企画や原稿をぐいぐい進める3つの習慣【企画書を放置しがちな人必見!】

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年に2回はダイエットに目覚めるのに、いつの間にか熱が冷め、気づけば太ってて、またダイエットを繰り返す、リバウンド王にして出版プロデューサーの西浦です。だいたい痩せたら熱が冷めて、ダイエットのこと忘れちゃうんですよね。ダイエット本は効果あるけど、続けられないっていうリアルがあるから永遠になくならない市場かもしれません。

さて、西浦のダイエットのように「本を書くぞ!」と決意したり、出版塾に参加したとしても、なかなか企画書が書けなかったり、原稿が進みません・・・といった相談をよく受けます。

「著者ってのは、止められたってついつい書いてしまうものだ、だからお前はダメだ!」という考え方もあるのですが、職業作家と一般書の著者だとちょっと事情が違います。

一般書、つまりビジネス書や健康書は「その道のプロ」が書くもので、「書くプロ」というわけではないからです。

 

本来、書く専門家ではない、一般書の著者はどうすればスムーズに書けるようになるのでしょうか?

 

その答えは昔、僕が通っていた居合の師匠に教えていただきました。

「居合っていう、非日常を日常にするのが大切なことです」と。


非日常を日常にする

居合というのは刀を振り回して、技を競うっていう明らかな非日常です。家で練習してるとたいてい照明や壁を切ってしまうので、自宅では練習しづらい(笑)

だから週に3回は稽古に来なさいと言われていました。(週に2回だと、現状維持で精一杯だそうです。なんでもそうかもしれません)

 

本を書く、というのも普通に仕事や生活をしていくだけなら必要のないことです。いわゆる非日常ですね。

この非日常がやっかいで、気が付けばすぐ日常に戻ってしまいます。つまり本を書かない生活に戻ってしまうのです。

 

居合の師匠は、非日常を日常にするために、稽古の回数を増やしなさいと教えてくれました。出版の場合はどんな稽古が有効でしょうか?

そもそも出版塾などに参加している方でも、「書けない」「書く時間を取れていない」と悩んでいるので、そういうセミナーなどに参加するだけでは日常化しないようです。

 

日常とは「常日ごろ行われること」ですから、本を書くことがそれくらい自然になるまで、日常に取り入れる必要があります。

それは「出版」という習慣を身に着けることです。

そこで、「放置しがちな企画」を進捗するのに有効な習慣を3つご紹介します。

OJT目線で、ネタを集める(習慣1)

著者に求められるのは実績に 代表されるプロフィール力です。藤吉さんに教えてもらった「『誰が』に値する生き方」ですね。

ただ、どれだけすごい実績やプロフィールがあっても、エピソードが面白くない人というのがいます。

正確にはエピソードを覚えていない人、気づいていない人です。

すごい人にとっては「当たり前」すぎて、それが出版のエピソードに使えるという発想がなく、発想がないから覚えていないのです。

 

この対策が「OJT目線で日常を俯瞰し、メモする」という習慣です。

OJTとは(On-the-Job Training オン ザ ジョブトレーニング)のことで、職場の中で仕事を教えていく指導方法です。

新入社員があなたの隣でメモを取って構えていると想定して、仕事や日常を過ごしてください。こうやって深夜に記事を書いているときも「なんで朝じゃなくて夜なんですか?」と聞いてくる新人ちゃんになんて答えるかな・・・と一つ一つ考えて言葉にしていくのです。

このOJT目線が重要で、自分目線、プロ目線だと「こんなの当たり前じゃん」と思って、日常のエピソードに気づかず流してしまいます。

 

 

「そんなのどうするんだよ」って話だと思うので、実例を一つご紹介します。

以前、うちのクライアントから、グループコンサルの当日に「すいません、今日いけません!」という連絡が入りました。スポーツ選手のサポートしている先生なのですが「自分の担当選手がリハーサルでケガしてしまって、急遽行かねばならい」とのこと。

そのときに「こっちのことは気にしないでいいですよ」ということ以外に僕が伝えたのが、この「俯瞰で見て、メモしてください」ということです。

トラブルですし、緊急度の高い案件ですから、集中して対応しなくてはなりません。しかしそんな時こそ、俯瞰して自分が相手に何を伝えているか、緊急時にどういった対応をすべきか、優先すべきは何か?を俯瞰して、OJT目線(新入社員目線)で見て、冷静に記憶してほしいのです。

 

これは後から思い出して考えるよりもその場で、OJTでやることに意味があります。

なぜなら、机の前でコーヒーを飲みながら「冷静に思い浮かべる」緊急時の対応と、緊急時のただ中で俯瞰し、記録、記憶されたエピソードは熱量や臨場感が段違いだからです。

具体例もよくある例ではなく、「実際に〇月〇日にあった実在する誰かと誰かのやり取り」なので、ものすごくリアルで面白いのです。そしてそういう時こそ仮想新人君も「具体的な質問」ができ、あなたも「具体的なアドバイス」ができます。この具体的なアドバイスこそ、読者へのメッセージになります。

 

例として、実際に僕がクライアントに送ったメッセージを抜粋すると

「プロデューサーとしては、そういう事態こそ『後々、見出しの一つにする』つもりで、『素材集めしながらやるイメージ』で取り組んで頂きたいです。もちろん、集中しつつなんですが、少し俯瞰して記憶する感じで!」

「頑張ってください!実際的には事例集めなので『素人がやりがちなミス』とか『ケガした時あるある』とかに注目して覚えとこうと意識するだけで大丈夫です!」

と、このケースの場合なら「俯瞰で見てやる」ことの後で「何に注目すべきか」までアドバイスしている自分がいます。これはつまり「俯瞰で見る」だけだと素材集め出来ないかもしれないから、「注目点を伝える必要もある」といった具体的なアドバイスが生まれてきているのです。こんなの1日経ったら忘れてます

 

 

実際にどういう形で使えるかは、企画力・編集力の分野ですが、使えるかどうかは置いておいて日常をOJT目線でメモすることをおすすめします。

感情は風化していくものだから、鮮度の良いうちに記録する(習慣2)

人間の記憶なんて曖昧で、先週何があったかさえ覚えていなかったりするものです。僕も7個入りのミニエクレアを2個食べたか3個食べたか忘れて妻に怒られています。

「何があったか」は当時を知る人に聞くことで思い出すこともできますが、誰にも教えてもらえないものがあります。

それは時間とともにどんどん失われていく「当時の感情の記憶」です。

すごくつらかったことでも、忘れることで、人は前へと進んでいきます。当時の感情を風化させる本能は非常に強力で、振り返って思い出しても「いい思い出」になっていたり、当時ほど強く感じないものです。

しかし「感情」は本にとって非常に魅力的なコンテンツなので、薄れさせるのはもったいないです。感情をリアルに描くことで、読者に「リアリティ」を伝えることができますし、読者が非常に共感しやすい部分でもあるからです。

なにより共感される文章は、シェアされます。ここは落としたくないところです。

 

そこで「感情記憶の風化」対策として有効なのが「感情を記録する」ことです。何があったかだけでなく、そのときどんな感情を抱いたのか?までメモする「感情日記」をつけてみるとよいでしょう。

感情日記

僕の例ですと、独立直前くらいから1年ほど、月に一度の頻度で日記をつけていました。

日記といっても、毎月「先月のスケジュール帳」を見ながら、1週間単位で「あったこと」と「その時に何を感じたか」をメモしていただけです。当時は、なんとなく「忘れるのはもったいないなー」くらいの意識で書いて、すぐやめちゃってたのですが、今読み返すとこの日記の生々しさがすごいです!

別に強い口調で感情が書いてあるわけではなく、むしろ淡々としているのですが、とにかく表現がリアルで「ぴったりの言葉」が使われているのです。

また、当時の、その状況にいたからこその視点で、気づいたことなども書かれています。

例えば独立直前は「本当に独立するのか・・・」とふとした瞬間不安に襲われて、めっちゃ「BUMP OF CHICKEN」聴いてたこととか(笑)、

独立直後には、退職金や清算された交通費などが以前の会社から振り込まれるので、不思議とお金が増える感覚になるとか、

多くの方に誘ってもらって、飲む機会も多いのですが、僕の話じゃなくて「自分の話をする人が多いな」とか、「応援する」って言ってたはずの人が音沙汰なしとか(笑)

感情的にじゃなくて淡々と書いてるからこそ、感情がリアルに描かれているのかもしれません。

月に1度、1週間単位で十分なので、感情が風化する前に「感情日記」をつけてみてください。

その時はSNSにアップするような、感情的に批判したり自己弁護するための文章じゃなく
人に見せず「感情的にならずに淡々と」書くことをお勧めします!

時間を生み出す「著者アポ3コマ」ルール(習慣3)

本を書く人には忙しい人ばかりです。すでに日常が「仕事でいっぱい」状態で、ちょっとした空き時間もクライアントやスタッフが虎視眈々と狙っており、すぐにスケジュールがぱんぱんになります!

そこへプライべートの予定も入れだしたら、もう「著者」としての時間なんて作れません。

その対策としてどうすればいよいのか?それは「著者としての自分に、週に3コマ、アポ入れする」ことです。(1コマ2時間~3時間。)

僕も必ず週に3日以上、2時間~3時間の枠を作る「著者アポ3コマ」をルール化しています。

じゃないと人と会うだけで、時間がどんどんなくなっていくのです。

 

出版社に勤めていたころ、年間350~400冊の本を担当していました。この量はマーケターとしても異常で、終電帰りとか休日出勤は当たり前、前任者からも「あきらめろ」と言われていました。(何を!?)

今思うとすごいアドバイスですねS先輩・・・(笑)

ところが会社としては「残業するな」という風潮でしたから、僕は自分の身を守るためにも、当時「何に何分かかっているのか」を毎日記録することにしたのです。

仕事時間の比重をコントロール

もし「残業時間増えすぎだ!」って怒られたら「この業務に〇時間、これに〇分かかっています。どこをどう簡略化してよいですか?」という逆提案をできるように、当時、仕事時間の記録をつけてみました。

ところが、この記録によってたくさん、想定外の気づきがあったのです。

たとえば「増刷の手配」という仕事は通常1冊20分くらいかかります。

  1. 現在庫調査(データダウンロードして、担当本全部ざっとチェック)
  2. 発売から現在までの売れ行き確認
  3. 事前に申請していた「増刷数に応じた原価シミュレーション」で原価率を算出
    (申請時に「2,000部~5,000部まで、500部単位で」など指定する。これを見当違いな部数で出していると再申請になるので、さらにロスしてしまう。5,000部から1,000部刻みで申請しておいた方が良いものもあるし、事前の読みと経験からくる勘が頼り)
  4. これらを一覧にして「直筆の増刷理由200字程度を添付」
  5. 上司の未処理デスクに入れる←ここまで20分

 

ところが、上司とモメると平気で2時間かかったりすることに気づいたのです。これは1時間40分のロスです。

上司が気にも留めないくらいの部数で申請、反論できないくらい資料つけて理論武装、などなどいろいろ工夫して、ここで時間をとられないよう工夫するようになりました。

「もめないこと」って仕事をする上で案外重要だと気づいた瞬間です。

増刷手配でもめて時間を食ってたら、「どう売るか」に時間を避けないので、ここは大義のためにもめない仕事をすべきところ、戦うべきは販売施策のところっていう具合で、エネルギーや時間の割き方を調整するようになりました。

奪われる時間を最小化する

このように時間を記録することで、いろんな気づきがあったのですが、実は一番大きな気づきが「奪われる時間」に関することです。

自分が能動的に仕事をしている時間を白のストップウォッチで計測していたのですが、上司からの「ちょっといい?」後輩からの「教えてください」さらに電話やFAXの処理など受け身的に発生した仕事をすべて「黄色」のストップウォッチで測っていました。

結果わかったのが、油断すると平気で2時間以上、黄色のストップウォッチでとられているということです。白の時間を増やさないと能動的な攻めの仕事ができません。黄色は言うなればディフェンスで、現状を維持するための仕事です。

経営者になればこの黄色のパワーがとにかくすごいです、あなたの時間をゴリゴリ奪っていきます。しかし重要な仕事は白で測る種類のものであり、出版は大抵の場合白に該当します。

ですので、著者になることを日常化するなら、黄色に時間をうばわれすぎないよう、白の時間を先に確保するのです。

著者アポルールを実践すると、人脈や情報も増える

僕の場合は、クライアントの企画を作ったり、出版TIMESの記事を書くために週に3コマを確保することにしています。

やり方は簡単で、「18時以降のアポを平日に3日以上」入れないだけです。

僕は原則、夜のアポは週に3回までとしていて、そうすれば残った4日を自分の「企画」「記事作成」に使えます。(僕は夜型なのでこの時間帯にしています)

4日のうち1日は家族や自分のために使い、ゆっくりする日になりますし、どうしても入れたい会食が入った場合は、家族に確認してから入れるようにしています。

このやり方だと自然と予定を確保できます。

さらにもう一つ大きなメリットがありまして、魅力的なお誘いには、直前であっても確率4/7で対応できる。ということです。

夜の予定は、基本的に週に3日以上入れていないので、たとえば「来週なんですけど、空いてます?」というような緊急案件や、重要案件でも確率57%で参加できるわけです。

不思議と、面白い企画って「急きょ」とか「ふとした」時に発生することがあって、そこに予定を入れられるよう、キープしておくのです。

確保している3コマを「急きょ」案件に使った場合は、早起きするとか、何かを削って意地でも枠は確保し直します。

こうすることで能動的に攻めの企画に時間をさけるし、さらには「急な面白いこと」にも対応できる「なぜか面白い場所には呼ばれやすい」人にもなれます

 

こう書くと「いや、すでに夜のアポなんか入れられる状況じゃないし、忙しくて毎日朝から晩まで埋まってる」という声もあるでしょう。そういう時こそ、年間400冊の本を担当していたころの僕のように、自分の時間を白と黄色のストップウォッチで測ってほしいのです。

黄色(奪われる時間)が多いならそれを少なくして、出版の時間に当てましょう。

ほとんど白(能動的・攻め)の時間で埋まっているというのなら、純粋なキャパオーバーです。自分の中で優先順位をつけて「著者としての活動」より優先度の低い仕事を誰かに任せるか、断るかしましょう。

どの仕事も出版より優先させられないなら、「自分はそこまで本を書きたいと思っていない」ということなので、そのときは出版を選択肢から外してよいと思います。

著者というのは常に一定量のアウトプットと、面白い情報や人のインプットをしつづける生き物です。

著者としての自分を作るために、著者アポ3コマルールは、大変おすすめですよ!

以上、経営者の「時間がない」は100%自分のせい…と言って自分の首を絞める出版プロデューサー西浦でした。

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増刷率90%。平均部数49,000部。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。
書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。
膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。
上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(23万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

業界の活性化を目的として、版元・書店との人脈を活かした合同勉強会や、新卒向けにメディア就活ボランティアも行なう。

「営業だったからこそ、著者・出版社・書店に提供できるモノがある」と増刷ロジックや書店巻き込みマーケティングを駆使したプロデュースを行う。

本は読者のためにある。という考え方から「ブランディングの為に本を出したい」とおっしゃる方には、笑顔でドロップキックをプレゼント(笑)


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