ひとり出版社の社長たちと考える「今、出版社から本を出す意味」

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今朝、チーズトースト革命を目の当たりにした出版プロデューサー西浦です。まさに常識を覆す美味さ、これこそが革命・・・その名は『バルミューダ』。

クリックするとamazonに飛びます。パン派はみんな買うべき。

だって「チーズトーストモード」があるんですよ!トーストとチーズを一緒に焼くと、チーズはとろけても下のパンは生焼けだから、トーストだけを軽く焼いて、途中でチーズ乗せて、再度焼いてたのに1度でチーズもトーストもばっちり火が通ってる。神の御業や。しかも二度焼きするとミミが焦げてしまったり、トーストの二度焼き加減を間違えやすく…ってこれまでの苦労話はもういいですね。

 

さて、興奮冷めやらぬ中、毎日更新102日目。

一昨日、

  • KADOKAWAの角川新書 編集長代理 菊地悟さん
  • くまざわ書店 南千住店 店長 阿久津 武信さん
  • クラーケン 編集長 鈴木収春さん
  • 光文社 HERS編集部 松本朋子さん
  • センジュ出版 代表取締役 吉満明子さん
  • センジュ出版 スタッフ 河口茜さん
  • 千+一編輯室 代表/編集者 影山裕樹さん

と飲んだよ、という記事を昨日書きましたが、ちょっと時間が無さ過ぎて(40分くらいしかなかった)、全然話した内容を書けませんでした。

しかし話された内容は非常に興味深かったものの、知らない単語や人名が飛び交い、半分以上脳が停止してたのですが(笑)それでも理解できた話を備忘録的に。

ひとり出版社とは

「ひとり出版社」と呼ばれる出版社があります。大手出版社のように10万部、100万部という本ではなく、数千~数万部の本を中心に出版されている会社です。

たとえるなら大型スーパーと商店街の八百屋さんみたいな違いかな?

クラーケンやセンジュ出版のようにヒット作の多いひとり出版社ももちろんありますが、ほとんどの「ひとり出版社」は自費出版や趣味のレベルであることも多いようです。

 

この「ひとり出版社」を率いるお二人ですが、自社で本を出すこともあれば、いわゆる大手出版社から本を出すこともあります。(その場合はプロデューサー兼外注編集者のポジションになる)

お二人が「これは自社だな、これは大手だな」という企画の線引きをどこでしているかというと「初刷1万部以上で攻めるような本は大手だね」という点で、考え方が一致していました。細かい基準は違うのだろうけど、目安として。

 

つまり発売直後から「がっ!」と売れて、ドカンと攻めていく本は資本力のある大手から出して、小さく生んで育てて行く企画を自社で出しているようなイメージです。(特にセンジュ出版がそんな感じ)

というのもこちらの二社は「トランスビュー方式」というやり方で書店さんに本を流通させていて、トランスビューさんでは基本的に注文による発送なので返品率が4~5%くらいとすごく低いのです。

なので7,000部くらいの売上でも、十分に利益が出ます。

かたや7,000部程度の本を大手出版社から出してもらって、印税の一部を貰ったとしても、とても会社を維持していけるレベルの売り上げにはなりません。

 

大手出版社から本を出すメリット

では売れる企画ほど自社で出せば、返品率も低いし儲かっていいじゃないか?となるのですが、これもまた違うのです。

 

大手は「トランスビュー方式」ではなく「取次さんによる配本」ができます。(直取引の会社もあるけど…ここでは割愛)

新刊配本は書店さんからの注文がなくても全国へ本をお届けできるので、初刷1万部以上のような本でも配本が可能です。

初刷1万部だったら7,000~8,000部は新刊配本されると思うのですが、これをトランスビュー方式で新刊時に7,000~8,000冊の注文を取るのはやはり難しい。

 

さらに大手であれば広告費を出す体力もあるので、新刊の勢いをパワーアップさせ加速度的に増刷していくこともできます。

3ヶ月で10万部行く本もありますよね、あれなんかまさにそのイメージです。

これらが本題の大手出版社から本を出すメリットになります。

 

逆に言うと、1万部も売れない本は大手も人や広告費を割いてはくれません。

そうなると大手で出す意味ってないのですね、たぶん。ネームバリューくらいかな?僕はそういう考え方は好きではないのですが。

 

「ひとり出版社」の活躍により、逆に大手で出す場合、最低5万部、あくまで10万部以上を目指すのが「当たり前」になっていくでしょう。

でないと大手出版社から本を出す意味がないのです。

それくらいの覚悟と使命感、自分自身への信頼をもって出版に挑みましょう。

僕はそういう人と一緒に本を作りたいです。

 

「自分の本を出すべき場所」という重要な問い

「ひとり出版社」の誕生によって、「自分の本を出すべき場所」という問いの重要度が高まってきました。

 

ひとり系出版社の編集者からすれば7,000部でもしっかり利益の出る、大事な本になります。

かたや大手出版社の編集者からすると、その程度の部数しか出せない本は、正直あっという間に忘れ去られるでしょう。次のヒット作を生み出さないといけませんからね。

自分の出す本がどれくらい多くの方に届くのか?

その部数が1万部に到達しなさそうな時、ひとり系出版社の方が大事にしてくれそうだなと僕は思います。

 

大手が出せないような本(内容的にも部数的にも)をひとり系出版社が、そして広く世の中に大きく発信される本を大手が、というように今後棲み分けされていくのでしょう。

僕は今までもこれからも10万部100万部と目指せる本を出していきますが、吉満さんや鈴木さんのように気心の知れた、信頼できるひとり出版社さんがいてくれるなら、

「1万部行かないかもしれないけど、面白い著者だと思うんですよね」って相談できるかもしれません。

 

あなたの本は「何冊売れる本」ですか?

何冊売れなくてはいけない本ですか?

それ次第では大手ではなく、「ひとり出版社」の経営者をそれこそひとりひとり、しっかり追いかけて「この人こそ!」というパートナーを見つけてみるのも良いですよ。

増刷率90% 平均部数48,000部の出版プロデューサー。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(22万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

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Written by

西浦 孝次

増刷率90%。平均部数44,000部。 「血流がすべて解決する」(18万部)「奇跡の営業」(6.3万部)などデビュー作をベストセラーにプロデュースするのが得意。 おそらく業界で唯一、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。好きな食べ物は炒飯。