僭越ながら「取材で自分らしさを出す」方法について学生にアドバイスしたこと

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昼イチに予定が入っていると、この出版TIMES更新が本当にギリギリの戦いになる、出版プロデューサー西浦です。

うちのインターン生である「学生出版プロデューサー」のインタビュー企画について、数ケ月アドバイスを続けてきて、最近は良い感じになってきました。

もちろんまだまだプロには通用しませんが、20歳ごろの自分の企画力と比べると天と地ほど違う印象です(笑)

 

ただ、そこそこ形になってきたのは良いものの、逆に「突拍子もなさ」とか「自分らしさ」という点がむしろ発揮されてないなと思うようになりました。

なんとなくみんな似たり寄ったりなのです。

武道の習得ステップとして「守破離」がありますが、「守」に気を取られ過ぎた印象でしょうか。

学生出版プロデューサーは彼女たちの就活対策も兼ねて企画や取材をしているので、活動を通じて自己分析もできなくてはなりません。

企画ほど自分らしさが出るものもないので、まさにベストな手段のはずですが、今の彼女たちの企画書にはそれが表現されてないのでまずいなと。

 

ただ、自分がそもそも編集者のような「企画のプロ」でもないので、企画のアドバイスはできないんですね。

なので僭越ながら、あくまでプロデューサーとして「プロデュース」の目線でアプローチしてみようと。

 

とはいえたいしたことではなくて「本当に自分が知りたいことを聞くようにしたら?」というだけのことです。

就活をしていてよく学生が会社説明会などのQ&Aで「皆さんが今のお仕事でもっともやりがいを感じることはなんですか?」と質問をよくしますね。

たぶん数十年間訊かれ続けている、超ド定番質問で、訊かれる側も本心では「またか…!」と退屈しているのではないでしょうか。

以前、某超世界的有名ブランドの説明会でこの質問をした学生に対し、担当の方が「その質問は何の意図があってされてますか?私とあなたのやりがいは別のモノなので、訊く意味がないと思いますが?」と真っ正面から一刀両断されていました。

そこまで言わんでも・・・と思いましたが、気持ちはわかります。

 

皆と同じ質問をしてちゃいかんのです。

「目の前にいる相手にだからこそ訊ける質問」をするのがやはりベストだと思うのですね。フォーマットそのままのような質問では、面白い返答は期待できませんし、相手に対するマナーの面でも避けたいなと。

相手をちゃんと一人の人間として興味をもっていれば、自然と「その人にこそ訊きたい質問」がわいてくるものじゃないですか。

 

そこでカギになるのがもう一つ「自分が本当に訊きたいこと」「自分だからこそ訊きたいこと」です。

相手のことを調べて「これは訊くべき」だと思ったとしても「本当に自分がそれ訊きたいのか?」というのはけっこう重要な視点です。

「目の前の相手にだからこそ訊くべき質問」というだけだと、想定の範囲内のインタビューにしかなりません。

こちら側の想定を超える可能性はあるのですが、相手(取材される側)の想定を超えないのです。

 

これだとインタビューとしては「他の誰かが行ったインタビューと同じ」になってしまいます。

ものすごく興味のある作品のインタビューであれば、読者としてはちょっとでも違った情報、より深いインタビューを望みますよね。

僕も気になる作品のインタビューを複数のメディアで追いかけていて「結局どこも同じことしか書いてないなぁ」と残念な気になることが多いです。

なんというかファンだからこそ訊けることってあって、それを訊いてほしいわけです。

 

それには自分が本当に知りたいこと、訊きたいことを「読者も知りたい形で問う」ことが重要になります。

例えば「私はこのシリーズでいつも〇〇の部分が好きでしょうがないんですが」とか「私はいつも〇〇で悩んでしまうのですが」という本音の感想やリアルな悩みで、想定読者も「そうそう」と頷いてくれることを訊くと良いのです。

すると取材される側は、不特定多数ではなく目の前にいるインタビュアーの質問に答える姿勢になり、少しパーソナルな部分が出てきます。

相手を一人の人間として興味を抱く。自分を一人の人間として相手に伝える。

つまり取材を(就活の質問でも)、お互い人間としてのコミュニケーションにすることができれば、その取材はオリジナルの、この世にたった一つしかない自分らしいものになります。

 

こんな話をしたら、「ふむふむ」と何かつかんでくれた印象があったので、次の取材も期待したいと思います。

 

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増刷率90%。平均部数49,000部。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。
書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。
膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。
上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(23万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

業界の活性化を目的として、版元・書店との人脈を活かした合同勉強会や、新卒向けにメディア就活ボランティアも行なう。

「営業だったからこそ、著者・出版社・書店に提供できるモノがある」と増刷ロジックや書店巻き込みマーケティングを駆使したプロデュースを行う。

本は読者のためにある。という考え方から「ブランディングの為に本を出したい」とおっしゃる方には、笑顔でドロップキックをプレゼント(笑)


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