出版プロデューサーとして、こそこそ編集さんとやってる大事なこと

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警報が出ていると「その地区の小学生とかめっちゃ嬉しいんだろうなぁ」と思ったり、それが夜だったりすると「『今じゃないねん!明日の朝やねん!!』って思ってるんだろうなぁ」と想像する出版プロデューサー西浦です。そう言えば子供の頃、「警報で学校休み」は連絡網で伝えてましたけど、今はどうしてるんでしょうね。LINE?


出版プロデューサーの仕事

さて、毎日更新79日目。

先日、著者メディア実践塾の懇親会で「西浦さんは出版プロデューサーの仕事をどこからどこまでだと考えていますか?」と質問されました。

僕としてはもちろん「最初から最後まで」つまり、「企画づくりのはじまりから、発売後の販売戦略まで」だと思っていますし、特に販売戦略については、その精度をより上げるために著者メディア実践塾を始めたわけです。

本をつくるためにマーケティングから始めて、最後もマーケティングで終わるのが僕ららしいと思ってます。

 

とはいえ、企画を立てたり、企画書のブラッシュアップを行ったり、出版社へ持ち込んだりと企画面でも仕事はたくさんあります。

今まで取り立てて発信してきてなかったですが、プロデュース時に西浦がやってることを少しご紹介します。

著者毎にチームの組み方は変わる

企画書を編集さんに提案するとき、最初は西浦と編集さんだけでお話しすることが多いです。

そこで「よし、やりましょう!」となってから著者とのMTGをセッティングするのですが、著者とのMTG前にやってることがあります。

それは著者のキャラクターや信条を編集さんにお伝えしておくことです。

僕がプロデュースする著者は「販促に真剣」という点では皆さん共通項がありますが、それ以外の性格はまさに千差万別です。人が変われば接し方も当然変わります。

僕や編集さんにとっては、その著者のパフォーマンスを100%引き出すことが重要なのであって、そのためにベストな接し方、距離感は人によって違うと思っています。同じように接していてはその人の最大限を引き出せません。

もちろんこれは『人によって態度を変える」というのとは違い、チームとしてのスタンスや、やり方を調整するイメージです。フリーランスになってから身についたスキルかもしれません。

素直すぎる方には「答え」を言わない

例えば、ものすごく素直な、僕の言うことをほぼ100%信頼してくださるタイプの著者さんの場合。

この著者さんは西浦が紹介した編集さんのこともほぼ100%信頼してくれるようになるので、すごく進めやすいです。また素直という性質は多くの人に愛されますから、圧倒的に長所と言えます。

けれどデメリットもあって、それは僕や編集者の意見に影響され過ぎるということです。

 

例えば原稿について「ちょっと話が長くて退屈な印象なので、AからBくらいまでカットして、代わりにCという文言を入れてはどうでしょう?」と言ったアドバイスをするとします。

すると素直な方は、その素直さゆえに、本当にAからBまでカットしてCを入れてくださいます。

こっちの提案通りで非常にありがたいですが。。。これでは物足りない可能性があるのです。

僕らを否定する感覚も武器になる

著者がA~Bという文を書いたのであれば、そこには何か伝えたかったものや、まだ表現しきれていない面白さがあるのかもしれません。

今の原稿ではつまらなくても、もう一度表現を磨きなおせばキラリと光る言葉になることは、おおいにあります。これを素直に「Cを良し」としてしまうと可能性が消えてしまうのです。

表現を磨きなおすにはエネルギーやこだわりが必要だし、なぜ今のままではダメなのか、どの方向に修正すればいいのかというヒントが必要です。そのヒントが「Cじゃダメだ」と思う感覚なんです。

もちろん僕や編集者の「A~Bが長くて退屈」という指摘は素直に受け止めていただいて

「不要な言葉が多いのかも」

「繰り返しになっていて、話が進んでないのかも」

「分かりきったことばかりで退屈なのかも」

といった分析に役立ててもらいたいです。

その上で「でも、Cじゃないんだよなぁ、私が伝えたかったのは!」っていうこだわりを発揮していただきA~Bの文章を「超A」というコンパクトで強い言葉に磨きなおしてほしいのです。

編集者は文章のプロですが、著者ではないので、ゼロからあなたの代わりに言葉を生み出すわけではありません。それはあなたしかできない仕事で、Cという提案は超えるべきハードルなのです。

最終的には何もしなくてよい状況が「プロデュース」

ですので、こういった性格の著者だとわかっていれば、事前にそれを伝え「原稿のフィードバックは修正すべき箇所とその理由、もっていきたい方向性のみにして、具体的な提案はあえて避けましょう」など、事前に、あるいは都度、相談して進めます。

もちろん、基本的には相性のいいと思う編集さんに企画を持ち込みます。だから、あまり細かい注文を出すわけではありません。

例えば「褒められた方がパフォーマンス高いタイプ」の著者には「いいですね!が口グセ」の編集さん、「飲んでてもよく著者のことを褒めている」編集さんを紹介しますし、めちゃくちゃ相性良くて、まさに「ハマってるな」という時はあえて何もしません(邪魔になるとよくない)。

しかし事前に性格や、その人の信条、立ち返るべき原点などを共有しておけばスムーズに事が運びやすいですし、惑わず、チームとしての結束は強いです。

なんだかんだで編集者も変わり者が多い(ほめてます・笑)ので、僕はその中で微妙にチームの空気をみて役割を変えつつ「売る」というところでだけ、強めのスタンスを示せばそれでいいなと思ってます。

とはいえ、ばっちり計画通りに「売る」努力をする著者の場合、それについて褒めるだけなんで、本当にうまくいったときの方が「空気」になって、何もしてないですね(笑)

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増刷率90%。平均部数49,000部。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。
書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。
膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。
上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(23万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

業界の活性化を目的として、版元・書店との人脈を活かした合同勉強会や、新卒向けにメディア就活ボランティアも行なう。

「営業だったからこそ、著者・出版社・書店に提供できるモノがある」と増刷ロジックや書店巻き込みマーケティングを駆使したプロデュースを行う。

本は読者のためにある。という考え方から「ブランディングの為に本を出したい」とおっしゃる方には、笑顔でドロップキックをプレゼント(笑)


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