才能がないと思うほどやりましたか?

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『才能がないので辞めます』と言われたら、あなたならなんと答えますか?

これに対する『才能がないと思うほどやりましたか?』という言葉はどう響きますか?

怖い?冷たい?優しい?敵わない?

僕はその場で背筋がピン—っとしました。「自分はそこまでやれてるかな?」と。

その言葉を言う側、言われる側、どんな気持ちなのだろうと。


円楽師匠、道楽師匠と石田さんのお話を聴きに

先日、八重洲BCで行われた石田章洋さんの初対面でも話しがはずむ おもしろい伝え方の公式」の発売記念講演会に参加してきました。司会が三遊亭道楽師匠、そしてゲストにあの「三遊亭円楽」師匠がいらっしゃるという豪華な布陣。これは行かざるを得ないでしょう。

以前「企画は、一言。」で関わらせていただいたときからのご縁なのですが、実は「企画は、一言。」の時も司会:道楽師匠、ゲスト:円楽師匠で書店様向けのシークレット講演会を開催しました。

これがもう勉強になるんです!そのとき聞いた話は今でも出版プロデュース上でたいへん役に立っています。特に円楽師匠が説教モードに入ってからが良いのです(笑)

笑いはコーディネート

講演会では「おもしろい伝え方」「面白さ」についての話がどんどん飛び出しました。笑いというのは「落差」とか「緩急」「緊張と緩和」などと言われますが、だからこそ「コーディネート」ができないとダメなのだそうです。例えば観客が緩和しているなら、まくらを話しながらゆっくり首を振って、ひとりひとり目を合わせていく。そうすることで観客の中に「緊張」が生まれます。

こんな首の振りや、目線一つで緊張と緩和を操っているのかと驚きました。だから前座修行中には忘れ物しようが遅刻しようがそこまで怒られないけど、「気を配る」ということができていないとすごく怒られるそうです。あの人酒切れたなあということに気付けないようだと緊張と緩和を操れませんよね。「気配をよむ」「気を配る」が大事なのです。

変える、加工する大事さ

円楽師匠曰く「変える大事さ」というのがあってドラマ、ラジオ、落語、全部同じ話し方じゃダメで全部話し方を変えたそうです。また、「変える」ということでは「加工しないと売れない」ともおっしゃいました。同じ内容を覚えてただ話すだけじゃダメで、自分なりに加工をしないといけない。

著者でも「なんかどっかで読んだことある内容ばっかりだな」という人と「これは新しい!」と感じる方がいますね。それはどこかを変える工夫をしているからです。大原則のようなものはなかなか変わりません、そういう意味では「原則が共通」しているのは仕方のないことです。しかし、皮膚科医と美容家と美容メーカーがそれぞれ「美肌」をどう考えるかという土台の違いや、同じ美容家でも「得する」「若返る」「モテる」「昔の男が帰ってくる」「振り返る」「オトナかわいい」「NYの」など視点の違いを自分なりに用意しなくてはいけません。

変えるためのブレーンが必要

師匠自身も「まくら」を新しくすることで『なんか他の落語家と違うね』と言ってもらえるようになったとか。

その背景には、落語家になる前にやっていた「構成作家」の仕事で、世界のジョークや小話をとにかくたくさん調べて日本語訳したり、毎朝新聞から面白いニュースを探してきては「面白く加工する」という経験があったそうです。

だから加工するためにブレーン(放送作家さん、構成作家さんなど)が必要なんだとおっしゃってました。僕らプロデューサーも他の著者、企画との違いを用意できる著者のブレーンになれるよう努力しないといけませんね。

『才能がないと思うほどやりましたか?』のあとさき

著者の石田さんは、弟弟子として入門してきた伊集院光さんの才能を目の当たりにし「たった二人の兄弟弟子にも勝てないようではダメだ」と落語家を辞める決心をされます。そうして円楽師匠に引退を相談した時、冒頭の『才能がないので辞めます』『才能がないと思うほどやりましたか?』というやりとりをされました。

引き留めて貰えなかったと石田さんは笑っておられたのですが、僕には引き留めの言葉のようにも感じられました。安易に『お前には才能があるから諦めるな』と言われるよりよっぽど厳しい引き留め方だとは思いますが・・・。

それから何十年も経ち、石田さんは構成作家として成功し、本を出すとこうして元師匠として講演会にゲストで来てくれたり、本を笑点で紹介してくれる関係性を円楽師匠と築いていらっしゃいます。

『才能がないと思うほどやりましたか?』を言える師匠だし、言われる弟子だからこそかなと思った土曜日でした。

 

 

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増刷率90%。平均部数49,000部。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。
書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。
膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。
上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(23万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

業界の活性化を目的として、版元・書店との人脈を活かした合同勉強会や、新卒向けにメディア就活ボランティアも行なう。

「営業だったからこそ、著者・出版社・書店に提供できるモノがある」と増刷ロジックや書店巻き込みマーケティングを駆使したプロデュースを行う。

本は読者のためにある。という考え方から「ブランディングの為に本を出したい」とおっしゃる方には、笑顔でドロップキックをプレゼント(笑)


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