
今回のテーマは
「本があんまり売れてないのかなってバレる瞬間」です!
業界の人にはバレバレなんですけど、本があんまり売れてない人がやりがちな誤魔化しってあるんです。
読者とか一般の方にはバレてないからですね。
もちろん売れてないって思われるより、売れてるって思われたい気持ちはわかります。
だから僕もわざわざ本人捕まえては言いません。
どうぞご自由にという感じで。
ただ、実害も出てまして。
誤魔化された著者が本当に売れているって信じて「この本みたいにしたい」とか「こういう内容でもヒット作ありますよね」って言ってくることがあるんです。
その誤魔化しを一から説明して、目覚めてもらうのって毎回やると大変です。
なので僕の周りの方だけでも「こういうことを言う人は実は案外売れてない」っていう誤魔化しの手口を知っておいて欲しいです。
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▼本があんまり売れてないのかな?ってバレる瞬間
目次
【結論:売れてる人は部数を言う】
結論を言います。
部数以外で売れてることをアピールするのは、原則誤魔化しの手口です。
なぜかというと、本当に売れてる本はみんな部数を言うからですよ。
10万部突破!とか。
5万部!売れてます!とか。
その数字そのものが、一番の宣伝材料になるから使わない手はないんですね。
それこそ出版社的にも98,000部で広告打つより、10万部!で広告出す方が売れるの肌感覚でわかるから、
あえて必要数より多めに刷って10万部にしたりするくらいです。
それくらい有効です。
だから売れてる人は数字を言います。
数字を言わないってことは、言って「売れてる」って思われないくらいの部数だということです。
だからあんまり売れてない人は、数字を語りません。
【刷数のみを言う】
数字を言えばいいのであれば「刷数」はどうでしょうか?
刷数というのは増刷のかかった回数のことです。
初回の発売時を「初刷」として最初の増刷を「2刷」、2回目の増刷が「3刷」と増えていきます。
刷数は立派な数字ですが、これも微妙に「部数は言いたくない」っていう事情があってごまかしているんですよ。
例えば僕がプロデュ―スした本の内、ちょうど10刷で止まっている本が3点あるんですね。
この3つの刷部数を言うと
A:39,100部
B:63,000部
C:33,500部
となってます。
3つとも違う出版社で、発売時期もバラバラです。
AとBはなんとなく近いけど、
Bは6万部超えてますから全然違う。
これは当時の売れ方が違ったり、出版社の販売戦略の違いです。
勢いの良い売れ方をすれば1回の増刷部数が5,000、7,000、10,000と大きくなりますし、
ちょっと微妙な、まだ売れるのかこれから爆発するのか、それとももうお終いなのか読めない感じだと
3,000、2,000ということもあります。
だから同じ10刷って書いてあっても2倍近く違う可能性もあるわけです。
ぼく自身これらの本はAは約4万部って言ってます。
Bも同じく6万部って言ってますね。
Cだと4万部っていうのは言い過ぎになるので、3万部っていうべきなんですけど、3万部って一般的にはどうでしょう?
売れてる!って感じしますか?
業界的には十分ヒットしたね売れたねって言ってもらえるレベルだと思うんですが、業界外のそれこそ著者さんとかだと「ちょっと届いてない」感があるんじゃないでしょうか。
そうするとね、10刷っていう方がすごそうに聴こえるかもしれない。
他の10刷で6万部の本もあるから勝手にそれくらいと勘違いしてもらえるかもしれないし、
刷数でごまかす人もいるかもしれません。
ちなみに補足というかフォローしておくと「部数については今は言わないで」と出版社側から言われた人が、しょうがなく刷数を言ってることもあります。
この場合は「ごまかし」ではなくて「口止めされてるから」部数を言ってないだけです。
そういうケースもあります。
僕も正直3万部未満の本については、部数言わない方が良いかなという妙な忖度があって公開していません。
5万部超えたら遠慮なく言うべきって感じですけどね。
【他にもあ
る有名なパターン】
ここからはよくある手口をご紹介していきます。
■「ランキング1位」
まず「〇〇ランキング1位」です。
はいこれ、増刷すらしてなくても使える数字ですよね。
例えばAmazonキャンペーンとか、書店さんで買い取りしたりして、瞬間的にランキング入りさせることもできるんですよ。
この「〇〇ランキング1位」を使って発売後、まだ日数が経ってない時は広告をだしたりするので戦略的に意図して使われています。
本が売れなかった場合もこのランキングだけ取っておいて、後で使えますしね。「●〇ジャンル1位」的なのよく見たことないですか?
本当に自然にランキングに入ってることもありますがそうでない場合の方が多い印象です。
単店のランキングはむしろ疑いましょう。
■「シリーズ累計〇万部、著者累計〇十万部」
これもよく使うし、なんなら出版社側も使いがちです。
累計にすれば、数は大きくなるんですよね。
シリーズ15冊で10万部だったら平均6,666部ですよ。
1冊5万部くらいのやつがあって、なんとか10万部っていう大きい役に見せたいんだなと思います。
著者累計も同じですね。人によっては本当に100冊ある人もいますからね。
この手の手口を見ると、業界の人はみんな「シリーズ何冊なんだろう」「著者累計で何点あるんだろう」って分母のことを考えます。
なのでこういう書き方とか表現を見かけたら「純粋なその本の部数を書いていないってことは、そんなに売れてないんのかな」「部数を言えない事情があるのかな」って思ってもらうといいのではないでしょうか