20代で成功するフリーランスになるには?弟や幼なじみにした本音のアドバイス

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(本記事は2019年2月28日に修正されました)

出版プロデュ―サー & 大学講師の西浦です。

2010年2月に27歳で独立して、気づけばフリーランス10年目に入りました。

おかげさまで、10年目の今も毎日楽しく、満足のいく収入を得てフリーランスを続けています。

でも僕は「SNSで何万人もフォロワーのいる有名人」だったり「会社員時代から副業でスタートして、売上の基盤があった」わけではありません。

どこにでもいる「ちょっと勢いのある若手」でしかなく、本当にほぼノープランで独立して、すぐにピンチを迎えました(笑)

具体的には、フリーランスになって数か月で貯金が100万円を切って、精神的に病んだんですね。

人間って職とお金がないと脅迫観念に襲われ、まともな精神状態ではいられません。僕の場合は舌の裏にイボのような血の塊ができました。それが腫れてくると、前歯に当たってすごく痛いんです。なにかのひょうしにそれが割れて中からドロッとした甘い血の塊が…うわぁぁぁぁぁぁぁ!

それをトイレに吐き捨てながら「やばいな、何やってるんだろう僕は…」ってさらに暗くなる日々もありました。

舌のイボは手術で取ることになるんですが、お金がなくなってくるとまた腫れてきます。でもクライアントから入金があると治るんです。(世界一現金な腫瘍www)

結局、そのイボは自分にとっての「ストレスチェッカー」のようなものになり、3年目以降は腫れることもありませんでした。

今となっては、その経験は自分にとって大きな自信につながっています。『僕はこんなハードな経験してかつ、サバイブしたぜ?』みたいな(笑)

でもその後、幼なじみや実の弟もフリーランスとして独立することになり、彼らの相談に乗りながら「あんな経験せずに、うまく軌道に乗れる方がいいよね」って心底思うようになり、いろいろと「早期にやるべきこと」「やるべきでないこと」のアドバイスをするようになりました。

すると「フリーランスとして成功するためのビジネスとお金の話」を聞かせてくれと、いろんなイベントやキャリア塾に呼んでいただけることも増えてきました。そこで一度、記事にまとめてみることにしました。

この記事は

  • フリーランスとして独立したい方
  • 独立したてでいろいろ模索中の方
  • フリーランスでやってるが正直、下請けで全然自由がない・・・という方

向けに「弟や幼なじみ」という本当に成功してほしい相手に話したことと同じことを書いております。

だからウソもごまかしもありません。

もちろんこの記事から、オンラインサロンとか何か他の情報商材への導線も貼ってありません。

自分と同じような苦しみを味わってほしくないっていう思いだけでこの記事を書いているので(しかも毎年、独立記念日前後に更新している)、あなたのお役に立てばいいなと願っています。

前半はわりとガチンコでビジネスモデルに関してもりもりと、後半はTips的に「ここに気を付けて!」って感じのことをまとめています。

最初にビジネスモデルの話を書いたのは、お金を増やすために値付けや商品ラインナップの考え方がまずは重要なのに、フリーランスと企業ではやるべきことが違うと感じるからです。

ですので「早期にビジネスを安定させるために」という視点でまとめてあります。

 

<早期にフリーランスビジネスを安定させる方法>


仕事はもらわない

これがいきなり陥りがちな罠なので、はまらないように注意しましょう。

独立直後にご祝儀的にお仕事を頂ける場合は非常にありがたく、実績作りにもなるので引き受けてOKです。実績作りという意味ではなんなら無料で受けてもいいのです。

やってはいけないのはその後も、継続的・長期的な仕事を安価で請け負ってしまうことです。

こうなるとスケジュール的にその会社の仕事しかできなくなり、ただの「社員じゃない人」になってしまいます。

また、安定収入のあることが油断につながり、自分のビジネスの構築がおろそかになります。

 

フリーランスが理解しておいた方がいいのは「価格決定権が自分にないと下請けになってしまう」ということです。

フリーランスの売上はほぼ

  • 自分の労働時間×時間単価

となり、この時間単価が非常に重要になります。

フリーランスでは、自分の単価を自分で決められるかどうかが生命線となるのです。

かつてキュレーションサイトが炎上しましたが、そのライターさんたちは1記事500~1,500円程度で仕事を発注されてました。

これではフリーランスとして自由な時間と場所で成果をあげるというよりは、実質的な下請けなんですよね。

立場が弱いから自分の時間や力を買い叩かれている。

自分のビジネスを構築するまでのしのぎとか、そういう理由があるとき以外は仕事をもらってはいけません。

仕事は価格も含めてこちらから提案しましょう。

ブランディングの前に商品・サービスを用意する

さて独立!となって、とりあえずはじめがちなのがブランディング目的のSNSです。

具体的にはブログやfacebookでしょうか。

高校3年生の夏休みになって予備校の夏期講習に参加したものの何から手を付けていいかわからず、「とりあえず」英単語帳開いて暗記するような・・・笑。

フリーランスも受験も同じで、やるべきことよりやりやすいことから手を付けがちなんですね。

 

まずはあなたの商品やサービスをつくり、それを売ればいくら入るというキャッシュポイントを作りましょう。

自分がどれだけブランド化されても売るものがなければお金にならないし、提供する価値がないのに有名になっても本当の意味でブランドとは呼べません。

メリットの違う複数の商品ラインを持つ

商品・サービスを開発するときは一つだけでなくて、複数のラインを持つと早期にビジネスが安定します。

とはいえ見境いなくいろんな仕事に手を出して、あなたの貴重なお金と時間を分散させてはいけません。

「いろいろやりすぎで、自分が何屋かわからない」「職業自分!」って言いだすフリーランスの仲間入りをしてしまいます。

複数ラインを持っていて安定しているフリーランスと、何屋かわからなくなったフリーランスの違いは、しっかり利益の出る事業を持っているかどうかです。

もっと簡単に言うと「高単価」のサービスがあるかどうかです。

「仕事はもらわない」のところで書いたように低価格の商品だけではジリ貧なのです。

フリーランスは必ず「高価格帯」のサービスを開発しましょう。

 

他に継続型、権利型というようにメリットの違う商品を持つとどんな状況にも対応できる強いフリーランスになれます。

  • 「高価格型」は利益率・費用対効果が高く利益頭としてあなたに時間的余裕をもたらします。
  • 「継続型」はたとえ安価でも毎月、毎年かたい売上をもたらします。予想できる売上というのは本当に精神的な安定をもたらし、その価値は特にフリーランスに対して大きいです。積み上げていくイメージが湧きますしね。
  • 「権利型」はしくみの構築を必要としますし、基本は微々たる額のものですがひょっとしたら個人ではとうてい届かないような額の売上が手に入ることも。こういう商品は夢がありますよね。

一つの商品、一つの取引先に頼っているとそれがダメになったときにあなたもダメになります。

しかし複数ラインの商品・サービスがあれば、例えば高価格帯のサービスが売れなくなっても継続型が最低ラインとして壁になるし、権利型が一発逆転をもたらすかもしれません。

強いフリーランスになるために複数タイプの商品ラインを持ちましょう。

精度の低い安価なサービスをラインナップさせない

フリーランスは「どんなサービスにも100%全力を注ぐ」以外の選択肢はありえません。

半額だから半分のエネルギーでやれるかというと現実には難しい。なにより50%のデキのものが「実力」と判断されてクチコミされることが怖いです。

つねに100%のモノのみを、自分の商品・サービスとしてラインナップさせましょう。

ただし「明確な違い」によって安価なサービスを提供するのは大丈夫です。

  • 税理士さんのように「毎月打ち合わせするか、期末に決算するだけか」のような頻度の違い
  • コンサル業のように「直接1対1のコンサルか、複数対面か、オンラインのみか」というような距離の違い

などですね。もちろん安価で中身の詰まったサービスであればお客様が喜んでくれるのは言うまでもありません。

実績・数値を積み重ね、常に見せる

クライアントも人の子ですから「人としての好意」「一緒にいて楽しいか」といった感情面でサービスや商品を選ぶ場面はあります。

ですが、数値や実績といった価値を論理的に説明しないと「プロとしての信頼感」「担当者が周りを説得する材料」が伝わりません。

また、紹介も感情が動いたときに生まれますが、そのときに伝わるのは言語化されていることだけです。

あなたの実績や数値を積み重ねていき、webサイトの「実績紹介」や名刺などで常にクライアントが確認できるようにしてあげましょう。

サービスは明確な計算式で価格を決定する

いろんなビジネスで「値付けが一番難しい」と言われています。

競合や代替商品とのバランス、ビジネスモデルにブランド価値・・・確かに難しいです。

特にフリーランスの多くは自分が商品だったりするので、厳密な意味での原価を算出できません。

 

逆に、だからこそ「明確な計算式」をつくって価格を決定し、自分で自分を守りましょう。

「明確な計算式」がないと、競合が増えて値崩れした時に価格を維持する理由を打ち出せず、ビジネスそのものが成り立たなくなるからです。

 

「明確な計算式」の作り方ですが、僕の場合は自分のプロデュース料について「著者に支払われる印税」をベースに計算しています。

私のプロデュースを受けると期待値として「〇〇〇万円あなたに印税が入ると予想されます」「なので、私のプロデュースは〇〇〇万円です」というロジックです。

他に、例えばwebライターさんであれば「記事のpv数」などを指標にしても良いでしょう。重要なのは価格を左右するポイントとクライアントが重視するポイントがズレないように注意することです。

上記の例では印税額やPVがそのポイントですね。しかもこのポイントを伸ばすことが「あなたの単価を上げ」「顧客の満足度をあげる」ことになる=KPIになるわけですね。(KPIについての簡単な解説は後述)

フリーランスの初期は「何を優先すべきか」迷いがちですが、計算式をつくることでKPIが設定でき、KPIを上げる方向へ意識と時間を投入できるようになります。

結果的に早期にサービスの質を高めることになり、クライアントも喜んでくれ、あなたのビジネスがより強化される、効果的な経営手法です。

また高価格帯への進出もやりやすくなります。高額サービスの販売は精神的なハードルが高いのですが、計算式という理由があると越えやすいのです。

クライアントは高いか安いかではなく、値付けに納得していないとこちらに不信感を抱きます。

そんなとき計算式があれば透明性を確保でき、買うかどうかはさておき、納得はしてもらえます。要は「なんで高いの?なんで安いの?」に対する回答を用意しましょうということですね。

KPIとは?

KPIは(Key Performance Indicator)の略称で、日本語では「重要業績評価指標」などと言われます。

難しそうですが「重要なポイント」って理解で十分です。「ここの数字があがるように頑張ろう」っていう目標です。

ビジネスモデル以前にクライアントモデルを探す

ここまでビジネス構築に関することを書いてきましたが一番大事なのは「クライアントモデル」を探すことです。

誰がいくら払うのかわからないビジネスはダメ。独立前後のフリーランスが考えているビジネスプランって「実際にお金を払っている人」の話を聞いていないことがすごく多いです。

重要なのは「お金を払っている人」の話を聞くことで「そういうのがあれば絶対買うよ~」という人の話ではありません。こういう人はいざ商品を目の前にすると買わないことが多いからです。本当に欲しい人は代わりの商品をすでに買っています。

  • 「絶対買うよ!」「欲しい!」と言う人
  • 「買ってる」「持ってる」人

この両者の差はめちゃくちゃ大きいです。

その意味でフリーランスになる前に携わったことのある業界は非常にやりやすいですね。

すでに購入しているクライアントを何名も知っているからです。複数のクライアントをクラスター分けして、「モデル」となる方を早い段階で見つけましょう。

BtoCにしろBtoBにしろ「どういった動機で」「どんな結果を求めて」「いくら出すのか」を徹底的に調査して自分のビジネスモデルと合致する人をみつけましょう。その人が最初のお客様です。

その方にはお試し価格や、なんなら無料でもいいので、サービスを提供して実績をつくりましょう。ユーザーの声や、次の見込み客の紹介をお願いするのを忘れずに。

なお、クライアントモデルはあなたの「フリーランスとしてのレベル」が上がれば、変化することもあります。

成果と売上の「連結部」を太くする

これはフリーランスとして6~7年やってきてようやく気付いたことなんですが、成果や実績と、売上って必ずしも直結しないのです。

例えばですが自分のクライアントが大きな成果を出すと、それは自分の実績としてPRできますよね。

そうすることで同じサービスでもより高額にできたり、今まで10人に1人が申し込んでくれていたサービスを10人に3人が申し込んでくれるようになるかもしれません。

この状態は成果・実績と売上が直結しています。単価アップや成約率アップに直結しているからです。特にフリーランスの初期はブランドも信頼もないので、ここが伸びやすく、ぐんぐん売上が伸びます。

つまり

  • 売上=単価×見込客数×成約率

で、成果・実績は「単価」と「成約率」を上げてくれるのです。

 

しかし、ある程度フリーランスとして成果を出してくると

  • 単価は業界標準と同じか高いレベルに到達するし、
  • 成約率もある程度で安定する(どんなに良くても100%は超えないし)。

ので途中で限界が来ます。

この段階に来ると「お客様に集中して成果を出し実績を積んでいるのに、売上の伸び率は下がっていく」現象が起きます。今年も成果出したのに去年と集客数は同じくらいだねと。

 

それは成果が出ることと、見込み客増加、つまり集客力アップが直結していないからです。

もちろん、成果が出たお客様が口コミをしてくれたり、紹介を出してくれることはあります。

でもそれってたいていは数人増えるだけなんですよ。人によっては性格的に「紹介」が苦手な人もいて、成果にかかわらず紹介が出ないこともありますし。

だからフリーランスとしてさらなる売上アップを狙うなら「成果と売上の連結部」を太くしていきましょう

この連結部とは「集客力」のことです。実力と集客は比例しないというのは、実力不足なのに儲かっている人を揶揄する言葉として使われがちですが、「実力があっても集客は集客で力入れないと、途中で成長とまるよ」という意味でも使えるのですね。

フリーランスにできる集客力アップのシンプルな方法で言うと、ブログ(SEO)やSNSでの「オウンドメディアからの集客強化」です。

成約率が1%上がった時、見込み客の数が多ければ「売上額」は大きく伸びます。逆に見込み客が少ないと、1%アップは実質効果なしだったりします。

※ほとんどの見込み客が紹介のみで10人しかおらず、平均成約率が30%だった場合、成約率が31%になっても売上は3人分で今までと同じになる。見込み客が1000人いたら、300人が310人になり、成約率アップ分ちゃんと売上がアップする。

だから成果と売上の連結部=集客力を太くしていきましょう。成果や実績が「見込み客アップ」にも直結してくれるような仕組みができれば最高ですね。

<ここに気を付けて!やってはいけない危険な落とし穴>


サラリーマンをディスらない

フリーランスになった直後にやりがちなのが「会社員をバカにするようなSNSでの投稿」です。これは本当にやめましょう。

「今日もこんな素敵なカフェで打ち合わせ」とか「昼からビール!フリーランス最高〜☆」といった投稿もイタいですが、これはまあギリギリ許されるかもしれません。本来そんなものはことさら自慢することじゃないけど、喜んでいるからと非難されるのも変な話です。

しかし「会社員は終わってる」「毎日同じ満員電車に乗って目が死んでる」など会社員であること=ダメなこととする投稿はおかしいです。

理屈として破綻しているし、シンプルに僕らフリーランスがフリーランスとして活動できているのは、多くの会社員が働いて提供しているサービスや商品の恩恵を受けているからでしょう?

ノマドしてるカフェにも社員さんはいます、そのスマホを提供してくれているのも、昼からビール飲めるのもみんな誰かのおかげです。その相手が100%会社員じゃないなんてあり得ますかね。

こう書きながらも、会社員をディスるフリーランスの気持ちもわかるんです。

不安だから「オレ最高ー!フリー最高!」って言ってバランスとってるんだろうし、ブランディングや集客のために「ポジショントークとして」ディスってるだけなのでしょう。でもダメなんです、悪意を注いで自ら反感を育てているだけだから。あなたが何か躓いたときに、一気に貶められます。

ヘイト管理をしっかりしていないと、最終的に会社員の人からスルドく刺されることになるのです。

それは自業自得。もうそうなってからでは遅い。会社員ディスるより、お互いに感謝しながら、本業の構築がんばりましょう。

最新情報を勉強する「ルートを確保」

勉強法。特にそのルート。これはフリーランスになったばかりのころはピンと来ませんが、徐々に大きな問題になっていきます。

フリーランスになった当初は自分の知識・情報が『業界最前線』なのですが、それこそ10年も経つとどれだけ業界に精通してても、知識が古くなる、常識が変わります。

なぜかというと現場も偉い人も入れ変わるからです。人が変われば色々変わります。僕の昔からの人脈で、同じ会社で同じポジションにいる人なんてほとんどいません。

数年前は書店さんの反応が悪かった施策が今はウェルカムになってたり、取次の仕入の厳しさが10年前も厳しかったのにさらに厳しくなってたり、法人本部主導だったあるチェーン店が、個店対応主義に変わってたり。

それを勉強させてくれるのは「今、最前線にいる人」つまり会社員です。それも踏まえてやはり敵に回してはいけません、サラリーマン。

元〇〇という「肩書の使い方」と真摯に向き合う

フリーランスとして独立した以上、今の自分の肩書、自分の名前そのもので勝負するのが美しいと思います。

しかし元〇〇という言葉が持つ威力を無視するのもまた違う。過度に過去を否定する必要もないのです。

僕は出版プロデューサーとして独立後、実績もそこそこ積み上げてきた自負はあるし、業界内でもちょっとは評価していただけていると感じています。

しかし自分のセミナーページのタイトルを

  • 増刷率90%平均4万9千部のプロデューサー西浦孝次の出版セミナー」

としたときより

  • 「大手出版社の元マーケターが売れる本の秘密を公開」

したときの方が、爆発的にクリック率が伸びたんですね。

僕からすれば「大手出版社の元マーケター」より「増刷率90%平均部数4万9千部」の方がすごいことじゃないか!と思っています。大手出版社の元マーケターなんて他にもいるだろうし。

しかし「出版セミナー」で検索したユーザー、特にこれから本を出す人からすると、僕の実績よりも「元〇〇」という肩書の「わかりやすさ」の方が強いわけです。

SEOコンサルの方に「大手出版社の元マーケターっていうことも、西浦さんの実力だし事実。他の人ではなかなか取れないポジションですよ」と言われて渋々試し、効果(クリック率)も高かったので今は納得して使っています。

でも、やはりいつかは「西浦孝次の出版セミナー」と書くだけで同じクリック率になるくらい「わかりやすいすごさ」を持てるように努力したいですね。お互いに。

口約束は全部、社交辞令と心得る

『独立するんです』ということを伝えると、「いいじゃん、一緒に何かしようよ」とか「今度、仕事お願いしていい?」という話があったりします。皆さん悪気はないのですが基本的に社交辞令だと思っておきましょう。

僕もたくさんありました、それこそ言った側は次の日には忘れてるのでしょうが、言われた側は何年も覚えてるものなんですよね。「何かしようよ」の「何か」は自分から提案しないと生まれません

相手の立場になればわかると思うのですが、「実績ゼロのフリーランスに仕事を発注するリスク」を簡単に会社が許容してくれるでしょうか?大変なんですよ仕事通すのは、たぶん。

言ってくれたのが会社の代表者とかなら可能性があるかもしれません。

変態おやじのおいしい話に近寄らない

若い女性がフリーランスとして独立すると、仕事と引き換えに「そういう関係」を要求されることがあります。

最初から露骨に言ってくることはあんまりないそうですが、実際に被害に遭った方を何人か知っているので、おいしすぎる話は注意した方が良いかもしれません。

打ち合わせ場所がホテルで、そのまま部屋に連れて行かれそうになったり、もっとはっきり「この仕事を毎月いくらで発注するけど、それはそういうことも含めてだから」と言われたりとか。僕が知らないだけで男女逆パターンもあるかもしれません。

こういうことがあると変なトラウマを持つことになるので、君子危うきに近寄らずの精神で避けた方が無難です。割り切るタイプの人もいるのかもしれませんが、自己責任で。

人と会っただけで仕事した気にならない

人と会って話をしただけで『今日も働いたぜ!』と思いがちですが、それはあくまで「情報交換」であり、ただの「顔合わせ」です。誰かの役に立ってお金をもらわないと仕事をしたとは言えません。

厳密に言えば、仕事として始まっても『やっぱりあの話、ナシで』が言える段階では会議やヒアリングも「仕事の準備」であって、「仕事」ではないと思っていた方が良いです。

厳しいかもしれませんが、特に余裕資金が少ない段階では、まず生活費を稼ぐ必要があるわけで「仕事になってない!」と厳しく自己評価しましょう。

ある程度余裕が出てくれば、その辺はおおらかに構えていた方がむしろ良いです。すぐお金や仕事に結びつけようとすると小さい仕事になりがちです。(実際にサービスを提供したら、請求書を発行するなりちゃんとキャッシュフローを発生させるのは必要ですよ!)

法律と会計のプロは必ず捕まえておく

資金に余裕がない段階ではなかなか難しいですが、なるべく早い段階で法律と会計のプロと関係性をつくりましょう。

税金の問題があるから会計はわかるとして、法律っている?と思うフリーも多いでしょう。少なくともお金よりは優先順位下がる人が多いですね。僕もそうでした。「自分は誠意もって仕事しているし、もめたりしない」と。

でも世の中には「完全に頭がおかしい」としか思えない人もいて、フリーになるとそういう人からあなたを誰も守ってくれません。あなたがまともでも、そういう人に目を付けられると徐々にしかし深く心を削られます。

自分を、自分のクライアントを守るために、法律の正しい知識が必要で、プロに頼むのです。

このときは値段の安さではなく、考え方が近い人を選ぶのが吉です。儲けるのがいちばん!という人と、社会貢献こそ生きる意味!みたいな人だと価値観が合わなそうじゃないですか。

会社やビジネスについての考え方が根本的に違っていると一緒にやっていくのはつらいです。

僕はどちらも専門家に助けていただいていますが、どちらのプロと話していても「僕のしたいことは何か」が大切で、それに合う会計制度や契約書を作成してくださいます。

やりたいことをするには〇〇が足りないのでは?というようなアドバイスもいただけたりもしますよ。『今はそれでいいけど数年後にはこうした方が良い』というような。

これは専門分野からのアドバイスでもあるのですが、もう一つ彼ら士業は多くの経営者の顧問になっているので「リアルな他社事例」を知った上でのアドバイスでもあるんです。もちろん守秘義務があるから実名は出ませんが、必要な部分を抜き出して教えてくれるので良いアドバイザーになってくれます。

人を「役立つかどうか」で判断しない

「自分はそんなことするわけない」と思うでしょう、うん僕もそう思ってました。でも「貧すれば鈍する」と言うように、お金が無いと本当に考え方もさもしくなります。

飲み会に呼ばれても「5,000円払って、その会に参加して、いくら回収できるのか?」のように考えてしまうのです。嫌ですね~、でも本当に恥ずかしいのですが、僕も1回だけ、本当に厳しい時期にその理由で飲み会断ったことがあります。

「カネにならない話は興味ない、ギブアンドテイクできない関係はいらない」というような考えを「プロ意識」のように思っている人もいます。

でも周りからは「余裕のないやつ」と映ることもあるし、「儲かってないんだろうなぁ」「仕事できないんだろうなぁ」と思われてることも多いです。互いに気を付けましょう。

趣味の会をやめない

フリーランスになったときは「自分は経営者だ!フリーランサーだ!がんばるぞ!」と気合いが入って、同じ経営者やフリーランスの方、仕事関係者とばかり集まりがちです。

でもそういうときこそ「趣味の会」を続けるか、はじめるかして、とにかく「利害関係のない友人」を増やしてください。

そういう場で出会った人たちはビジネス上の志向や立場ではなく、趣味の世界での志向や立場で出会えますから非常に貴重なのです。実はその道の第一人者という方が、趣味の会の仲間でいろいろ教えるうちに仲良くなってたりもします。

そういった場で出会って、関係を築いてから一緒に何か始めると、交流会などで名刺交換した人たちより面白い仕事になることがあります。少なくとも「いつもの仕事」とは少し異質なものになるので、何か異質なものを得られます。

それにフリーランスはオンとオフを切り替えるタイミングがないので、そういう場を意識して持つだけで大きなリフレッシュになりますよ。

振り込まれるまでその売上はカウントしない

資金繰りなどを考えて、売上の予想を立てるとき「見込み」の売上をカウントします。ですが、その際「振り込まれるまで、そのお金はどうなるかわからない」という心の準備をしておきましょう。

こちらの予想が甘いだけの時もあれば、やむを得ない事情、理不尽な理由などあらゆる原因で売上は入金されなかったりします(涙)。しかもそういう場合、何かめんどうなトラブルと一緒にやってきますから大変です。

無いお金はカウントしない。これはけっこう重要な考え方です。

貯金が100万円を切ったら精神的にくる

現金は多いほど良いです。間違いない。

独立当初は、そのために資金を用意しているでしょうし、人によっては退職金が振り込まれて一時的にお金が増えます。

そこから徐々に減っていくのですが、しばらくは「オレ史上最高貯金額」状態だったりするので意外と余裕なんです。

そこから少しずつ減っていき、個人差はありますが100万円を切るとかなり「やばい!」となります。

精神的に影響が出て、そのまま体にも何らかの影響が出ます。人によりますが僕は舌の裏側に血のかたまりができました。それが腫れて、前歯にあたって痛いんです。たまに割れて中から痰のような甘い血のかまりがドロっと・・・(自主規制)。そうならないように資金管理はしっかりしましょう。

 

ちなみにある程度資金に余裕が出たら、自分の性格に合わせて複数の口座に分けるか、一つの口座に集めるか考えても良いでしょう。

どういうことかというと、通帳の金額で精神的にも肉体的にも影響を受けるので、逆にそれを利用してモチベーションを上げたり、心を落ち着かせたりもできるのです。

通帳を複数に分け各口座の残額をパッと見、少なくして危機感を持つか、逆に一つの口座にある程度の額を溜めて精神安定剤とするかはあなたの好みにお任せします。

「小さい額がたくさんあると使っちゃう、大きな額だと使うのもったいなくて節約できる」人もいますし「小さい額だと焦って、頑張れる。大きな額があると油断しちゃう」派の人もいます。

まさに個人の好みで分けてください。

最初の資金のうち、何パーセントを投資に使い回収できるか

独立直後の軍資金、何に使いますか?300万円あるとして、毎月20万円を生活費に使って15か月をフリーランスのリミットとしますか?そういう思考の人は多いですが、これは精神的に余裕を失くす「100万円の壁」が見えるまでにキャッシュフローが黒にならなかったら、おそらく復活できません。

僕のおすすめは、資金の潤沢な初期に何パーセントかを投資に回すことです。

投資と言っても株とかでなくて、勉強でもいいし、何かの団体に参加しても良いです。とにかく「かけたお金を、後から回収してプラスにできる」と思えるものに投資するんです。

これは自己資金が底を突きかけた状態からでは、精神的に踏み出せません。初期のころに手を打っておかないと、後からはやりづらいのです。

僕は経営塾に入塾して、通年で100万円くらい使いました。自己資金の30%だったのでかなり勇気がいりましたが、その分「ここで何かを掴まないと後がない」と本気で取り組めました。

おかげで経営者としての師匠と呼べる方に出合え、投資金額も1年も経たずに回収できました。僕の器では100万円が投資可能額の限界でしたが、金額の大小よりも「これで、事業を大きくする!」という見込みを見つけることが大切なのだと思います。


フリーランスになったものの「これじゃ、フリー(自由)じゃなくて、下請けじゃないか!」と感じる人は多いです。

フリーになった以上は何か「思い」や、「大事にしたいこと」があったはずです。それがいつの間にか生活のために「思い」も「大事にしたいこと」も忘れて仕事だけをするようになっていきます。だってお金がないと、やりたいことをやる余裕もありませんからね。

だからお金のために「思い」「価値観」を犠牲にすることなく、フリーランスとして生きていくための戦略・考え方を書いてみました。

文頭でも書きましたが、幼なじみや弟にした話と同じことなので、本当に役立った、大事だったと心から思っていることを書いています。ご参考になれば幸いです。

あ、でも正解は一つではないので本当に「参考」くらいにしておいてください。このやり方にとらわれて自分の「思い」に目をつぶってしまったら本末転倒ですしね。

「思い」だけでも、「お金」だけでもフリーランスとしては生きていけません。

フリーランスになったばかりの時期って楽しそうに見えるけれど、実際は暗黒期です。

収入は不安定なのに確実にお金は出て行き、通帳の残高を計算すれば「あと何ヶ月で破産するか」が見えてきます。自分の終わりが逆算できるのって怖いですよ。

僕みたいに舌の裏に一生残る手術痕ができるかもしれない。

なるべく早くビジネスの基盤を安定させて、このフリーランス暗黒期を乗り越えましょう。

あなたのフリーランスライフが幸せな人生になりますように。

フリーランスは楽しいですよ。

 

増刷率90%。平均部数49,000部。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。
書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。
膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。
上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(23万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

業界の活性化を目的として、版元・書店との人脈を活かした合同勉強会や、新卒向けにメディア就活ボランティアも行なう。

「営業だったからこそ、著者・出版社・書店に提供できるモノがある」と増刷ロジックや書店巻き込みマーケティングを駆使したプロデュースを行う。

本は読者のためにある。という考え方から「ブランディングの為に本を出したい」とおっしゃる方には、笑顔でドロップキックをプレゼント(笑)


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