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いろいろ考えるのが5年目だ

出版プロデューサーの西浦です。

以前、マスコミ就活支援の関係で、映画会社の5年目宣伝マン氏と飲む機会がありました。

なんで独立しようと思ったんですか?と聞かれた流れで彼のいろんな話を聞きました。5年目っていろいろ考えるようです。僕も独立したのが5年目だったので気持ちはわかります。独立して7年が経ち「こういう若手は独立とかしないで会社に残って欲しいな」と思うようになりました。

 

相手にぶち切れるくらい全力を尽くす

彼の仕事はいわゆる映画の宣伝で、自分が担当した映画をどうやって世に広めるか考え、実行する仕事です。タレントのインタビューを雑誌に提案して、タレントと一緒に取材に同行したりします。一見、華やかそうですが、実際には映画の話をさせたい宣伝側と、タレントの話を聴きたい雑誌側とで、激しい攻防を繰り広げるまさに戦場でした。「なんか楽しそー♪」とか思っててごめんなさい。

さてこの宣伝の仕事ですが、映画は土曜公開の作品が多いこともあり、若手の休日など無いに等しいそうです。
キツイ仕事だなぁとその場にいた学生も言っていましたが、『タレントのスケジュールが「そこ(土日)」でおさえられるならやはり自分が合わせるし、そうなると休日返上は仕方ない。休日だからとやらないのは失礼だと思う』と、その5年目宣伝マン氏は言ってました。その理由は「ベストを尽くしたいから」だそうです。

ブラックな労働環境と言われればその通りなのですが、「それでもやりたい」って思える仕事に巡り合えたのはステキなことだと思います。

宣伝としてベストを尽くしているからこそ、プロデューサーに『なんでこの映画作ったの?』と聞いて、答えに詰まるようなら「そんな気持ちで映画作るな!」と感じると言ってました。監督もタレントもその作品の出来次第で人生が決まってしまうかもしれない。人の人生がかかったものを覚悟もなく作っちゃいけない。だったらこっち(宣伝サイド)もそんな程度の気持ちで仕事するけどいいのか?と思う。と。

めっちゃカッコイイと思うんですよ、こういう人。しかも編集や映画プロデューサーではなくて営業・宣伝にいることが誇らしいです(僕はマーケ出身なのです)。

ちゃんと仕事するプロデューサーとか監督はとにかく怖い。自分が命かけた映画が売れてなかったら「宣伝なにやってんだ!」って言われます。
でもそれくらい言える仕事しなきゃダメってことだよねと彼と熱く語り合いました。

 

可能性を伸ばす仕事、1/10にする仕事

本気でやってるメンバーからしか生まれないものがあると思います。同じメンバーでしか生まれないし、もっと言うと同じメンバーでもタイミングが違うと同じものにはならない。宣伝マン氏も『興行収入1億くらいまでは「俺がやった」と思えるけど、その先は「何か見えない力のおかげ」と感じます』と言ってました。リリースを出した日に著名人が結婚発表してたりすると、やはり「運がないね」となる。逆になぜか「持ってる」人もいて、まったく話題性のあるニュース等がないタイミングで映画の情報を告知できたりする。

それって運や縁もあるのだと思います。

「水曜どうでしょう」という有名な番組がありますが、「水曜どうでしょう」はあのメンバーが、あのタイミングだったから生まれたのでしょう。
大泉洋さんがまだ学生で、「この世界でやって行くしかない、この番組がなくなったら、もう後がない。」そういう覚悟で「どうやったらおもしろくなるか」「何を言えば面白いか」をすごく必死になって考えてたから面白かった。

けれどミスターこと鈴井さんの経験値や企画力がないと、大泉さんの「必死」だけではあの形になってないだろうし、藤やんやうれしーという会社側のスタッフが「本気で」取り組んでくれてたから、ああなったのだと思います。実際、「水曜どうでしょう」をやってるとスタッフは他の番組はできなかったそうです(仕事量的に)。数ある仕事のひとつじゃなくて、タレントの命、今後の人生がかかった仕事だという認識があるかどうか。そういう認識があれば、当然覚悟が生まれるわけで、そうなれば会社員だろうがタレントだろうが「1/1」の仕事をしてくれる。そうじゃない人にとっては年間10作担当する中の1つ「1/10」の仕事でしかありません。それはその人自身の才能、エネルギー、可能性を1/10にしてるのと同じだと思う。

 

 

本気で命かけて仕事する人

フリーでやってると1作1作が最後のチャンスで不退転の覚悟にならざるを得ません。次が来る保障などないからです。著者に至っては本当にその1冊が最後の1冊になってしまうかもしれない

それに対して「次がある」っていうのはやはり会社員の特権で、失敗しても来月も給料は支払われます。そうなると自分だけ負ってるリスクが小さい気がしてきます。

そのうえ、映画が売れれば監督、タレントのおかげ、社内ではプロデューサーのおかげ、売れないと宣伝のせい。たしかに割りに合わないと思います。販売・宣伝系の人間は企画や編集より「オレの作品」「オレのおかげ」感を感じにくいですよね。そういう面でも独立した方が良いのか?と思う頃なんですね。
けど、本気で仕事して成果が出てくれば必ず指名で仕事が来るようになります。『あいついいなぁ、他に何やってたやつなの?あ、あれに、それに、これか!やるなぁ、次も頼みたい』って具合にです。

少なくとも僕は、そういう営業さんや宣伝さんのいる出版社と仕事したいです。編集さんとMTGして「営業担当ってどんな人ですか?」という話によくなるのですが『こんな状態で提案したら、ぜったいに営業の〇〇さんキレますよね?』ってビビりながら編集さんと仕事したいです。Mだからです。違います、売れる本にしたいからです。

今になって思うのは、「独立」してできるのことの大部分は会社に残ってもできるということです。やりがいとか「オレの仕事感」とかは本人の実力が認められれば得られます。
逆に会社に残ってないとできないことがたくさんあります。「会社の資本やマンパワーを使える側に、本気で命かけて仕事する人」がいてくれないと、業界全部がスポイルされてしまいますしね。
僕が仕事をお願いする編集さんは皆さん会社員ですけど、一人一人経営者のように厳しく自律して仕事をされてます。会社員かそうでないかの大部分は、本人の意思とか覚悟次第で変わると思います、逆にフリーとか経営者でもダメな人は全然ダメです。とかなんとか書いてる僕も偉そうな口叩ける人間ではないので、ここでやめときましょう。

才能がある人、真剣に仕事している人、ベストを尽くす人にはぜひ会社に残って仕事して、業界を支える柱になっていただきたいです。

そういう営業さんや宣伝さんとぜひ飲みに行きたいです、紹介してください!

 

上から目線じゃなくて、本当に独立とかしないで会社に残って欲しい人がいる

いろいろ考えるのが5年目だ 出版プロデューサーの西浦です。 以前、マスコミ就活支援の関係で、映画会社の5年目宣...

講義概要

2016年12月に相模女子大学様で出版業界就活セミナーを行いました。

キャリア支援課様からは、「1~3年生を対象に、出版業界の概況、基本構造から採用状況、就職のための準備、大手出版社以外の就職先について」まで話して欲しいとオーダーを頂いたので「てんこ盛りですね」と言いながら、90分という時間の短さを確認してみんなで泣きました。(笑)すべて均等に話すと総花的で結局何も残らない恐れがあるので、しっかりとみんなで相談して「大手出版社入社以外の就職先(関連業界を含め)」について厚く熱く話そうと決めました。限られた条件の中で学生たちへ、ベストを尽くそうという意思がお互い共有できました。

 

講義内容(一部抜粋)

はじめに

第一章 出版業界の基本

・落ちる売上、消えゆく書店と出版社―THE・斜陽産業、出版業界最近の動向

・電子書籍は救いになるかネット書店みたいなものなのか

・出版業界の仲間であり微妙な力関係の仲間たち―出版業界の構造

・コンテンツビジネスの担い手、出版業界の関連業界

 

第二章 出版業界の職種(仕事内容・労働時間等)

・編集

・営業

・宣伝

・広告

・ライツ

・校正

第三章 出版業界の採用状況

・狭き門だが人気減少により、わりと穴場になってきた?―新卒求人の動向

・どんな人が「一緒に働きたい」と思われるのか―求められる人材、能力

・会社ごとに全く違う、社風、社員の空気感

・具体的な人物像(ある出版社の例)

・変態&すごい人、でも空気読めてストレス耐性と体力ある人いらっしゃい!

・採用試験の競争率~中小出版社は100倍以下!

 

第四章 出版業界に就職するための準備(受験対策・期間)

・業界地図と会社図鑑読んであとはひたすらOG訪問―業界・企業研究

・インターンとアルバイトはかなりリアルな現場感つかめる

・筆記試験はどれだけ準備したかで結果がわかれる

・出版業界特有の作文対策!三題噺は元ネタ用意。

・面接の対策法などない。練習と思考の整理あるのみ。

・面接は良い自分を出してはいけない。

・外部の講習・講座の紹介

・関連書籍、関連サイトの紹介

 

 

第五章 出版業界に関わる仕事に就くために

・「大手出版社入社」以外の就職先(関連業界を含め)

・転職で業界内移籍は非常に多い

・webや電子に強い人間は今後引きが強い?

・どこにも受からなかったときはもぐりこめ!

 

おわりに

出版業界で働く魅力、意義

受講学生からの感想(一部抜粋)

  • 面接の際に必要なことについて、今まで言われてきたことよりずっとリアルな内容に感じました。
  • かたいばかりの話でなくて、実体験をもとにした話であったり、興味がわくような内容でした。向いてない・向いている をはっきり言ってくださるのも、とても納得できました。
  • 出版業界だけでなく、関連業界についても調べてみたいと思いました。
  • この業界は楽しいなと思いました。
  • 出版のことだけでなく、出版に関わる仕事もいろいろあることを知れたため、視野が広がりました。
  • OB訪問をしないとわからないような内容をたくさん聞くことができてとても興味深かった。こういったものをもっとたくさん開催してほしい。
  • 就職活動をする時のアドバイスも多くお話してくださったので、勉強になりました。
  • 出版に興味があるけれど狭き門だろうし、入れるか自信がない…と思っていました。でも、今日の話を聞いてあきらめずに、色んなことに興味を持ちながら突き進んでいこう、と思いました。
  • わからないこともわからない状態だったけど、企業のカラーを調べたり、イベントやインターンシップだったりと、今からできることがたくさんあると知れました。そして意欲もわいてきました。もっともっと多くのことに挑戦していき、好きを仕事にしたいと思います。
  • 今回、初めてセミナーを受けてみたのですが、受けてとても良かったと思いました。お話を聴いて私は「自分らしく」。このことをこれからもっと出していこうと決めました。編集者になりたいと今までは軽めな気持ちでいたけど、やはり狭き門は狭き門であって、正直かなりの自信を失いました。私なんてきっと編集者を目指している人の中で一番下の方だと思いました。でも、自信は失ったけど、同じくらいやりたいという気持ちが出てきました。まだ1年生だからではなくインターンやアルバイトを積極的にやってみて、これからの自分をみつけていきたいです。本日はありがとうございました。
  • 今回、映像に関わりたいなあと考えてる私としては新しい触れ合い的な感じで出版業界のお話を聴かせていただきました。感想としては、メチャメチャ身になりました~!!! 面接…というか、会社さんの方が求めている者を少し勘違いしていたんだなとハッとしています。書籍に関わっているお仕事のイメージでもっとおカタイ(あと仕事をバッキバキにやる人)を採るものだと思っていましたが、予想外にみなさん人を見て選んでるんですね!! なんとなく安心したようなまた緊張するような気分です…。私もこれからがんばろうと感じました。ありがとうございました!
  • やりたいことが、いつも狭き門で、「だって」「でも」「やっぱり」と逃げてばかりでしたが、一度くらいやれるだけのことをして、できても、できなくても、挑戦しようかなと思いました。また、きっと意気地をなくして途中であきらめたくなるときも、今日の事を思い出して、自分の尻をたたこうと思います。勉強になりました。

講義を終えて

皆さんびっしりと感想を書いてくださって大変うれしく思います。
講義中の様子からはさっぱりわかりませんが(笑)、とてもとても真剣に聞いていてくださったのですね。
自信は失ったけど、同じくらいやりたいという気持ちが出てきました。
あきらめたくなるときも、今日の事を思い出して、自分の尻をたたこう
というような前向きな感想が多くて、とても嬉しいです。
就職試験の難しさや仕事の厳しさを、誇張せずしかし安易な印象にもならないように伝えたつもりです。
そのうえで本気の学生の心に火を点けて「それでも目指す!」と言ってもらえるよう意識しました。

こう書くとなんだかすごい講義をしたように自分でも思えてきましたが(笑)、実際にどうしたかというと、僕が直接知ってる内定者やマスコミ業界で働く社会人の話をしただけです。「志望動機に〇〇ってことを書いていて、それ自体はまったく大した話でも文章力がうまいわけでもないけど、想いも人となりもびんびん伝わったんだよね」とか「就活で全滅したので、フリーランスからはじめて、しっかり修行して第二新卒で大手の出版社に行った人もいる。もぐりこむ方法はいっぱいあるから!」というようなことを特に本人の許可もなく勝手に話したけど、事後報告で謝るスマン。ちゃんとイニシャルトークにはしたから!めちゃめちゃ伝わったのはきっとそういう生の話なんではと思います。

5年間就活支援をして数百名の就活生の悩みや頑張りと接してきました。また、12年間この本の業界で数えきれないほど多くの人と仕事して、いろんな気持ちや成果を共有してきました。そういう一人一人の生の仕事ぶりやら想いやらが、一つ一つの物語として学生に伝わって、何かを感じさせるんですね。この5年間の就活支援や12年間の出版業界での仕事に、「成果や、やりがい以外の意味」を求めるなら、わりとこれだけで十分だなって思いました。
伝えるや共有するが最近の大きなテーマなので、こういう感じ方をするのかもしれませんが。
感想を拝見した様子では狭き門であることや、厳しい環境であることも伝わったようなので、キャリア支援課のご希望にもお応えできたかなと、ほっとしております。
厳しさや大変さを理解したうえで、「それでも」と、出版業界を目指す学生がいてくれるのは大変心強く感じます。
僕にとってもすばらしい学びとなりました。
ありがとうございました!

 

 

出版業界就活セミナー【相模女子大学様】

講義概要 2016年12月に相模女子大学様で出版業界就活セミナーを行いました。 キャリア支援課様からは、「1~...

先日のイベント出版プロデューサーがお勧めする 「人生を豊かにする本5冊」& 「自分にぴったりな本の見つけ方」用に名著のプレゼン準備をしていたのですが、残念ながら時間の関係もありすべての本を紹介はできませんでした。けど「ビジョナリーカンパニー」本当に役立つと思うし、読み返すのにもけっこう気合がいる本だから「おすすめの本」として、ここでご紹介しておきます。

 

どんな本なのか

ジェームズ・C・コリンズとジェリー・I・ボラスによる共著。なお続編の日本語版では、ジェームズは「ジム・コリンズ」で統一されてますが同一人物です。本書は全世界で350万部というメガヒット書籍で、さらに続編の「ビジョナリー・カンパニー2」は400万部という第二弾の方がさらに売れたなんだかすごすぎる本。ビジネス書界隈では名著として知られ、税理士の友人は「すばらしいなと思う社長さんの本棚にはたいてい置いてある」と言ってました。多くのビジネス書著者たちも口をそろえてお勧めしていて、その場合も2を特に良いという人が多い気がします。

1作目からシリーズ4まですべて読んでみて思うのは、1も2もそれぞれ面白く、個人的にはちゃんと1を読んだうえで2を読むのが余すところなく楽しめて良いと思っています。なぜなら1が企業を組織論からアプローチしている部分が多い一方で、2は人に注目してアプローチする傾向にあるからです。

 

ビジョナリーカンパニーとは

ひとことで言うと「永続する偉大な企業」のことです。

  • 業界で卓越した企業
  • 広く尊敬されている
  • この世界に消えることのない足跡を残している
  • 五十年を超える歴史がある
  • CEOが世代交代している
  • 製品やサービスのライフ・サイクルをいくつか繰り返している。

という条件を満たしている会社です。たまたまカリスマが経営してたとか、すんごいヒット作に恵まれたからではなく「偉大さを長く継続している」会社ということですね。面白いのは「設立時に必ずしも具体的なアイデアを必要とせず、カリスマ的指導者も必要としない」としているところで、むしろカリスマの存在は長期的にはマイナスとさえ言ってます。本書を通じて「カリスマとか商品じゃなくて、組織そのものの強さを探ろう」としています。この本ではビジョナリーカンパニーの特徴と、どうすればビジョナリーカンパニーになれるかを書いていますが、ひとことで言うと「基本理念を持ち、それを会社のあらゆるところで徹底して取り入れて実践し続けるとビジョナリーカンパニーになれる」そうです。

ビジョナリーカンパニーの特徴

単なるカネ儲けを超えた基本的価値観や目的といった「基本理念」を、利益の追求と同じように大切に深く信じています。つまり利益のみを目的にはせず、利益は手段ですよとしているのですね。この基本理念の「徹底ぶり」が重要で、ほとんど信仰に近いほどの情熱で、カルトのような文化が生まれます。ですので基本理念に合う者にとってはすばらしい職場ですが、合わないものは病原菌か何かのように追い払われ、その中間はありません。この「合わない人間はいる必要なし!」スタイルは続編の2でもかなり大きく扱われていて、偉大な企業にしたければ「合う人と一緒に働く」ことが重要なのだと感じます。ここで言う「合う人」というのが社長にこびへつらう人ではなく、「理念に」合う人であるのがポイントですね。僕自身、出版プロデューサー仲間を増やしていこうと思っていますが、やはりこの「理念に合う人」論に大賛成です。

その理念に忠実な人を集め、育てる文化のおかげで、ビジョナリーカンパニーではきわめて有能な経営者を育成し、昇進させる能力が高いです。何代にもわたって優秀な経営者が続き、経営の継続性(理念の継続)が保たれます。

 

そしてもう一つ印象的なのが「ANDの才能」です。安定か前進か、集団としての文化か個人の自主性か、生え抜きの経営陣か根本的な変化か、保守的なやり方か社運を賭けた大胆な目標か、利益の追求か価値観と目的の尊重か、といった二者択一(ORの抑圧)を拒否して、両方を実現するのが特徴です。いわゆるバランスを取る、妥協点を探るようなことではありません。

基本理念の作り方

ビジョナリー・カンパニーを築くには、基本理念を文書にすることが重要です。紙に書くだけではダメなんだけど、それでもまずはそこから始めます。

基本理念=基本的価値観+目的 です。

基本的価値観=組織にとって不可欠で不変の主義。鋭く短い言葉でたいていは三つから六つ。それ以上になる場合は、それによって不利益を被るようになったとしても、百年間にわたって守り続けていくべきものはどれか。を自問する(要は削れということ)。利益の追求や目先の事情のために曲げないものです。

目的=単なるカネ儲けを超えた会社の根本的な存在理由。個々の目標や事業戦略と混同してはならない。基本的価値観の場合と同じで、ポイントは本物であることであって、独自性ではない。

ということで、3~5の価値観を選び、十分に吟味して、目的を明確に文書化。それを基本理念として共有しましょう。とはいえ一つ気になるところがあると思います。『よくある話じゃない?』『うちの会社もなんかそういう言葉あるけど、覚えてない』『お題目になってて、日ごろ全然意識しない』という感想です。僕自身そう思います。

ここで大切になるのが基本理念の「徹底」なのだと感じます。採用・育成方針、評価制度、会社の目標・戦略・戦術・組織設計などで徹底して基本理念との一貫性を持たせるのです。基本理念を理由に出世したり、給与が増えたりさせることで「あ、本気なんだ」と従業員に伝えねばならないと思います。これが「時計を作る考え方」でしょう。

 

基本理念を維持し、進歩を促す

基本理念を維持し、かつ進歩を促す具体的な仕組みが大切です。継続性と変化の両方を実現するシステムです(ANDの才能)。

具体的には5つのカテゴリーが存在します。

  • 社運をかけた大胆な目標(BHAG)―リスクが高い目標やプロジェクトに大胆に挑戦(進歩を促す)
  • カルトのような文化―すばらしい職場だと言えるのは、基本理念を信奉している者だけであり、基本理念に合わないものは病原菌か何かのように追い払われる。(基本理念を維持する)
  • 大量のものを試して、うまくいったものを残す―多くの場合、計画も方向性もないままに、さまざまな行動を起こし、なんでも実験することによって、予想しない新しい進歩が生まれ、ビジョナリー・カンパニーに、種の進化に似た発展の過程をたどる活力を与える(進歩を促す)
  • 生え抜きの経営陣―社内の人材を登用し、基本理念い忠実な者だけが経営幹部の座を手に入れる(基本理念を維持する)
  • 決して満足しない―徹底した改善に絶え間なく取り組み、未来に向かって、永遠に前進し続ける。(進歩を促す)

 

「ビジョナリーカンパニー」を活かす

起業はもちろん、ボランティア団体、業界の勉強会、イベントチームなど「組織」をつくるときに、参加する人それぞれに狙いとか望みが違うことって多いですよね。しかもたいていは口にしている動機と、実際の行動が矛盾している人も多くて、イライラする(個人的なグチですいません・・・)。期間限定のプロジェクトチームなら我慢すればいいのですが、長く一緒にやって行くなら「人間関係のストレス」は解消したいですよね。ただその時に「あいつは合わない」とか「やる気が感じられん」というような理由で集団から人を排除してると、ただの私怨のようにも感じるし、自分のフォローが足りないからか?など悩ましく、結局はみんなイライラしながら我慢し続けているのではないでしょうか。そんなとき、本書の「基本理念」を軸に整理して、制度も徹底すれば、ストレスも少なく、そもそも合わない人は来なくなるだろうと思いました。最初に理念を伝えれば、相手も覚悟しますからね。揉めても「理念に立ち返る」ことで当初望んだ姿に立ち返ることができると思います。大切なことを見失わず、素晴らしいチームワークの中で仕事するために「基本理念」を大事にしたいと思います。

 

【書評】ビジョナリーカンパニー【一貫した理念の徹底が偉大な企業をつくる】

先日のイベント出版プロデューサーがお勧めする 「人生を豊かにする本5冊」& 「自分にぴったりな本の見つけ方」用...

2016年12月13日に行われた「第1回本を楽しむ会」、

出版プロデューサーがお勧めする 「人生を豊かにする本5冊」& 「自分にぴったりな本の見つけ方」

イベントレポートの後編です。

前編はこちら

★当イベントの第二弾参加者募集中!【人生を豊かにする本5冊】3/27

悪魔の辞典

パレアナでほっこり感動しかけたところで、悪魔の登場。

悪魔の辞典」は皮肉屋で有名なアンブローズ・ビアスの著書で、辞典スタイルでいろんな言葉を「悪魔的視点」で解説している、全編ブラックユーモアの本です。

僕がこの本に出合ったのは、高校生のときで、地元の古本屋で見つけました(誰の訳だったかは覚えてない)。その場所とタイトルから、ある種の運命的なもの(悪い方の)を感じざるをえませんでした。しかもこの本は、1911年に発売されたようで、今から100年以上も前です。何か引き寄せる魔力を持っていてもおかしくないなぁと思いますね。

この本のテイストを知ってもらうために、ゲストの方にこんな質問をしてみました。

西浦 『「キャベツ」って何か教えてもらえますか?』

Sさん 『野菜の一種で。。。緑色の?とか』

西浦 『なるほど、ビアスの悪魔の辞典にはこう書かれてます』

  • CABBAGE【キャベツ】名 裏の畑でとれるおなじみの野菜で、人間の頭ぐらいの大きさと知能を持つ。

一瞬みんなのあたまに「?」が浮かんだあと、「!」に変わっていったのが手に取るようにわかりました。

つまり人の知能はキャベツ程度=バカっていう皮肉ですね。

 

我々をキャベツ扱いするビアス先生

これでけっこうみんなが笑ってたので、「受け入れてもらえる!」と安心してどんどん紹介。

西浦 『「格言」とはなんでしょう?』

Oさん 『モットー?』

西浦 『ビアス先生が言うには・・・

  • ADAGE【格言】名 歯が弱い人のために、あらかじめ骨を抜いてある知恵。

まあ、歯っていうか、頭ってことですよね。』

絶好調のビアス先生

他にも

  • COMMERCE【商業】名 AがBからCの商品を奪い、その代償としてBがDのポケットからEの金をかすめ取る方式の取引。

CとEは奪われるだけ、つまり搾取。

  • CORPORATION【会社】名 個人個人は責任を負わず、個人個人が利益を得る精巧無比の仕組み。
  • FEMALE【女性】名 敵対する性の、不正直な方。
  • MALE【雄・男性】名 考慮に値しない、無視してよい性のメンバー。人間の雄は通常雌にとって「ただの人」として知られている。この種族には二種類ある。衣食住の良き供給者と、悪しき供給者である。
  • ENVY【嫉妬】名 能なしにいちばん適した競争心。

などなどたくさん。

後半はgoogle先生ならぬ「ビアス先生」状態で、ゲストの皆さんからたくさんリクエストをもらい、検索?結果を楽しみました。

「結婚」や「新婦」などは特に盛り上がりましたね(笑)

この本で高校生時代にすごく衝撃を受けたのが

  • OCCIDENT【西洋】名 世界の中で、東洋の西(または東)に位置している部分。住んでいる者の多くは強力な偽善者亜族、つまりキリスト教徒であり、主要産業は殺人と搾取だが、彼らはこれを「戦争」「商業」と呼ぶのを好む。それらはまた、東洋の主な産業でもあるのだが。

という一文です。主要産業が殺人と搾取て・・・。しかも最後の「東洋の主な産業でもあるのだが。」でやられた!と思いました。当時10代の青年だった僕としては、ここまで人類すべてを皮肉った「ものの見方」というのはまさに衝撃で、その後の人格形成に暗い影を落としたことは想像に難くありません(笑)

 

マジメに言えば、一つのモノゴトを一面からだけでなく、別の面から見れるというのは非常に知的なことで、その良い示唆となると思っています。

僕もそういうところがあるので、自戒を込めて言うのですが「これは、Aである」と決めてしまって、他人に押し付けてしまうことってあるじゃないですか。そうならないように、常に別の視点から見れる余裕を持ちたいと思うのです。

「嫉妬」の項目などはわかりやすいのですが、例えば誰かに嫉妬されているときは「ああ、あいつは能なしなんだな」と自分を慰めれば多少は溜飲もさがるし、逆に他人に嫉妬してしまいそうなときは「いかんいかん、能なしになってしまう」と踏みとどまることもできます。

第三者目線とか、俯瞰でものを見る良い訓練になると思っています。

まあ、この本はダメな人はダメなので、自己責任で楽しみましょう。

 

ぼくは勉強ができない

時間の都合で4冊目の「星の王子さま」は泣く泣くとばしました。また別の機会に必ず!ということで最後の一番伝えたかった作品「ぼくは勉強ができない」です。

この本も同じく、高校生の時に古本屋で出合った本で、タイトル買いしたのものです。悪魔の辞典もそうですが、タイトルが非常にいいですよね。こういう本はどうしても手に取ってしまいます。この本は悪魔の辞典以上に僕の生きる指針になった本で、今でもこの指針に沿って生きている(つもり)です。

この本は高校生の主人公、秀美君を中心とした人たちの物語で、特に男性はこの本を読むと「あー、見透かされてるー」と白旗を上げることうけあいです。男のかっこ悪いところとか、人の嫌な部分を「お前もだぞ」とはっきり言われちゃう小説です。

たとえば、学年でベスト3と呼ばれるような可愛い女の子に告白されて、秀美が返した言葉は

  • きみは、自分を、自然に振る舞うのに何故か、人を引き付けてしまう、そういう位置に置こうとしてるけど、ぼくは、心ならずも、という難しい演技をしてるふうにしか見えないんだよ

です。このあと思いっきりビンタされます(笑)そらビンタされるわ!と思う半面、読者としては小気味よい、よく言った感があります。自分を可愛いって思ってて、でもそんなの全然意識してませんというふりをする女の白々しさというのは確かに鼻につく。でもこの「ビンタ」のあとのセリフ

  • 何よ、あんただって、私と一緒じゃない。自然体っていう演技してるわよ。~中略~自由をよしとしてるのなんて、本当に自由ではないからよ。中途半端に自由ぶってんじゃないわよ

これに思いっきり凹むのです。いや、本当にその通りですごめんなさい。必死でかっこつけてます、かっこつけないかっこよさを必死でかっこつけてます。いちど勝ち誇ってからのビンタなんでかなり精神的ダメージでかいです。

この本は読むたびに「ああー・・・・」と複雑な声をあげざるをえないのですが、特に一番心に残っていて、生きる指針になったのは「角があるのは痛いけど、角は3つ集まると180度でまっすぐになれる。さらに3つ集まると360度でまん丸になれる。分度器でちゃんと計らなくたって、そのうちまっすぐやまん丸になってなくなっちゃう」という言葉です。この角は家が貧しいとか、お父さんがいないというような心の痛みです。こういう痛みをもつ自分たちは人より一つ角が多いから、早くまっすぐやまん丸になれるという。

僕自身はこの考え方がすごく好きになって、この角に「角が立つ」の角、つまり「こだわり」からくる人と揉める痛みも含めました。角が多ければ実はどんどん丸に近づいていきます。3つの角より4つ、6つ、8つと、こだわりと痛みが増えれば増えるほど、四角形、六角形、八角形と、少し離れたところからは丸い人間に見える。けど、実際は、すごくとんがってて、ただ角を削ってなくしただけの人の丸さとは違います。角を折らずに来た人と、角を削ってきた人とでは同じ丸でも面積が違う。当然、角がある方が大きいわけで、それはつまり人としての「器」の大きさだと思うのです。

 

こういう考え方をするようになって、こだわりや大切な気持ちは、人と揉めてでも守ることが出来るようになりました。そのために生まれる痛みはきっと自分の器を大きくしてくれると思ってきたし、3つでもめるならさらに4つ、5つとこだわってどんどん丸くなろうと考えています。

出来てたかどうかはわかりませんけど。

 

最後に

ゲストから「西浦さんて仕事とかじゃなくて、本当に本が好きなんだなぁって思ったよ」と言われたことが泣きそうなくらい嬉しかったです。

 

本を楽しむ会へのお誘い

今回のイベントは「本を楽しむ会」として主催しました。

本を読む、読書会、以外で「本を楽しむ」方法を探っていく会です。

ご興味ある方はぜひご参加ください。

僕らと一緒に本を楽しんでいきましょう!

 

御礼

会の運営方法アドバイスやカメラマンをしてくれた倉重さん

 

 

 

 

 

 

グラフィックレコーディングでイベントをより素敵なものに変えてくれた池さん

 

 

 

 

 

 

受付や遅刻対応してくれた白木さん

 

 

 

 

 

 

会の方針相談から、当日の司会までやってくれたKさん

 

 

 

 

 

 

そして当日一緒にイベントを作り上げてくれたゲストの皆さん

ありがとうございました!

折らずにきた角が人の器を大きくする【「人生を豊かにする本5冊」イベントレポート(後編)】

2016年12月13日に行われた「第1回本を楽しむ会」、 出版プロデューサーがお勧めする 「人生を豊かにする本...

2016年12月13日に「第1回本を楽しむ会」として、

出版プロデューサーがお勧めする 「人生を豊かにする本5冊」& 「自分にぴったりな本の見つけ方」

というイベントを行ったのでそのレポートです。

★当イベントの第二弾参加者募集中!【人生を豊かにする本5冊】3/27

開催のキッカケ

たまたま飲み会の席で銃・病原菌・鉄 1万3000年にわたる人類史の謎」 (ジャレド・ダイアモンド)の話をしたところすごく反応が良くて、みんなが「これは面白そうだから、イベントにしよう!」盛り上がってくれました。僕も「このメンバーでやれるなら面白そうだなぁ」と わりと勢いで始まりました。

イベント概要

面白い本に興味はあるけど、何を読めばいいかわからないー。っていう方が多いので、出版プロデューサーの西浦が、商売一切抜きで面白い本をおすすめするイベント!

  • 本は好きだけど、年に5冊くらいしか読めてない
  • 本屋さんに行っても、どんな本を読んでいいか分からな
  • ランキング上位の本をとりあえず読んでいる
  • 歴史的な名著と言われてもピンと来ない…
  • でも本を読みたいと思う!

という方に「絶対外さないSランク本」を紹介。

年間365日、本に触れている出版プロデューサー西浦が、
これまでに読み、影響を受け、名著だと感じた書籍を厳選して、「今読んでほしいSランク本5冊」をピックアップ

 

 

参加者に5冊を選んでもらう

いざ5冊を選ぼうと思ったら、なかなかしぼれませんでした。なので、いっそのこと僕が選んだ7冊の中からみんなに選んでもらうことにしました。

 

その際にはそれぞれの誕生月に合わせてチーム分けを行ったのですが、夏生まれがやたらに多かったなぁ。僕のまわりは夏男・夏女が多いです。HOTLIMIT聴こえてきました。

そこで選ばれたのが

の5冊。落選が蒼天航路とビジョナリー・カンパニーという持参した本の中でも重い本2冊です。ちょっとブルーになった。

ビジネス書とかコミックを入れておくと反応いいかと思ったのですが、意外にそうでもなかったですね。児童書から2冊も選ばれたのに驚き。悪魔の辞典は好みの分かれるところだけど、名前に惹かれますよね。

銃・病原菌・鉄

トップバッターはイベントのきっかけにもなった、名著「銃・病原菌・鉄」。冒頭の著者とニューギニアの友人との会話を再現しようと思って、参加者のかたに「富や権力を≪持つもの≫と≪持たざるもの≫の住んでいる場所を世界地図で色分けしてみてください」と言ってワークをスタート。

 

なぜ横に広い大陸に≪持つもの≫が、縦に長い大陸に≪持たざるもの≫が多く住んでいるのでしょう?
そこから狩猟採集生活と食料生産生活、「八種の起源作物」、定住生活の開始による病原菌の感染と抗体の遺伝・・・

はい、みんな完全においてけぼーりでした(笑)

人類史の授業みたいになっちゃいましたもので・・・

 

気を取り直して、なぜこの本が「人生を豊かにする」かというと、生まれ落ちた場所が農耕に向いた土地で、その地域で育てられる作物の種を持っていたという2つを満たしていたかどうかが明暗を分けたからです。優れていたとか努力したというよりは環境の影響力が非常に大きく、食糧をたくさん得られ、余裕もでき、政治システムとか武器の作製なりを成しえたのです。

これはそれぞれの人生に置き換えた時に、とても気をつけなくてはいけないことだなぁと思いました。たとえば自分がどれだけ仕事で努力しても、その業界(環境)や才能(種)が「向いていない」ものであれば、持たざる者の側になってしまう可能性があるからです。

「なぜイチロー選手は、今の年俸を得られたか?」といえば「努力、才能、いずれも必要だが、一番大事なのは野球を選んだことだ」という話を聞きました。野球でなくて、もっとマイナーなスポーツであれば、今のような年俸は得られなかったでしょう。同じくらいの才能を持ち努力をしたとしてもです。タレントの武井壮さんもそんなことをおっしゃってました。

逆に今うまく行ってるなら「才能がある」「努力してきたから」だけでなくて「環境のおかげ」と感謝の気持ちを忘れてはいけません。たまたま育てるのに向いた種と、育つ環境に身を置けただけなのかもしれないのです。

そういった考え方が生きるヒントになったなーと思っています。

少女パレアナ

パレアナは両親を亡くして、叔母さんに預けられることになった11歳の女の子。彼女が人と少し違うのは「なんでも喜ぶ遊び」をしていることです。

お人形の代わりに松葉づえが届いたときは「松葉づえを使わなくてよい足」を喜んだし、壁に絵のない部屋に住むことになったときは「窓の景色が絵よりステキ」と喜びを探します。

彼女の「喜びの遊び」を通して、町の人は少しずつ幸せになっていきます。

スノー夫人は「牛肉のゼリー寄せを持っていけば、きっとチキンのほうがよかったと言うし、チキンを持っていけば、羊肉のスープの方が良かった」と言う「何もかも気に入らない」人でした。パレアナに「もし何か望むとしたらなんですか?」と聞かれたときに「いつでもそこにないものばかり欲しがる癖がついてしまったので、いま、何を一番欲しいかわからなくなってしまっていた」ことに気づくのです。

僕らも「そこにないものばかり欲しがる癖」がついていると本当に欲しいものが見えなくなるなぁと思います。そこにあるかないかだけで欲しいか欲しくないかを判断しがちなところはあると思うのです。大金が欲しい、モテたい、有名になりたい・・・それは持っていないから欲しいだけで、本当に欲しいのかな?と。

このパレアナの遊びはもちろん、登場人物たちの話も通じて、僕らの矛盾やちょっとおかしいところを教えてくれる寓話になっています。

しかしこの本はそこで終わりません。最後にパレアナが交通事故に遭い、下半身が動かなくなってしまうのです。

そして「一生歩けない」と聞いたパレアナは「喜びの遊び」ができなくなります。手が動くことを喜ぼうとしても、動かない足に気がいってしまう・・・

ただ「良いところを探そう」というポジティブシンキング推奨本ではなく、最後に避けては通れない課題に迫ります。

 

こんなとき、自分がパレアナの叔母さんや友人だったら、どうするか?みんなに聞いてみました。

基本的に放置プレイ×2と、ご飯を食べるという大喜利のような回答。今、冷静になると笑える(笑)

その答え、という言葉がふさわしいかどうかわかりませんが、この本のラストでは、町じゅうの人たちが『喜びの遊びをして、幸福になった』とパレアナに伝えに来ます。その一つ一つにパレアナは大喜びです。叔母さんはパレアナに言います『町じゅうがこの遊びをして、町じゅうが前よりもおどろくほど幸福になっている―これもみな、人々に新しい遊びとそのやり方を教えた、たった一人の小さな子供のおかげなのだよ』それを聞いてパレアナは「一生歩けない」と聞いた後ではじめて喜びをみつけます「とにかく、前には足があったということよ―でなくてはそんなことはとてもできなかったでしょうから!」

 

足が動かないは一つの比喩ですね、それくらい重い病気やあるいは死ぬということも実際には起こりえます。そのときパレアナには彼女を勇気づけようと、会いに来てくれる人がたくさんいて、それも慰めに来るだけでなくて、彼女のお陰で自分が幸せになれたことを言いに来てくれました。人間にとって死ぬまでにやっておくべきことは、自分とかかわったことで幸せになった人をたくさんつくること、その人の幸せをパレアナのように喜べる関係を築くことなのではないでしょうか?

 

後編へつづく

 

本を楽しむ会はこちら

 

 

 

 

人を幸せにすること、その人の幸せを喜べる関係をつくること【「人生を豊かにする本5冊」イベントレポート(前編)】

2016年12月13日に「第1回本を楽しむ会」として、 出版プロデューサーがお勧めする 「人生を豊かにする本5...

「本を出版したい」

そう思ったときに、

即、出版セミナーに参加したり、プロデュースを依頼するのは非常に行動力があってよいと思います。

けれどその前に、本を出版する目的について整理した方が結果的に無駄な時間やお金を使わなくて済みます

本を書きたい人のよくある動機と、もっとも適した出版の方法についてまとめます。

 

 

名刺代わりに本を出したい

特に税理士さんとか弁護士さんとか、いわゆる士(さむらい)資格の方、また研修講師さんに多いかなーという動機です。

対クライアント向けに、著作がいくつかあると箔が付くようですね。税理士さんたち向けのセミナーで「2,3作本を出しましょう」って指導されてたりとか。研修講師のプロフィール欄にも「著作」っていう項目があったりしますね。

 

➡オンデマンド出版、電子書籍で十分

出していること自体が重要ということなので、わざわざ紙の本を作って流通させる必要もないのではと思います。

オンデマンドや電子書籍だと比較的ローコストですし、費用対効果に合うと思います。3冊くらい出版したいならなおさら。

 

ブランディングのために本を出したい

セミナー講師、売上が十分でない経営者に多い印象ですね。

出版→ブランド力強化→売上UPという見込みです。でも実際のところ、出版=ブランド強化にはまったくなりません。100%なりません。妄想です、ファンタジー。

本は毎年7万冊以上出版されています。単純に365日で割っても毎日191冊以上が出版されます。毎日他に200冊近くの本が出版し続けているのに、本を出版するだけでブランディングにはならないと思うんですよ。

本を出版することとブランド化は、順序としては逆で、ブランド力がある=差別化されているからこそ出版できると考えた方が良いです。

➡ブランディングの専門家に依頼

ブランディングが目的であれば、その専門家に依頼するのが良いと思います。広告業会や経営コンサルタントで、しっかり実績のある方に依頼しましょう。値は張りますが、あなたが本気ならそれがいちばん効果的だと思います。それとは別に「ブランディングのために本を出しましょう!」という業者もあるにはありますが、先述のように効果は疑問です。

 

読者や世の中のために本を出したい

すでに十分な売上を有している経営者、その道では日本一という専門家に多いです。ブランディングとかはもうすでに確立していますし、売上も十分に立っているのでそれを目的に出版はしません。

事業の限界を超えて、社会をもっと面白くするにはどうすればいいか?自分が直接助けてあげられる人の限界を超えて、もっとたくさんの手助けをするにはどうすればいいか?と「限界突破」目的で本の出版を目指す方ですね。出版後、ちゃんとベストセラーになる著者に多い傾向です。

➡相性の良い編集者かちゃんとしたプロデューサーと組んで出版

運よくすでに能力・性格ともに相性の良い編集者と出会えているのなら、その方との関係を大事に話を進めましょう。

本作りの半分は編集者で決まりますからすごく大事です。

ちなみにベストセラーづくりの半分は本、残り半分は出版社の販売部で決まります。(本づくりではなく、あくまでその後のベストセラーづくりの話)

自分の本に合う編集者と出版社がわからない場合(ほとんどそうですけど)は、企画作りからマッチング、販売戦略の作成までやってくれるプロデューサーに依頼しましょう。著者ごとに相性の良い人がいるし、企画ごとにも相性は変わります。

実際にプロデューサーを選ぶ際は実績を教えてもらうと分かりやすいです。とくに平均値と最大値に注目してください。

平均値の高さがその人の真の実力を表します、一発屋ではなくちゃんと再現性がある証拠ですね。最大値が高い人はそこまで行った経験と運をもっているものです。この両方が高い人を探しましょう。プロデューサーでも編集者でも同じです。

 

1冊目の出版は慎重に準備する

1冊目の本がどれくらい売れたかどうかで、あなたの著者としての今後は決まります。

1冊目で最低3万部、基本は5万部以上狙いたいですね。3万部前後なら2冊目出版の可能性は高いと言えます。5万部なら向こうから声がかかってくることも多いですし、有名企業から講演依頼が来るとか、セミナー集客に効果が出るとか、結果的にブランディングにもなっています。10万部超えると世界が変わりますよ。

編集者やプロデューサーの平均値が高いと、最低ラインの3万部を超える可能性は高まるし、最大値が高いとより売れる可能性が上がります。

平均値と、5万部以上売れた本について聞いてみると良いでしょう。

けどブランドや売上なんてものは、本が売れたら副産物的に発生するものです。

出版の目的はあくまで読者のためになることです、読者の何を変えたいのか、読者に何を提供したいのか?しっかり考えてくれるパートナーを探しましょう。

 

あなたが本を出版したい理由はなんですか?

 

 

【失敗しないための】目的別、あなたに最適な出版の方法

「本を出版したい」 そう思ったときに、 即、出版セミナーに参加したり、プロデュースを依頼するのは非常に行動力が...

西浦です。

起業当時からお世話になっている、中井先生に誘われ飲んできました。

 

中井先生は経営塾を主宰されていて、僕は2010~2011年ごろに受講しました。

飲みの席には他にも3名の元受講生がいて、みんなで楽しく飲みました。

(みんな期は違うけど顔見知り)

 

先生は次の予定があるということで、二次会には行かれず、元受講生4人だけで飲み直しました。

 

そこで話したことのちょっとしたメモです。

「ああ、なんかいい話だなぁ」と思ったので、忘れない内に書きます。

 

厳しくとも嫌いにはならない

4人の中で一番先生と付き合いの長い桑名さんが「僕がいちばん怒られたと思うけど、怒られてもいちばん平気な自信がある」と言ってました。

なにその自慢?と笑いながら聞いてたんですけど、その理由が面白かった。

 

たとえば先生は時間に厳しいし、スジの通らないことをすごく怒ります。

僕もその日、電車遅延で5分くらい遅れて到着したのですが、内心焦ってました。

それについて怒られなかったのでホっとしてましたけど。

 

で、桑名さんですが、先輩に向かってこういうこと書くのも失礼なんだけど、わりといい加減というか、本当にいい加減です(笑)

人としては大好きなんですけど、一緒にスタッフをしたことのある人なんかは「仕事増えるから桑名さんとやりたくない!」というような方なんですね。

 

この桑名さんは先生との付き合いも長く、それはそれは怒られてきたそうなのです。

そうしてる内に「怒られて、嫌になっちゃって、離れたことが2回くらいある」そうです。

これは初耳で、驚きました。

 

怒られたので嫌になったから離れていくって、なんて根性のない教え子なんだろう(笑)と思ったのですが、それでも今こうして一緒に飲んでます。

つまり先生の所に戻ってきてるんですね、しかも二回も。そんな出戻り生徒良く受け入れたなと思いません?

 
桑名さん曰く、

「中井先生は怒るんだけど、その1回で終わり、後に引きずらない。絶対に人のことを嫌いにならないんだよね。」

だそうです。

一度、先生に怒られたときに「わかりました、でも先生、次から頑張ればいいんですよね?」と聞いたら、

「うん、そやで」と言われたそうで、そこからすごく楽になったというか、安心したと言ってました。

 

信じて待つのに必要なこと

「嫌いにならない」って最強ですよね。

僕はどうしても好き嫌いは出てしまうし・・・

特に長く付き合うと、相手の良い部分も見える代わりに、悪い部分も見えて来るじゃないですか。

そうなると嫌になっちゃうことも多いんですよね。「ああ、結局こういう人間なのか」とか。

 

そういうときは、と桑名さんにアドバイスしてもらったのが「信じて待つ」スタンスです。

ジェームス・スキナーから聞いたことを又聞きしたそうなので、伝言ゲーム具合が甚だしいですが。。。

 

相手に不義理をされたり、失礼なことをされても「信じて待つ」ってけっこうな「信頼」を必要としますよね。

一緒に飲んでいた一人は、飲食業のオーナーさんなのですが、ある日店に来たら、誰も出社してなかったことがあったそうです。

 

不満や反発があるからみんなで相談して一斉に辞めたんですね。

辞める手続きもしてないからもはや失踪ですけど、そういうことが出来てしまう人が世の中にはいます。

 

そういう風に考えると、ひょっとしてすごいのは信じて待ってる先生じゃなくて、

信じて待たれてる、僕らなのでは?と気づきました。

ここで自分ホメるの!?って思った方、ちょっと待ってください。

どうかもうちょっとだけ聞いてください。

 

先生が帰った後、教え子だけで二次会をしてて、一切先生の悪口が出ない。

それどころか先生のすごい所に気づいて、話し合う教え子ってすごいなと思ったんです。

 

別に悪口言ってやるぜ・・・!とか思ってなかったですけど、なんとなくのパターンで、こういうときは悪口大会になるんじゃないかと、無意識的に予想してたんです。

 

そしたら「先生は実業やってきたひとだから、言葉に実感こもってるよね」など、良いところを探してるんですね。

きっと僕らは不満があっても突然失踪したりしない側の人間なのではないかと思います。

 

 

中井先生の経営塾は入るときに審査のようなものがあって、誰でも入れるわけではないのです。

そのときに自分が選んだ教え子で「彼らならわかる」「打って響く人間だ」って思ってるから、

信じて待つことができるのかもしれませんね。

 

 

信じて待っててくれる先生がすごいのはもちろんだけど、

信じられる人を選べるということも、すごい能力なんですね。

 


怒られたりするのはみんなたぶん嫌なんだけど、それは正しいから嫌なんだろうなと思います。

だってとんちんかんなことで怒られたら、たぶん笑ってしまうか、あきれ返るだけなので、

「嫌だな」と感じるのはやはり痛いところを突かれるからだと思います。

 

だから厳しいことを言うときは、相手をちゃんと見て「信じて待つ」ことができる相手かどうか見極めて、付き合って行くという姿勢も大事だと思いました。

 

そして、一回自分が信じた以上は最後まで「信じて待つ」ことができる人間になりたいなーみたいなことを、

4人で飲み直しながら思いました。

 

師匠が帰った後、教え子たちが二次会で話したこと

西浦です。 起業当時からお世話になっている、中井先生に誘われ飲んできました。   中井先生は経営塾を...

「Hi-STANDARD」をはじめ多くのパンクロックバンドをプロデュースしてきた、音楽プロデューサー「ギース」さんとの対談記事その3。

※この記事は2017年5月19日に修正されました。

 

その1は「表現する人のセルフプロデュースと世界観」

その2は「心理学をプロデュースに活かす方法」

 

バンドや著者といった「表現者」に必要なたった一つの資質とは?

そしてプロデューサーにとって一番大切なスタンスとは?

感動を生み出す資質

西浦:では最後に「才能あるバンドをどうやって見分けるのか」聞かせてください。

:やっぱりスカウトとかですか?

ギース:いや、スカウトはほとんどしない。縁があると思ってるから。こうやって飲んでて知り合ったやつが『バンドやってるんですよ』って言ったら、デモテープ聴かせてもらう感じかな。

 

西浦:なるほど。じゃあ出会いは縁として、才能の見分けはどこでつけるんです?

ギース:才能はライブに2回行って見分ける。デモ聴いて、ライブ行って、もう1回ライブ行って決める。

:デモの音とかって重要ですか?それとライブ2回ってなんでですか?

ギース:デモは、音の良し悪しはどうでもいいな。それよりメロディの良さとセンスを聴いてる。で、「ああいいな。」と思ったらライブ行くんだけど、1回だとなんか自分でも納得しないので、2回行くことにしてる。まあ、俺のクセだね(笑)

 

西浦:メロディの良さとセンスかー。出版だと「企画の良さと、言葉のセンス」ですかね。ライブでは何を観てるんですか?

ギース:ライブではパフォーマンスを観る。お客さんがどれだけ感動してるかを観てる。泣いてるとか、笑ってるとか、どれだけ感情を動かしてるか。今はできなくてもその要素がどれだけあるか。アーティスト自身が感情出せてないと、お客さんも動けないんだな。

 

西浦:「感動」か・・・そこが大事なんですね。

ギース:うん。昔、ルックス良くて、上手くて、センスもあったけど売れないバンドが2組いたのね。「なんで売れないのかなー?」って思ってて、後になって気づいた共通項が「感動」だった。

自分がその場で演ることに感動してない。お客さんをどこかに連れてってあげようという気がなくて、自分のことばっか気にしてるんだよ。「髪型乱れてないか」とか。基本がなってなかったんだと思う。

エンターテインメントの基本は「お客さんを感動させる」ということなんだなって、その後でわかった。

 

:感動させるって難しいことですよね。どうすればできるのか・・・やっぱり才能ですか

ギース:最初からできている人もいれば、言えばできる人、言ってもできない人もいる。ハイスタ(Hi-STANDARD)なんか最初はチューニングも合ってないし、リズムも合ってないし(笑)

・・・でも感動した。

 

西浦:うおおおお!なんかすごく深い話ですね。うまくできているかどうかじゃないんだ!

では、これから才能あるバンドや著者がやっていくべきことって何ですかね?

ギース曲作って、ライブやって、ライブの動員数増やしていく。これが基本で、やるべきことかな。

感動したら友達呼んできてくれるし、1,000円のチケットで5,000円分感動してくれたらまた来てくれるでしょうって考え方で。技術じゃなくて、誠実にやることかな。

 

もちろん、感動じゃなくて「答え」が先にあるケースもある。作曲とかは求められて書くこともあるから、「このミュージシャンがこういうのやりたいと言ってるので、こんな曲募集します」みたいに。

つまりマーケティングが先にある。

商業音楽は答えを求められてて、アーティスト音楽は答えを投げかけてる。

「お前らこれ聴いてどう思うの?」って。

 

プロデューサーはスペースシャトルの第一ロケット

西浦:「Hi-STANDARD」を自分のところから独立させたのはなぜなんですか?たしか、わざわざ彼らの会社設立まで主導したんですよね?

ギース:うん。そうなんだよね。なんていうか「ぶら下がってるなー・・・」て思ったというか。

西浦:ぶら下がりですか?どういう意味でしょう?

ギース:最初は彼らより、こっちの方が知識も人脈もあるんだけど、売れるにしたがって、関係も逆転してくるというか。

プロデューサーとして彼らを高く飛ばせようとしてたのが、いつの間にか彼らにぶら下がってるような気がしてさ。なんか違うなぁと思って。

周りには「これから稼ぎ時じゃないですか!」とか言われたけどね(笑)だから「Hi-STANDARD」に『もう俺いなくてもいいんじゃない?』って言ったんだよね。

西浦:なんかすごく深いところに響く話ですね。

ギース:・・・プロデューサーってさ。

西浦:はい。

ギース:スぺースシャトルの第一ロケットみたいなもんで、最初に切り離されるものなのよ(笑)

西浦&:えー!!!!!!!切ない!切なすぎるんですけど!!その例え!

ギース:だって、飛び立ってしまえば、そのあとは慣性の法則で行けちゃうんだもん。

西浦:成層圏抜けちゃえば用なしっすか(笑)一番最初の、一番エネルギーが必要なときのための仕事ってことか。

この話、世の中のいろんなプロデューサーに絶望を与えた気がするんですけど、僕らは何を目標に頑張っていけばいいですか?

ギース:それでもプロデューサーは、その一発目でどれだけ高く飛ばしてあげられるかだよ。やっぱどれだけ高く飛べたかで、そのバンドの今後って決まるから。

本体が売れてないのにソロデビューしたがるヤツいるけど「バンドが売れてないのに、ソロになっても売れないよ」って話をする。

俺たちもそうで、やっぱり「Hi-STANDARD」があったから、プロデューサーとしての今の俺があるって話を、こないだ「Guns N’ Roses」のプロデューサと飲んだときに話してたんだよ。

やっぱそいつもそうだって。

西浦:そうですね、僕らは彼らを「どれだけ高く飛ばせてあげられたか」で測られる仕事ですもんね。逆に彼らのおかげで高い景色を見せてもらえた部分がすごく大きいし。


音楽そのものにもスタイルの違いがあるんですね、アーティスト音楽と商業音楽という分け方をはじめて知りました。

たしかに有名アイドルグループの曲とかは思いっきりマーケティング主導ですもんね。ただ、商業音楽=ショボイ音楽っていう単純な話ではなくて、それぞれ真剣にユーザーのことを考えて紡ぎだされた曲なんだと思います。好きな曲が商業音楽でもアーティスト音楽でも、自分の心に感動が生まれたらそれはちゃんと届いていると思うし。

僕はたぶんどっちの音楽にも好きな曲があります。

出版だと一部の小説などを除いて「商業音楽」スタイルが多い気がします。ただ読者ってすごく頭がいいので、市場におもねるばかりだと、バッチリ見抜かれてて、「ハイハイまたこのパターンね」って感じで売れません(笑)感動してもらうためにもある種「アーティスト音楽」的要素が必要だと思っています。

そして一番ズドン!と刺さったのが「プロデューサーはスペースシャトルの第一ロケットだ」論です。もう爆笑でした(笑)この切なさとそれを笑い飛ばせる感じは、たぶんプロデューサーやってる人なら伝わるはず。悲観的な調子ではなく、むしろさわやかに「高いところまで飛ばして、そのあとでばっちり太平洋に不時着してやろうじゃないの」と腹くくれた気がします。実際のロケットも海に落ちたあと再利用してるそうです。それと同じですよね。

この対談を文字にしていて自分も「この話を書いて、それでどう思うの?」って問われたような気がしてきました。バンドが感動でライブ動員数を増やしていくように、著者も自分たち出版プロデューサーも感動で動員数増やしていかねばと思います。

やれることはたくさんあるなぁ。

「Hi-STANDARD」元プロデューサーが語る「才能あるバンドと著者」の見つけ方

「Hi-STANDARD」をはじめ多くのパンクロックバンドをプロデュースしてきた、音楽プロデューサー「ギース」...

参加者視点で運営の良さに気づく

昨日、ネイティブ広告勉強会というセミナーに参加してきました。

主催のしおたんさん(かわいい)と第二部のよっぴーさん(おもろい)のお話が聞きたかったもので。

 

ただ第二部のよっぴーさんの講義内容はシェア不可ということで書けず、

第一部のネイティブ広告の部分は、僕が書けるほど理解できなかったので、

内容についてまったく書けません。(ひとえに僕の理解度、予備知識のなさが問題・・・)

 

なので参加者として「こういうところいいなぁ」と感じた、セミナーの外側について備忘録的に書いてみようと思います。

本当に内容が良かったので、中身について書けないのは残念なのですけど、

外側の部分も良かったので、まとめて自分や著者のセミナーに活かしたいと思います。

 

<当日までの心配り>

全員は参加できない、抽選制

今回は80名の枠に対して300名前後が応募したそうです。増席、追加日程を設定せずに抽選としたことが良かったです。抽選に漏れた220名には悪いけど、参加できたのはとてもラッキーだと感じられました。ただ参加できただけより、より価値のある会に参加できたように思えたんですね。

参加理由等を書く欄があったので「選ばれた!?」というようなちょっとした喜びもありました。

 

会場がかっこいい

書くまでもないかもしれないけど、やはり会場の見た目の雰囲気ってやっぱ大事です。

壁が黒板になってて、チョークでなんか書いてあったり、座席もイスだけでなくてキューブ状のクッションがあったり。これは当日まで参加者にはわからないけど、すごく重要なポイントですね。殺風景な会議室などはなるべく避けたいですね。

 

 

 

座席情報について事前に告知

※縦に長い開場のため、ギリギリにご来場いただいた場合、席がかなり後方になるかと思います。という情報を当選通知メールでいただけました。そのおかげで開場と同時に到着したらすでに20人近く集まってて、すごい人気の会に参加できたとさらに嬉しくなりました。

ハッシュタグの作成

イベントにハッシュタグを作成してました。当日にハッシュタグで他の参加者を検索出来たり。今回は参加できなかった人が200名以上いたので、ハッシュタグを付けて情報発信することが人のためになります。自然とシェアすることの価値を感じられたので良かったです。

 

<当日の心配り>

不利な条件の席は前方へ

たとえば机がないとか、基本は2人掛けだけど一部3人掛けにしないといけない・・・というようなちょっと不利な席ってありますよね。今回の会場だとキューブ席は背もたれがないので、疲れるだろうなぁと思いました。そのキューブ席は一番前に設置されていて、「良い席だけど背中疲れるキューブ席」か「背もたれあるけど3列目からか」を選べました。これならキューブ席の人も文句は言わないし、前に座れない人も文句言わないだろうと思って、なるほどねと感じました。

 

参加者同士の交流を後押し

EVが一基しかなく、終了後に出口が混雑しました。ですが逆に「まだ20分くらいありますので、面白い方々が参加されてますし、交流を」と言った案内がありました。どちらかというと講師との交流にみんな時間を使ってましたが、話しかける理由があるのは嬉しいものですね。できれば開始前の時間にも、隣の方とのあいさつなどを推奨してくれるとなお良かったかもしれません。始まる前のあの重い空気がどうも苦手で、話しかけて変な奴と思われないか、とかまごまごしてたら時間が経っちゃうタイプなので(笑)知識との出会いだけでなく、人との出会いもあると参加者としては非常に嬉しいからですね。

配布資料、もしくはスライドでの内容紹介

口頭で話すだけだと、やはり聞き手はついていくのにやっとで、メモを取ったりするとその瞬間は頭がどうしても追いつけないです。そういうのはやはり小さなストレスになります。講義内容を配布資料として渡して、メモを取らなくて良くするか、スライドで投影して理解を助けるのはおすすめですね。

ただ、どうしてもスライドは当日PCが固まったりしてしまうもので、実際今回も一瞬あたふたしてました。個人的には大きい会場で、かつ配布資料を用意できない理由がある場合(今回のようにシェア不可のセミナーなど)以外はスライドは避けた方がいいかなと思っています。

 

偉そうに話さない

「これはあくまで僕個人の意見なんですけど」というような「偉そうに見えない話し方・態度」はやはり好印象を与えます。本のような「文字」メディアでは言い切りの方が理解しやすいし、読んでいて気持ちもいいのですが、セミナーは口頭でのコミュニケーションなので、聞き手が話し手に心を開く状態、ラポールのとれた状態を早く作った方が良いです。そのために特に序盤は態度、話し方に気を付けましょう。途中からは気にせずガンガン熱く話した方が感動が伝わります。

手を上げにくいことをフォローするスタッフがいる

セミナー中に参加者に手を挙げてもらうことがあります。それ自体は良いと思うのですが、やはり「上げにくい質問」もあるものです。その際に「いや、それは上げづらいですね」などフォローしてくれる人がいると、ちょっと雰囲気が柔らかくなります。ただのスタッフだとそこまでは難しいので、司会か複数いる場合は別の講師が、講義中にフォローの姿勢を保ちましょう。

質疑応答が割と長めにある

Q&Aは当初は予定されているものの、けっこうバッファ扱いしている講師も多いのではないでしょうか。私自身もついつい熱くなってしまって、質疑応答が1つしか対応できないことが多いです。

参加者としてはこの時間は不明点の解消や、自己表現などけっこうストレス発散になります。多すぎると個人的な質問に終始する人が出てきて困りものではありますが、バランスを見て取りたいですね。ここで質疑応答できていると、講義終了後、講師に話しかけるきっかけにもなりますし、大事にしてあげましょう。僕もここで質問したのでよっぴーさんに話かけやすかったです。

 

いかがでしたでしょうか。

先日のセミナーで思った、良かった点をまとめました。

もちろんセミナーは内容が大事ですが、

内容以外もしっかり準備すると中身の価値がさらに上がるなと感じました。

参加できて良かった!と感じた、セミナー参加者のための心配り

参加者視点で運営の良さに気づく 昨日、ネイティブ広告勉強会というセミナーに参加してきました。 主催のしおたんさ...

こんにちは、出版プロデューサーの西浦です。

 

先日降りてくる思考法の著者、江上 隆夫さんと書店さんを訪問してきました。

担当者さんへのご挨拶と、POPを使ってもらうお願いのためです。

 

 

本というのは、発売までに積んだ準備の結果が、売れ行きとしてあらわれるものです。

とはいえ発売されたらされたで、さらに売れるための準備を積み上げていかないといけません。

著者はとても忙しいのです。

 

本書の著者、エガちゃんこと江上さんは、ちゃんと発売後も自分の本と向き合ってくれる著者ですから、

「にしやん、今から出来ることはないかなぁ?」ということで

書店さんに会いに行きましょうって話になりました。

 


 

本を売り伸ばすために、発売後に著者に何ができるのでしょうか?

その一つに「POPを作って、店頭で置いてもらう」というやり方があります。

ただ、このPOPですが、ちゃんと書店さんに置いてもらうためには、

いくつか気をつけなくてはならないことがあります。

 

基本的なことですが、注意点としてまとめてみようと思います。

 

許可編

  • まず訪問とPOPの手渡しについて出版社に確認する

著者が書店に顔を出すことを嫌うところもあれば、がんがん行っちゃってー!な出版社もあります。

ですので、必ず担当編集者に書店訪問したい旨と、その目的を伝えて、許可を取りましょう。

編集さんから営業さんに確認を取ってもらうためです。

営業さんに話しを通さずに勝手に訪問したりして、心象悪くするのは避けましょう。

 

この際、営業さんが同行してくれることになるパターンもあります。

これはラッキーです。ある程度、あなたの本を重要視してもらえている証拠かもしれません。

 

  • 発売後の状況によるが「売れてるお店」を教えてもらう。

そのPOPを作る目的にもよりますが、売れてないお店ではなく、売れてるお店を訪問しましょう。

売れている書店さんなら、訪問することもPOPを置くということも、好印象に捉えてもらいやすいです。

逆に売れていないお店からすると、訪問されてもぶっちゃけ迷惑だったり・・・

売れていないお店にPOPを置いてもらって、売れるようにしていただきたい気持ちはわかるのですが、

その出来立てほやほやのPOPに拡販効果があるか?どんな条件なら有効か?

といった情報が不足していてこの段階では使えません。

売れてる店でこのPOPを置いたらさらに売れ伸びた!という実績を持って訪問しましょう。

 

  • 電話でアポを取る

当日突撃訪問なんて絶対NGです。書店員さんは本当に忙しい。

貴重な時間を頂くので最低限アポ取りはしましょう。

その際も土日祝日は×、平日でも17時まででアポとりましょう。(忙しい時間帯だから)

電話もその時間帯は避けましょうね。開店直後はアポのねらい目。

ちなみに休憩とかレジのタイミング、問い合わせ対応など、

予定通りのタイミングで時間をもらえるとは限らないので、ゆとりをもってアポ取りしましょう。

 

 

訪問編

出版社の営業さんに同行してもらえる場合は指示に従えばOKです。楽だし安心。

同行がない場合は下記の注意点に気を付けて自分で行きましょう!

 

  • 礼儀正しく、自分で行く

著者が経営者だったりすると、書店訪問を部下の方にお願いすることがあるそうです。

そういうのは基本的に印象悪いのでやめましょう。

書店の現場を軽んじているかのような印象を持たれます。自分で行かないなら書店さんにお時間とらせちゃいけません。

またそれとも関係しますが、著者は偉いわけではなく、書店さんには「置いていただいている」側なので、

細心の心配りで、態度、話し方に気をつけましょう。

 

  • レジにお客さんが並んでるのに話しかけない

これは新人営業とか著者さんがやってしまいがちで、かつめっちゃ怒られるパターン。

お客様が最優先です。

とはいえ忙しいお店だとなかなか声をかけるタイミングはやってこないですよね。

そういう場合は↓で。

 

  • レジにお客さんがいないタイミングか、お客さんの対応をしていない方を探す

レジにお客さんが途切れる瞬間を狙って、アサシンのように速やかに近づき、要件を伝えましょう。

「〇〇さんにアポいただきました西浦です」だけで伝わります。

とはいえレジの空きができるかは運しだいです。

その場合私のような上級者はレジを伺いつつ、「お客様対応を終えたスタッフさん」を探します。

お客さんの探してる本を見つけて、もともとの仕事に戻ろうとしてるところですね。

基本的にどのタイミングでも、時間を取られるわけなので迷惑ではあるのですが、

お客様対応やレジ中よりはマシだと言えます。

 

  • いなくても動揺しない

予定の時間になっても相手がお店にいないということはけっこう起こりえます。

そもそも忘れられてたり、急用が入ったり、アポを他の方経由でお願いした場合伝わってなかったり、休憩がズレ込んでたり。

待てる場合はちょっと待ちましょう。

次の予定がある場合などはPOPを渡してもらえるようにお願いしましょう。

つまり切り替えよう。

 

  • 冷たくされてもへこたれない

こっちが何か失礼なことをした場合は別ですが、ちゃんと礼儀正しく接しても冷たかったり、ツレない反応の方もいます。人間、機嫌が悪い時もあるし、初対面が苦手な書店員さんも多いです。へこたれないで!

 

  • 担当者と話すときは、周りの状況に気を遣う

その場所が他のお客様に迷惑にならないかを考えて話しましょう。「ここで(話して)大丈夫ですか?」と聞けば適した場所に誘導してもらえます。あとお客様の良く通る導線上だと、話してる途中でなぜか話しかけられたりして、せっかく捕まえた担当さんを取られたりします。情けは人の為ならずです。

 

  • 時間をかけずに手短に話す

アポとったからとダラダラしゃべるのはNG。

昔、編集者を連れて行ったら「どの名刺がいいですか?」と数パターンの名刺をトランプみたいに見せて「忙しいんですけど!」と怒られた話を先輩に聞きました。

基本的に関係性があって、少し込み入った話をする場合でも15分から20分で済ませましょう。

初対面だったら、用件のみと質問1つくらいで5分で切り上げます。

 

  • もし可能なら何か有効な情報を聞き出す

空気読みながらなんですが、もう少し話せそうなら情報を聞き出しましょう。

どういう人が買ってるかとか、どこに置いてから売れるようになったかとか、

(多面展開のときは)どの売り場が動き一番良いかとか、類書、同じ売り場で一番売れてるのはどれですか?など。

 

  • ちょっとした、お土産を渡す。

1000円以下でいいので、ちょっとしたお菓子を持参する。

「休憩室で皆さんで食べてください」用のものです、高級品とかはかえって遠慮されますから避けましょう。

なんならうまい棒20本とかの方がうれしいと言われたこともあります。(さすがにうまい棒は持って行ったことないけど、たぶん本当に喜んでくれる)
そんなお土産で何か変わるわけではないですが、お互い人間なので印象は良い方に変わるかもしれません。

 

  • 渡したPOPを使ってもらえなくとも凹まない

最終的にノリノリで受け取ってくれても、その後一切使用されないことがあります。

むしろちゃんと使ってくださったら「すごくいい人!」とファンになりましょう。

使われなくても凹む必要なしです、そういうものです。

 

以上、書店訪問に関する「出版社や書店さんに怒られないための注意点」でした。

熱意があるのはいいことですが、相手の立場や都合に気配りできず暴走することのないようご注意ください。

書店訪問をして、怒られないための注意点

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