
お盆に液状のモノを載せるとほぼ100%こぼす出版プロデューサー西浦です。不器用すぎるのか足音がデカすぎるのかわかりませんが、とにかく一人で飲み物も運べない。ダメだ。
さて今日で毎日更新7日目、とりあえず1週間おめでとう自分。
昨日こんな記事を投稿したらけっこう反響をいただいて嬉しかったです。
コメントしてくださるのは組織作りとか女性のキャリア等に取り組んでる方が多かったですね。
記事を公開してから気づいたのですが、あの記事はそもそも「著者メディアの運営をしていくのに、『自分一人で書くブログ発想』じゃなくて、人の力を借りた方が良いよ」ということを書くつもりだったのですが、
すっかり違うところに着地してしまってました。依頼者側にとってなにが良いのか?が抜けてましたね、申し訳ない。やはり体調悪いと原稿の着地すらままなってないです。
というわけで、昨日の記事を受けて、著者やフリーの編集さん(あるいは社員の出版人)も、いろんな人とビジネスパートナーとして契約して、助けてもらった方が良いよという話を書きます。
すべて自分でやってみて「ありがてぇなぁ」と感じていることです。
目次
情報発信はちゃんと「人の力を借りる体制」を作るべき
出版というのは、情報発信の一形態だと考えています。要はコンテンツを本で伝える、残すということですね。著者は当然情報発信者だし、これからの時代は編集者やマーケターも情報発信者でないといけないと思います。
なぜなら情報発信は一方的な発信だけでなく「コミュニケーション」という面があって、ユーザーとコミュニケーションの取れるクリエイターは編集者であれ営業であれ、社員であれフリーであれ、情報の拡散力、本の売れ行きにダイレクトにつながるからです。映画で言えばタレントさんだけがSNSでユーザーとコミュニケーションをとるんじゃなくて、監督やプロデューサーにあたる人たちもやっていけばコアなファンが付き、自分の作品に「最低これくらいは売れる」というメドが立つようになるでしょう。コアなファンのいる編集者と仕事したい著者もたくさんいるでしょうし。
本当に自分がすべき仕事が見えてくる
独立してフリーランスになったばかりの時に、中井塾という経営塾で「経営はいかに自分で動かず、人にやってもらう仕事を増やせるかだ」と教わりました。
そうしないと自分で動ける範囲内でしか仕事を作れないと。本当にその通りだなと思います。
情報発信は基本的に「本人の仕事」だと思いますが、そのすべてを自分でやっていると仕事の優先順位がわからなくなってきます。
このときパートナーがいれば「〇〇は私がやりましょうか?」と言ってきてくれたりします。
セミナー用のワークシート作成、web記事執筆、テープ起こし、取材、イベントスタッフ・・・情報発信にはたくさん委託できる仕事があります。
「これって自分しかできないことだっけ?」
「これは自分がやった方が良い仕事?」
そうやって仕事を振り返れるので、もう一度自分が何に時間やエネルギーを集中投下すべきか見えてきます。
仕事毎の「金額価値」を明確化できる
さて、いざ仕事を依頼しようとすると基本給の社員と違い、業務委託のビジネスパートナーには「業務内容を明確にし、対価を設定する」必要が出てきます。
業務委託として「出版TIMES運営委託」みたいにざっくりやって、固定でいくらという方法もあるでしょうが、これは「運営業務」にどこまで含まれるかあいまいです。
恐らく「あれもこれも」と仕事が増えて行き、でも委託料は据え置きでパートナーが疲弊するパターンです。これはよくない。
ですので1つ1つの仕事にこれはいくらと設定することが必要になります。
仕事にかかっている時間から計算したり、その仕事によって生み出される売上の何%が妥当かなどいろんな視点で考えましょう。
こうすることで、自分の仕事のうち「何にいくらの価値があるか」が見えてきて、自分は価値の高い仕事を選んで集中できるし、自分の時間価値を高めることができます。
仮に1時間当たり1000円でできる仕事を委託すると、自分は今後、「時間当たり1000円以上の仕事しかしない」という経営判断もできますね。
「やらない」選択ができる
仕事の分解と価格設定ができたら、ふと気づくことがあると思います。「これって払う金額に見合う価値がある仕事だろうか?」と。
やった方が良いかどうか?で言えば「やった方が良い」と思うから仕事としてやってるわけですが、「これの委託料に10万円は出せない」と感じたとしたら、その仕事は10万円以下の売上にしかつながっていません。
数字で出してみないと意外とわからないものですが、自分がそのように感じているから抵抗があるのです。
だったらその仕事から発生する売上を増やすか、その仕事を「やらない」という判断をしましょう。価値のある仕事に集中するのです。
実は自分も今、一つコストパフォーマンスの悪い委託仕事があります。それをどうすべきか悩んでいます。でもそれでお金を払っている人が複数人いるから止めづらいんですよね
そうなるとその仕事の先にある売上を増やすよう努力する、意識していくしかないです。
「人にお金を払うために悩む」そういう経験ができるのも良いことかもしれません。
やりがい搾取にならない対等な関係が構築できる
仕事を明確にして、価格を設定する。
その時に自分に都合よすぎる価格を設定したら、相手は契約を拒否できます。そうなると仕事を自分で抱えるハメになり、ふりだしに戻りますね。
相手に納得してもらえるよう、依頼側は相場感を調べる必要が出てくるし、互いに適正だと思える価格を話し合いで設定できます。
テープ起こし、web記事執筆、ワークシートデザインなど、いろんな仕事を委託していますが、すべてフリーランス界隈での相場を参考にして設定しています。
このやり方だと「仕事で得るものはお金だけじゃない、やりがいと経験・人脈だ」というようなやりがい搾取をする可能性も下がると思います。
多様性のある記事ができ、コンテンツの価値・レベルがあがる
当たり前の話ですが、他者に依頼することで発信する情報の多様性が増します。
例えば出版TIMESでは書評記事の多くをライターの朔さんにお願いしています。出版TIMESの読者向けに本の情報を届けるのに「これは西浦しかできない仕事だろうか?」と思ったからです。
ですので出版TIMESにふさわしい「選書」は西浦がして、書評の執筆はお任せしました。
こうすることで少し見えてきたことですが、やはりライターさんなので「文章術」の本などはテンション高く書評を書いてくださってるように感じたんですね。
やはりライターさんは文章のプロだし、それぞれに得意ジャンルがあります。そのテーマについて書いてもらえば西浦だけが書くより多様性が出てくるし記事の質も高まります。
選書や書評のスタイルは西浦が指定しているから出版TIMESらしさは保たれていると思いますしね。
そして何より、人に記事を書いてもらえるおかげで、自分の記事により時間を割いて、ブラッシュアップすることができます。
毎日更新する記事だとどうしてもクオリティは下がりがちですが、まとめ記事のように気合を入れて「これさえ読めばOK」というような良記事をストックしていかねばなりません。
以上、情報発信を他者に助けてもらってやることで生まれるメリットです。仕事内容を分解していけば、産休・育休中の人にお願いできる仕事がたくさん出てきます。
著者は法人か個人か問わず、「個」で仕事している人が多いと思うのでこのメリットをたくさん享受できると思いますし、編集さんももっともっと情報発信した方が良いと思うので参考にしていただければ幸いです。