書店

エリアマーケティングはより深く階層別に

陣取り合戦を考えていけば、自然と「じゃあどの店の良い陣地を取るのか?」という話になってきます。

つまりエリアマーケティングですね。この本を売るのに最適なお店はどちらなのか?

良い「陣取り」が出来るようになってはじめて、マーケティングに意味が出てくるのです。(強い店にただ本を送るだけではダメ

 

本屋さんは立地商売と言われていて、どこに出店するかで客層が決まり、客層によって売れる本のラインナップが決まります

ある程度法人ごとのカラーはあるのですが、やはりそれ以上に立地の影響力が大きいよねというのが本音です。

 

A店はビジネス書が強い店、B店は文庫新書が強い店。

こういったエリアマーケティングは基本ですが、できる営業はもっと深くその書店の客層を理解しています。

 

例えば、三省堂有楽町店さんと言えば超Sランクの本屋さんで、本当に何でも売れますが特にビジネス系は強いです。

1階の売り場の販売力が強く、1階で一等地を取れるかどうか(陣取り合戦)が重要になります。

 

しかし意外かもしれませんが、ビジネス書が売れ始めるのは2階からなのです。僕も初めて教えてもらったときは驚きました。

あの店の2階は言うなればビジネス書好きが行く売り場で、読者も目が肥えています。面白そうな新刊をいつも探しているのですね。

1階というのは売れてる本、売り伸ばしたい本が並ぶのですが、1階に並ぶようなタイミングでは彼らはすでに購入済みだったりします。

つまり三省堂有楽町店は1階と2階でユーザー特性が変わってきます。

三省堂有楽町店の客層を把握するときに「三省堂有楽町の1階読者」と「三省堂有楽町の2階読者」と別々に把握できていると強いです。

 

また同じ店でも時と共に客層は変化していきます。

分かりやすい例で言うと、武蔵小杉のように新たに開発された街は、どうしても若い夫婦に特化した街づくりになりますから、書店もそういう棚づくりをします。

若い夫婦の元に子供ができて、保育園に入って、小学校、中学校進学・・・と成長していくにつれて児童書の売れ行が伸びて行き、徐々に児童書・学習参考書やコミックへとシフトしていきます。

人の変化に対し、少し先周りして本屋さんは変わっていきますね。

一番重要なのは「勢い」を感じさせること

良い店(エリアマーケティング)の良い売り場(陣取り合戦)を確保出来たら、本はすべて売れるのでしょうか。

そのはずなのですが、そうでもありません。

※中身がつまらない、タイトルが良くないなどのケースはこの場合は除外しています。

本には「勢い」という数値化しづらい指標があり、それによって売り場は大きく影響されるのです。

 

昔、ある本屋さんで仕掛けてもらっている本があり、それがけっこう売れていました。

どれだけ売れているかはPOSデータを見て知っているのですが、それでも現場に行って書店員さんに「どうですか?」と聞かなくてはいけない理由があります。

それは本の「勢い」を書店員さんがどう感じているか確認するためです。

 

その店ではデータ上は今までと変わらぬ売れ行きだったのですが、担当さんの反応は「うーん、どうだろ?」でした。

数字上は変わらなくても、書店員さんが「イマイチ」だと感じているのは、本の「勢い」がなくなってきているからです。

 

この「勢い」とはなんでしょうか。計算式にするならこうなります

  • 勢い=毎日の実売数-期待値

これは本の売れ行きという純粋な結果だけでなく、期待値に比べて売れてるのかどうか?のバランスで評価されるものです。

 

本は常に他のライバル本と陣取り合戦をしています。

「この場所に100冊積むなら1週間で20冊は売れて欲しい」

「A先生の新刊ならこれくらいは売れるだろう」

「B店で週に5冊売れてるから、うちならそれ以上行けるだろう」

こういった期待値が存在し、これを下回るともう少し期待値の低い場所へ変えられてしまいます。(あるいは返品)

 

怖いのは、期待値を超えている「勢い」がプラスの本でも、後から仕掛けた別の本と比較して「勢いがない」ように感じると場所を外されてしまうことがあるのです。

ずっと堅調な売れ行きの本は本来評価されるべきですが、入ってきたばかりの新刊が勢いよく売れていると、その新刊をさらに大きく展開した方が堅調な既刊より「期待」ができますよね。

『100冊積んで毎週20冊前後売れている本A』があって、かたや初回入荷分売り切れたので追加注文した本Bが、再入荷後1週間で『20冊積んで4冊売れ』たりしたら「こっち100冊積んだ方が売れる?」となる具合に。(どちらも1週間の消化率20%ですが、20冊で同じ消化率なら「新刊」で、かつ「100冊積んでより目立たせることができる」Bの方が売れそうです)

100冊積める場所は店でも限られているので、そうなるとずっと置いてくれていた本も、新刊の勢いに圧され陣取り合戦に負けてしまいます。

 

また売れ行きの期待値をクリアし続けている場合でも、店頭では本そのものに変化がないため、読者や書店さんも飽きてきたりします。そうなると期待値を少し超えたぐらいでは足りず、やはり外されがちです。。。

陣取り合戦に負けて、一等地から外れたことでさらに売れ行きが悪くなり、より導線の悪い場所に置かれ最後は返品・・・

これがよくある本の終わり方です。

勢いを取り戻す施策は「夏服」

この失いかけた「勢い」はどうやって取り戻せば良いのでしょうか?

これには正解はありませんが一つ、KADOKAWAの方に教えていただいた話を紹介します。

写真は文庫版なので夏服ではありません、残念。映画も大ヒットしたベストセラー「ビリギャル」こと『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話ですが、こちら「夏服バージョン」があったのをご存知でしょうか?

本のオビをほぼカバーと同サイズで作成し、夏に向けて店頭の雰囲気を変えるために導入された施策です。(つまりめちゃくちゃ大きい帯を、夏服バージョンで作成)

これは店頭での「飽きを払しょくするため」という狙いがあったそうです。仮に売れていたとしても、同じ本がずっと同じ場所に置いてあると書店さんも読者も飽きてしまいますよね。

読者にとっては「知ってるけど買う気が全然ない本」は置いてあっても無駄だし、新しい本を並べてもらいたいと思うものです。

でも夏服にすることで「夏服って!」とちょっと気にするキッカケになりますし、気が変わって買うかもしれません。

実際、その帯を製作するコストとそれによって増えた売り上げを考えると赤字施策なんじゃないかと思いますが、映画が公開されるまでの「期待値を維持した」と考えればかなり有効な施策だったということもできます。

ベストセラーを目指すあなたは、本の期待値を超える方法を考えましょう。

映画化なんて期待値を超えるにはものすごく強力な施策ですが、それ以外にも地道に自分のメディア・SNSで宣伝する。本を買いたくなるようなイベントを開催するなど。

発売後に慌てていてはなかなか準備しきれませんから、事前にスタンバイしておきましょう。

発売後2~3か月の予定は組んでおいた方が良いと思います。

 

出版TIMESでは「ベストセラー」に目標設定した出版セミナーを行っています。

ご興味のある方はぜひご参加ください。

出版セミナーのご案内

増刷率90% 平均部数48,000部の出版プロデューサー。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(22万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

本のマーケティングは陣取り合戦、エリアマーケティング、あと「勢い」で決まる。2/2

エリアマーケティングはより深く階層別に 陣取り合戦を考えていけば、自然と「じゃあどの店の良い陣地を取るのか?」...

最近、SEOやコンテンツマーケティングの勉強が楽しくて仕方ない出版プロデューサー西浦です。

僕はもともと「本のマーケティング」がしたくて出版社に入ったという、編集志望の多い出版業界ではマイノリティな人間です。

根っからのマーケティング大好き人間ですね。

ですので、僕は学研という出版社の販売部にいたころから、来る日も来る日も「ベストセラー」を生み出すにはどうすればいいかと試行錯誤をしています。

当時の上司が懐の深い方で「なんでもやればいいんじゃない?」って感じで本当にいろいろやらせてもらったおかげで、少しずつやり方が見えてきてベストセラーを出すこともできました。

あれから10年近くたち、いろいろバージョンアップした部分や変わった部分がありますが、どちらというと手段が増えたり確度が高まっただけで、基本の流れは変わっていません。

それは本質的に出版が「陣取り合戦」と「エリアマーケティング」の組み合わせによって売れ行きが変わること、そしてもう一つ「勢い」で最終到達点が決まるという部分が変わってないからです。

ですのでこの記事では、出版マーケティングを「陣取り合戦」と「エリアマーケティング」「勢い」という3つで解説していきます。

出版にマーケティングは効果なし?

「ちょっとかわいい免許の本出すから、売り方考えてみて」って言われたら、あなたはどうしますか?

免許っていうのはいわゆる普通自動車の運転免許です。

その時の僕は新しい部署の仕事についたばかりで、ようやくマーケティングの仕事ができる!!と舞い上がっていたこともあり、マーケティングっぽいことを仕掛けたくてしょうがなかった(笑)

なのでセオリーどおりですが、その本の読者を想定して、販売戦略を立てたのです。

西浦(当時)「女子向けのかわいいデザインの本だから、女子+免許取得ニーズ・・・?」

⇒軽自動車の販売台数を県別に出して、それを基準に配本を調整しよう!

(女子だから軽自動車っていう安易すぎる発想は25歳の若造、むしろバカ造と笑ってやってください)

こんなものただそれっぽいだけで、マーケティングでもなんでもないんですが、大事なのはここからです。

結果は当然惨敗。

まったく軽自動車の販売台数と本の売れ行きに相関関係はありませんでした。

ただ一つ気になったのが、1店舗だけすごく売ってくれた本屋さんがあったのです。

その店の営業担当に聞いてみても「なんで売れてるんだろうね?」と首をかしげるだけなので、一緒に現場へ行くことにしました。

お店は埼玉の大宮にあった大型店なのですが、現場についてびっくりすることになるのです。

そこにはベンツがあったのです。

出版は陣取り合戦

お店ではエンド台と呼ばれるすごく目立つ台の、半分くらいのスペースにその本を積んでくれていて、しかも本の真ん中にはベンツのプラモデルがショーケースに入れて展示されていたのです。

西浦「ベンツ・・・!(軽自動車じゃなかった!)」

と心の声が実際に出てましたが、とにかく書店さんにお話しを伺いました。

西浦「なぜここまで平積みしてくださったんですか?」

書店様「なんかかわいかったので♪」

西浦「・・・あのショーケースに入ってるのって」

書店様「ベンツのプラモデルです!」

なんだか軽く話す書店員さんのノリとは対照的に、その本が異常に目立っていたのは間違いありません。本屋にベンツありましたからね。

この売り場を見て「出版ではマーケティング『っぽい』ことより、現場を押さえた方が圧倒的に有利なのではないか?」と思いました。

自分の中で大きい方針転換が行われました瞬間でした。

どの店に送るか以上に、どのように置かれるかがすごく大事。

たくさんの本の中で、どれだけ目立つ場所を取れるかという「陣取り合戦」に勝てなければ、マーケティングなんて無意味なんだ。

出版は現場を押さえた本が最強なんだなと。

長くなってしまったので(特に後半)、続きは次回に

出版TIMESでは「ベストセラー」に目標設定した出版セミナーを行っています。

ご興味のある方はぜひご参加ください。

出版セミナーのご案内

増刷率90% 平均部数48,000部の出版プロデューサー。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(22万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

本のマーケティングは陣取り合戦、エリアマーケティング、あと「勢い」で決まる。1/2

最近、SEOやコンテンツマーケティングの勉強が楽しくて仕方ない出版プロデューサー西浦です。 僕はもともと「本の...

自費出版で本を出そうと思うのですが、全国の本屋さんで並べてもらうことはできますか?」という質問をよく聞きます。

その質問にお答えすると、残念ながら「諦めてください…」と言うしかないでしょう。

全国の本屋さんで、自分の本を並べてほしい場合、商業出版で本を出すことを前提としてください。

自費出版でも本屋さんに並べてもらうことはできますが、通常は「棚買い」と呼ばれる、お金でスペースを買っていることが多く、対象となるお店は限られます。もちろん棚買いであっても本当に一般客に売れれば、そこから全国展開されることもあり得ますが、すごく稀です。

少なくとも発売当初から商業出版のように、4,000~5,000冊の本が全国に配本されるようなことはありません。そもそも自費出版の本は、初刷が1,000冊~2,000冊程度と少なく、全国の本屋さんに行きわたるほどの在庫がないのでムリなのです。

どの本屋さんに本が届けられるかは、取次が決める

これから「全国の本屋さんで自分の本を置いてもらう方法」について説明するために、ざっくりと「出版の流通」について説明しておきます。なるべく端的に解説しますので、説明不足のところもありますが、本筋の補足が目的ですのでご容赦下ください。

 

<出版社が作った本は、取次を通して全国の本屋さんに「配本」される>

出版業界の流通は「取次(とりつぎ)」という卸業者(販売会社)さんが担っています。トーハン、日販という大手2社のトラックを、街中で見たことのある人もいるかもしれませんね。Amazonのようなネット書店の在庫も、この取次さん経由で配本されているんですよ。

 

<配本先は、取次が決める>

どの店に、どの本を、何冊送るか。これを決めるのは取次さんです。書店さん側で「うちに何冊配本してくださいね」という指定をすることもできますが、その本屋さんの実績次第では減数されたり配本がない(1冊も入荷しない)こともあります

これは配本が「委託」であって、「注文ではない」からです。細かい説明は省きますが「注文」と違い、「配本」された本は書店さん側で「返品」できるのです。そして送ったけれど返品されてきた本は、輸送費の分、取次が赤字になります。

だからどの店に、何冊送るかという配本は、取次が決めているのです。

 

<配本数の交渉は出版社の営業がする>

具体的な配本のリストを作るのは、取次の仕入部です。出版社の営業担当が、この「取次の仕入れ窓口」に並んで配本数の交渉をしています。配本数は出版社からすると仕入れてもらう数、つまり売上に直結します。

だから1冊でも多く、適正に配本してもらえるよう「この本は〇〇系の配本で」とか「うちの〇〇という本の実績店に厚めに配本してほしい」など交渉するのです。

ただたくさん配本するだけでは返品の山になるので、効果的な配本を狙います。が、取次さんはその構造上、返品を抑制して利益を保つので、黙っているとどんどん減数されていきます。

 

全国の本屋さんに並べてもらうには、販売部が重要

 

このように書店さんに本を届けるには取次に配本してもらう必要があります。そしてどの店に何冊送られるかというのは、取次と出版社の販売部が相談して決めます。

本のジャンル毎に、あるいは出版社毎に基本の配本パターンがあり、そこに「(シリーズ過去作など)モデルになる本の実績を参照して配本してもらう」というような調整が加わります。

仮に、「著者の商圏が東北」だから東北エリア厚めに、とか「テーマが関西の方が売れそう」など、地域毎に在庫数の強弱をつけたい本の場合、販売部が配本を調整交渉します。

しかし、交渉だけだと「口で言ってるだけ」で説得材料として弱いので、書店営業部が、書店法人本部や、一つ一つの本屋さんと交渉して、注文を取ってきます。注文は実際の数字で、書店さんの意志なので、言葉よりも交渉材料として強いです。ちなみにできる営業は注文数だけでなく、どこに何冊置いてもらうかまできっちり相談してきます。(つまり受注が目的でなく、販売に照準を合わせている)

書店売場には売場の計画があり、他の出版社との兼ね合いもあるので、お願いしたから置いてもらえるというほど簡単なものではありません。でも取次の仕入部のみより書店の本部、本部より店舗ごとに相談した方が注文数も、配本後の展開も大きくなる傾向にあります。

逆に書店がたくさん置きたいと思ってくれても、そのジャンルの本をあまり売った実績がなかったり、返品率が高いなど店によっては、取次や出版社側で減数したりします。

つまり、全国の本屋さん(ちゃんと自分の本が売れる店)で、たくさん置いてもらいたい場合、優秀な販売部や、営業部の人間がいる出版社で本を出すべきなのです。

どの出版社の販売部が強いのか?

商業出版の場合、大手出版社のほうが売れそうな印象がありますが、実はそうでもありません

流通はトーハン・日販を中心とした取次が担っていますが、大手出版社と中小出版社で取次が違うわけではないからです。

出版社は規模の大小と、取引できる書店・取次さんにほとんど差がないところが面白いですね。ですので大手か中小かといった単純な比較は意味がなくて(そもそも出版社なんて、有名どころでも規模としてはほぼ中小企業です)、ジャンルごとに強弱があるものと思ってください。

では強い販売部がある出版社を、どうやって見分ければよいのでしょうか?

いくつか判断基準はありますが、<編集部が強いところは営業弱い法則><実用書系の出版社は営業強い法則>をご紹介します。

 

<編集部が強いところは営業弱い法則>

「ある部門が強いと、そこが花形部門になり、資金も人も集中して、ほかの部門が弱体化する傾向」はどの業界にもあると思いますが、出版も同じです。編集部が強い会社は営業が弱いことが多いです。商品力が強いから、販売部の力を伸ばさなくても、そこそこ売れてしまうのです。そしてそうなると、(そもそも編集が強い業界のうえにさらに)「編集の意見がすごく重視される出版社」になり、営業の冒険的な試みや、意見はどんどん出にくくなります。逆に、商品力が弱いと、販売ががんばるしかないですから、自然と強くなります。これは「ジャンル」に関しても言えまして、不思議と「コミックが強い出版社は、雑誌、書籍が弱く」「書籍が強い出版社はコミックと雑誌が弱く」「雑誌で食っている出版社は、書籍とコミックが弱い」ようです。

 

<実用書系の出版社は営業強い法則>

ここでいう実用書系というのはビジネス書とか、整理収納術とかの本ではなく、「料理本」などの【婦人実用】とか「スノーボードの本」など【趣味実用】や、【各種手帳】などの『都会、田舎関係なく売れるが、ブームなどが起きにくく、商品ごとの差別化が難しいジャンル』のことです。

こういったジャンルの本は、昔から仕掛けなどでの売り伸ばしが難しいものの、店やエリアを選ばず毎年売れるので、場所さえ取れれば安定して売り上げが見込めます。なので全国の書店さんに対して、良い場所での平積みを確保し、絶対に本を品切れさせないような補充体制をしいています。つまり各地域に担当の営業さんを配属していて、人員の厚みからして違うのです。

 

正直、こういう出版社の営業は、普通の出版社の営業とは種族が違っていて、「あのジャンルは専門出版社があるから参入できない」「〇〇社の通った後は草も生えない」などと言われるほどです。

 

<自分の本を全国の本屋さんで置いてもらうために>

こういった、一見地味な(失礼!)出版社のほうが、強い営業がいたりしますので、出版を目指すなら、出版社の知名度や編集者の力だけで判断しない方が良いでしょう。こういったパワーバランスは常に変化しているので「今」、「この出版社の編集と営業がバランス良い」と思える出版社から出せるようにアンテナを張り巡らせておきたいですね。そうすれば「全国の本屋さんで置いてもらえる」可能性が高くなります。

 

もちろん、究極的には、置けば置くほど売れる本なら、たくさん並べてもらえるし、お店を選ばずどこでも売れるような本なら、全国どこの本屋さんでも置いてもらえます。
そういう本は一番いい場所で置いてもらえますしね、店の入り口すぐや、ランキングコーナーの隣など。

作家としては「どこでも売れる本をつくる」ことを目指しつつ、「優秀な販売部員のいる出版社」から出すのが重要になります。

優秀な販売部についての記事はこちら↓

ベストセラーの仕掛け人「営業エース」を探せ 1/2

ベストセラーの仕掛け人「営業エース」を探せ 2/2

本の出版をお考えの方へ

増刷率90% 平均部数48,000部の出版プロデューサー。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(22万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

全国の本屋さんに自分の本を置いてもらうには【自費出版が本屋さんに並ばない理由】

「自費出版で本を出そうと思うのですが、全国の本屋さんで並べてもらうことはできますか?」という質問をよく聞きます...

「みんな、本読んでる?」(CV:ブルゾンちえ〇)

え、最近ほとんど読めてない?とにかく選ぶのが大変だって?

選べないのは本が多すぎるから!だったら…人にお勧めしてもらえばイイ。

ちなみに、本が年間、何冊でてるか・・・知ってる?

 

 

 

 

 

 

 

「8万冊」

 

 

ブルゾンさん風に書くのはここまでとして・・・(難しい)

出版プロデュ―サーの西浦です!本の年間出版点数8万冊ですよ!

8万!1日に平均220冊強!確かに「選べるかーい!」ってことで、

だったら面白い本をこちらから紹介しようと!どうせ紹介するなら、それ自体をコンテンツにしちゃおう!と、

昨年末スタートした『出版プロデュ―サー西浦孝次がお勧めする「人生を豊かにする本5冊」』のVOL.3を6月28日に開催します!

今回から「ニシュランガイド」と名前も変わっております!命名はスタッフで弁護士のK先生です!

 

『ニシュランガイド』ってどんなイベント?

 

大変ありがたいことにリーピーターが非常に多く、定員の7割以上がリピーターさんで埋まっております。

だから余裕こいて今まで案内するの忘れてたんですよね・・・いかんいかん。

 

面白い本に興味はあるけど、何を読めばいいかわからないー。

っていう方に、本のプロ(おこがましいですが)の出版プロデューサー西浦が、商売一切抜きで面白い本をおすすめするイベントです。

  • 本は好きだけど、年に5冊くらいしか読めてない
  • 本屋さんに行っても、どんな本を読んでいいか分からな
  • ランキング上位の本をとりあえず読んでいる
  • 歴史的な名著と言われてもピンと来ない…
  • でも本を読みたいと思う!

という方が対象です。本を全然読んでなくても全然問題なし!ご興味あればぜひ!

しかもイベント会場は八重洲ブックセンターさん!

本屋さんで開催ということで、イベントで紹介された本をその場ですぐに買って帰ることが出来ます!

 

どんな本が紹介されるの?

 

年間365日、本に触れている出版プロデューサー西浦が、これまでに読み、影響を受け、名著だと感じた書籍を厳選して紹介します

ジャンル等は特になく、マニアックなものよりは「聞いたことあるけど読んだことのない本」とか「有名作家の、ちょっとマイナーな本」とか比較的メジャーなものを取り扱います。

もちろん超有名人の超有名本でも扱います!

 

ちなみに6月28日の回には

  • 脳科学
  • 小説×2
  • ノンフィクション
  • 対談集

というジャンルから合計5冊をチョイスしました。

過去の様子はこちらから

第1回 イベントレポート前半 と 後半

第2回 イベントレポート

本はほとんど読まないけど参加してもいい?

もちろんです、むしろそういう人に『本を手に取るきっかけ』になってほしいと思って開催しています。

当日は、参加者の方々に5冊の内、プレゼンを聞きたい4冊を選んでもらったり、それぞれの本への感想をフセンに書いて貼ってもらったり参加型の部分がありますが、本を読んでいる必要はないものばかりです!

 

お申込みはこちらから

facebookのイベントページで申し込みを受け付けております!

イベント終了後、希望者だけの簡単な打ち上げもありますので良かったらそちらもぜひ!

 

あなたのご参加お待ちしております!

お申し込みはこちらから

 

増刷率90% 平均部数48,000部の出版プロデューサー。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(22万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

【ブルゾン風イベント告知】効率的な本選び、充実した内容紹介。オススメ本イベント『ニシュランガイド6/28』です!

「みんな、本読んでる?」(CV:ブルゾンちえ〇) え、最近ほとんど読めてない?とにかく選ぶのが大変だって? 選...

出版TIMESの西浦です。

出版TIMES 2017年4月の人気記事ベスト5をご紹介します。ほぼ2~3日に1回くらいのペースで更新している本サイトですが、『毎回、全部読むのはしんどいぜ!』という方に、人気記事だけでも読んでいただけると嬉しいです。

2017年4月人気記事 ベスト5

  1. 成功する著者2パターンと、失敗する著者の16条件【編集者、書店員のホンネ】
  2. 成功している人は、なぜ神社に行くのか?【神さまは「他の参拝者を味方につけた人」の味方をする】
  3. 【出版プロデューサーが教える】商業出版・企業出版・自費出版の違いとは 
  4. 【書評】「スタンフォード式 最高の睡眠」で 黄金の90分を手に入れよう
  5. 【本を書く前にチェックしたい!】増刷率90%の出版プロデューサーが教える「売れる本のチェックポイント11」NO.1~2【保存版】

1位に「成功する著者、失敗する著者」の記事がランクイン!圧倒的でした。たくさんシェアもしていただき、大変光栄です。あらためて感謝申し上げます。こういう「出版業界の人のホンネ」を伝えていくスタイルで今後もいきたいと思います。にしてもたくさん「こういう著者はナイよね」という意見が上がったのですが、最後には『でも売れたら・・・しゃあない(笑)』となったのは笑い話というか、怖い話というか。

2位はまたも検索流入数の多い「神社」本の話。勝手にご縁を感じ、著者である龍先生のセミナーに参加させていただきました!そこで参加者が「神社にまつわるエピソード」を話す機会があったのですが、そこでうちの社名にある「かぎろい」の由来に神社が関係しているという話をしたところ「神社では、そういった使命をもらうことがあるんですよ」とおっしゃられて「なるほど!」と感じ入りました。また、そのうち出版TIMESでも書かせて頂けたらなと思います。

3位にはよく聞かれる「出版社から電話かかってきたんだけど、これってどういう意味?」についての答えを書いた記事がことのほか反響があって驚きました。思ってた以上に商業出版、企業出版、自費出版の違いについてみんな気になっていたんですね。

4位には仲良くしてもらってるサンマーク出版の編集梅ちゃんの担当本書評。けっこうタイトル検索でクリックされているようで、拡販のお役に立てていれば良いなと思います。ご恵贈ありがとうございました!

5位は売れる本のチェックポイントに関する記事ですね。企画の合否を自分がどこで判断しているのか?言語化しようと思って書きました。これは早く続きを書かないと・・・

成功する著者2パターンと、失敗する著者の16条件【編集者、書店員のホンネ】

著者としての成功とは何か?「成功する著者と失敗する著者の違い」はどこか?について、業界の勉強会「出版右肩上がりの会」のメンバーにも協力してもらい、集合知としてまとめた記事。

  • 著者として成功したい
  • 著者にはどんな成功パターンがあるのか知りたい
  • 本を書く時に、著者として注意しなくてはならないことを知りたい

といった方のお役立てる内容です。かなり編集者や書店員の本音炸裂記事なので、反響もすごかったです笑。「後半グチじゃない?www」のようなコメントも見かけましたが否定しません・笑。あくまでもホンネですからご容赦を!

内容紹介

記事はこちら

成功している人は、なぜ神社に行くのか?【神さまは「他の参拝者を味方につけた人」の味方をする】

「成功 神社」とか「成功者 神社」で検索すると相変わらずベスト10以内に表示される、本サイトのバランスブレイカー記事。この記事に勝てる記事を何本書けるかが勝負みたいになってますね(泣)

ベスト5紹介のところで書きましたが、著者である龍先生のセミナーに参加させていたきました。うちの社名にある「かぎろい」という言葉との出合いについて話すと「神社では、そういった使命をもらうことがあるんですよ」と言っていただけて、僕が参った神社と、プロデュースした本との縁の話もしていただき、嬉しかったことを覚えています。

やっぱり重要な本だから、その書評もいまだに人気があるのでしょうか。

記事はこちら

【出版プロデューサーが教える】商業出版・企業出版・自費出版の違いとは

『あなたの知識経験を本という形で世の中に発信しませんか?』
という連絡をもらって、よくよく話を聞いてみると自費出版のお誘いだったとか、企業出版だったなんてことはよくあります。自費出版、企業出版って何なのでしょう?本を出版するのに形式の違いがあるのはなぜでしょうか?

わかりやすく整理できれば、勘違いして後で後悔する人が減らせるかもなと思って書きました。

出版社が、読者に購入してもらうことを目的に、本を出版することを自費出版との対比で商業出版と呼びますが、出版社内部の人はそれをふつうに「出版」と呼んでいます。

内容紹介

記事はこちら

【書評】「スタンフォード式 最高の睡眠」で 黄金の90分を手に入れよう

サンマーク出版さんのおもしろ〇ンタイ編集者梅ちゃん担当の「世界一の睡眠の権威が書いた、睡眠本」に関する書評です。google検索での平均掲載順位が「スタンフォード式 最高の睡眠 書評」で1.4位、タイトル「スタンフォード式 最高の睡眠」で18位と健闘しています。

「世界最高の睡眠研究機関」と呼ばれるスタンフォード大学睡眠研究所。
本書は、そのスタンフォード大学睡眠研究所でトップを務めている睡眠研究の世界的権威、西野清治氏による、「最高の睡眠」についての本です。
日常生活でも実践・活用できそうな、「究極の疲労回復や、最強の覚醒を目指す超一流の眠り方」について書かれています。
昼間眠い、早起きするのがつらいという人には特におすすめしたい本となっています。
好きなだけ寝ていた学生時代との違いに悩む新社会人にも、きっと良い参考となるに違いありません。
それだけでなく、スポーツや仕事などで、マネジメントに携わる人にも適していると思われます。

内容紹介

記事はこちら

【本を書く前にチェックしたい!】増刷率90%の出版プロデューサーが教える「売れる本のチェックポイント11」NO.1~2【保存版】

いったい売れた本とそうでない本は何が違うか?その違いに関して企画、販売の両面から11のチェックポイントを洗い出した記事。

そのチェックポイントが↓です。

【本を書く前にチェックしたい!売れる本のチェックポイント11】

  1. 広いニーズに深く刺さっている
  2. タイトルだけで十分インパクトがある
  3. 人に薦めやすい見た目、中身になっている
  4. 読むだけで読者の何かを変えられる
  5. プロと初心者、都会と地方、両方で売れるテーマ内容である
  6. 女性が買ってくれる
  7. 著者が実績と強いブランド力を有している
  8. 効果的なマーケティング戦略・戦術を実施できる
  9. 書店・取次・出版社が売る気になってくれている
  10. マスコミ等の露出がある
  11. 著者自身が売ることにコミットしている

内容紹介

記事はこちら

 

増刷率90% 平均部数48,000部の出版プロデューサー。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(22万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

人気記事アーカイブス 2017年4月ベスト5

出版TIMESの西浦です。 出版TIMES 2017年4月の人気記事ベスト5をご紹介します。ほぼ2~3日に1回...

本来、アイキャッチ画像は「記事を読みたくなる画像」のはずが、字が汚すぎて「何書いてあるか気になる・・・!」っていう知的好奇心の強い方しかキャッチできていない出版プロデューサーの西浦です。ようこそ知の探究者たち。

本を書くなら、やっぱり著者として成功したいですよね。でも、著者としての成功って何でしょう?

僕は出版業界に12年ほどおりますが、たくさんの著者を見てきて本当にいろんなタイプの方がいるなと感じます。そしてうっすらと「成功する著者と失敗する著者の違い」というものが見えてきた気もします。

せっかくだからこの「成功する著者の条件、失敗する著者の条件」について一度、業界の勉強会「出版右肩上がりの会」のメンバーにも協力してもらい、集合知としてまとめてみました。

 

この記事は

  • 著者として成功したい
  • 著者にはどんな成功パターンがあるのか知りたい
  • 本を書く時に、著者として注意しなくてはならないことを知りたい

といった方のお役立てると思います。

 

参加者

  • 出版社の書籍編集者9名(若手~編集長・局長まで)
  • 出版社の販売担当1名
  • 書店員3名
  • 西浦(出版プロデューサー)

の14名です。

※「出版右肩上がりの会」が書籍の会のため、書籍のメンバーばかりになっております。

 

2つの成功パターン

  1. 一発屋で終わらない「長く生き残れる著者」
  2. 大ベストセラー作家「仕事のステージがあがった著者」

の2つに分かれるようです。

・長く生き残れる著者

  • 伝えたいことが伝わって、かつ黒字の著者
  • 伝えたいことはそんなに変わらないが、本に応じて伝え方・アプローチを変えられる著者
  • 伝えたい時に伝えたい内容の本を出せる著者
  • ヒットのあと、いろんな出版社から本を乱発して寿命を縮めない著者
  • ヒットしたものの半年後に消える本ではなく、3年後も棚に残り、年に2~3冊各店で回転し続ける本を出した著者

・仕事のステージが上がった著者

  • ベストセラーになったことで、本業でのステージが上がった著者(コンサルになったり)
  • 大ベストセラーを出したことで、社会の価値観を変えた著者
  • 他の本やメディアに引用され、専門外の方にも言葉や考え方が認知されていった著者。

面白かったのが売れた部数よりも活躍できる期間の長い著者について、先にたくさんの意見が出たことです。てっきり成功って何万部から?10万部?みたいな話になるかと思いきや、著者として活躍できる期間や自由度を重視しているようです。

みんな長くこの業界で仕事をしているだけあって、一発屋のような売れ方はたくさん見てきたのでしょう。1回売れても調子に乗るのはやめましょう。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」ということわざのように、売れたからこそ謙虚に行きたいものです。

それとは別に、やはり「ベストセラーのインパクト」は存在するようで、売れたことで著者のステージが上がるパターンが分かりやすい例ですね。ただ、次も同じように売れるかどうかは分からないので、見切り発車で独立等はお勧めしません。

何よりベストセラー最大の魅力は、社会に変化をもたらし得るという点でしょうか。婚活や断捨離など、ベストセラーにより人の行動や社会の仕組みを、少しでも変えられた本はやはり成功だと認められているようです。また特定のクラスターでのみ有効だった言葉が、ベストセラーにより一般化することもあるようです。特にベストセラーからロングセラーになった場合に引用が増えるようです。

・メディア適正

また、成功の一要因として「メディアに出られるかどうか」を気にしている人たちが多かったです。

つまり

  • オーラがある
  • ちゃんとしゃべれる
  • 言葉にオリジナリティがある
  • イケメン・美人(ただしジャンルによるので詳しくは後述)

など、ちゃんと人前に出せるということですね。やはり著者自身が最高のPR担当ですから、これらは重要になってきます。

その意味でペンネームはNGだったり、たとえペンネームでも副業証明をもらうなどちゃんと会社や周りに配慮して出版するのが必須条件となります。ペンネームだと、SNSでも友達0の状態からスタートですからね、影響力の面でも厳しいでしょう。

・押しの強い人が売れる?

ずる賢い、押しが強い、など強かな印象の著者が、結果的に売れているという面もあるようです。先に「謙虚でいこう」と書いた手前、矛盾しているのは重々承知しているのですが、おそらくはどちらも真実なのだと思います。「言葉にオリジナリティがある」というキーワードもあがったように、著者には「オリジナリティ」がなくては成功できません。

オリジナリティが強くなればなるほど、他人に合わせようとか、空気を読むようなことはしなくなります。する必要もないでしょうし。

長く生き残っていくには謙虚な姿勢が必要だとは思いますが、それ以上に強かさと謙虚さとを両立させた人が「長く、売れ続けていく」のではないでしょうか。この相反する2つの要素は1人の中で両立させることが可能です。そういう人が著者としてこの世界で大きなことを成し遂げるのでしょう。

失敗する著者

今度はこれはないなー、という意見の出た「失敗する著者」の条件を紹介します。

・累計部数は多いものの売れてないハリボテ著者

著者累計部数を本の帯や講演会、ブログなどいろんなところで謳う著者がいますが、悪い習慣かもしれません。本を多く出せば累計部数が増えていくのは当たり前のこと。1本だけ大ヒットで他が一切売れてなかったりしても、ベストセラー作家のように感じます。それならまだましで、ほとんど売れてない人も累計100万部で150冊出してるなんてことがありえます。

・他の有名編集者のインタビューURLや動画などを送ってくる著者

『この編集さんはこう言ってますけど・・・?』というような文脈で自分の担当編集者に送り付けてくるケース。たいていは編集者の方が著者より早くそのインタビューを読んでたりするし、なんなら当事者から直接聞いていたりする。そのうえで今作はそういうやり方をしない方が良いという判断をしていたりします。

にもかかわらずそういうことをされると編集者も人の子ですから「じゃあ、その編集さんに作ってもらえばいいんじゃないですかね?」と感じてしまうのも無理はない。止めておきましょう。

・TVに出て炎上する著者

TVに出るなどして知名度は上がったものの、発言や態度が原因で炎上してしまい、逆に売上が落ちてしまうパターンもあります。TV等の露出はたしかにありがたいですし、瞬間風速的に売れることもありますが、その効果は通常1週間ももたないものです。短期間に3回以上出演するなどしないと爆発的なヒットにはつながりにくいので、変に炎上させて売上ダウンにつながるようなことはせず、謙虚に行きましょう。

・有名だが、それが逆に足を引っ張る著者

超有名人になるとファンもいる代わりにアンチがいて、ある程度のステージから上に上がるのに大変苦労したりします。ですが今回はそういう話ではなく、「出版業界内で名前が知られている」くらいの人です。他社から出ている本の売れ行きが悪かったりすると、新刊についても「どうせ売れないでしょ?入荷少なくていいよ」と書店さんから注文を貰えなかったりします。その結果その新刊がヒットしても、書店さんに在庫がなくて売り損じてしまいます。有名になると売れなかったときの印象も強く残り、他の本に影響がでますから気を付けましょう。

・別視点:そもそもビジネス書の場合、著者名の要因は小さい

著者個人の名前より、会社名の方がネームバリューがあるケースが多いです。ただ、会社が大きすぎると読者も実感が沸かないようで、会社の大きさよりも話題になってる感を重視している書店さんが多かったです。人となりなどはその次の要因として、面白かったりいい人だったりすると良いようです。

・人気はあるが馬鹿にされている著者

人気のある著者でも大きく分けて2種類います。つまり「馬鹿にされて人気の著者」と「憧れられて人気の著者」です。どちらも人気があることには変わりないのですが、本が売れるのは圧倒的に後者です。人気の種類もよく考えましょう。

・美人だが、軽そうな印象の著者

本の内容と本来は関係ないはずですが、特に健康書などイケメンや美人の本は売れやすい傾向にあるようです。イケメンの先生は問題なく良い影響が出ますが、美人の女医さんの場合「清潔感」がないとマイナスに働くこともあるそうです。非常に微妙なニュアンスで、判断は難しいです。

とりあえず茶髪の女性著者は気を付けた方が良さそうです(でもショートなら大丈夫だとか)。

・天狗になる著者

1冊ベストセラーを出しただけで天狗になる著者がいます。むしろ多いです、僕もたくさん知っています。本人はその気がなくても周りからそう見えてしまうこともあるでしょう。ベストセラーを出したことで周りから「調子乗ってるんじゃない?」という嫌な見方をされることもあるでしょうから、意識して「調子乗らない感」を出した方が良いでしょう。

ベストセラーを出していても、担当編集者から裏で「売れなくなったら次回作はもういいかな」と言われてしまっている人もいます。売れてるからつながっている関係というのは個人的には寂しいですね。

あなたが売れたのは理由は何でしょう?その過程で助けてくれた人への感謝を忘れていませんか?あなたは忘れても、相手は覚えているものです。その後の対応も見られています。人を大事にしましょう、あなたに厳しい意見を言う人こそ大事にしましょう。

・亜種:初版条件が厳しい著者

天狗の一例ですが、事例も多く代表格と言えます。「初刷15,000部以上で、発売2週間以内に全国紙で広告を打つこと」など、書く前の条件が厳しい人がいるのです。

以前、出版社の販売部にいたころ、編集者から『著者から初刷20,000以上って言われたんだけど、西浦君どうかな?』と言われ、たしかに有名な著者ではありましたがテーマ的にそこまでの市場があるとは思えなかったので「うちでは初刷2万は無理ですね」とお伝えしたことがあります。

著者名だけで売れる作家なんていません。どんな大ベストセラー作家でも「売れる本」と「売れない本」があります。にもかかわらず、自分のネームバリューに対して初刷条件を付けるのは天狗ととられても仕方ないですし、作家の名前だけで初刷を増減する出版社ならむしろ避けるべきです。

新人でも企画が良ければ初刷15,000部ってこともあります。条件ではなく、出版社が刷りたくなるような企画を用意しましょう。

・番外:変な話を引き寄せる著者

天狗が原因かわかりませんが、売れると怪しい話を引き寄せる人もいます。有名になれば光が強くなる分、良いものも悪いものもたくさん呼び寄せるのでしょうか。以前聞いて「へー!」と思ったのは、怪しい話を持ってきた当人は、相手をだましてやろうとか利用してやろうとは思っておらず、親切で動いているケースもあるそうです。人で見ていても外れるということですね、十分お気をつけください。

・編集者の意見を全く聞かない著者

企画について対等の立場で意見を戦わせるのは良いのです。ここで「編集者の意見を全く聞かない著者」と呼んでいるのは編集者を対等だと思っていない人です。

『デザイナーさん、あの人に依頼したんですか?』のように、編集者に任せるべき領域にも口を出してくる。意見として求められれば「こういうデザインが良い」「○●な人向けにデザインしてほしい」というようなことはお伝えして問題ないですが、相手への敬意をもって接しましょう。

・即レスを深夜でも求める著者

著者の中には執筆時間が夜型の人もいますし、深夜の方もいます。書きやすい時間に書いていただくのが良いのですが、深夜でも早朝でも気にせず、編集者に即レスを求める人はやはり困りものです。編集者がみんな夜型ではないということをわかってやってください。

・気に入らないと白紙に戻す著者

まったく意見を聞かないどころか、拒否する著者です。『それなら私は降ります!やめます!』と言ってくる人がいます。これは著者に限らないのですが、「だったら辞める」を話し合いの条件として提示する人がいますよね。でもそれは話し合いでも交渉でもなく脅しです。これを言われた側は「話し合う余地なし」として従うか、「関係を続ける余地なし」としてオールナッシングにするしかなくなります。

対等な関係で根気よく話し合いをして、どうしても折り合いがつかないなら、その時は降りても良いと思います。相手が「もう仕方ないな」と思ってくれるくらいまで、真摯に話し合う姿勢を持ちたいですね。

・全部お任せの著者

上2つとは正反対ですが、全部お任せの著者も嫌ですね。ちょっとわがままだなと思われました?でも編集者に限らず、仕事のパートナーとは「共に作る」というスタンスを持ってほしいものではないでしょうか。また、僕の場合「西浦さんの書けというものを書きます」と言われることもあるのですが、これは完全にNGです。書きたいものや、本を一緒に良いものにしていきたいという意志がなく「ただ本を出したいだけ」「本を書いたという事実が欲しいだけ」と受け取られてしまいます。

・裏方への愛がない著者

本づくりには多くの人が関わってきます。著者も全員には会えなくとも、例えばライターさんなど裏方の人にお会いする機会はあるはず。その時に裏方や関係者への愛情があるかないかは、やはり気になります。本は編集者という制作リーダーと、営業部という販売リーダーを中心とした、出版社、編プロ、デザイン会社、印刷会社、取次、書店など多くの会社、人を巻き込んだ一大プロジェクトです。

これだけ多くの方のおかげであなたの本が出来て、一生会わないかもしれない人たちのおかで読者の手に届いたんだということを忘れないでください。

・他社の悪口を言う著者

以前出した本について、その担当編集者や会社を悪く言う著者はやっぱり嫌われます。「ああ、自分も何か気に入らないことがあったら、こうして言われるんだろうなぁ」と思うからです。出版業界というのはすごく狭い業界で、編集同士、営業同士が繋がっているなんていうのは当たり前ですし、業界内他社への転職も非常に多いです。目の前の方が悪口を言った会社に以前いらした方かもしれないし、その会社へ後に転職されるかもしれません。十分気を付けましょう。

・勝手に書店に行く著者

本を売りたい一心で、アポも取らずに勝手に書店に行く著者さんです。これ、良くある話ですが、基本的には完全にNGです。いきなり職場に訪問販売に来られているのと同じですからやめましょう。

もちろん書店さんに通うことは本来はプラスになることです。ただやり方を間違えるとマイナス効果です。書店訪問をして、怒られないための注意点を守って訪問させていただきましょう。

・亜種:勝手にPOP自作して送り付ける著者

中にはPOPを自作して、出版社や書店に送り付ける人がいます。サイズやデザイン、キャッチコピーなど、どの視点から見ても現場で効果がないどころかマイナスになりかねない(やたら大きくて、後ろの本を隠してしまうとか)ことも多く、たいていゴミ箱行きです。熱意が空回りしている状態なので控えましょう。

・情報共有のルールを守れない著者

発売前に本の情報をツイートしたり、メディアに出るという連絡が一日前だったり、情報共有のルールを守れていない著者です。販売戦略の一環として、段階的に情報を公開したり、読者を巻き込むような仕掛けをすることは賛成です。しかし、それらは場当たり的にやるのではなく、ちゃんと関係者と相談して進めないと混乱を来すだけです。

また、メディア出演はたしかに直前だったりしますから、その場合は仕方ないにせよ、話が来たらすぐ共有する姿勢が大事です。全国区で大きく露出するような話はもちろん、一部地域での露出であってもモノによって営業部に共有して書店さんへ情報を流すようなこともします。せっかくメディアに出させていただいたのに、書店さんや出版社に在庫がなければその反響を活かせません。情報共有のルールは必ず守りましょう。

・Amazonにやたら過敏な著者

もう著者あるあるの定番中の定番ですが、amazonの在庫にやたら過剰反応する著者です。どれだけ事前にamazonのシステムを説明しても、いざ在庫切れを起こすとパニックになってしまいます。amazonは確かに在庫の有無が一目瞭然で、著者本人だけでなく、周りの人からも言われたりするのでしょう。気持ちは分かります。

しかし一度冷静になってほしいのですが、書店はamazonだけではありません。全国にたくさんの書店があり、それぞれの本屋さんごとに売れる本の構成は変わります。amazonで一番売れる本もあるでしょうが、あなたの本を常にキープしていて欲しい書店ランキングで、amazonが常に1位とは限りません。全国の書店で考えれば在庫のない書店などたくさんあります。

すべての書店さんに在庫を持ってもらうのが著者としては理想ですが、出版社からすれば大量の在庫をいきなり刷るのはリスクでしかありません(本は買い切りでなく、委託なので返品されるのです)。発売日から段階的に在庫は増えていくものですから、逆に言えば書店さんによっては戦略的在庫切れも大いにあり得ます。

売れているのに、売れている店で在庫切れになったら大問題ですが、そうでないなら戦略的に考えて冷静に対処しましょう。

でも、売れたら忘れる

ここまで成功と失敗の条件を紹介してきました。たくさんの「失敗する著者の条件」を書いてきましたが、それでも「売れたら、そんな苦労も全部忘れさせてもらえる」とみんな言っていました(笑)現金な人たちだなぁと思われたかもしれませんが、現金というよりもっとシビアなのかもしれません。なぜなら「売れてるなら許される」というのは、言い換えれば「売れなくなったら、それまで」という意味でもあります。

出版業界の特に書籍は、広告やアニメ・ゲームといったメディア化の収益は無く、純粋にその本の売り上げのみで勝負しています。部数や消化率、ランキングなど、すべて数字で評価されるシビアな世界ですから「結果をだすこと」を最優先に求められています。

結果を出せる著者が成功する著者の条件であり、結果を出せない著者が「失敗する著者の条件」を満たしてしまうと後がなくなるのだと思います。

本の出版をお考えの方へ

増刷率90% 平均部数48,000部の出版プロデューサー。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(22万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

成功する著者2パターンと、失敗する著者の16条件【編集者、書店員のホンネ】

本来、アイキャッチ画像は「記事を読みたくなる画像」のはずが、字が汚すぎて「何書いてあるか気になる・・・!」って...

こんにちは!出版プロデューサー修行中の白木加奈子です。

昨年12月にスタートした

【出版プロデューサー西浦孝次オススメ!
「人生を豊かにする本5冊」】

が、昨日第2回を迎えました☆彡

今回は、前回よりもさらにパワーアップ!!!
なんと、第2回にして開催場所は東京のど真ん中
八重洲ブックセンター

参加者の皆さんの感想などもシェアして頂き、
とっても盛り上がりました&深い深いテーマに最後はそれぞれいい意味でもやっとした状態でお帰りになれたのではないかなと思います。

どんな本を紹介したの?

今回も、西浦さんが概要を説明し、参加者の皆さんからの投票でいくつか紹介する本が決定しました。

歴史漫画から京極夏彦さんの作品など盛りだくさん。

「星の王子さま」と「ヒトでなし」は決まっていたのですが、
投票の結果「それでも人を愛しなさい」と「蒼天航路」が見事当選しました☆彡
(ブッタとシッタカブッタもぜひ聞きたかったのですが・・・次回に期待!)

星の王子さま☆彡

読んだことある人は参加者のだいたい半数くらいでした。
とっても有名な児童書ですよね。

私も学生時代に箱根の「星の王子さまミュージアム」に行ったり、
有名なはしばみとゾウのぬいぐるみが大好きで持っていたりしました。

ただ、今回西浦さんの話しを聴きながら思ったことは、
この本は、「自分の成長に合わせて感じることも変わってくる」ということ。

単なる児童書ではない凄さがあるなと感じました。

『「バラ」、「星」、出会ってきた「人」

あなたにとって、それぞれどのようなモノですか?』

様々な解釈ができるということでこんな質問を西浦さんが投げかけてくれました。

改めて、大人になった今だからこそ、星の王子さまの魅力を再確認できるのではないかと思います。

皆さんもポストイットにたくさんのコメントを寄せてくださいました。

   

蒼天航路☆彡

これは唯一の漫画作品でした!史実(正史三国志)に基づいた三国志ということで、通常は悪役として描かれる「曹操」を違った角度から表現した作品。

私もちょうど「キングダム」という漫画を読んだばかりだったので、
中国史にちょっと興味が湧いていたところでした。

儒教の教えが根付いた時代のさなか、常識や価値観に疑問を呈している内容。
そんな大昔から!?という感じですが、今の時代にも重要な考え方が含まれているのではないかと思いました。

それでもなお人を愛しなさい☆彡

皆が信じている意見や常識とは対照的なことが実際にあるのです。。。

マザーテレサも感銘を受けたそうなのですが、かなり深い内容。

「成功すれば、うその友達と本物の敵を得ることになる。それでもなお、成功しなさい」

など逆説の10ヶ条が記されています。
ちなみに原題は英語で

” The Paradoxical Commandments

Finding Personal Meaning in a Crazy World”

つまり、この世界はクレイジーである、狂っている、おかしい、という前提で書かれています。

  • 何か良いことをすれば、隠された利己的な動機があるはずだと人に責められるだろう。
  • 成功すれば、うその友だちと本物の敵を得ることになる。
  • 人は弱者をひいきにはするが、勝者のあとにしかついていかない。

というように、10か条それぞれ、冒頭部分で世界のおかしさを端的に表現しています。

そのうえで、

「それでもなお、」良いことをしなさい。「それでもなお、」成功しなさい。「それでもなお、」弱者のために戦いなさい。

と読者を奮い立たせてくれます。

この「それでもなお」という言葉は現実の否定ではなく、現実を受け入れたうえで「それでもなお」と希望を捨てない意思の言葉です。

狂った世界で希望を持ち続ける勇気を「逆説的に」くれる本なのではないでしょうか。

ヒトでなし☆彡

西浦さんが、「読者に媚びない作品」と言っていたのが印象的でした。

自分の子どもが死んでも悲しみを表現できない主人公が、家族も何もかも失い、
そんな中出会っていく様々な問題を抱えた人々に
正直な(聞いているとちょっと不躾というか、普通なら酷いと言われるようなキツイ)
言葉や態度をとるのですが、なぜかそれが結果的にその人たちの人生を変えていく——。
不思議なお話しだなと感じました。

京極夏彦さんの作品です。
私のイメージは「妖怪」なのですが、ヒトでないわけですから
妖怪シリーズといってもいいのかな?表紙はけっこうインパクトありますね。

みんなで感想をシェア☆彡

それぞれ、感想をアウトプットしてもらったので、みんなで最後に
全体を見てみました!!今回は参加型。ただ、受けるだけではなく、
自分が感じたことを書きだすというのはとても良い試みだったと思います。

人それぞれ感じ方は違いますが、西浦さんが最後にとても良い言葉を伝えていました。

伝えたいはエゴ。相手が勝手に感じるもの。
本に感動したら、それは本の内容というよりそう感じた自分の心の中にその感動がある。
本は著者との対話ではなく、自分との対話。

私も自分の中にない、興味がないことには人間気づけないし、頭に入らないと思います。
だからこそ、本は新しいストーリーや情報を得るものであると共に、
自分が何に興味があるのか、自分はどういう人間なのかということを知ることができるツールの1つなのではないでしょうか?

閉店後のブックセンターを独占して即購入☆彡

今回は、書店さんの協力でレジを開けておいてもらったため、その場で自分が読みたい本を即購入!!

この列は、参加者の皆さんの列です~

滅多にみられない、本屋さん貸し切りの光景でございます。

やはり、気になったら即行動です!皆さん、さすがです!

おわりに☆彡

いつもかわいいイラストと、フル回転でまとめてくれる池さん。
これがあるからこそ、このイベントはまた特別!!
私はIT人間なので、すぐPowerPointのスライド作ったりしちゃうタイプなのですが、

この手描き感、ライブ感は本当に素敵だなと思います。

ぜひ興味を持っていただいた皆様は、次回のイベントにご参加ください!
イベントで感じたことも、新しい自分の発見になること間違いなしです!

幼少期をアメリカで過ごし、国立大学の英語専攻を卒業。日経IT企業に約10年勤めた後、2015年に独立。司会業、外資系企業WEBマーケティング、広報、キャリアアドバイザーなどの仕事を経て、2016年出版プロデューサー西浦氏と出合う。人の可能性を引き出せる仕事だと感じて出版プロデューサーとしての仕事を開始。2017年に第一子を出産し、家庭と仕事の両立に日々奮闘中。

イベントレポート「オススメ!人生を豊かにする本5冊」vol.2

こんにちは!出版プロデューサー修行中の白木加奈子です。 昨年12月にスタートした 【出版プロデューサー西浦孝次...

朝ごはんは毎日「たまごかけご飯」の出版プロデューサー西浦です。美味しく食べるコツは黄身と白身を混ぜすぎないこと、醤油ではなく、めんつゆで味付けすることです。お試しあれ。

以前、とある作家さんと出版社さんから「主婦向けに生活の知恵的な雑学書籍をつくる予定なのですが、マーケティングについてアドバイスが欲しい」とのご依頼があり、いくつかのアイデアを提案させていただいたことがあります。

売れる本は、つくる前から、売り方が見えている

ですが「主婦向けに生活の知恵的な雑学書籍を」となると棚があいまいで、書店で迷子になりそうです。かといって「実用書として売るには営業力が足りない」、「雑学文庫のレーベルは持っていない」とのことで、売り方が見えてきませんでした・・・ですので「ついで買い」狙いで行ってはどうでしょう?という提案をしました。

レジ前、そこはサイフのヒモが緩くなる唯一の場所

「ついで買い」というのは文字通り「何かを買ったついでに、他の商品も買ってもらう」という売り方です。スーパーで言えば、食材を並べたコーナーを作り、一緒に鍋のスープ(普段は売れないような変わり種も売れたりする)を置いてみたりという、あれです。

「今日はこれを買おう」とサイフを開くことを決意した後では、一度、心のボーダーラインをクリアしている為、他の商品に対しても購入しやすくなっています。こういった特性は、男性以上に女性に顕著ですので、今回の「女性向け雑学書籍」にしっくりくる売り方といえます。

さて、「ついで買い」をしてもらう為には、書店内での接触回数を増やしてもらうのがいちばんですが、特に、レジやレジ前ワゴンなどが最も効果的な展開です。一番、サイフのヒモが緩くなる場所ですからね。

財布のヒモが固い主婦に「ついつい買ってしまう」気にさせる4つの仕掛け。

では「ついで買い」をしてもらう為にどういった仕掛けが有効なのでしょう?

  • 「ついで買い」というシチュエーションと
  • 「主婦がターゲット」という状況から

4つの仕掛けをご提案させていただきました。それは

  • 文庫か新書サイズにする
  • 1,000円以下の価格にする
  • 帯や表紙で「総額○○円お得に!」「1日○分の時間短縮!」と表現する
  • 1ページに1つの雑学掲載にする

というものです。

一つ一つ、ご説明します。

 

レジ置きしやすいサイズとは

【文庫か新書サイズにする】

これは、「レジ前での展開をしたくなるサイズ」という狙いです。自分が書店員の立場になって考えればわかるのですが、レジの限られたスペース、ここはなるべく有効に使いたい為、あまり大きいサイズは嫌われます。

というわけでここに置く本は文庫か、せいぜい新書サイズまでしておくと良いでしょう。

 

ついでのお手頃感

【1,000円以下の価格にする】

「ついで買い」でお客さんが出せる価格は、その店の平均客単価によって変わってしまいます。

例えば十数万円のPCを買ったついでなら、5千円くらいまでの関連パーツは、あまり深く考えなくても、買っちゃいますよね?本であればいくらぐらいが適正価格なのでしょう?価格帯が1,200~1,600円くらいの書店において、ついで買いに1,000円以上はNGです。ついでの金額じゃなくなってしまいます。

価格面で考えても文庫、新書は良いパッケージと言えそうですね。

 

レジ前は一瞬の勝負

【帯や表紙で「総額○○円お得に!」「1日○分の時間短縮!」と表現する】

レジに並んでいる間、目の前を通過した瞬間。この一瞬で「ついで買い」を決めてもらう為には、表紙のインパクトで「お!面白そう!」と思っていただく必要があります。

タイトルや帯で「この1冊で総額○○円お得に!」というような、主婦にとってフックになる言葉で、彼女たちの目を釘付けにしなければなりません。

 

ついで買いは迷ったら負け

【1ページに1つの雑学掲載にする】

ついで買いをする場合、基本的には今日書店に来た本来の目的はすでに果たし、あとは清算をするだけという状況です。

気持ちが次の予定(待ち合わせとか、他の買い物とか)に移り始めているため、じっくり中身を確認している暇はありません(気持ち的に)

パラパラと中身をめくっただけで、「あ、おもしろそう」と思っていただく必要があるのです。そのためには一瞬で構成を理解できるように、工夫する必要があります。

ですので、目次を見なくても全体がわかるように、例えば1ページにつき雑学1つ、ページの下には、その雑学で年間いくら得するかが書いてあるなど、一目でその本の良さを理解していただけるような、見せ方の工夫が大切です。


と、このように、書籍一つとっても売り方が違い、売り方に合わせて、つくり方も工夫する必要があります。

「どのように売るかを考えてから、商品作りをする」これこそが、今の出版業界で最も大切な視点の一つマーケットインのモノづくりです。

 

あなたの本を返品されない為に、発売前に考えておくこと。

増刷率90% 平均部数48,000部の出版プロデューサー。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(22万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

財布のヒモが固い主婦を「ついつい買ってしまう」気にさせる4つの仕掛け

朝ごはんは毎日「たまごかけご飯」の出版プロデューサー西浦です。美味しく食べるコツは黄身と白身を混ぜすぎないこと...

小籠包はレンゲにのせる前にだいたい破れて、肉汁全部でちゃうタイプの出版プロデューサー西浦です。まわりの『あー、あーあー・・・』っていう声がつらい。

小籠包が美味さと引き換えに、「破れやすく、かつ口の中ヤケドしがち」という制約を負っているように、本もまたいくつかの制約を負っています。

そのうちの一つが「売り場」に関する問題です。本の9割は、本屋さんやコンビニで売られているのですが(ネットのシェアはまだ全体の1割くらい)、本屋さんではジャンルごとに棚が分かれており、棚のない本は置く場所がありません。

「本」である以上どこの売り場に置くかを想定するのは必須条件で、そこが見えていないと戦う前に返品されることにもなりかねないのです。

売り場で迷子になるような本は、戦う前に負けている。

以前、とある作家さんと出版社さんから「主婦向けに生活の知恵的な雑学書籍をつくる予定なのですが、マーケティングについてアドバイスが欲しい」とのご依頼があり、いくつかのアイデアを提案させていただいたことがあります。

当時、話を伺って、「企画」としては面白いのですが「本」としては微妙だなと思ってしまいました。それは冒頭でも書いた売り場の問題からです。

主婦向けに「生活の知恵」的な書籍をつくるとき、重要な2つのポイントとは?

まずお話をお伺いしたときに考えたのが「売り場によって、売り方がまったく変わってくるな」ということです。

ここで想定される売り場は

  • 「女性実用書」コーナー
  • 「雑学文庫・新書」コーナー

の2つです。それぞれ一長一短があり、まずはそれぞれの特質を見てみましょう。

売り場で迷子になる?

「女性実用書」はまさに主婦が集まる売り場なので、客層にぴったりですが、「実用書」売り場は「料理」「美容・健康」「育児」といったように、さらにジャンル毎に棚を分けてあります。

そこに「生活の知恵的な雑用書籍」が送品された場合どうなるのでしょう?あらゆるジャンルについて、生活の知恵が載った本ですから、どこでも置いてもらえるような気がしますが、実際には「どこに置けばいいかわからず、返品されてしまう」可能性が非常に高いのです。

実は書店というのは「どこの棚の商品か」ということが非常に重要なのです。売り場毎に売り上げ目標を設定している為、「パッ」と見で、すぐ売り場をイメージできないものは、ほぼ返品確定コースです。

これを「売り場で迷子になる」と言うのですが、本をつくる時に絶対避けたいことです。


実用書を売るには出版社の営業力が必要不可欠

仮に「料理雑学本」というように、売り場を明確化できた場合どうでしょう?この場合、売り場で迷子にはなりません、ナイスアイデアです。

しかし、実用書を売る際に忘れてはいけないのが「出版社の営業力」です。

例えば

画像とリンクは2017年2月号。ていうかリンク先の内容紹介それでいいのか(笑

画像とリンクは「その8」(2016年4月)

これらのTV関連の書籍であるとか、明確な差別化要素のある書籍なら「指名買い」なので、「この本」をわざわざ探しに来てくれます。つまりはすでに認知がある、選ばれる理由がある本です。

しかし、ふつう実用書を買うときの顧客心理は「ケーキの作り方の本欲しいな~」とか「楽なお弁当の作り方の本ないかしら?」というような「目的買い」の為、正直言うと、どの本を買ってもいいわけです。

本そのもので差別化しづらいということは、店頭でいかに良い位置をキープし続けることができるか?という営業力が重要になってくるのです。

通常の一般的な書籍の営業と違い、実用書の営業は補充を中心とした棚や平台のケアになります。売れる時期にガッツリ売るというよりは、細く長く売っていく、都心だけでなく地方の郊外型書店もケアするやり方になるので、自然と営業の人数が必要になります。

その点を出版社さんに確認したところ「正直、そこまでのマンパワーはかけられそうにない」との事だったので、この売り場での勝負は避けた方が無難かなという結論になりました。

文庫・新書はレーベルそのものの影響力が絶大

雑学文庫ではいかがでしょうか?

雑学文庫のコーナーを作っている書店ならば別ですが、たいがいの文庫はレーベル毎に管理されるケースが多く、その出版社が雑学文庫のシリーズを出していないと、そもそも雑学好きのお客さんが見る棚には置いてもらえません。

ギャグみたいな話ですが、その出版社が歴史小説文庫のシリーズを出していた場合、歴史小説文庫の隣に、主婦の生活の知恵文庫を置かれてしまうこともありえます。

「雑学の棚」というものもあまり一般的ではないので、迷子コースです。

 

打開策は、「ついで買い」

本が持つ制約の一つ「売り場で迷子になるとアウト」問題について触れてきました。もちろん本であることのメリットもたくさんあります。たとえば本では映画のように尺がありません。だから情報量の多い、分厚いものでも成立するのです。完全版とか〇〇大全のような「これ1冊あればとりあえずOK」という本ですね。そういう映画をつくると上映時間の問題でどうしても前後編などにならざるを得ません。

それにユーザビリティの高さも魅力です。本はいつでもどこでも、充電しなくとも読めるし、ネットワーク回線が重くてなかなか次のページが見えてこないということもありません。ま、何冊も持ち歩くのは重いし、かさばるから、万能ではないのですけれど。

 

さて、少し脱線してしまいましたが、相談された企画は実用書としての売り方も、雑学文庫としての売り方も難しい。この状況だと、どうしようもないので、私としては「ついで買い」という売り方を提案させていただきました。つまり何かを買ったついでに、「お、この本も良さそう」とレジに持っていってもらう売り方です。

この「ついで買い」はいろんな業界で客単価を上げるための施策として、すでに効果が実証されています。しかしそもそも商品単価の低い出版業界では、このついで買いのインパクトは出版社、書店どちらにとっても大きいのです。

長くなってしまうので、具体的な「ついで買い」の為の施策や「ついで買い」に効果的な本づくりのポイントについては次回の記事で書いてみます。

 

増刷率90% 平均部数48,000部の出版プロデューサー。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(22万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

あなたの本を返品されない為に、発売前に考えておくこと。

小籠包はレンゲにのせる前にだいたい破れて、肉汁全部でちゃうタイプの出版プロデューサー西浦です。まわりの『あー、...

ハッピーターンは一度食べはじめたら本当に止められないのに、ハッピーパウダー増量の「濃いめのハッピーターン」には「パウダーポケット」っていう溝まで掘られていて、少しでも多くのハッピーパウダーを食べさせようとするその執念に、畏怖さえ感じる出版プロデューサーの西浦です。

出版業界にいると他社の売れている本について『あれは広告めっちゃ打ってるから』『TVで取り上げられたから』という、ある種の思考放棄・探求終了ワードで締めくくってしまう瞬間に出くわすことがあります。
 
これって免罪符みたいなもので、とりあえずそう言っておくと、納得感が生まれたりするんですが、本当にそうかな?と思っています。経験則ですがTVのゴールデン番組に一度出たくらいではせいぜい1万~2万増刷かかるくらいで、それだけでベストセラーにはならないんですよ。何回も出たなら別ですが。

実際には当事者たちが「見えないところ」でコツコツ試行錯誤を繰り返していて、TVや電車広告を打ったタイミングで、業界他社に「見える」ようになってきた、というだけなんですよね。外部の人間にはデカい広告打ったから話題になったように見えるだけで、そこに至る前にすでに売れているんです。
なので、TVや電車広告ではなく、一本の電話が累計150万部のシリーズを生み出した件について書いてみようと思います。

ベストセラーはノーマークの本

ベストセラーをつくりたいなら、「データや数字の後を追いかけてるだけじゃダメだ」と以前、ベストセラーの仕掛け人「営業エース」を探せの記事で書きました。そう思うようになったのは、新人時代、書店営業部の副部長だったFさんが「マナーとコツ」というシリーズの売り伸ばしに成功したのを見てからです。

当時、担当だったFさんに横浜ダイヤモンド地下街の有隣堂さんから「マナーとコツ」という新刊2点の追加注文が50冊ずつ入りました。この本は重点新刊でもなんでもなく、みんなノーマークの本でした。その時点でPOSデータの数値が良かったわけでもありません

『なんか可愛いからレジ前に置いたら、飛ぶように売れたんで』とその書店員さんから聞き「この本は何かあるぞ」と、Fさんは有隣堂さんをはじめ、自分の担当店への提案をはじめました。この時点ではまだ「書店員さんのおかげで偶然売れた」店が1店舗あったというだけです。

重要な一人がみんなを動かす瞬間

有隣堂チェーンをはじめ、Fさんの担当店で展開していただいた結果、「横浜ダイヤモンド地下街」以外にも売れる店があったので、Fさんの担当していたお店の実績を中心にみんなで検討することになりました。そして書店営業部として、反応の良い店の共通点から「大型店」と「女性向けの店」に絞って展開拡大を開始。

一人の営業担当がはじめたことが、部内全体に広まった瞬間です。気持ちよかっただろうなと思います。

ボクも当時はブックファーストさん担当だったので、ブックファースト渋谷店(今、渋谷のH&Mが入っている場所にあった)で大きく仕掛けてもらい、たくさん売っていただきました。

ちなみにブックファーストさんと同シリーズは相性が良く、後にシリーズ新刊の発売時に法人全体でたしか2,000冊ほど発注いただき、なんか仕事したような気になってたのは若気の至りです(笑)

「他の店では売れない」の突破口

促進部みんなで売り伸ばしをしていく過程で「この本は表紙が目立たないので、普通に平積みしても売れないが、ラックで100冊とか、レジ前とか目立たせれば売れる」ということが分かってきました。

なぜかというと

  • この本の客層に合う「女性客の多い店」で売れなかった。→しかし1か所の平積み冊数が少なかった
  • 100冊入荷してても、全然売れない店があった。→お店の奥の方に置かれていて、お客様の導線上にない目立たない状態だった

といったことが、実際にお店に足を運んで分かってきたからです。

これを「売れない、即、諦める」ではなく、

  • 平積み冊数を多く追加
  • 店の奥からレジ前へ展開場所を移動

してもらうことで、売れ行きが一気に加速したので「普通に平積みしても売れないが、とにかく目立たせられれば売れる」ということが検証されてきたのです。

「売れた」とか「売れない」というのは事実ではあるのですが、このように並べる冊数を変えたり、置く場所を変えたりするだけで売れ行きがガラッと変わることがあります。他にもPOP1枚変えたり、横に置く本を変えるだけで売れたりもするんです。数字は過去でしかなく、数字を作り出す意識が大事です。

ちなみにさらっと書きましたが、「現時点で動きが鈍い本をさらに追加で積んでもらう」とか、「レジ前をあけてもらう」っていうのはすごく信頼がいります。信頼とは人間関係でもあるし、「こういう条件で並べたら売れる」という情報や実績、あるいは担当者の確信だったりと、いろんな形があります。書店の担当さんのキャラに合わせて、適切な「信頼」を積める人が営業エースですね。難しいことです。

「偶然」の電話と、その後の「能動的な」行動が150万部をつくる

最初はそんな商品特性はわからなかったのでトライ&エラーを繰り返しましたが、どんどん売れ行き好調店を拡大し、シリーズの新刊も続々と登場。

いきなり全国展開はせず、都市圏の大型店から全国へと徐々に移行していき、地方で本格的に展開する際には、10冊でも十分に目立てる「専用平積みBOX」を作成しました。地方のお店は都心と比べて販売力が弱く、都心の店のように100冊積んだら大量に返品されてしまう恐れがあるため、小ロットでも目立たせる方向へと施策を変えたんですね。つまり一気に全国展開して返品地獄になることのないようしっかり舵取りしつつ、シリーズ8点累計で150万部以上売り伸ばしたのです。そしてこのシリーズではTVも電車広告もゼロです。(新聞広告はやってたと思います)

このシリーズを売り伸ばしているときに書店営業部にいたことは、今思うと貴重な経験だったと思います。たった1本の電話からはじまった「偶然」を、150万部まで売り伸ばすという促進部の「能動的」な「意思と行動」を体験することができたからです。

すべては人次第、やり方次第だということを体験させてもらいました。

 

出版TIMESでは「ベストセラー」に目標設定した出版セミナーを行っています。

ご興味のある方はぜひご参加ください。

出版セミナーのご案内

増刷率90% 平均部数48,000部の出版プロデューサー。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(22万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

累計150万部のシリーズは、一本の電話から始まった

ハッピーターンは一度食べはじめたら本当に止められないのに、ハッピーパウダー増量の「濃いめのハッピーターン」には...