本のタイトルを自分で決める方法、せめて絶対嫌なタイトルを避けるには

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本はタイトルが命。
言わずもがなですが、本にとって「タイトル」というのは売れ行きにも、作品としての印象にも非常に大きな影響を与えます。
本は中身を読むまで、面白いか面白くないか分からない商品です。よって読者は本を買うかどうか、そもそも興味を持つかどうかの第一印象を「タイトル」から受けます。たとえ人からお勧めされたり、ネットで書評を読んだ時でもタイトルに目をやることは間違いありません。本の「タイトル」は読者に「この本を読むとどうなるか」や「この本に書かれていることは何か」を文字情報で一瞬に伝えてくれます。
「タイトル」はこれくらい重要なものですから基本的には編集者が決めるもので、著者が決めることはほとんどありません。
ですがやはり本は自分の子供のようなものでもあるし、自分で名前をつけてあげたいと思うのが親心かもしれませんね。
ですので、この記事では「自分の本のタイトルを自分で決める方法」について紹介します。

あなたと編集者の共通目標

著者がタイトルを決めるケースが少ないのは、別に編集者が自分で決めると言うことに固執してるからではありません。(個人的にそういう性格や主義の人は除く)
編集者はただただベストなタイトル(売れるし伝わるタイトル)がつけられれば良いのですが、著者よりも編集者の方が冷静により深く適切なタイトルについて考えられるので結局は著者の案が通らない、場合によっては聞いてももらえないということになるのです。
つまりタイトルは「編集者が決める」のが重要なのではなく「ベストなものに決める」のが一番重要で、そこがあなたと編集者との共通目標です。
ここを理解すれば、やるべきことが見えてきます。
具体的には編集者が「いいね!そのタイトル」って思えるものを事前に伝えておきましょう。
でもこう言うと反論が返ってきそうです。
「どんなタイトルが良いかなんて聞いてもらったこともないですけど?」と。
実際、聴いてもらえることはあんまりないかもしれません。
だったら、聞かれなくても絶対に伝わる方法でタイトル案を投げておけばいいのです。
どんな著者でもできる方法をご紹介します。

企画書の見出しに強いキーワードを入れておく

企画書の中でほぼ間違いなく著者が作るのが「見出し」です。

章毎の、小見出しですね。

もちろんこの見出しも最終的に編集者にブラシュアップしてもらいますが、強いキーワードや表現というのは残ります。

編集者としても著者のオリジナリティや「らしさ」というものを残したいと思っているのでなおさらです。

この見出しからピックアップされて、タイトルになるパターンはけっこう多いのです。(特に新書など)

「なーんか違うなー」とタイトルについて編集者が悩んでる時に「企画書」に戻るのはよくあります。「どこが一番面白かったんだっけ?」という原点回帰ですね。

だから見出しは超重要です。気合入れて書きましょう。

ちなみに西浦は著者に「見出しを作るときは『名言集』が作れそうなくらい強い言葉を10個入れてください」と言ってます。

 

会議中にキーワードを挟み込んでおく

編集者との会議中、雑談中など、とにかくいろんな話をすると思います。

できる編集者さんって、会議中はもちろんですが、飲んでる時でも、移動中でも「ピン」と来たものはしっかりキャッチされます。

頭の中でキャッチするだけじゃなくて「あー、それいいですね!」とメモされてることもありますね。

その時のメモがそのままタイトルになる可能性はかなり低いですが、編集者の中でその言葉はちゃんと反映されて、後のタイトル出しに影響を与えてます。

きっとあなたの出したキーワードをさらに熟成させたタイトルにしてくれますよ。

 

絶対嫌なタイトルの売れ行きを調べてもらう

逆に「これ系のタイトルだけは絶対イヤだ」というのもあるでしょう。
そういう場合は裏技ですが、事前に近いタイトル本の売れ行きをPOSデータ等で調べておいてもらうという方法があります。
以前『お腹からやせる食べ方』という本をプロデュースした時ですが、担当の編集さんから「営業との会議で『もっとご飯やお米を前に出したタイトルがイイのでは?』と言われたんですが…」と言われたことがあります。
正直、これは「営業ならそう判断するよな」という妥当な判断です。書店さんに話すときも「今、低糖質ダイエットが流行ってますが、この本は逆にお米を食べていいっていう本なんですよ」と「今までの本とここが違うよ」と明確に言えた方が提案しやすいんです。
それは予測してたし、なんなら一度自分でも候補に入れてました。でも著者と何度も話し合う中で「お米食べて痩せるって(本当なんだけど)・・・読者も最初は信じられないんじゃないですかね?ハイハイよくある逆張りねって感じで」「実際、そこは抵抗がある部分みたいです」と結論としてはタイトルに入れるのはやめておこうとなっていたんですね。
だから事前に「お米」がタイトルに入ってる本の売れ行きを調べておいてもらったんです。その本(具体的には書けません。察してください)がはっきり言って売れてなかったので営業さんからの提案も穏便に「やめときましょうか」となりました。
それって調べた本がたまたま売れてなかっただけで、そこそこ売れてたらどうするのか?と思われるかもしれませんが、安心してください。
普通に調べたらほとんどの本が売れてません(涙)出版不況・・・。
もし本当にたまたま売れてる本だったなら、自分の感覚の方を修正すればいいんです。よくないタイトルだというのは思い込みだったかもな?と。
売れてるか売れてないかの理由のすべてがタイトルにあるわけでもないので、「売れてないからダメなタイトル」「売れてるからいいタイトル」っていうのはけっこうな暴論なので、裏技として使いどころを選んでくださいね。

ベストタイトル

いかがでしたでしょうか?タイトルを決める方法を3つ紹介しましたが、いずれも「主導権を握る方法」ではなく、良いタイトルにするためのアプローチです。
編集者にとって「ベストタイトル」にするのが目標であるように、著者にとっても「自分で決める」が目標ではなく「ベストタイトル」にするのが目標のはずだからこれでいいのだと思っています。
何でも自分で決めてしまってたらその編集さんと組んだ意味もないし、「この編集さんとだったらこういうタイトルになるのか」と楽しんでもらえたらなというのが本音です。
ただ一方的に編集さんに「こうなりました」と決められて、しかも売れなかったときに不満が出てしまうので、こういった形で、タイトル決めに関わっていってはどうでしょうという提案でした。

増刷率90% 平均部数48,000部の出版プロデューサー。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(22万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

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Written by

西浦 孝次

増刷率90%。平均部数44,000部。 「血流がすべて解決する」(18万部)「奇跡の営業」(6.3万部)などデビュー作をベストセラーにプロデュースするのが得意。 おそらく業界で唯一、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。好きな食べ物は炒飯。