スタッフ

前回の記事では「結局のところ、やり方だけ変えてもダメなんじゃないか」と書きました。

例えば人間関係の本って「伝え方」を書くけど「接し方」の部分が変わってないとただのテクニック論に終始して、哲学のないハリボテになってしまいます。

人間関係なら「接し方」の部分、つまり哲学こそ、具体的に書くべきじゃないでしょうか?

「やり方」を変える以上に「自分のキャリアや健康をデザインするように、人間関係も自分で能動的に作っていく」という哲学が大事なのだと思います。

だから「仕事時間や睡眠時間を確保するように、人間関係の時間もちゃんと人生に確保する」という具体化された哲学まで書く(実践できるレベルで書く)べきなのです。

あなたは「相手と構築したい関係にふさわしいだけの時間」を意識して確保できていますか?

 

ベストチームの条件

相性や環境の問題はあるにせよ、人間関係が「相手にかけた時間」で構築されるなら、望む関係にふさわしい時間をかけないといけませんね。

しかし個人的に「えこひいきは大嫌い」というタイプなので、特に仕事でしかもチームとなると、みんな公平に接したいんです。仲良くなりたい誰か一人に時間を割くのは「他の人を軽んじている」ように感じて嫌なんです。

そうなると答えは一つで「全員えこひいきするしかない」わけです。もちろんこれは言葉として矛盾してくるので、実際には「ちゃんと時間をかけれる人と規模でチームの線を引く」ということです。

全員に「月に〇時間、この人のために使う」って思える、相手と人数が自分のチームのベストメンバーなのではないでしょうか。

 

また、当たり前の話ですが「仕事の人間関係のために使う時間」は家族や友人に使う時間と同じものです。

「1日24時間×死ぬまで」という制限のある資源を仕事の仲間に使うのですから、家族や友人への使い方も同じように見直さないといけません。

家族を大事にするという「思い」だけじゃなくて、「時間」をちゃんとかけようと思うのです。

ちなみに僕の場合ですが、週に3日は家で夕飯を食べることにしています。週に4日以上は飲み会も打ち合わせも入れません。1週間で夕飯を食べる相手は家族3日仕事3日友人1日くらいでしょうか。実際は週によって仕事と友人で埋まる時もありますけどね。

そんなことかよ!っと思われるかもしれませんが、一生にご飯を食べる回数も決まっています。人によるけど(笑)

「そんなこと」の積み重ねこそ重要なのです。

「自分の時間を使う=相手の時間をもらう」という哲学

話を戻します。

仕事における人間関係をよくするために「1on1ミーティング」というやり方だけを取り入れるのでなく

相手に自分の時間を使う=相手の時間をもらう」という人間関係の哲学まで考えれば、

それだけの価値がある「接し方」とは何か?それをどう行動に移せばいいか?までわかってきます。

 

その上で「仕事は仕事、そこまで深い関係は求めない」という接し方の相手には、スタンスが違うのだから違う「やり方」を選べばいいと思うんです。

そこの「接し方」のスタンスがズレてたら、優れた「やり方」をしても効果はありません。

 

この「やり方より接し方」は人間関係だけでなく、本でも同じ事が言えます。

本は「書き方より、向き合い方」なのです。

本でもどう書けばいいか?という「書き方」を気にする人がたくさんいます。

もちろんわかりやすい文章の書き方や、面白く最後まで読み切れるような書き方、工夫などありますから、読み手のことを考えて文章を書くのは大切なことです。

 

書き方を意識した上で、書き方よりも大事なのは、向き合い方なのではないでしょうか。

本との向きあい方であり、読者との向き合い方、自分との向き合い方です。

自分はどういう生き方をしてきたのか、していくのか

読者をどこに連れて行ってあげたいと思っているのか?

そういった著者としての「哲学」が練られていないと、書き方だけ勉強しても読みごたえが無い本になってしまいます。

ブランディングのため、集客のために本を書くのを僕がずっと否定し続ける理由です。そういう方にはどうも哲学を感じません。「うまくやろう」としているだけのような気がします。読者が見えていないんですね。

哲学が「やり方」と矛盾する時

最後に一つ思うのは、例えば「1on1ミーティング」をやってる時に深い人間関係を築くわけではないということです。

この「やり方」では家族の悩みとかよりプライベートな情報を共有できたら、成果があったとみなすのですが、実際にはミーティング中ではなく、仕事と仕事の移動時間とか、全然関係ないときに、さらっと本音や個人的な話が聞けるものです。

この「やり方」では「話してもいい空気」「お互いの接し方」を一緒に作っていくだけで、実際に互いの内側の話をしたり聞いたりするのは何でもないときだったりするのではないでしょうか。人間ってそういうもんですよね?

 

そして驚いたことに、自分も知らず知らずのうちに、相手にプライベートなことを話せるようになっています。

これは「1on1ミーティング」のやり方における「原則として上司(側)は自分の話をしない」という部分と矛盾します。

しかしこの段階まで来てようやく、「やり方」を超えてその哲学をものにした。成果を達成したと言えるのではないでしょうか。

「やり方」や「定石」はそれから離れられるほどに使いこなすことで「哲学」に至るのだと思います。

 

あなたの哲学がやり方と矛盾した時、そのやり方を超えたのだと言えるでしょう。

 

増刷率90% 平均部数48,000部の出版プロデューサー。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(22万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

人は伝え方より、接し方。本は書き方より、向き合い方を大事にしたい。2/2

前回の記事では「結局のところ、やり方だけ変えてもダメなんじゃないか」と書きました。 例えば人間関係の本って「伝...

「最近の若い子は、たいてい依存先の分散をやってますよ」と以前、20代前半の友人に教えてもらったことがあります。これは実は投資の話じゃなくて対人関係の話なんです。

例えば1つのコミュニティとだけ深く付き合いすぎると、そこが何かでダメになった時に怖いから人間関係をいくつも分散しておく。そうすると精神的に安定していられるそうです。

「ただ、本当に深い関係じゃないように感じて、さみしくなる時もありますけどね」とも言ってました。

「ぼっちメシ」なんて言葉が生まれるくらい「独り」であることに敏感な世代です。深い少数の関係より、浅くても多様な関係にリスクを分散するという方法をとり、そのせいでより寂しくなってるように感じるのも業が深いなと思いました。

年齢や世代によって感じ方は違っても、彼らのことを笑える人はいないのではないでしょうか。たぶん人間関係に悩んだことがない人なんていないのでは?

そしてこの「人間関係」こそ、本のマーケットでも一番大きなものの一つなのです。

本のマーケットでも一番大きな悩みは「人間関係」

 

多くの人が悩んだり苦しんでいることに「こうすればいいんじゃないかな!」という新しい旗を立ててあげること。

それが出版の仕事だと僕は考えています。

これらの悩みの中で、特に多くの人が苦しめられているのが「人間関係」じゃないでしょうか。

この悩みは若いころだけかと思ったら、年齢を重ねるごとに違う種類の大変さが生まれてきて、人間関係というやつはより複雑系になってきた気がします。特に会社における人間関係ってある意味では学校より大変ですよね。

「〇〇ハラスメント」に気をつけつつ、でも会社と社員との間のエンゲージメントを高めていかないといけない。

人間関係に仕事やら成果やら給料、やりがいまで乗っかってきますから、リーダーに限らず若手もベテランもみんな大変だなと思います。

上司と部下の面談が逆効果になる背景

先日、人事の方が集まる勉強会に参加させてもらいました。その懇親会で人事の方と飲みながら「1 on 1ミーティング」の話になったのですが、その効果は認めるものの実際の運用については悩んでおられるようでした。

ちなみにこの「1 on 1ミーティング」というのは簡単に言うと上司と部下が1対1でする面談です。定期的に(週1とか?)、上司は部下の話を聴くだけ、評価も批判もしない。といったルールがあります。通常の評価面談や仕事のMTGと違って「評価」軸で話さず、部下のプライベートな領域を引き出すことを目指します。そうすることで部下と会社とのエンゲージメントを高めようと言うのが狙いです。

実際に運用すると現場からは「時間がない」「話すことがない」と意見がでて、結局この会社では「月に1度5分で良いから!」というところに落ち着いているようです。

 

効果のあるノウハウが、現場でうまく運用されない理由

ただ、なんとなく上司の方たちのリアクションも分かる気はするんです。

「忙しいのに仕事以外の話なんてしてられっかよ!」って感じだろうし、部下の側でも「このくそ忙しいときに」って同じように思ってるんじゃないかなと考えたりして、なおさらバカバカしくなります。

結果として「なんか会社から言われてるからやるけど、こっちも忙しいし、形だけやっとこう」っていう空気にななっちゃうのでしょうね。上司なりに会社にも部下にも忖度したつもりが、部下からすれば「じゃあやめさせてくれよ」「そう思うなら会社側を説得してくれよ、これだからダメ上司って言われるんだよ」と逆効果です。もちろん会社側からも「イヤイヤやってる」だけだから評価しづらい。

結局のところ、やり方だけ変えてもダメなんじゃないかなと思うんです。

人間関係の本って「伝え方」を書きますし、実際に「行動に移す」ためには伝え方が必要になるのでそれは大事です。しかしそれ以上に「接し方」の部分が変わってないとただのテクニック論に終始して、哲学のないハリボテになってしまいます。

人間関係なら「接し方」の部分、つまり哲学こそ、具体的に書くべきじゃないでしょうか?

 

仕事や睡眠と同じように、人間関係の時間を確保する

弊社でもスタッフとは月に1回「1 on 1ミーティング」をしています。インターン生も全員です。けっこう時間的にきついです。

でもきつい=コストが大きいからこそ自分のスタンス、人との接し方が明確になった気がしました。

つまり人間関係に「時間というリソース」の意識を導入したことで、「人間関係は仕事や睡眠と同じように時間を確保するもの」というスタンスが明確になったんです。

今まで自分はけっこう「成り行き」で人間関係をつくり、維持してきました。

学校のクラスとか塾とか同じコミュニティに属した人と友達になり、そのコミュニティを卒業後に「それでも続く人、時間の流れを生き残った関係があれば良い」という「時の試練に耐えた本は名著」みたいな理論を人間関係にも適用してきたんですね(笑)

その結果それでも残る友人はかなり強い絆があって、冒頭の話で言うとすごく依存度の高い相手が残ります。

こういうタイプの人って、僕以外にもいるとは思うんですが、これは「流れに任せすぎ」とも言えます。

自分のキャリアや健康をデザインするように、人間関係も自分でもっと能動的に作っていっていいんじゃないか?

つまり、仕事時間や睡眠時間を確保するならば、人間関係の時間もちゃんと人生に確保しましょうということです。

あなたは「相手と構築したい関係にふさわしいだけの時間」を意識して確保できていますか?

 

 

長くなったので続きはその2へ

 

増刷率90% 平均部数48,000部の出版プロデューサー。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(22万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

人は伝え方より、接し方。本は書き方より、向き合い方を大事にしたい。1/2

「最近の若い子は、たいてい依存先の分散をやってますよ」と以前、20代前半の友人に教えてもらったことがあります。...

どうも、出版プロデューサーの西浦です。

僕の今年の目標の一つ、それが出版プロデューサーを5人集めて「出版戦隊プロデュージャー!」を結成することです。

ウソです、ごめんなさい。戦隊は結成しません。けれど出版プロデューサーの仲間を増やしていきたいと思っています。まずは僕を含めて5人にするというのが目標です。

 

出版プロデューサーとはどんな仕事なのか

本をプロデュースしてベストセラーにする仕事です。そのまんまです。フリーランスの多い出版業界でも、一番新しい職業なんじゃないでしょうか。著者自身がフリーランスなわけで、出版業界はフリーランスが生きていくのに非常に環境が整っていると思います。

出版プロデューサーの仕事内容

  1. 著者のスカウト(発掘から)
  2. 企画をつくる(企画書にする)
  3. 出版社に提案する
  4. 著者の原稿執筆にアドバイスする
  5. 販売戦略を著者に提案して実行

上記の5つで、これを通じベストセラーにしていくのが目標です。ベストセラーにするのに販促だけやればいいわけではなくて、企画はもちろん著者の発掘から逆算で考える必要があります。

もちろんこれはうちの仕事のやり方なので、編集者と著者とを引き合わせるだけのプロデューサーもたくさんいるそうですし、もっとブランディングとかそっちの方に特化したプロデューサーも世の中にはいると思います。うちの仕事は「出版に関して全部」という感じです。最近は「感動の共有」が最大の関心毎で、本の「感動」を共有していくためならどんどん新しいことにチャレンジしたりもしてるので、フレキシブルな面が強いです。

出版プロデューサーのやりがい

この仕事は本当に面白くて、「これは新しい!」「この考え方、世の中に広めたい!」と自分が「感動」したものを、「本」という形でより多くの人に伝えることができます。世の中的にはまだマイナーでも、その業界では知られているすごい方や、すごいムーブメントはやっぱりありまして、それを見つける喜びは宝さがしに似ています。そういう本の著者は人間ができていて、かつ個性的だったりすることが多く、一緒に仕事するのも楽しいです。ブランディングのために本を書こうという人は、そういう方の中にはいないですね。それに編集さんたちもかなりキャラの濃い方が多く、楽しいです。面白い著者や編集者と会うと「この人とあの人を会わせてみたい」「あの編集さんとこの著者ならいい仕事になりそう!」と自分が仕事したい人と組めるというのもすごい魅力だなと思っています。100名近くの編集、営業、書店、取次関係者と定期的にあったり仕事したりしているのですが、みんな個性的で何より本を愛していて、本に対して熱い人ばかりなので一緒にいられるだけで楽しいです。(飲みが多い原因はこれか)

最大のやりがいは「本を通して、読者の悩みを解決できること」です。僕はたいした人間ではありませんが、著者や出版社、書店など多くの方の力を借りて、何万人という方を助けることができるのです。僕自身もそうやって誰かが作ってくれた本にずいぶん助けてもらってきました。自分がプロデューサーとしてたくさんの人を繋いで、その結果として生まれた本が「見知らぬ誰かを助けるしくみ」になる。これは本当に生まれてきた意味と言っても過言ではないです。その本が僕の孫やひ孫を助けてくれることもあるかもしれません。自分が死んでも、自分がプロデュースした本は残ります

僕が世界でいちばん面白い仕事の一つだと思っているのが「出版プロデューサー」です。

 

出版プロデューサーを増やしたいわけ

プロデューサーは一人でもできるのですが、すべての面白い著者を一人で見つけてくるのは物理的に不可能です。僕のメガネでは見つけられないすごい人もいるでしょう。そういうまだ出会ってないすごい人たちにも、プロデューサーの数が増えれば出会うことができます。実験的にはじめた0期生のプロデューサーたちが、僕とはまったく出会うことのなかった面白い方を連れてきてくれました。スカウトは人数が多い方が絶対に効果的です。何より誰かと一緒に仕事をする、共通の目的・目標に向かって努力したり助け合えたりするのは楽しいですよね。ぶっちゃけた話、一人は寂しいです(笑)

「僕が」プロデュースした本が売れたときはもちろん嬉しいです。著者や編集さんと大盛り上がりできます。打ち上げも楽しいです。けれどさらに欲張って「Aさんのプロデュースした本売れたね、おめでとう!」と言いたくなりました。サプライズパーティとかやりたいんです(笑)「やった!」もいいですが「やったね!」を今年はたくさん言いたいです。

向いているなと思うタイプ

  • 本が好き
  • 人が好き
  • 人に貢献するのが好き
  • コミュニケーションが得意
  • 決断力がある
  • 自分じゃなく著者をどうやって前に出すか考えられる人

人と本に深く関わる仕事ですから、本にも人にも愛がある人が向いています。

ガイダンスへお越しください

興味の湧いた方はぜひガイダンスにお越しください!ガイダンスと言っても実際は西浦と2人~4人でお茶飲みながら話すだけです。初めましての方も歓迎です。

出版プロデューサーは複業OKです。もちろん未経験で大丈夫です。(経験者なんてほとんどいないと思うけど・・・)

年齢制限や性別の縛りはありませんが、今のプロデューサーは僕も含めて30代が多いです。

まずは「ガイダンスお茶会」へお越しください

お待ちしています!

ガイダンス日程一覧

出版プロデューサーになるには?

出版プロデューサーとは?

増刷率90% 平均部数48,000部の出版プロデューサー。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(22万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

出版プロデューサー募集!

どうも、出版プロデューサーの西浦です。 僕の今年の目標の一つ、それが出版プロデューサーを5人集めて「出版戦隊プ...

2016年12月13日に行われた「第1回本を楽しむ会」、

出版プロデューサーがお勧めする 「人生を豊かにする本5冊」& 「自分にぴったりな本の見つけ方」

イベントレポートの後編です。

前編はこちら

★当イベントの第二弾参加者募集中!【人生を豊かにする本5冊】3/27

悪魔の辞典

パレアナでほっこり感動しかけたところで、悪魔の登場。

悪魔の辞典」は皮肉屋で有名なアンブローズ・ビアスの著書で、辞典スタイルでいろんな言葉を「悪魔的視点」で解説している、全編ブラックユーモアの本です。

僕がこの本に出合ったのは、高校生のときで、地元の古本屋で見つけました(誰の訳だったかは覚えてない)。その場所とタイトルから、ある種の運命的なもの(悪い方の)を感じざるをえませんでした。しかもこの本は、1911年に発売されたようで、今から100年以上も前です。何か引き寄せる魔力を持っていてもおかしくないなぁと思いますね。

この本のテイストを知ってもらうために、ゲストの方にこんな質問をしてみました。

西浦 『「キャベツ」って何か教えてもらえますか?』

Sさん 『野菜の一種で。。。緑色の?とか』

西浦 『なるほど、ビアスの悪魔の辞典にはこう書かれてます』

  • CABBAGE【キャベツ】名 裏の畑でとれるおなじみの野菜で、人間の頭ぐらいの大きさと知能を持つ。

一瞬みんなのあたまに「?」が浮かんだあと、「!」に変わっていったのが手に取るようにわかりました。

つまり人の知能はキャベツ程度=バカっていう皮肉ですね。

 

我々をキャベツ扱いするビアス先生

これでけっこうみんなが笑ってたので、「受け入れてもらえる!」と安心してどんどん紹介。

西浦 『「格言」とはなんでしょう?』

Oさん 『モットー?』

西浦 『ビアス先生が言うには・・・

  • ADAGE【格言】名 歯が弱い人のために、あらかじめ骨を抜いてある知恵。

まあ、歯っていうか、頭ってことですよね。』

絶好調のビアス先生

他にも

  • COMMERCE【商業】名 AがBからCの商品を奪い、その代償としてBがDのポケットからEの金をかすめ取る方式の取引。

CとEは奪われるだけ、つまり搾取。

  • CORPORATION【会社】名 個人個人は責任を負わず、個人個人が利益を得る精巧無比の仕組み。
  • FEMALE【女性】名 敵対する性の、不正直な方。
  • MALE【雄・男性】名 考慮に値しない、無視してよい性のメンバー。人間の雄は通常雌にとって「ただの人」として知られている。この種族には二種類ある。衣食住の良き供給者と、悪しき供給者である。
  • ENVY【嫉妬】名 能なしにいちばん適した競争心。

などなどたくさん。

後半はgoogle先生ならぬ「ビアス先生」状態で、ゲストの皆さんからたくさんリクエストをもらい、検索?結果を楽しみました。

「結婚」や「新婦」などは特に盛り上がりましたね(笑)

この本で高校生時代にすごく衝撃を受けたのが

  • OCCIDENT【西洋】名 世界の中で、東洋の西(または東)に位置している部分。住んでいる者の多くは強力な偽善者亜族、つまりキリスト教徒であり、主要産業は殺人と搾取だが、彼らはこれを「戦争」「商業」と呼ぶのを好む。それらはまた、東洋の主な産業でもあるのだが。

という一文です。主要産業が殺人と搾取て・・・。しかも最後の「東洋の主な産業でもあるのだが。」でやられた!と思いました。当時10代の青年だった僕としては、ここまで人類すべてを皮肉った「ものの見方」というのはまさに衝撃で、その後の人格形成に暗い影を落としたことは想像に難くありません(笑)

 

マジメに言えば、一つのモノゴトを一面からだけでなく、別の面から見れるというのは非常に知的なことで、その良い示唆となると思っています。

僕もそういうところがあるので、自戒を込めて言うのですが「これは、Aである」と決めてしまって、他人に押し付けてしまうことってあるじゃないですか。そうならないように、常に別の視点から見れる余裕を持ちたいと思うのです。

「嫉妬」の項目などはわかりやすいのですが、例えば誰かに嫉妬されているときは「ああ、あいつは能なしなんだな」と自分を慰めれば多少は溜飲もさがるし、逆に他人に嫉妬してしまいそうなときは「いかんいかん、能なしになってしまう」と踏みとどまることもできます。

第三者目線とか、俯瞰でものを見る良い訓練になると思っています。

まあ、この本はダメな人はダメなので、自己責任で楽しみましょう。

 

ぼくは勉強ができない

時間の都合で4冊目の「星の王子さま」は泣く泣くとばしました。また別の機会に必ず!ということで最後の一番伝えたかった作品「ぼくは勉強ができない」です。

この本も同じく、高校生の時に古本屋で出合った本で、タイトル買いしたのものです。悪魔の辞典もそうですが、タイトルが非常にいいですよね。こういう本はどうしても手に取ってしまいます。この本は悪魔の辞典以上に僕の生きる指針になった本で、今でもこの指針に沿って生きている(つもり)です。

この本は高校生の主人公、秀美君を中心とした人たちの物語で、特に男性はこの本を読むと「あー、見透かされてるー」と白旗を上げることうけあいです。男のかっこ悪いところとか、人の嫌な部分を「お前もだぞ」とはっきり言われちゃう小説です。

たとえば、学年でベスト3と呼ばれるような可愛い女の子に告白されて、秀美が返した言葉は

  • きみは、自分を、自然に振る舞うのに何故か、人を引き付けてしまう、そういう位置に置こうとしてるけど、ぼくは、心ならずも、という難しい演技をしてるふうにしか見えないんだよ

です。このあと思いっきりビンタされます(笑)そらビンタされるわ!と思う半面、読者としては小気味よい、よく言った感があります。自分を可愛いって思ってて、でもそんなの全然意識してませんというふりをする女の白々しさというのは確かに鼻につく。でもこの「ビンタ」のあとのセリフ

  • 何よ、あんただって、私と一緒じゃない。自然体っていう演技してるわよ。~中略~自由をよしとしてるのなんて、本当に自由ではないからよ。中途半端に自由ぶってんじゃないわよ

これに思いっきり凹むのです。いや、本当にその通りですごめんなさい。必死でかっこつけてます、かっこつけないかっこよさを必死でかっこつけてます。いちど勝ち誇ってからのビンタなんでかなり精神的ダメージでかいです。

この本は読むたびに「ああー・・・・」と複雑な声をあげざるをえないのですが、特に一番心に残っていて、生きる指針になったのは「角があるのは痛いけど、角は3つ集まると180度でまっすぐになれる。さらに3つ集まると360度でまん丸になれる。分度器でちゃんと計らなくたって、そのうちまっすぐやまん丸になってなくなっちゃう」という言葉です。この角は家が貧しいとか、お父さんがいないというような心の痛みです。こういう痛みをもつ自分たちは人より一つ角が多いから、早くまっすぐやまん丸になれるという。

僕自身はこの考え方がすごく好きになって、この角に「角が立つ」の角、つまり「こだわり」からくる人と揉める痛みも含めました。角が多ければ実はどんどん丸に近づいていきます。3つの角より4つ、6つ、8つと、こだわりと痛みが増えれば増えるほど、四角形、六角形、八角形と、少し離れたところからは丸い人間に見える。けど、実際は、すごくとんがってて、ただ角を削ってなくしただけの人の丸さとは違います。角を折らずに来た人と、角を削ってきた人とでは同じ丸でも面積が違う。当然、角がある方が大きいわけで、それはつまり人としての「器」の大きさだと思うのです。

 

こういう考え方をするようになって、こだわりや大切な気持ちは、人と揉めてでも守ることが出来るようになりました。そのために生まれる痛みはきっと自分の器を大きくしてくれると思ってきたし、3つでもめるならさらに4つ、5つとこだわってどんどん丸くなろうと考えています。

出来てたかどうかはわかりませんけど。

 

最後に

ゲストから「西浦さんて仕事とかじゃなくて、本当に本が好きなんだなぁって思ったよ」と言われたことが泣きそうなくらい嬉しかったです。

 

本を楽しむ会へのお誘い

今回のイベントは「本を楽しむ会」として主催しました。

本を読む、読書会、以外で「本を楽しむ」方法を探っていく会です。

ご興味ある方はぜひご参加ください。

僕らと一緒に本を楽しんでいきましょう!

 

御礼

会の運営方法アドバイスやカメラマンをしてくれた倉重さん

 

 

 

 

 

 

グラフィックレコーディングでイベントをより素敵なものに変えてくれた池さん

 

 

 

 

 

 

受付や遅刻対応してくれた白木さん

 

 

 

 

 

 

会の方針相談から、当日の司会までやってくれたKさん

 

 

 

 

 

 

そして当日一緒にイベントを作り上げてくれたゲストの皆さん

ありがとうございました!

増刷率90% 平均部数48,000部の出版プロデューサー。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(22万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

折らずにきた角が人の器を大きくする【「人生を豊かにする本5冊」イベントレポート(後編)】

2016年12月13日に行われた「第1回本を楽しむ会」、 出版プロデューサーがお勧めする 「人生を豊かにする本...

西浦です。

起業当時からお世話になっている、中井先生に誘われ飲んできました。

 

中井先生は経営塾を主宰されていて、僕は2010~2011年ごろに受講しました。

飲みの席には他にも3名の元受講生がいて、みんなで楽しく飲みました。

(みんな期は違うけど顔見知り)

 

先生は次の予定があるということで、二次会には行かれず、元受講生4人だけで飲み直しました。

 

そこで話したことのちょっとしたメモです。

「ああ、なんかいい話だなぁ」と思ったので、忘れない内に書きます。

 

厳しくとも嫌いにはならない

4人の中で一番先生と付き合いの長い桑名さんが「僕がいちばん怒られたと思うけど、怒られてもいちばん平気な自信がある」と言ってました。

なにその自慢?と笑いながら聞いてたんですけど、その理由が面白かった。

 

たとえば先生は時間に厳しいし、スジの通らないことをすごく怒ります。

僕もその日、電車遅延で5分くらい遅れて到着したのですが、内心焦ってました。

それについて怒られなかったのでホっとしてましたけど。

 

で、桑名さんですが、先輩に向かってこういうこと書くのも失礼なんだけど、わりといい加減というか、本当にいい加減です(笑)

人としては大好きなんですけど、一緒にスタッフをしたことのある人なんかは「仕事増えるから桑名さんとやりたくない!」というような方なんですね。

 

この桑名さんは先生との付き合いも長く、それはそれは怒られてきたそうなのです。

そうしてる内に「怒られて、嫌になっちゃって、離れたことが2回くらいある」そうです。

これは初耳で、驚きました。

 

怒られたので嫌になったから離れていくって、なんて根性のない教え子なんだろう(笑)と思ったのですが、それでも今こうして一緒に飲んでます。

つまり先生の所に戻ってきてるんですね、しかも二回も。そんな出戻り生徒良く受け入れたなと思いません?

 
桑名さん曰く、

「中井先生は怒るんだけど、その1回で終わり、後に引きずらない。絶対に人のことを嫌いにならないんだよね。」

だそうです。

一度、先生に怒られたときに「わかりました、でも先生、次から頑張ればいいんですよね?」と聞いたら、

「うん、そやで」と言われたそうで、そこからすごく楽になったというか、安心したと言ってました。

 

信じて待つのに必要なこと

「嫌いにならない」って最強ですよね。

僕はどうしても好き嫌いは出てしまうし・・・

特に長く付き合うと、相手の良い部分も見える代わりに、悪い部分も見えて来るじゃないですか。

そうなると嫌になっちゃうことも多いんですよね。「ああ、結局こういう人間なのか」とか。

 

そういうときは、と桑名さんにアドバイスしてもらったのが「信じて待つ」スタンスです。

ジェームス・スキナーから聞いたことを又聞きしたそうなので、伝言ゲーム具合が甚だしいですが。。。

 

相手に不義理をされたり、失礼なことをされても「信じて待つ」ってけっこうな「信頼」を必要としますよね。

一緒に飲んでいた一人は、飲食業のオーナーさんなのですが、ある日店に来たら、誰も出社してなかったことがあったそうです。

 

不満や反発があるからみんなで相談して一斉に辞めたんですね。

辞める手続きもしてないからもはや失踪ですけど、そういうことが出来てしまう人が世の中にはいます。

 

そういう風に考えると、ひょっとしてすごいのは信じて待ってる先生じゃなくて、

信じて待たれてる、僕らなのでは?と気づきました。

ここで自分ホメるの!?って思った方、ちょっと待ってください。

どうかもうちょっとだけ聞いてください。

 

先生が帰った後、教え子だけで二次会をしてて、一切先生の悪口が出ない。

それどころか先生のすごい所に気づいて、話し合う教え子ってすごいなと思ったんです。

 

別に悪口言ってやるぜ・・・!とか思ってなかったですけど、なんとなくのパターンで、こういうときは悪口大会になるんじゃないかと、無意識的に予想してたんです。

 

そしたら「先生は実業やってきたひとだから、言葉に実感こもってるよね」など、良いところを探してるんですね。

きっと僕らは不満があっても突然失踪したりしない側の人間なのではないかと思います。

 

 

中井先生の経営塾は入るときに審査のようなものがあって、誰でも入れるわけではないのです。

そのときに自分が選んだ教え子で「彼らならわかる」「打って響く人間だ」って思ってるから、

信じて待つことができるのかもしれませんね。

 

 

信じて待っててくれる先生がすごいのはもちろんだけど、

信じられる人を選べるということも、すごい能力なんですね。

 


怒られたりするのはみんなたぶん嫌なんだけど、それは正しいから嫌なんだろうなと思います。

だってとんちんかんなことで怒られたら、たぶん笑ってしまうか、あきれ返るだけなので、

「嫌だな」と感じるのはやはり痛いところを突かれるからだと思います。

 

だから厳しいことを言うときは、相手をちゃんと見て「信じて待つ」ことができる相手かどうか見極めて、付き合って行くという姿勢も大事だと思いました。

 

そして、一回自分が信じた以上は最後まで「信じて待つ」ことができる人間になりたいなーみたいなことを、

4人で飲み直しながら思いました。

 

増刷率90% 平均部数48,000部の出版プロデューサー。

奈良県出身 同志社大学卒業後、学習研究社(現・学研ホールディングス)入社。書店促進部を経て、一般書販売課へ配属。2つの編集部を担当し、年間最大400冊のマーケティングを担当。膨大な点数を扱いつつ、新人著者の売り伸ばしや仕掛け販売に注力。上原愛加のプリンセスレッスン(シリーズ100万部突破)などの売り伸ばしに成功する。その後、出版プロデューサーとして2010年に独立。

『血流がすべて解決する』(22万部)『奇跡の営業』(6.3万部)など主にデビュー作をプロデュースし、ベストセラーへと導く。

業界では数少ない、出版社マーケティング部出身の出版プロデューサー。

師匠が帰った後、教え子たちが二次会で話したこと

西浦です。 起業当時からお世話になっている、中井先生に誘われ飲んできました。   中井先生は経営塾を...