感動

仕事抜きでこの本だけは読んで欲しい【人生を豊かにする本5冊】イベント参加者募集中!

夢の兆し

出版プロデューサーの西浦です。帰省の新幹線で何を読もうかと考えて選んだのが本書「アルケミスト—夢を旅した少年」です。やはり新年1冊目にふさわしい、夢のある本を読みたいなと思っていたのと、文庫で軽いというのが決め手です(笑)これほど有名な本にもかかわらず、実は今まで読んだことがなかったのです。そもそもアルケミストという言葉に親しみがなく、「鋼の錬金術師 」を読むまで錬金術師について興味もありませんでした。結果的には『子供の頃か、さもなくば今読んでよかった!変に世の中ナナメに見てた頃に読まなくてよかったー!』と思いました。当時の僕だったら『はいはい、都合の良いファンタジーで、現実には役に立たんなぁ』と思っていたことでしょう(笑)本は「読むべき時にその人のもとへやってくる」もので、このタイミングで読もうと思ったのも「兆し」なのかもしれません。

どんな本なのか

1988年に出版された、ブラジルの人気作家「パウロ・コエーリョ」の夢をテーマにした物語。全世界で1000万部以上売れている大ベストセラーで、日本語版は94年に出版されました。羊飼いの少年が、夢に見た「宝物」を求めてエジプトのピラミッドを目指す物語で、ジプシーの老婆、王様、そして錬金術師との出会いを通じて多くを学んでいくストーリー。少年は夢を信じて宝物を探すために、自分の持っていた羊をすべて手放しお金に換えてエジプトへと旅立ちます。そしてエジプトへ到着したばかりのその日に、すべてを盗まれてしまいました・・・。

自分の夢、やるべきことが見つからない人に

以前、友人と飲んでいて「自分のやるべきことが分からない。何か良い本はないか?」と聞かれて、はてさてどんな本を進めるべきか少し悩みました。独立してどうこうという話ではなかったので、起業したくなる本やノウハウ本を進めてもしょうがなかったのです。その時は「さあ、才能(じぶん)に目覚めようストレングスファインダーが面白いよとお勧めしたのですが「脳にインパクト与えるには十分だけど、もう1冊、心にインパクトを与える本も欲しい」と考えていて、今思えばこの本が良かったと思います。夢の「兆し」をみつけるのにこの物語がとても刺さります。

この本の主人公、羊飼いの少年は「同じ夢を二度見た」ので、夢見のできるジプシーに占ってもらいます。そしてピラミッドで宝物を見つけてお金持ちになるだろう、と言われてエジプトに行くよう示されます。ただそういう夢を二回見ただけでですよ!『ピラミッドで宝物見つける夢見てん~、2回も!』と言われたら『へー、おんなじ夢二回も見るって、珍しいこともあるもんやね』と返してさっさと話を終わらせてしまいそうなものです。でもこの夢が「前兆」で、それをしっかりキャッチしていくことが大事なのです。

本当にやりたいことは宇宙の魂から生まれる

「夢で見た宝物」には冷たいリアクションをしてしまいそうですが、ここで言う宝物とは「人が本気でやりたいと思うこと」です。旅行をしたいでも、あの娘と結婚したいでもいいのですが、そういった「何かを本当にやりたいと思う時」は、その望みは宇宙の魂から生まれたもので、何かを強く望めば、宇宙全体が協力して、それを実現するために助けてくれるといいます。

少々スピリチュアル濃度が濃いですが、スピかどうかに限らず、本当に大きい望みというのは個人レベルの欲望を超えているとも感じます。本でいうと「売りたい!」「有名になりたい!」レベルでは大ベストセラーにはなかなか至りませんが、10万部以上売れる本にはある種の根源的な願いが込められていて、それは個人を超えてもう少し大きいものから産まれたような気もします。あくまでその人がそれを書きたいと思ったことも、そう思うように何か大きなものが仕向けていったのかもしれません。

「都合よく解釈すればいい」という話でもない

若い頃は夢を持つことも、人生に起こってほしいすべてに憧れることも恐れません。しかし時がたつうちに、不思議な力が、自分の運命を実現することは不可能だと、思いこませ始めます。その力は否定的なもののように見えるが、実際は運命をどのように実現すべきか示してくれて、魂と意思を準備させてくれるものです。この不思議な力とは何なのか?文中では明確にされていませんが、経験や知識、あるいは周りの人間のことだと思います。ただ、それらが否定的に見えて魂と意思の準備をさせてくれるというのが深いです。

作中で羊飼いの少年は、エジプトのピラミッドを目指すために自分の羊を手放し、旅の資金に替えます。しかし旅立った初日に、まだ砂漠を越えるどころか出発の準備もしていないのに、そのお金をすべて盗まれてしまいます。そこで『僕は他の人と同じなんだ。本当に起こっていることではなく、自分が見たいように世の中を見ていたのだ。』と気付きます。これは都合よく読むタイプの人は無かったことにするかもしれないシーンですが、この作中でけっこう何度も主人公は失敗したり、危ない目にもあいます。ラストで暴漢にボッコボコにされてるし(涙)都合の良い面だけを見て、宇宙がすべて助けてくれる、兆しだと言って喜んでいてはいけないということだと思います。現実をシビアに見る必要もあるし、悪い兆しに気づく必要もあります。それこそ兆しとして知識や人の口からうまくいかない情報をくれたりしているのだと思います。

そして運命を実現しようと努力していて、もう少しですべてをあきらめようとしているとき、必ずいろんな形で現れるらしいのです。一つの解決法とか、良い考え、危機一髪という時にものごとを起こりやすくしてあげたり、助言者として夢占いのジプシーやどこかの王様が現れたり。そういう形で良い兆しが現れます。

作中でも、主人公はどろぼうにあったことでクリスタル商人に出合っています。もっと言うと「クリスタル商人に出合うために、どろぼうにあっている」のです。

夢を追う、兆しをよむ

他にも作中で印象的だった言葉を紹介します。

  • いつも『はい』と『いいえ』で答えられる質問をするようにしなさい。しかし、できれば自分で決めるように努力しなさい。(中略)はっきりした質問をしなければならない。そのためには自分が何を欲していることを知らねばならない
  • 幸福の秘密とは、世界のすべてのすばらしさを味わい、しかもスプーンの油のことを忘れないことだよ(スプーンの油を落とさないように、家じゅうの素晴らしい絵画や庭を見ておいでと賢者に言われたあとのセリフ)
  • 誰もが理解する一つの言葉がある(中略)それは熱中するということばであり、愛と目的をもってものごとを達成するということばであり、信じていることや、望んでいることを追求するということばでもあった。
  • 人生に起こるすべてが前兆なんだよ
  • 直感とは、魂が急に宇宙の生命の流れに侵入すること
  • 勇気こそ大いなることばを理解するために最も重要な資質なのだ
  • もしおまえが自分の心をよく知っていれば、心はおまえに反逆することはできない。

増刷率90% 平均部数48,000部の出版プロデューサー。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(22万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

【書評】アルケミスト—夢を旅した少年【夢を見つける方法、叶える方法】

★仕事抜きでこの本だけは読んで欲しい【人生を豊かにする本5冊】イベント参加者募集中! 夢の兆し 出版プロデュー...

(本記事は2017年7月27日に修正されました)

出版プロデューサーの西浦です。

2010年2月にフリーランスとして独立して、約7年が経ちました。貯金が100万円を切って、舌の裏に血のかたまりができたりした時期もあったけど(完全に精神的にキてた・笑)おかげさまで、今では結婚して家族を食わしていけるくらいの収入を得られるようになりました。これは多くの方に助けていただいたり、運の要素も当然あるのですが、実体験から「そういうことか!」と学んできたことがあります。

独立当初って「今やってることは未来につながるのか?他に優先順位の高いものがあるんじゃないか?」と迷ったり、怖くなってしまう瞬間がありますよね。僕もそうでした。

そういう迷いは仕事の精度を著しく落とすし、恐れは精神を不安定にさせて視野が狭くなります。僕みたいに舌の裏に血のかたまりできるような体験を他の人にして欲しくないので、良かったら参考にしてやってください。マジで痛かったです、舌が。手術跡もまだあるしこういう暗黒期は早く抜け出さないと、フリーランスとしてやっていけなくなってしまうから本当に切実に。

7年間やって分かったことのうち「1年目のときに知りたかったなぁ』と感じた、フリーランスで成功するためのコツや考え方を書いてみました。わりとガチでビジネスモデルに関してもりもりと。値付けや商品ラインナップの考え方とかも、フリーと企業ではやるべきこと違うと思うので。。。「早期にビジネスを安定させる」という視点でまとめてあります。

この記事は

  • フリーランスとして独立したい方
  • 独立したてでいろいろ模索中の方
  • フリーランスでやってるが正直、下請けで全然自由がない・・・という方

のお役に立つ内容となっています。

ちなみにこの記事は「オフェンス&順調に成長する方法」ですが、「ディフェンス&生き残る方法」についてまとめた記事はコチラです!

仕事はもらわない

これがいきなり陥りがちな罠なので、はまらないように注意しましょう。独立直後にご祝儀的にお仕事を頂ける場合は非常にありがたく、実績作りにもなるので引き受けてOKです。実績作りという意味ではなんなら無料で受けてもいいのです。

問題はそれ以後で、継続的・長期的な仕事を安価で請け負ってしまうことです。こうなるとスケジュール的にその会社の仕事しかできなくなったり、安定収入のあることが油断につながり、自分のビジネスを構築できなくなります。

そして一番痛いのは「価格決定権が自分にないと下請けになってしまう」ことです。フリーランスでは、自分の単価を自分で決められるかどうかが生命線となります。キュレーションサイトが炎上していましたが、そのライターさんたちは1記事500~1,500円程度で仕事を発注されてました。これではフリーランスとして自由な時間と場所で成果をあげるというよりは、下請けなんですよね。立場が弱いから自分の時間や力を買い叩かれている。自分のビジネスを構築するまでのしのぎとか、そういう理由があるとき以外は仕事をもらってはいけません。仕事は価格も含めてこちらから提案しましょう。

ブランディングの前に商品・サービスを用意する

さて独立!となってとりあえずはじめがちなのがブランディング目的のSNSです。具体的にはブログやfacebookでしょうか。高校3年生の夏休みになって予備校の夏期講習に参加したものの何から手を付けていいかわからず、とりあえず「ターゲット」開いて英単語勉強するような・・・笑。フリーランスも受験も同じで、やるべきことよりやりやすいことから手を付けがちなんですね。

まずはあなたの商品やサービスをつくり、それを売ればいくら入るというキャッシュポイントを作りましょう。自分がどれだけブランド化されても売るものがなければお金にならないし、提供する価値がないのに有名になっても本当の意味でブランドとは呼べません。

メリットの違う複数の商品ラインを持つ

商品・サービスを開発するときは一つだけでなくて、複数のラインを持つと早期にビジネスが安定します。「仕事はもらわない」のところで書いたように低価格の商品だけではジリ貧です。

フリーランスは必ず「高価格帯」のサービスを開発しましょう。他に継続型、権利型というようにメリットの違う商品を持つとどんな状況にも対応できる強いフリーランスになれます。

  • 「高価格帯」は利益率・費用対効果が高く利益頭としてあなたに時間的余裕をもたらします。
  • 「継続型」はたとえ安価でも毎月、毎年かたい売上をもたらします。予想できる売上というのは本当に精神的な安定をもたらし、その価値は特にフリーランスに対して大きいです。積み上げていくイメージが湧きますしね。
  • 「権利型」はしくみの構築を必要としますし、基本は微々たる額のものですがひょっとしたら個人ではとうてい届かないような額の売上が手に入ることも。こういう商品は夢がありますよね。

一つの商品、一つの取引先に頼っているとそれがダメになったときにあなたもダメになります。高価格帯が売れなくなっても継続型が最低ラインとして壁になるし、権利型が一発逆転をもたらすかもしれません。強いフリーランスになるために複数タイプの商品ラインを持ちましょう。

精度の低い安価なサービスをラインナップさせない

フリーランスは「どんなサービスにも100%全力を注ぐ」以外の選択肢はありえないのです。半額だから半分のエネルギーでやれるかというと現実には難しい。なにより50%のデキのものが「実力」と判断されてクチコミされることが怖いです。つねに100%のモノのみを、自分の商品・サービスとしてラインナップさせましょう。

ただし「明確な違い」によって安価なサービスを提供するのは大丈夫です。

  • 税理士さんのように毎月打ち合わせするか、期末に決算するだけかのような「頻度の違い」
  • コンサル業のように、直接1対1のコンサルか、複数対面か、オンラインのみかというような「距離の違い」

などですね。もちろん安価で中身の詰まったサービスであればお客様が喜んでくれるのは言うまでもありません。

実績・数値を積み重ね、常に見せる

クライアントも人の子ですから「人としての好意」「一緒にいて楽しいか」といった感情面でサービスや商品を選ぶ場面はあります。

ですが、数値や実績といった価値を論理的に説明しないと「プロとしての信頼感」「周りを説得する材料」が伝わりません。

紹介も感情が動いたときに生まれますが、そのときに伝わるのは言語化されていることだけです。

あなたの実績や数値を積み重ねていき、webや名刺などで常にクライアントが確認できるようにしてあげましょう。

サービスは明確な計算式で価格を決定する

いろんなビジネスで「値付けが一番難しい」と言われています。競合や代替商品とのバランス、ビジネスモデルにブランド価値・・・確かに難しいです。特にフリーランスの多くは自分が商品だったりするので、厳密な意味での原価を算出できません。

だからこそ「明確な計算式」をつくって価格を決定し、自分で自分を守りましょう。「明確な計算式」がないと、競合が増えて値崩れした時に価格を維持する理由を打ち出せず、ビジネスそのものが成り立たなくなるからです。

「明確な計算式」ですが、僕の場合は自分のプロデュース料について「著者に支払われる印税」をベースに計算しています。webライターであれば「記事のpv数」などでその価値を測れます。価格を左右するポイント(=KPIとなる)とクライアントが重視するポイントがズレないように注意しましょう。上記の例では印税額やPVがKPIになるわけですね。

フリーランスの初期は「何を優先すべきか」迷いがちですが、計算式をつくることでKPIが設定でき、KPIを上げる方向へ意識と時間を投入できるようになります。結果的に早期にサービスの質を高めることになり、クライアントも喜んでくれ、あなたのビジネスがより強化される、効果的な経営手法です。

また高価格帯への進出もやりやすくなります。高額サービスの販売は精神的なハードルが高いのですが、計算式という理由があると越えやすいのです。クライアントは高いか安いかではなく、値付けに納得していないとこちらに不信感を抱きます。計算式があれば透明性を確保でき、買うかどうかはさておき、納得はしてもらえます。要は「なんで高いの?なんで安いの?」に対する回答を用意しましょうということですね。

ビジネスモデル以前にクライアントモデルを探す

ここまでビジネス構築に関することを書いてきましたが一番大事なのは「クライアントモデル」を探すことです。誰がいくら払うのかわからないビジネスはダメ。独立前後のフリーランスが考えているビジネスプランって「実際にお金を払っている人」の話を聞いていないことがすごく多いです。

重要なのは「お金を払っている人」の話を聞くことで「そういうのがあれば絶対買うよ~」という人ではありません。いざ商品を目の前にすると買わない人が多いからです、本当に欲しい人は代わりの商品をすでに買っています。

「買うよ」「欲しい」と言う人と

「買ってる」「持ってる」人の差はめちゃくちゃ大きいです

その意味でフリーランスになる前に携わったことのある業界は非常にやりやすいですね。すでに購入しているクライアントのモデルを何名も知っているからです。複数のクライアントをクラスター分けして、「モデル」となる方を早い段階で見つけましょう。

BtoCにしろBtoBにしろ「どういった動機で」「どんな結果を求めて」「いくら出すのか」を徹底的に調査して自分のビジネスモデルと合致する人をみつけましょう。その人が最初のお客様です。その方にはお試し価格や、なんなら無料でもいいので、サービスを提供して実績をつくりましょう。ユーザーの声や、次の見込み客の紹介をお願いするのを忘れずに。

なお、クライアントモデルはあなたの「フリーランスとしてのレベル」があがれば、変化することもあります。


フリーランスになったものの「これじゃ、フリー(自由)じゃなくて、下請けじゃないか!」と感じる人は多いです。フリーになった以上は何か「思い」や、「大事にしたいこと」があったはずです。それがいつの間にか生活のために、「思い」も「大事にしたいこと」も忘れて仕事だけをするようになっていきます。だってお金がないと、やりたいことをやる余裕もありませんからね。

だからお金のために「思い」「価値観」を犠牲にすることなく、フリーランスとして生きていくための戦略・考え方を書きました。このやり方にとらわれて「思い」の部分を忘れては本末転倒なので、そこは気を付けてください。「思い」だけでも、「お金」だけでもフリーランスとしては生きていけません。

なるべく早くビジネスの基盤を安定させて、フリーランス暗黒期を乗り越えましょう。フリーランスは楽しいですよ。

本記事の続編↓

フリーランスで独立して1年以内にはまりがちな落とし穴

 

フリーランスとして僕らと一緒に、出版プロデューサーをはじめてみませんか?

出版プロデューサーとは?

入門・弟子入りについて

本の出版をお考えの方へ

増刷率90% 平均部数48,000部の出版プロデューサー。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(22万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

7年やってわかった、食えるフリーランスになる方法

(本記事は2017年7月27日に修正されました) 出版プロデューサーの西浦です。 2010年2月にフリーランス...

2016年12月13日に行われた「第1回本を楽しむ会」、

出版プロデューサーがお勧めする 「人生を豊かにする本5冊」& 「自分にぴったりな本の見つけ方」

イベントレポートの後編です。

前編はこちら

★当イベントの第二弾参加者募集中!【人生を豊かにする本5冊】3/27

悪魔の辞典

パレアナでほっこり感動しかけたところで、悪魔の登場。

悪魔の辞典」は皮肉屋で有名なアンブローズ・ビアスの著書で、辞典スタイルでいろんな言葉を「悪魔的視点」で解説している、全編ブラックユーモアの本です。

僕がこの本に出合ったのは、高校生のときで、地元の古本屋で見つけました(誰の訳だったかは覚えてない)。その場所とタイトルから、ある種の運命的なもの(悪い方の)を感じざるをえませんでした。しかもこの本は、1911年に発売されたようで、今から100年以上も前です。何か引き寄せる魔力を持っていてもおかしくないなぁと思いますね。

この本のテイストを知ってもらうために、ゲストの方にこんな質問をしてみました。

西浦 『「キャベツ」って何か教えてもらえますか?』

Sさん 『野菜の一種で。。。緑色の?とか』

西浦 『なるほど、ビアスの悪魔の辞典にはこう書かれてます』

  • CABBAGE【キャベツ】名 裏の畑でとれるおなじみの野菜で、人間の頭ぐらいの大きさと知能を持つ。

一瞬みんなのあたまに「?」が浮かんだあと、「!」に変わっていったのが手に取るようにわかりました。

つまり人の知能はキャベツ程度=バカっていう皮肉ですね。

 

我々をキャベツ扱いするビアス先生

これでけっこうみんなが笑ってたので、「受け入れてもらえる!」と安心してどんどん紹介。

西浦 『「格言」とはなんでしょう?』

Oさん 『モットー?』

西浦 『ビアス先生が言うには・・・

  • ADAGE【格言】名 歯が弱い人のために、あらかじめ骨を抜いてある知恵。

まあ、歯っていうか、頭ってことですよね。』

絶好調のビアス先生

他にも

  • COMMERCE【商業】名 AがBからCの商品を奪い、その代償としてBがDのポケットからEの金をかすめ取る方式の取引。

CとEは奪われるだけ、つまり搾取。

  • CORPORATION【会社】名 個人個人は責任を負わず、個人個人が利益を得る精巧無比の仕組み。
  • FEMALE【女性】名 敵対する性の、不正直な方。
  • MALE【雄・男性】名 考慮に値しない、無視してよい性のメンバー。人間の雄は通常雌にとって「ただの人」として知られている。この種族には二種類ある。衣食住の良き供給者と、悪しき供給者である。
  • ENVY【嫉妬】名 能なしにいちばん適した競争心。

などなどたくさん。

後半はgoogle先生ならぬ「ビアス先生」状態で、ゲストの皆さんからたくさんリクエストをもらい、検索?結果を楽しみました。

「結婚」や「新婦」などは特に盛り上がりましたね(笑)

この本で高校生時代にすごく衝撃を受けたのが

  • OCCIDENT【西洋】名 世界の中で、東洋の西(または東)に位置している部分。住んでいる者の多くは強力な偽善者亜族、つまりキリスト教徒であり、主要産業は殺人と搾取だが、彼らはこれを「戦争」「商業」と呼ぶのを好む。それらはまた、東洋の主な産業でもあるのだが。

という一文です。主要産業が殺人と搾取て・・・。しかも最後の「東洋の主な産業でもあるのだが。」でやられた!と思いました。当時10代の青年だった僕としては、ここまで人類すべてを皮肉った「ものの見方」というのはまさに衝撃で、その後の人格形成に暗い影を落としたことは想像に難くありません(笑)

 

マジメに言えば、一つのモノゴトを一面からだけでなく、別の面から見れるというのは非常に知的なことで、その良い示唆となると思っています。

僕もそういうところがあるので、自戒を込めて言うのですが「これは、Aである」と決めてしまって、他人に押し付けてしまうことってあるじゃないですか。そうならないように、常に別の視点から見れる余裕を持ちたいと思うのです。

「嫉妬」の項目などはわかりやすいのですが、例えば誰かに嫉妬されているときは「ああ、あいつは能なしなんだな」と自分を慰めれば多少は溜飲もさがるし、逆に他人に嫉妬してしまいそうなときは「いかんいかん、能なしになってしまう」と踏みとどまることもできます。

第三者目線とか、俯瞰でものを見る良い訓練になると思っています。

まあ、この本はダメな人はダメなので、自己責任で楽しみましょう。

 

ぼくは勉強ができない

時間の都合で4冊目の「星の王子さま」は泣く泣くとばしました。また別の機会に必ず!ということで最後の一番伝えたかった作品「ぼくは勉強ができない」です。

この本も同じく、高校生の時に古本屋で出合った本で、タイトル買いしたのものです。悪魔の辞典もそうですが、タイトルが非常にいいですよね。こういう本はどうしても手に取ってしまいます。この本は悪魔の辞典以上に僕の生きる指針になった本で、今でもこの指針に沿って生きている(つもり)です。

この本は高校生の主人公、秀美君を中心とした人たちの物語で、特に男性はこの本を読むと「あー、見透かされてるー」と白旗を上げることうけあいです。男のかっこ悪いところとか、人の嫌な部分を「お前もだぞ」とはっきり言われちゃう小説です。

たとえば、学年でベスト3と呼ばれるような可愛い女の子に告白されて、秀美が返した言葉は

  • きみは、自分を、自然に振る舞うのに何故か、人を引き付けてしまう、そういう位置に置こうとしてるけど、ぼくは、心ならずも、という難しい演技をしてるふうにしか見えないんだよ

です。このあと思いっきりビンタされます(笑)そらビンタされるわ!と思う半面、読者としては小気味よい、よく言った感があります。自分を可愛いって思ってて、でもそんなの全然意識してませんというふりをする女の白々しさというのは確かに鼻につく。でもこの「ビンタ」のあとのセリフ

  • 何よ、あんただって、私と一緒じゃない。自然体っていう演技してるわよ。~中略~自由をよしとしてるのなんて、本当に自由ではないからよ。中途半端に自由ぶってんじゃないわよ

これに思いっきり凹むのです。いや、本当にその通りですごめんなさい。必死でかっこつけてます、かっこつけないかっこよさを必死でかっこつけてます。いちど勝ち誇ってからのビンタなんでかなり精神的ダメージでかいです。

この本は読むたびに「ああー・・・・」と複雑な声をあげざるをえないのですが、特に一番心に残っていて、生きる指針になったのは「角があるのは痛いけど、角は3つ集まると180度でまっすぐになれる。さらに3つ集まると360度でまん丸になれる。分度器でちゃんと計らなくたって、そのうちまっすぐやまん丸になってなくなっちゃう」という言葉です。この角は家が貧しいとか、お父さんがいないというような心の痛みです。こういう痛みをもつ自分たちは人より一つ角が多いから、早くまっすぐやまん丸になれるという。

僕自身はこの考え方がすごく好きになって、この角に「角が立つ」の角、つまり「こだわり」からくる人と揉める痛みも含めました。角が多ければ実はどんどん丸に近づいていきます。3つの角より4つ、6つ、8つと、こだわりと痛みが増えれば増えるほど、四角形、六角形、八角形と、少し離れたところからは丸い人間に見える。けど、実際は、すごくとんがってて、ただ角を削ってなくしただけの人の丸さとは違います。角を折らずに来た人と、角を削ってきた人とでは同じ丸でも面積が違う。当然、角がある方が大きいわけで、それはつまり人としての「器」の大きさだと思うのです。

 

こういう考え方をするようになって、こだわりや大切な気持ちは、人と揉めてでも守ることが出来るようになりました。そのために生まれる痛みはきっと自分の器を大きくしてくれると思ってきたし、3つでもめるならさらに4つ、5つとこだわってどんどん丸くなろうと考えています。

出来てたかどうかはわかりませんけど。

 

最後に

ゲストから「西浦さんて仕事とかじゃなくて、本当に本が好きなんだなぁって思ったよ」と言われたことが泣きそうなくらい嬉しかったです。

 

本を楽しむ会へのお誘い

今回のイベントは「本を楽しむ会」として主催しました。

本を読む、読書会、以外で「本を楽しむ」方法を探っていく会です。

ご興味ある方はぜひご参加ください。

僕らと一緒に本を楽しんでいきましょう!

 

御礼

会の運営方法アドバイスやカメラマンをしてくれた倉重さん

 

 

 

 

 

 

グラフィックレコーディングでイベントをより素敵なものに変えてくれた池さん

 

 

 

 

 

 

受付や遅刻対応してくれた白木さん

 

 

 

 

 

 

会の方針相談から、当日の司会までやってくれたKさん

 

 

 

 

 

 

そして当日一緒にイベントを作り上げてくれたゲストの皆さん

ありがとうございました!

増刷率90% 平均部数48,000部の出版プロデューサー。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(22万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

折らずにきた角が人の器を大きくする【「人生を豊かにする本5冊」イベントレポート(後編)】

2016年12月13日に行われた「第1回本を楽しむ会」、 出版プロデューサーがお勧めする 「人生を豊かにする本...