
以前読んだ『読みたいことを、書けばいい。』の中で、田中泰延さんが随筆について「事象と心象が交わるところに生まれる文章」であると定義されていました。
「なるほど、そりゃそうだ」と思ったと同時に「あれ?エッセイもそうだっけ?随筆と何が違うんだっけ?」と疑問が浮かんできました。
僕は言葉の定義があいまいっていうのが本当に苦手なので(笑)
エッセイの意味と、随筆、作文、コラムといった文章との違いを整理してみました!
目次
「エッセイ・コラム・随筆の違い」を動画で観る
本記事の要約を6分強の動画にまとめています。
動画では要点を整理したり、「まとめ」をつくって、より直感的に理解できるようになっています。
こちらもぜひご覧ください。
■エッセイ・コラム・随筆の違い【由来や日本三大随筆の紹介も】
エッセイとは「自由に書かれた文章」のこと
エッセイとは俳句や詩などのように定型的でない、自由に書かれた文章(散文)のことです。
また文学の一ジャンルでもあります。
語源はフランス語で「試み」を意味する「essai」
フランスの思想家ミシェル・ド・モンテーニュの『エセー』(Essais 1588年)で、最初に「随筆」の意で使用されたとされます。
エッセイと随筆、作文、コラムの違いを理解
エッセイと随筆が同じモノとして扱われることもあれば、別モノだとする本や記事もあります。
随筆は10世紀末ごろに書かれた「枕草子」が起源とされているので、エッセイと随筆はそもそも誕生年代や国が違いますね。
エッセイと随筆の違いや、作文、コラムについても整理してみましょう。
著者の心の中を整理したものが「エッセイ」
文章の形式に捉われず、書き手の思ったことや感じたことを、そのまま文章にしたものがエッセイです。
著者の「心」や内面の世界に焦点が当てられているのが特徴です。
先述のように十六世紀に出版されたモンテーニュの著書「随想録」を起源とするのが定説で、フランス語の「試み」を意味する「essai」に由来します。
「体験や知識」+「感想・思索」が「随筆」
書き手の体験や知識と、それに対する着想・思索等で構成される文章が「随筆」です。
国内最古の随筆は清少納言によって書かれた『枕草子』とされ、
日本では『枕草子』に鴨長明の『方丈記』と吉田兼好の『徒然草』とを並べて「日本三大随筆」とも呼ばれます。
特に徒然草の書き出し「つれづれなるままに、日ぐらし、硯にむかひて、心に移りゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、怪しうこそ物狂おしけれ(現代語訳:することがなく手持ち無沙汰なのにまかせて、一日中、硯と向かい合って、心に浮かんでは消える他愛のない事柄を、とりとめもなく書きつけてみると、妙におかしな気分になってくる。)」は「まさに「随筆を書く姿そのもの」と言えるでしょう。
体験したことへの感想を述べた文章と、その行為が「作文」
作文は、文章で感情や情報を伝えること、またその文章そのものです。
「読書感想文」や「修学旅行の思い出」「戦争について考える」といった形で課されることが多く、日本では最初に小学校で「作文」に取り組むのが一般的です。
「~しようと思いました」「~して楽しかったです」などの「感想」に焦点が当てられやすいのですが、
「自由に〇〇について考えて書きなさい」というよりは、実際に何かを見学したり、戦争体験者に話を聞くなど「体験」をベースにすることが多く、その意味で「随筆」に近い。
けれど、エッセイの要素が強いものでも特に間違いとはされません。
雑誌や新聞、WEBメディアに掲載されている評論が「コラム」
出来事に対して、個人の見解や意見を交えて論じられたものが「コラム」です。
主に新聞や雑誌、最近ではWebメディア等における「論説」を指すのが一般的。
ニュース記事が事実を伝えるのに対し、コラムは「ニュース+個人の見解・意見」で構成されます。
語源は円柱を意味する英語『column』で、新聞誌上で線で囲まれ、ニュース記事と視覚的に区別されたことから「コラム」と呼ばれるようになったそうです。
コラムを書く人は「コラムニスト」とも呼ばれます。
毎日新聞の「余禄」、読売新聞の「編集手帳」などが存在します。
参考
まとめ〜ブログはエッセイ?随筆?
エッセイに随筆、作文、コラムといった「文章のスタイル」を整理してきました。
まとめると
- エッセイ 筆者の内面を自由に表現した文章
- 随筆 「体験・知識」 + 「感想・思索」で構成される文章
- 作文 心象に焦点を当てた随筆
- コラム 「ニュース」 + 「個人の見解」で構成される文章(メディア上の随筆)
と定義できそうです。
田中泰延さんの「事象と心象が交わるところに生まれる文章」という随筆の定義とも合致したので気持ちの良い結果なりました。
世の中のブログはエッセイか?随筆か?を考えると、筆者のスタンスによって異なります。
純粋にエッセイ(自分の心の中を自由に表現する文章)として書いている人もいますし、随筆を書いている人もいます。
それらが交じっている人が大半でしょう。
ただ、多くの人にとって読まれるブログを書きたいなら「随筆」をお勧めします。
「エッセイ」で面白いものを書くのはかなり特殊な才能が必要で、ポエムを書くようなものだからです。
丁寧な取材や、蓄積された経験知を担保して、そこからの発想を書く──プロの「随筆」が最も読みごたえがあると言えます。