを行う。

本は読者のためにある。という考え方から「ブランディングの為に本を出したい」とおっしゃる方には、笑顔でドロップキックをプレゼント(笑)


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