2018.2.18

こんにちは!息子の歯が生えてきたぞ!とワクワクしている出版プロデューサー白木です。 この記事は、著者

2018.2.16

おいしそうなものを見たとき、最初に考えるのは、 「おいしそう、でも、食べたら太りそう」 ということで

2018.2.4

「本のマーケティングと著者メディア構築法」セミナー開催決定!【残席2名】 「発売当日に1万部増刷!合

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「肩こりがひどい」
「気持ちが沈む」

病気というほどではないにしろ、そんな状況に悩まされることがあります。
私の場合は、肩こりを感じたときは、マッサージで揉みほぐしてもらいます。
そして、気持ちが沈んだときは、読書や映画で気持ちを切り替えるようにしています。
しかし、どちらも根本的な解決ではないため、同じ症状が繰り返しており、その都度、対処しなくてはなりません。

そんな体と心の不調を、まとめて解消する方法があったら、どんなに良いことでしょうか。
今回紹介する「血流がすべて解消する」は、そんな体と心の不調を解決するヒントになる本です。
体と心の健康に興味をお持ちのかたにおすすめできる内容となっています。

どんな本なのか

本書は出雲大社の参道で90年続いている老舗漢方薬局の4代目である、堀江昭佳氏によるものです。
堀江氏は、漢方薬剤師であるだけでなく、不妊カウンセラーとしても活躍されています。
本書では体や心の不調を解消するためとして「血流を増やす」という方法について詳しく紹介されています。
漢方薬に関する内容が主ではなく、生活習慣や呼吸など誰でも手軽にできる方法が具体的に記載されています。
男女問わず参考になる内容ですが、特に、

    • 不妊
    • 生理痛

の悩みを抱える女性にとって、参考になる内容が含まれています。

血流を増やして不調を解決する

著者の働く薬局には、様々な理由で、多くの人が相談に訪れています。
そのカウンセリングを通して、著者は、「血流が心と体に大きな影響を及ぼしている」という発見をします。
これは、相談者の血流が良くなったことで、生理痛や生理不順だけでなく、

  • 耳鳴り
  • 肥満
  • うつ

などの症状までが改善した、という実例によるものです。

著者によると、血流が悪くなる理由は、以下の3つです。

  1. 血がつくれない
  2. 血が足りない
  3. 血が流れない

この3つによって血流が悪くなると、体と心には大きな影響が現れます。
そして、女性の場合は、特に、積極的に血流の悪さを解決する必要があるとしています。

なぜなら女性の血流は、そもそも不足状態になりやすいためです。
これは生理という形で毎月血液を失っているからです。
生理で流す血液量をあなどってはなりません。
一回の経血量は約一〇〇ml、一年で一.二ℓにもなります。

初潮から閉経まで四十年とすると、恐ろしいことに女性は一生で約五〇ℓもの血液を失うことになるのです。
日本人女性の平均体重が五二㎏ですから、ひと一人まるごとぐらいの膨大な量です。
これに、出産や授乳を加えると失われる血液量はさらに増えます。

(63ページ 第二章 「つくる・増やす・流す」であなたの血流はよくなる より引用)

一般的に、男性よりも女性のほうが、体や心の不調に悩まされがちなものです。
その違いも、生理によって毎月血を失うことだとすると、確かに納得できます。
それでは、著者による、具体的な血流の改善方法についても見てみましょう。

かんたん丹田呼吸法で静脈の流れをサポート

多くの女性が、むくみや下半身の冷えに対する悩みを抱えています。
この2つを解消するために、著者は「静脈の流れ」を良くすることを推奨しています。
静脈の流れを良くする方法として、著者は下記を挙げています。

  1. ふくらはぎを鍛える
  2. 「かんたん丹田呼吸法」でむくみを改善する
  3. 足を温めて冷えを防ぐ
  4. 足のつぼを押す

この中でも、もっとも手軽に行える、呼吸方法に関して、引用して紹介します。

【かんたん丹田呼吸法】

①息を吐くときは、横隔膜のところから状態を少し前に倒す。
②息を吸うときは、上体を起こす。
③呼吸は鼻で、十回くらい行う。
(182ページ 第五章「静脈」の血流をよくするための生活習慣 より引用)

呼吸法といっても、それほど難しくはないため、手軽に試すことができます。
この呼吸法を行うと、横隔膜を直接上下させることができ、静脈の血液が上へと流れるのをサポートすることが可能とのことです。

血流をよくすれば、心は自由になれる

著者は、「血流をよくすれば、心は自由になれる」としています。
確かに、体が不調であれば気持ちも滅入りますし、体が快調であれば気持ちも明るくなります。
様々な不調が、血流を良くすることで解消するとしたら、これは試す価値があります。

日常的に、私たちは、目の前にある「症状」だけに囚われがちです。
たとえば「頭痛が生じたら頭痛薬を飲む」「肩がこるからマッサージに行く」というように、そのとき生じた痛みへの対策を行うというようなぐあいです。
しかし、本来行うべきは、本書にあるような、総合的な改善なのかもしれません。

終わりに

本書で紹介されている「血流を良くする方法」は、決して難易度の高いものではありません。
【かんたん丹田呼吸法】をはじめとして、いずれも、手軽に毎日の生活に取り入れられるものばかりです。
本書を参照に、血流を良くすることで、体と心、両方の健康を目指してみたいものです。

 

(文:朔)

【書評】血流がすべて解決する【血流の改善で、心を自由にする方法】

「肩こりがひどい」 「気持ちが沈む」 病気というほどではないにしろ、そんな状況に悩まされることがあります。 私...

先日、SBクリエイティブの編集長さんに「年賀状返ってきちゃったじゃないですかー!」と怒られちゃった出版プロデューサー西浦です。(Yさん、ごめんなさい!)

その際「弊社、只今、書籍編集者を募集しておりまして、西浦さんのおすすめの方などいらっしゃいますでしょうか?どなたかいましたら、ご教示頂ければ幸いです。」とご相談いただきました。

「公開募集されてるなら、出版TIMESで告知させていただきましょうか?」とお尋ねしたところOKいただき、さらにその直後に「採用サイトには載っていない」とっても熱い思いが書かれていたので、ぜひこの場でご紹介させていただきます。

編集長が求めている人物像

以下が、その「採用サイトには載っていない」思い(一部抜粋)です。

大切で難しいのは、作り手である編集者が、自分自身で「これを人々に届けたい!」と心から思える本を作ることではないだろうか。
当然、その本を企画している本人だから、良かれと思って作っているのだろうけれど、あなた本当にそれを人様にオススメしますか? 親に、兄妹に、子供に、友人に、どこかで悩み苦しんでいる誰かに、その本を「絶対、買って読んだほうがいい!」とススメられますか? 5年前、10年前の抜き差しならない問題を抱えていた自分自身に「読んでおけ」と手渡せますか? そもそも自分でその本を買いますか? ベストセラーを狙いながら自分では買わないのですか? たとえ誰も応援してくれなくても、リュックに本を詰め込んで、あるいはリヤカーを引っ張ってでも日本中を売り歩く覚悟はありますか?
そう問われた時、心はなんと答えるのだろうか?
それはすなわちその編集者の生き方が問われてくるだろうし、小手先のテクニックもマーケティングも広告も一切効かない世界だ。

「『売れる本を作る』っていうだけなら、できなくはないよね」という流れを受けての文章です。この言葉からあなたは何を感じましたか?僕はこの投稿を読んで、編集者としての技術以上に「生き方」を求められているのだと感じました。

そして「これは採用サイトに載せてくれよ」と思ったのです。

採用情報に「直属の上司のホンネ」をもっと載せては

社員の募集に際して、働いている人の声やインタビューを掲載している会社は多いと思います。でもそういったインタビューはどこか嘘くさい、作られた感がありませんか?

もっとはっきり本音で語ってくれないと意味がないと思うし、そうでないと受験者側も「こういう考えの持ち主が上司になるのかいいな(あるいは嫌だな)」と事前にイメージを持つことができない。

こう書くと「でも、この投稿のようなメッセージがすべて本音だとは限らないのでは?」と思う方もいるでしょう。それはごもっともです。

だから僕が思うに面接の場は、貴方が見定められるばかりでなく、入社後上司になる人物の言葉が、本当かウソかを見極める場にもすればいいと思うのです。

「では、質問なのですが、あなたが過去に編集して売れなかった本の中で、実際にリュックに本を詰め込んで、あるいはリヤカーを引っ張ってでも日本中を売り歩いた本はなんですか?」と。

その場で言葉を濁すような人なら、あなたの方から面接を切り上げて退席すればいいと思います。

逆に「リヤカーは引っ張ってないけど、この本はどうしても売れて欲しかったから友達250人に電話して130人に買ってもらった。SNSでつながってる1500人全員にメッセージして400人が買うって言ってくれた。あと著者に講演会の仕事を3件とって来て、その参加者に合計120冊買ってもらった。個別に連絡した500人以上に無視されて、辛い思いをして、それでも増刷まで至らなかった。」そう言って悔しそうにしてる人なら僕は信じて良いと思います。

上に立つ人間のリアルをちゃんと採用サイトに載せられるのか?そこにウソはないのか?

そういったことにちゃんと向き合える上司の元には、優秀な人材が応募してきてくれるように思います。

人として憧れる編集者とやっぱり仕事したい

僕としては業界内知名度やその人の肩書には、そこまで興味がなく(全くないわけではないけど)、本人の実績(実力の判断基準)と企画(考え方の判断基準)の両方で「この編集者さんと仕事させてもらいたい!」と思うことが多いです。

実績は分かりやすいし、僕自身が出版マーケティング出身なのでやはり重要視しているのですが、どういった本を作ってきたかがやっぱり無視できない要素です。作ってきた本や企画の考え方を聞いていて「こういうテーマの本を作って、これだけ売ってきたのか。かっこいいなぁ」「このテーマでこんな本にできるのか!すごいなこの人」というクリエイティブの部分に、憧れを感じる人がやっぱり好みです。

僕はクリエイティブの人間ではないので、逆にそこに強く惹かれるのでしょうね。

「売れる本を作れる」と「やられた~!と思える本を作れる」の両面を兼ね備えている人に強く憧れます。

もちろんまだ仕事をさせてもらえてない編集さんもいらっしゃるのですが、憧れてる人こそ「これだ!」という企画が自分の中でできてこないと提案できないので、まだまだ仕事に至ってない方がいらっしゃいます。一応、保身的フォロー(笑)

これから編集者を目指される方には、やはり売れるだけでなく「これ、私の作ってきた本です」と胸をはって言える方であってほしいです。

そして売れなかったときにちゃんと悔しがってる人、良い本作ってるのに売れないなんて、なんて自分はダメなんだと思っていて欲しいです。

 

著者もまたスキル以上に生き方を問われている

編集者に限ったことではなく、どんな職種でもスキルや実績以外の、スピリットや生き方が重要なんだと思います。

著者もまったく同じで、どんなノウハウがあって、どんな実績があるかも大事だけど、著者として「読者をどこに連れて行きたいのか」が見えない人は不十分だと思うのです。

著者は煽動者ではなく、先導者であってほしいので、明確に「こうなると良いな」という世界を描いていてほしい。

 

「あなたが本を書く意味が分からない」

「この本の著者が貴方である理由が見えてこない」

と編集者に言われたことのある方は、自分が「読者をどこへ連れて行きたいのか」「なぜそうしたいのか」という原点の部分をもう一度振り返ってみてください。

 

それに、「そこ」を気にしてくれる編集者はきっと良い編集者だから、企画にダメ出しされても一緒に歩んでいく方がいいですよ。

 

出版社に転職を考えている人へ、そして彼らを面接する人へ

先日、SBクリエイティブの編集長さんに「年賀状返ってきちゃったじゃないですかー!」と怒られちゃった出版プロデュ...

1年頑張って落とした体重を、正月だけで戻す、いやむしろ多めに超回復させるのが恒例の出版プロデューサー西浦です。あなたも脂肪の超回復してますか?

昨年は新年1発目の書評記事を張り切って元旦に更新、初詣と関連付けて『成功している人は、なぜ神社に行くのか?』をご紹介させていただきました。

【書評】成功している人は、なぜ神社に行くのか?【神さまは「他の参拝者を味方につけた人」の味方をする】

今年は新年最初の書評に何を取り上げようかと悩んでおりましたが、元来怠惰な人間でございまして、元旦はおろか、気が付けば世の中の正月気分もすっかり抜けており、完全にタイミングを逸しました。

そこでボク自身を振り返ってみて気づいたのです。

新年の抱負の一つ「毎日、日記をつける」をさっそく元旦から書き忘れた上に、2日目だけ書いてその後、本日まで一切書いていない。そればかりか、日記帳を開きもしていないという衝撃的事実に…。

この何とも言えない嫌な気分、そう「自己嫌悪」です。

あなたはどうでしょう?年始に立てた目標・抱負、ちゃんと守れてますか?
あるいは去年の目標・抱負、守れてましたか?お正月に神社で手を合わせた時にそもそも去年の抱負覚えてましたか?

もちろん、叶えていた夢もあったでしょう。しかし達成できなかった目標、守れなかった神さまとの約束もたくさんあったのではないでしょうか?
毎朝5時半に起きる、毎日ランニングする、お酒を控える…などなど。ご自分の胸にもう一度聞いてみてください。

どうでしょう?一つでも該当したあなたは、きっと僕のようになんだかイヤ~な気分になったのではないでしょうか。しょうがない奴だな自分、と。

しかし、達成できなかった目標を悔いて、自己嫌悪する前に、これから紹介する『やらない理由』を読んでみてください。

どんな本なのか

カレー沢薫先生のエッセイ。著者は1982年生まれ、OL兼漫画家・コラムニストで『ブス図鑑』等、キレのあるエッセーが大人気。SNSでは“自虐の神”と崇められ、20本近くの連載を抱える人気作家でありながら、平日はOLとして働きつつ、一日48時間twitterに生息しているという多忙な作家さんです。

本書ではダイエットや貯金、部屋をきれいに保つ、など固く誓ったはずの目標を達成できなかったときに、それを「やりたくない理由に屈した」のではなく「やるべきでない理由があったからしなかった」と考えようと主張します。挫折したのではい、英断を下したのであると。つまりそこらのスピリチュアル本よりよっぽどメンタルヘルスに効く、心の健康書です。

必要なのは反省ではなく、自己肯定

 

反省というのは 己の非を認め 同じ過ちを繰り返さないようにどうしたらいいかを考え それを実行して初めて「反省した」と言えるのだ

つまりそこまでいかなきゃ反省じゃねぇし する意味もねぇ

じゃあやめよう その反省もどき

本書ではいきなり反省の否定からはじまり、反省ではなく自己肯定が必要だと読者に語り掛けます。それはなぜか?

たとえば固く誓ったダイエットを食べ物の誘惑に負けて挫折した場合、人は己の意思の弱さを嘆き責めるでしょう。しかし、自分を責めすぎるのはよくないのです。なぜならメンがヘラってしまう原因は「自分が許せない」という状態に陥ってしまうことだからです。自分が自分であることだけは一生逃れられません。逃れようと思ったら文字通り死ぬしかなく、これは最悪の結末です。

よって無駄な批判はやめよう。やりたくない理由に屈したのではない、やるべきでない理由があったからしなかったのだと考えればよいのです。クレバーな選択なのだと。

正しい「やるべきでない理由」

つまり本書では、世の中に蔓延する「やった方が良いこと」や「やらなければいけないこと」に対し正しい「やるべきでない理由」を解説していくものです。

例えばダイエットなら、まず自分に「食うこと以外の楽しみがあるのか」を考えてみます。もちろん「無」です。すると、それを我慢してダイエットに成功したとしても、それは「痩せて良いスタイルを手に入れた」のではなく「生きる屍になった」だけに過ぎず、ダイエットをしなくて本当に良かった、クール&クレバーだとスムーズに理解できます。

というような感じで、各項目について予想を超える「やらない理由」をカレー沢先生が提示してくれるので爆笑しながら読んでいただくのが良いと思います。

最後にいくつか本書の見出し(やりたいことと、やりたくない理由)をご紹介します。これにどんな「やるべきでない理由」があるかはぜひ本書を買って燃やしてまた買ってください。

  • 仕事ができると褒められるのはいいが、仕事が増えるのは嫌
  • 好かれるのはいいが、振り向かせる努力をするのは嫌
  • 寂しがり屋だが、人付き合いは嫌
  • ピンチは乗り越えたいが、頑張るのは嫌
  • SNSに「いいね」してほしいが、「いいね」するのは嫌
  • 話は聞いてもらいたいが、あれこれ言われるのは嫌
  • 一人の時間も欲しいが、ずっと一人は嫌
  • 相手の本心は知りたいが、嫌いと言われるのは嫌

どうですか?ムカムカしてきたでしょう?ご紹介したのはほんの一部ですが、こんなことを飲んでる相手に言われたら「歯ぁ食いしばれぇええ!!」と叫んでしまいそうです。

こっちのメンタルを守るためにも、やるべきでない理由をしっかり学んで「良かったな!」って言えるようになりたいですね。

 

ちなみに僕が日記をつけられないのは「めんどくさい」「そんなの書いてる暇あったら寝たい」というやりたくない理由に屈したのではなく、「過去を振り返らず、前を向いて生きるため」だと気づきました。

 

【書評】新年に立てた目標を『やらない理由』

1年頑張って落とした体重を、正月だけで戻す、いやむしろ多めに超回復させるのが恒例の出版プロデューサー西浦です。...

こんにちは、初刷の平均が7,930部の出版プロデューサー西浦です。「だからなんなのか」と言われても僕にもわかりません。ごめんなさい。

ところで、新刊が発売されたばかりの著者さんとお話しすると、会話の流れで「初刷どれくらいですか?」って聞くことが多いです。ところが「4000部ですわ、渋いっすわ」と不満そうな人もいれば「10,000部なんですよ・・・」と多いのに不安そうにしている人もいます。そういえば昔「初刷20,000部からならやりますよ」という条件を出している著者もいましたね。その人はもうお名前を聞かなくなってしまいました。。。(察してください)

この初刷部数というのは多い方が良いのでしょうか、それとも少ない方が良いのでしょうか?人によってリアクションが変わるし、条件を設けて反感を買ってしまう方もいるので慎重に扱いたい項目です。しかも初刷が多い時と少ない時で売り方が違ってきたりもします。

いったい著者としては、初刷についてどんなスタンスでいれば正解なのでしょうか?また販売面では何に気を付ければよいのでしょう?

かつて出版社の販売部で数字と毎日にらめっこしていた人間として、数字の捉え方とマーケティング面で注意すべき点を、あんまり細かいことは言わずにざっくりとお伝えしたいと思います。

初刷とは

最初に製作(印刷)する本の冊数を初刷部数と言い、初刷と略します。「しょずり」と読みます。これが多い方が良いのか少ない方が良いのか、初刷の大小で何が変わるの?というのが本記事の内容です。

ちなみに印税条件として「初刷8%、増刷時10%」と、増刷から印税率の変わる契約も結構多いです。この場合、初刷はなるべく少なく、増刷から多い方が印税は多めにもらえてお得です。

デビュー作の初刷は5000~7000部でOK

ビジネス、美容、健康書といった一般書であれば、新人さんの初刷は5,000からスタートすることが多いです。

7,000部も刷れば期待されていると思っていいでしょう。

しかし、単純に初刷が多ければいいかと言うと、刷りすぎは増刷が遅くなるだけという見方もできるので、注意が必要です。

仮に

  • 「初刷10,000部!2ヵ月後に増刷3000部!」と
  • 「初刷5000部。好評につき発売前に2000部の増刷決定!1カ月後に3000部増刷、さらに1カ月後にまた3000部の増刷!!」

というような場合、両者とも発売から2ヶ月で13,000部になったというのは同じでも、

前者は増刷までに2ヶ月もかかってる、それも初刷1万に対し3000部という様子見感のある数字=「そこそこ手堅い」もしくは「そろそろ仕上げにかかっているのだろう」という印象を受けます。(仕上げるというのは増刷をバンバンかけて攻めていくのではなく、もうこれ以上の大幅な売り伸ばしは難しいから、返品を少なく、なるべく不売率を下げて利益を確保しようとする、ディフェンシブな判断)

逆に後者の本は、発売前に増刷=FAX注文書などでの書店さんや取次の反応が良かったか、テスト販売(先行販売)の売れ行きが良かったのだろうと期待感があります。そのうえ、1ヶ月ごとに3000部ずつ増刷が決まって「そろそろ5000部の増刷が来るだろう」といった、いま売れてる感がある為、前者と後者が同時に入荷すれば、後者を積む書店さんの方が多いです。

少ないと平積みされない、多いと増刷がかかりにくい

じゃあ、初刷って「少なければ少ないほど増刷かかりやすくていいのか?」というと、もちろんそんなことはありません。

出版の流通は「配本」というシステムで、取次さんが配本数を決めて全国の書店さんへ本を送り届けます。(すべての本屋さんが、自分の意志で注文してるわけではない)

配本される本の合計数が多ければ多いほど、送られる書店の数も、各書店に送られる冊数も増えます。仮に2,000店の本屋さんに4,000冊配本しようと思うと、1店舗平均2冊しか届きませんね。2冊なんて少なすぎて平積みできませんから、全部棚刺しになってしまいます。これでは売れるものも売れない。

平積みには最低5冊は欲しいですから、4000冊の配本だとすると800店にしか本を送れなくなってしまいます。(全国には12,000以上の本屋さんがあるのに)

実際に配本表(取次さんがどのお店に何冊送ったかという表)を見ると配本数15冊や20冊という店もありつつ、ほとんどの本屋さんでは1~3冊という平積み不可の数字が並びます。

1、2冊しか入荷のない、すぐ棚に入れられた本屋さんで売れなかったとしても、本の実力不足のせいとは言えないですよね。やはりちゃんと平積みされて、読者に買うか否かの判断をしていただきたいというのが著者心です。

ちなみに、編集さんたちと「10万部以上狙うには?」という前提で話すと「正直、2万部くらいないとキツイ」と言う方がけっこういらっしゃいます。

確かにそれくらいの数があれば、地方の有力書店まで含めてしっかり平積みしてもらえそうです。

しかし、2万も刷って売れ行きが悪いと、かなりの数の不良在庫を抱えることになります。これは販売部的にはかなりリスクがあります。

よってそれこそ10万部以上売れた本の第二弾とか、超有名作家の期待の新シリーズでも持ってこないと難しい。

ですので、新人としてはやはり5000~7000部という不利な状況でも「局地的な平積み店」での売り上げを重ねて、増刷を狙っていくのが妥当な戦略となります。

すごく重要な、手持ち在庫管理

ちなみに新人に多い「初刷5,000部」の場合は何冊くらい配本されるのでしょうか?

だいたいですが4,000部弱を配本(書店さんに送品)して、1,000部強を追加発注分として出版社の倉庫に置いておきます。この在庫を手持ち在庫と呼びます。

初刷を全部配本してしまうと、売れ行き好調店から追加注文が来ても「在庫なし」で、追加分を補充できないからです。

先述のように、初刷が少ない場合、平積みされるお店は限られてきます。そういった限られた書店が生命線となるため、確実に平積みを維持してもらえるように万全の補充体制を敷かなくてはなりません。

しかし書店さんは売れているタイミングですぐ追加分が入荷できないなら(よっぽど売れる本以外は)追加注文を取りやめ、他の本にスペースを明け渡してしまいます。こうなると大きな機会損失になるため、適切な手持ち在庫数の判断は、販売部の重要な仕事です。増刷には2~3週間はかかってしまうし。

これを読み間違うと、書店さん、編集さん、上司全員からすごく怒られます。

この点から新人にとっては販売部の手厚いフォローが必要だとわかりますし、彼らがより正確な手持ち在庫を管理できるよう、著者はマーケティング上の情報を共有せねばなりません。キャンペーンや大型イベントでの大量販売など、ホウレンソウを意識しましょう。

つまり結論としては

  1. 5,000部~7,000部くらいがベストと心得つつ、
  2. その部数では平積み店が少ないことを理解して
  3. 局地的な平積み店でしっかり売れるようイベントやキャンペーンを打ち
  4. その効果で逆に在庫切れを起こさないよう情報共有を行う

これが初刷の基本的なマーケティング戦略です。

このホウレンソウが抜けてて、編集さんや営業さんから「ダメな著者だこいつ」と思われるのは絶対避けましょうね!

初刷が少ない本の売り方【最初はだいたい5,000部から】

こんにちは、初刷の平均が7,930部の出版プロデューサー西浦です。「だからなんなのか」と言われても僕にもわかり...

2016年の12月13日にはじめて開催したイベント「人生を豊かにする本5冊」から1年が経ち、ニシュランガイドも第5回を迎えました。

出版プロデューサー西浦がおすすめする 「人生を豊かにする本」=ニシウラの本ガイド⇒『ニシュランガイド』ということで、

完全にダジャレ某・レストランガイド本のタイトルを敬意をもってオマージュさせて頂き、3ヶ月に1度のペースで開催しております。

読書会の中でもプレゼンテーション系のイベントとして、グラフィックレコードを取り入れたり、毎回工夫を加えながらやってきましたが、今回は初のゲストスタイルでの開催となりました!(実はニシウラ以外の人による本ガイドをずっとやりたかった)

今回のテーマは「2017年のおすすめ本ベスト3!」(2016年12月1日~2017年11月30日刊の本が対象)ということで、そこにゲストのオススメ本紹介も加えてご紹介しました!

というわけで、ランキングのご紹介です!

3位『いつか別れる。でもそれは今日ではない』F著 KADOKAWA (2017/4/21)刊

著者のFさん初の書籍。

たまたま次の予定までの待ち合わせで本屋さんにいた時にタイトルに惹かれて手にとりました。

タイトルのネガティブな感じと、でも希望を感じさせる響きがうまいなぁと思って、最初の「憧れと好きの違いについて」を読んだのですが、冒頭のこの言葉にいきなり心つかまれました。

小学生の時、「先生のおすすめの本ってありますか」と彼女に訊ねると「あなたが私の好きな本を読んで、私の好きな言葉を覚えて、私が好きそうなことを話しても、あなたのことは好きなままだけど、大好きにはならないと思う」と、先生は笑った。

「だから、あなたは私の知らない本を読んでね」と。

こういうスタンスがとにかく好みです(笑)

ニシュランガイドの第1回で『ぼくは勉強ができない』を紹介したのですが、あの本に出合った高校生時代を思い出しました。

ずいぶん昔に別れた10代の自分と、久しぶりに再会したようなイメージです。

こういう厳しさのある愛情とか、孤独感のある美しさに惹かれるんですよね・・・

 

もう一つお気に入りのパート「色気と教養」からも、心つかまれた言葉をご紹介します。

その人が放つ色気の量と、その人が積み重ねた教養の量は、ぴたりと比例するのではないか

(本当に頭が良いと思う人は、)ただ、いつもの場所を一緒に散歩しているだけで、街が見違えて見えてくるような人だ。

そしてそれは、その人の教養のおかげだ。世界解釈のおかげだ。つまりその人が放つ、色気のおかげである。

「男の色気ってなんだ?」という話を飲みながらたまにするのですが、男同士だとさっぱりわからないし、女性に聞いてもだいたい「それはあんたのフェチでしょうよ!」って回答が返ってくるばかりで、今までは答えに至らなかったのです。

ようやく色気の答えに出合えた!

将来、娘に「何のために勉強しなきゃいけないの?」と聞かれたら「色気のある大人になるためだよ」と答えよう。

なんとも色気のある答えじゃないですか?

 

 

2位『夫のちんぽが入らない』こだま著 扶桑社 (2017/1/18)刊

こちらも著者のこだまさん初の著書。買ったのは3月ごろだったと思うのですが、すでにかなり話題になっていたことと、やはりタイトルのインパクトに惹かれて購入しました。

正直「チェックしておかないとなー」くらいの感覚で反射的に買っていたので、内容などは調べてもいませんでした。タイトルから勝手に軽い本だと思ってたので、お風呂の中で何回かに分けて読もうと思っていたのですが、2章から急に話の展開が変わり、ページを繰る手が止まらない。

「これはちゃんと読まなきゃ」と、あえて途中で止めて、翌日イッキ読みしました。

ご興味のある方はこれ以降の書評は読まずに、できれば僕と同じように「軽い」気持ちで読んで欲しいです。2章からの衝撃にもっていかれます。

僕もネタバレはしたくないので、ここではこれ以上書きませんが、最後に本の内容以外に「いいなぁ」と思ったエピソードをご紹介します。

本書のタイトルについてですが、「ちんぽ」と入ってる本はやはり手に取りにくい。書店さんとしても置きにくいと思います。しかし本書は「普通」という尺度に苦しんだ著者が発信する「普通じゃなくてもいいんじゃないか」というメッセージです。そんな「普通じゃなくてもいいんじゃない?」と世の中に問う本が「普通」の同調圧力に負けるのはおかしいと、タイトルについて編集者が社内の関係者たちとめちゃくちゃ戦ったのだそうです。

「このタイトルがいいんです。最高のちんぽにしましょう」と編集者に言われたとき、著者も「何があってもこの人に付いて行こうと決めた。」と書いてらっしゃいます。

著者と編集者の在り方はたくさんあるのですが、僕はこれが理想形の一つだと思っています。

特別枠『ブスの本懐』カレー沢 薫著 太田出版 (2016/11/17)刊

ここで一つ、特別枠の本をご紹介します。特別枠にした理由は2つです。まず1つ目は発売日が今回のニシュランガイドの設定と微妙にずれているから。

今回のランキングは2016年の12月~2017年11月刊の本で選んだのですが、本書は2016年11月刊で1ヶ月早かったんですね。この第二弾の『ブスのたしなみ』という本もあるのですが、こちらは2017年12月と1ヶ月遅いので、絶妙のズレ加減なのです。

そして2つ目の理由が重要なのですが、

この本、めちゃくちゃ面白いものの、読み終わった後に何にも残らないのです(笑)

著者自身も「奇遇だな、私も何を書いたか覚えていない」らしい。何と美しいおっしゃりようなのか。

 

・・・いちおう内容について触れると、本書のテーマはもちろんタイトルの通り「ブス」です。

「ブスに厳しいブス」であるカレー沢薫先生が、ブスについてあらゆる視点から鋭いコラムを書き続けていくという本。

「ブス」という兵器のごときデスワードを避けるのではなく、あえて必要以上に使って、最終的にブスがなんなのかさえわからなくしてしまおう、というのが狙いであり、結果的に「ブスとは何か」という答えが出ることはなく、さらに見失うという斬新なスタイル。読者も「ブス」とは何なのか?かえって分からなくなるでしょう。書いた本人がそうなったのだから間違いない、と(笑)

この本を紹介したときの(特に女性の)反応は様々で、爆笑する人もいれば、能面のような顔になる方もおり、かなり読者を選ぶ本だと思います。

悪口を言ってる「ブスヘイト本」、いやむしろ私のことを言われてる「私ヘイト本」と感じる人もいたりとか、かなり頻繁に登場する「元ネタが分かれば爆笑」という要素なども「解説されてもよくわからん」と感じる人がいて、反応が分かれる原因かもしれせん。個人的にはオタク過ぎないちょうど良い按配のパロディだと思うのですが。

ボク自身は副鼻腔炎の頭痛がひどくて何もする気になれない中、爆笑しながら読めたというすごいパワーを有する本であり、カレー沢先生の表現力に才能と憧れすら抱くので、文章を書く人にはぜひ一度読んでいただきたい本です。

本音を言うとこういう本をプロデュースして、ヒットさせてみたい。

「代表作は主にブスです」とかマジメな顔で言いたい、憧れます。

ブスの本懐の「それ以外で頼む」は個人的に今年一番笑った言葉なのだが

 

1位『君たちはどう生きるか 』吉野源三郎 著 マガジンハウス; 新装版 (2017/8/24)刊

今年の1位は文句なしに『君たちはどう生きるか』だと思いました。本書は新装版で、原本は1937年に刊行という戦前の本です。(80年前!)

池上彰さんが子供の頃に読んだということでも話題になった本ですね。漫画版と同時発売です。

本書は主人公であるコペル君(14歳)の学校での生活と、おじさんがコペル君のために書いてくれたノートでのやり取りという、ある種の対話形式で成り立っています。

「本当の思想とはなにか?」

「立派な人とはどういうものか?」

バカにされたクラスメイトを守るためにいじめっ子とケンカし、しかも先生に言い訳をしなかった「がっちん」や、いじめられた本人でありながら、いじめた相手をかばう「浦川君」の優しさと出会い、そして英雄的人物として「ナポレオン」の紹介から「立派な人になるための条件」についてコペル君に考えさせるよう物語は進みます。

これだけの「立派な人」の伏線を張っておいて、物語は佳境を迎えます。

主人公である「コペル君」は「立派な人」の条件を破るような、裏切り行為を友人たちに対して行ってしまうのです。

自分の行為を後悔し、ふさぎ込むコペル君に対し、おじさんはなんとアドバイスをしたか?

コペル君と呼ばずに「潤一君!」と本名で呼びかけ「そんな考え方をするのは、間違ってるぜ」とはっきり宣告したのはなぜなのか?

それはぜひ本書を読んでいただくとして、このシーンの後に登場するおじさんのノートから一部抜粋します。

王位を奪われた国王以外に、誰が、国王でないことを不幸に感じることがあろう。

これは人間の「後悔」こそが「偉大さ」の証だということなのです。自分の過ちを後悔するというのは、本来であれば自分は正しい道を選ぶ能力や、良心を持っていたはずなのに、そうできなかった。だから後悔するのだと。この精神を表しているのが「王位を奪われた国王以外に~」の一文です。

自分の過ちを認めることが一番つらい。しかし過ちをつらく感じるということの中にこそ、人間の立派さがあると言います。

本書では言葉の一つ一つに、強い力が宿っていると感じます。

はっきりと「そんな考え方は、間違っているぜ」と言い切れるのもそうです。今の時代の空気を考えると言いきらないように表現することが多いように思います。あ、僕のこれ(表現することが多いように思いますの部分)もそうだ。

強く言い切るのは、自分の中に明確で自信のある正義や価値観がなければできないことでしょう。見方を変えれば、自分の価値観の押し付けだからです。それでも、圧倒的に正しく力強く響くのは、やはりそこに真理があるからです。

それともう一つ、この本が戦前に書かれているということも大きいと思います。

戦前の人々は戦争や病など、今以上に「死」が近い環境にありました。そのせいか、戦前に書かれた本で今でも読み継がれている本は、くどくど婉曲な表現をしない、不要な忖度のない、清々しい覚悟の込められた言葉が多いと感じます。

ですので西浦としては意識して戦前の本を読むようにしています。自分の言葉の覚悟や重みを考えたいと最近思うので。

 

ちなみに本書の漫画版と小説版は微妙にラストが違います。僕としては小説版の方が好みでした。両方読んで、ぜひ見比べてみてください!

ゲストおすすめ『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』西野 亮廣著 幻冬舎 (2017/10/4)刊

最後にゲストである弁護士の倉重公太郎さんがおすすめしてくれた『革命のファンファーレ』です。

倉重さんは、半年6千円ほどの会員にもなっているそうで、西野さんがどういった人か?本書のどういった部分が面白いかをご紹介いただきました。

僕もこの本は読んだのですが、二人とも面白いと感じたところが全然違って楽しかったです。

左が倉重さん

僕は主に「セカンドクリエイター」の考え方や、コミュニティビジネスの本として非常に勉強になるなぁと思いながら読んだのですが、ゲストの倉重さんは本書の一部を紹介しながらご自身が世の中をどう捉えているか話されていました。最後が西野さんじゃなくて、なぜか「リトル本田」の話で〆たのにビックリしましたけども(笑)

この「ゲストに本のプレゼンをしてもらう」スタイルも非常に面白いので、今後も続けたいと思います。

最後に懇親会の様子を

ニシュランガイドは懇親会参加率がすごく高いのが嬉しい!
来年もよろしくお願いします。

帰省のお供に!「普通とは何か?」を考える2017年おすすめ本ベスト3+α【ニシュランvol.5レポート】

2016年の12月13日にはじめて開催したイベント「人生を豊かにする本5冊」から1年が経ち、ニシュランガイドも...

すごくきれいにライトアップされたビルを背景に撮影した瞬間、消灯時間になった出版プロデューサー西浦です。

先日、出版TIMESとして初めての出版セミナーを行いました。そのセミナー中も懇親会でも質問されたのが「良い編集者の選び方」というテーマ。

本づくりにおける編集者の重要度を理解しているからか、みんな気になるようです。

たしかにこれはプロでないとわからない領域ですよね。僕も、もし自分が関わった本が映画化されるとしたらどの監督がいいのか、どの演出さんがいいのか、さっぱりわかりません。ですので結局は映画プロデューサーにいろいろアドバイスをもらうと思うし紹介を頼むでしょう。

出版においては、おかげさまで増刷率や平均部数を高く維持できていることから、僕はたぶんかなり良い編集者選びができていると思います。素晴らしいマッチング能力。自画自賛。

この編集者選びのポイントについて、西浦が実際に判断基準としているポイントをご紹介します。

信じてついていく気になれる人

いきなり結論ですが、あなたが「この人を信じてついて行こう」と思える編集者を選んでください。その人があなたのベスト編集者です。

とある少女マンガ編集者から聞いたのですが仕事のできる上司から「作家に対して、編集者は最高の彼氏たれ!」と教わったそうです。

しかるべき時に叱り、あるいは褒めて、やる気と作品のクオリティを維持する。作家と作品と読者の未来を真剣に考えて、全力でこの道を一緒に進もう、いや黙って俺についてこい、と言ってくれる「この人に一生ついて行こう」と思えるようなパーフェクトな彼氏を思い浮かべてください。そういう人がベストな編集者です。

女性作家にとって女性編集者こそが男前なプロ彼氏になれっていうことでこの話を教わったのですが、むしろこれは著者と編集者の性別関係なく「プロ彼氏」がイメージとして良いと思われます。

(一応触れますが、パーフェクトな彼氏像は人によって違うものの、今回のケースでは割と古風な「俺についてこい」を理想イメージとして採用)

 

もちろん、この例は少女漫画家さんと担当編集者の話なので、実際に僕やあなたが関わる一般書・実用書とは違う部分もあります。

漫画家さんとかミュージシャンとかナイーブな人多いですし、心の支えが必要な部分が大きいのでしょう。だから「彼氏」という表現になりますが、一般書の場合はそこまで彼氏感は不要です。

ただ、共通項として「ついて行こう」と思える信頼感が大切だと思います。変に編集者と交渉しようとする著者もいますが、そんな「交渉しなきゃいけない相手」だったら最初から組まない方が良いのです。

あ、印税の交渉は別ですけど。

 

編集者との仕事の進め方

 

著者と編集者は、馬主と騎手の関係と似ていて、自分の馬(本)に乗ってレースで勝負してくれるのが編集者です。

どの騎手に乗ってもらうかはものすごく重要ですが、レースが始まってから「もっと前へ行って!」「まだ勝負仕掛けるのはやくない?」とか、LINEしてくる馬主なんて迷惑なだけでしょう。

編集者が決まったら、その人の実力を信じて、自分は自分のベストを尽くすのが結果的に効果を最大化します。

僕自身、企画をお願いする編集さんは、皆さん憧れの人だったりします。自分は出版プロデューサーなので、本は書かないわけですが、もし自分が著者になるならこの人に担当してほしい。そう思える人にご相談しています。

だから自分の作りたい本のイメージを押し付けるというよりは「この人なら自分をどう料理してくれるんだろう?」と、喜んで「まな板の上の鯉」になるのがベストです。

ただ「まな板の上の鯉になれ」というのは何もマグロになれってことではありません。

受け身ではダメで、企画書や原稿といった材料に活きの良いものを提案するのは必須だし、販促プランも考えて「こういうことできるよ」「〇〇さんとコラボの話も進められそう」と提示する、求められたものとは別の角度の言葉も投げてみるなど、コミュニケーションはたくさん取りながら、一緒に進めていくと良いでしょう。

究極的には「ついて行き方」も人によります。提案全部ムシの人もいれば、割と聞きたい人もいるのでその辺は空気を読みながらついていきましょう。

 

とは言え編集者選びを間違えていたら?

100%信じろ。

としか言ってないので、「信じた相手が間違ってたらどうしよう?」という不安もあるでしょう。

それも恋愛と一緒です、初めての彼氏や彼女がだめんずで無い保証はありません。

口では良いこと言うし、SNSではすごそうだけど実力はどうなんだろう・・・という人もやっぱりいますから。

ですので「ついていきたい」以外にもう一つポイントを教えますと、「読者目線の質問が上手な人」です。

編集者と著者が互いにほれ込み過ぎて、「良い本にしよう!良い本にしよう!」と議論を尽くして作っても「二人にとって」良い本になってしまうことがあります。

企画の相談をしながら「とはいえ、これだと分かりにくいと思うんだよね」と読者目線で踏み込んだ質問をしてくれる編集者だと、この心配は少なくなります。

料理で言う「『塩少々』の少々ってどれくらいだよ!」「目分量でわかるかぁ!」って言ってくれる方です。料理本を作るなら、料理音痴の気持ちが分からないとダメなのです。

 

もし、ここまでしてもまだ良い編集者に出会えていない、売れない・・・だめんずばっかりだと嘆くあなた。

基本的にだめんずうぉーかーにはそうなる理由があったりします。

  • あなた自身はちゃんと高い志をもって本を出版したいと思ってますか?
  • 優秀な編集者が「この人の本出したい」と思えるような実績や企画を持っていますか?
  • 優秀な編集者が「編集者人生賭ける」くらいのものを、あなたはその本にかけていますか?

忘れないでください、あなた自身が企画の中心です。あなたにふさわしい人がパートナーになるのです。

仮に売れなかったとしても、その編集者を非難するのは少し品がない。少し前までその人とあなたはお似合いのカップルだったはずなのです。

別れた相手を悪く言うのは男も女も美しくありませんね。

最高の彼氏編集者をゲットするために、まずは自分磨きをするのが一番の近道かもしれません。

 

ついて行きたいと思えないなら、その編集者と本なんて作るな!

すごくきれいにライトアップされたビルを背景に撮影した瞬間、消灯時間になった出版プロデューサー西浦です。 先日、...

こんにちは!明太子スパゲッティがとっても苦手な出版プロデューサーの白木加奈子です。
2017年12月8日、出版TIMES1周年記念、初のオープンセミナー、題して、「書くべきテーマが見つかるセミナー」が開催されました!!!ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!!!
場所は、山手線大崎駅から徒歩6分の品川産業支援交流施設SHIPの会議室。
初めて使いましたが、設備もキレイでとても使いやすかったです。しかも、レトロかわいい黒板が!
今回は、ホワイトボードではなく、懐かしの黒板でセミナーを進めました(笑)

(ただ、入り口がダンジョンのようだったので、次回からは道案内を付けます!迷われた方、すみません。私も迷いました。)

今回は、ワイン・恋愛・不動産・コミュニティコーディネーターなど様々なジャンルで著者を目指す合計7名の方に集まって頂きました。男女の比率もちょうど半々くらいだったと記憶しております。

自分が出版する本のイメージは?

イメージできないものは実現しないと言われるように、まずは自分の出版する本のイメージをワークとして書き出してもらいました。タイトルやコンセプトなど、今自分が思っていることをこちらが用意したワークシートに合わせて記入。

皆さん短い時間にも拘わらず、真剣に向き合って頂きほとんどの方が完成!

そして、数名の方にはその場で発表をして頂きました。

皆さん、さすが!専門的な知識や経験があり、人に伝えたい!という思いがヒシヒシと伝わってきました。

しかしここで、西浦さんの厳しいフィードバック!!!

「ここはダメですね~」

「一言でいうとなんですか?」

「読者はそれ知りたいと思ってるかな~?」

わわわわわ。そんなに最初からズバっと否定しちゃっていいんですか!?と私は内心焦りました。
しかし、西浦さんの質問に答えていくと、切り口を変えたり、抽象的なことをより具体的になるまでブラッシュアップしたりどうしたらもっと多くの読者に届く良いコンセプトになるのかが見えてきましたよ!

「書きたい」と「読みたい」を混同していないか?

発表して頂いた方に共通していたのが「書きたいと読みたいを混同している」という点でした。

プロは知識が多いので伝えたいことが多くなるけど、それが必ずしも読者が読みたいものではないかもしれない。そこを読みたくなる興味付けが必要なのです。
そして、出版社勤めの時に担当した作品の話しの中で、
西浦読者から感謝や感動のハガキやメールが届く本を作りたい。だから“売れる本”というのは外せないんですよね。5000部だったら2~3人しかハガキをくれないかもしれない。でもそれが5万部を超えると、扱いが変わってきて講演依頼がきたり、もっともっと多くの人からハガキがくる。」
というエピソードを皆さんに伝えていました。
西浦さんの厳しさの裏には、こういった思いがあったんですね。
売れなければただの独りよがりの本になってしまう。その著者が持っているコンテンツを切り口や伝え方を変えて、より多くの読者の目に留まる形にしていくのがプロデューサーの腕の見せ所です。

自分の強みと実績の整理をしよう!

出版社マーケティング部出身の(多分)唯一の出版プロデューサー西浦さんだからこそ、この「自分の強みと実績の整理」ワークシートは数字にとことんこだわります。

参加者の皆さんは、自分のこれまでの実績や強みをかなり具体的にシートに落とし込んで頂きました。
出版社で企画が通らなければ本は出版できません。コンセプトが良いのはもちろんですが、著者のプロフィールが凄ければけっこう企画は通ってしまうものだったりするそうです。

だからこの実績整理シートは、著者にとってとっても貴重な資源になること間違いなしです!

強いテーマとは?

本が売れるためには市場規模が重要です。そこで今回は、強いテーマをぶっちゃけ教えちゃいました!そして、いい編集者選びのポイントも特別にお伝え。せっかくテーマは合っているのに、出版社選び編集者選びに失敗しても残念ながら売れる本も売れません・・・・

皆さん、ここはかなり真剣にメモを取っていらっしゃいました!

自分が書くべき本のテーマ

強いテーマも学んだところで、最後にもう一度自分の書くべき本のテーマを書き出して頂きました。今までの話しを踏まえて、自分の書こうとしていたことをどう強いテーマと結びつけるかなど改めて皆さんに考えてもらいます。

私だったらけっこうここは時間がかかりそうだなと思うところですが、皆さん案外スラスラと書いていて、少し驚きました。

ここでもまた、2名の方に発表して頂き、西浦さんからフィードバック。
皆さん、とても興味深いコンセプトで、もう少しブラッシュアップすれば良い!という高評価。

今回のセミナーを通じて、書きたいテーマを売れるテーマにレベルアップさせるヒントをいくつも持って帰って頂くことができたのではないかと思います。
最後に、西浦さんと反省したのが、ワークの時間が少し短かったなという点と、できれば全員にフィードバックをしたかった!という点。なので、次回はもっと少人数での開催を予定しております!!
ぜひ、次回も楽しみにしていてください。開催日程などは別途告知いたします。

【出版セミナーレポート】『書くべきテーマが見つかるセミナー(2017/12/8)』

こんにちは!明太子スパゲッティがとっても苦手な出版プロデューサーの白木加奈子です。 2017年12月8日、出版...

文章執筆に大切なことは何でしょうか。
私の場合は、とにかく「書き始めて、書き続け、書き終わる」ということだと考えています。
まずは頭の中から外に出す、という作業に全力を注ぎ、書き終えてから推敲を繰り返します。
しかし残念なことに、これだけでは文章は上達しないと常々感じています。
考えていることを確実に伝えるためには技術や知識が必要で、常に勉強し続けなければなりません。
そんな「文章執筆」に役立つマニュアルがあるのなら、ぜひ手に入れたいものです。

そこで今回は、文章執筆の助けになりそうな、野口悠紀雄氏による『「超」文章法 伝えたいことをどう書くか』を紹介します。
文章の構成や、推敲などについて参考になる内容が掲載されている書籍です。

どんな本なのか

本書は、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授である、野口悠紀雄氏によるものです。
野口氏は1940年生まれ、東京大学工学部卒業。
文章を書く機会が山のようにある著者は、ためになり、面白くてわかりやすい文章を書く努力を続けているとのこと。
この書籍は、そんな著者が努力の過程で学んできたことがまとめられています。
対象としている「文章」とは、小説などの文芸作品ではなく、論文や解説文、批評など「論述文」と呼ばれる文章です。
しかし文章作成の基本について記載されていることから、すべてのかたにとって有益な内容です。

メッセージの重要性

第1章では、読者に伝えたいメッセージを明確化することの重要性について記されています。
このメッセージについて、以下に重要な部分を引用します。

ある命題を「メッセージ」と言えるかどうかは、どのように判断できるか?
第一の条件は、「ひとことで言えること」だ。
この規定は、単なる外形基準であり、内容とは関係がないと思われるかもしれない。
しかし、私の経験から言うと、これこそが最も重要な条件である。

(12ページ 第1章 メッセージこそ重要だ より引用)

さらにメッセージが見つかれば、どうしても伝えたい衝動に駆られるはずだとも述べています。
確かに、伝えたいことが明確ではない文章は、読んでいても内容が曖昧なものが少なくありません。
論述文を書く際は、まず、このメッセージを探してみると良さそうです。

文章に化粧をする

さらに本書では、推敲について非常に細かい説明があり、章の終わりに分かりやすくまとめられているため引用します。

第6章のまとめ
1 形式面のチェック
(1)タイトルは、内容を適切に表すものにする。
(2)章・節・パラグラフの区切りを適切にし、小見出しを内容を表すものにする。
(3)誤字脱字を根絶する。とくに、名前の誤字に注意。
(4)読点を適切に打つ。
(5)漢字・ひらがな・カタカナの比率を適正化する。
(6)表記と用語を統一する。
2 表現のチェック
(1)削れるだけ削る。
(2)類似表現を避ける。
(3)語尾の単調化を避ける。語尾で逃げない。
(4)曖昧接続の「が」の多用を避ける。
(5)使い古された表現、陳腐な表現、不快感を伴う表現、品位を下げる表現などを避ける。
(225ページ 第6章 化粧する(2)-100回でも推敲する より引用)

文章を書いたあと、実際に上記の項目についてチェックしてみると、修正すべき部分が明確になることでしょう。
推敲に関する項目は決して少なくはありませんが、読みやすく正しい文章を書くためには、いずれも重要なことばかりです。
「文章を書くのが苦手」
「文章が読みづらいと言われる」
というかたには、特に読点や語尾に関する項目を読むことをおすすめします。
なぜなら、読みづらい文章は、大抵の場合、読点の位置が不適切だったり、語尾が単調だったりするからです。

文章執筆のマニュアル

さらに、文章を執筆する際には、推敲に限らず、さまざまな部分について注意が必要であることは言うまでもありません。

  • メッセージ
  • 構成
  • 説得力
  • 推敲

いずれの項目も、文章執筆においては重要となります。
本書では、そういった項目それぞれの注意点について、いずれも丁寧に説明されています。
章の「まとめ」は、第6章以外にもそれぞれ用意されています。
時間がないときには、各章ごとに設けられた「まとめ」を読み返すだけでも有益となるに違いありません。

本書は小説などの引用が多いこともあって、文章を書き慣れている人以外にも分かりやすく、楽しく読める内容です。
ビジネス文書や論文だけでなく、自分史やエッセイなどを書きたいと考えている人にもおすすめできる本です。

終わりに

文章は、漠然と書き続けているだけでは、なかなか上達が難しいものです。
しかしチェックするべき項目が明確になっていれば、
「どこを直すべきか」
「どこを削るべきか」
も明確になり、ぐっと書きやすくなるに違いありません。
推敲や構成についても、手順に沿って書くことが出来れば、かなり楽に感じるはずです。

文章執筆のマニュアルを探しているならば、ぜひ一度、本書に目を通してみてはいかがでしょうか。
(文:朔)

【書評】「超」文章法 伝えたいことをどう書くか【文章執筆の極意とは】

文章執筆に大切なことは何でしょうか。 私の場合は、とにかく「書き始めて、書き続け、書き終わる」ということだと考...

2016年の11月29日に出版TIMESをオープンしてから1年が経ちました。

「著者」と「読者」の双方をターゲットに記事を書いたり、イベントを仕掛けて行こう。

ということで立ち上げたメディアです。

著者向けの記事を多めに発信し、1年かかりましたが著者向けのイベントも来週12/8に開催できそうです。

読者向けの記事は「書評」を中心に、「本のある生活」系の記事も書きつつ、何より『ニシュランガイド』に代表される「直接会って交流する」ことを主に行ってまいりました。

1年を振り返って

自己紹介と出版TIMESについて

この記事を最初に投稿したところから始まったのですが、今読んでも何言ってるのかよく分かりませんね(笑)

でも不思議とズレてないというか、「そういうことだよね」って1年前の自分に共感したりもします。

  • バンドとファンみたいにもっと近い距離で「感動を共有する」場をつくっていけたらいいな

とか

「一緒に作る」ってきっと面白いことで、

空気とかムーブメントとか感動とか、そういったものは「同じ空間で一緒につくる」ものだと思うのです。

大事なのは「同じ空間で」「一緒に」なんじゃないでしょうか。

という部分は最近投稿した

お客様を大切に思うなら、感情の受け皿を作ることが大事。あと、プロデューサーとしての指針【後編】

こちらの記事の

結局のところ、出版プロデューサーとしてはもちろん、個人としても「感動するもの、心動かされるもの」をゼロの状態から企画し、人の「感情の受け皿」まで設計して、実現していきたいのだと改めて思ったのです。

で書いてることと、同じだなぁと思います。やりたいことは変わってなくて、結局はここに帰ってくるのだなと思って安心しました。

逆に言うと成長がないという話で(笑)、頑張らなきゃいけないと気合を入れてます。

47,507人のあなたにありがとうございますを。

この1年で47,507人の方に出版TIMESをご訪問いただきました。

マジか、と。

出版プロデューサーのメディアで、しかも自分なんかの発信する情報にこんなにたくさんの方がご訪問くださったことにただただ驚いています。

もっとちゃんとした記事書かなきゃダメだ!とさらに気を引き締める思いです。

ただ自分のプロデュースしているクライアントのメディアに比べたら、3週間くらいで追い抜かれる人数なので、その点ではもうまったく立場ないですが

出版って検索のキーワードボリューム小さすぎなんだって!と涙目で言い訳しておきます。

この1年で一番読まれた記事は

この1年間で公開した記事のうち、ダントツで一番読んでいただいたのが下記の記事です。

成功する著者2パターンと、失敗する著者の16条件【編集者、書店員のホンネ】

たくさんの方にシェアしていただいたし、はてブもしていただいたものなぁ。

本当にありがとうございました。

何よりこの記事の制作にご協力いただいた各社の編集者さん、書店員さんありがとうございました。

皆さんのホンネが見え隠れするどころか原液そのままでドバドバ漏れ出してて、良い記事になりました。

やはり「出版プロデューサーのメディア」最大の魅力は「出版業界人の情報を発信できること」なんですね。

新たな1年はその点を強く意識して参ります。

ちなみに書評記事ではサンマーク出版さんの『スタンフォード式 最高の睡眠』がトップでした!

【書評】「スタンフォード式 最高の睡眠」で 黄金の90分を手に入れよう

U君、12,000セッション超えてるから多少は売り上げにも貢献したと思うよ!今度ラーメンかなんかおごってくれ!

出版TIMES リニューアル!

そして1周年を記念して、本日、出版TIMESをリニューアルしました!
今までは既存のテンプレデザインを、友人に夜なべしていじってもらったものを使ってました。

ただ、1年間運営してきて「ここをもっとこうしたい」と思うことが増えてきて、1年をキッカケにリニューアルすることにしました。

特に記事を探しやすいよう意識して大幅に修正したつもりなのですがいかがでしょう?

新しい出版TIMESも引き続き、かわいがってやってください。

今後ともよろしくお願いいたします。

【47,507人のあなたに感謝を】出版TIMES1周年 リニューアル!

2016年の11月29日に出版TIMESをオープンしてから1年が経ちました。 「著者」と「読者」の双方をターゲ...

前回の記事の続きになります。前回の記事はこちら↓

お客様を大切に思うなら、感情の受け皿を作ることが大事。あと、プロデューサーとしての指針【前編】

先日舞台『THE BANBI SHOW2ND STAGE』を観て→村田雄浩さんの演技にグッときて→直接ご本人に気持ちをぶつけて→すごくスッキリできた。

この流れを客観視したことで、自分がやってて気持ちの良いことが、やはり「プロデュース」であることを再確認できました。

結局のところ、出版プロデューサーとしてはもちろん、個人としても「感動するもの、心動かされるもの」をゼロの状態から企画し、人の「感情の受け皿」まで設計して、実現していきたいのだと改めて思ったのです。

 

「5年続けたらどんな人が集まってくるか」を設計する

たとえば独立後1年くらいのころ。「なんとかやって行けそうだな」と思い始めた時に「これって自分の頑張りというより、本に価値があるからやっていけてるだけだな。出版業界を作ってきた先人たちのおかげだ」と思ったんですね。

この着想から「出版業界って素晴らしいよなぁ、ありがたいよなぁ」と感じ入り、業界に「恩返し」したい!と思うようになりました。その時は「仕事ではお金をもらって業界に貢献している」と考えて「お金を頂かない形で恩返しをしよう」ということで「マスコミ就活支援団体」をつくりました。

その「就活支援」も仕組みとして機能させるには?を意識しながら設計図を考えました。

  1. ボランティアでやることで、スタッフも卒業生も「業界への感謝を持ち、お金を頂かない形で恩返しをする」っていう人達の集まりになる(ハズ)
  2. そういった素養を持つ人が出版業界に来てくれたらより良い業界になる(ハズ)
  3. そこで生まれた人脈が、いつか会社や利益を越えた何かを生み出す土壌になる(かも?)

1をやることで1→2→3の環境が生み出せると「線」で描きました。

そのうえで、自分の成長にもなるように下記の条件を付け加えたのです

  • 一人で細々とやるんじゃなくて、人を巻き込んでいって、ある程度勝手に回る仕組みを作ろう。
  • 就活生への支援を通して、「内定者」になった学生が自主的に次代のスタッフになる仕組みを作ろう。【循環の仕組み】
  • でもスタッフの核である「内定者」は毎年卒業していくので、教えるのではなく自主的に活動してくれるような設計にする。
  • 自分がいないと回らない仕組みは仕掛けとしては未完成なので、5年で完全に離れる前提でやっていく。。。

こういった条件を加えて、いろいろ考えていきました。

それまでは人と一緒にプロジェクトを進めていく際に、どうしても自分(リーダー)が時間をかけてフォローできた人のモチベーションが高く、そうでない人は低いという「自動巻き」じゃないチームしか組めたことがなかったので、それを打破できるように自分のレベルアップも兼ねてチャレンジしたのです。

実際には設計図通りにいかないことが多く、想定外や、驚くようなこともたくさん起きたけど、5年間続けて、完全に運営から離れて1年以上たったけどちゃんと仕組みとして機能しています。

(個人的にはプロデュースの目的として、プロジェクトの成功以外に自分がレベルアップできるような設計図、もしくは座組を考えると、面白いハプニングが起きると考えてます。しんどいですけど。)

これはひとえに今も残っているスタッフ達の頑張りのおかげであり、それはつまりこの団体が、当初描いていた『「業界への感謝を持ち、お金を頂かない形で恩返しをする」っていう人達の集まり』になったからだと思います。(じゃないとこんなに頑張れないはず)

「実体験とその場にいた人」を設計図に書き込む

また2016年の12月から定期的に開催している読書イベント「ニシュランガイド」もすごくうまく回っています。これは過去に一度「読書会」に失敗した経験を活かして、設計図を考えています。

最初に取り組んだ読書会は、集客にすごく手間取り(20名くらい集めるのに4か月くらいかかった)「これは何かがうまく機能していない」と思って、中止してるんですね。

では今回なぜ、再度挑戦してうまく運んだかというと、頭で考えたというより実体験をベースに設計図を描いたからですね。

友人たちと飲んでたときに「西浦さんのオススメの本教えてよ」と言われ「『自分が読んだ本を、人生とどのように重ねて生きてきたか』を話すと、すごく盛り上がった」そして「その場でみんな本をポチってくれた」という体験です。

その時の「ああ、本を普段あまり読まない人でも、個人の体験と重ねたらこんなに面白がってくれるのか」という喜びに、僕は心動かされました。これなら、みんな面白がって参加してくれるんじゃないかというイメージも持てたんですね。

しかも、その時にいたメンバーがかなりパワーのある、尖った能力を持つ人たちだったので「このメンバーにあとAさんとBさんで座組を組めたらいける!」という確信がありました。

心動かされた実体験のおかげで設計図としてすごく詳細に描けたし、その設計図を成立させるのに重要な役割を果たす人たちもそこにいたのです。

「その場所にいた」ってただの偶然でしかないのかもしれませんが、その場で生まれた着想はその場の人間で作っているのでとても重要な要素だと考えてます。

どういったことをやりたがってるか?のイメージがすでにかなり正確に伝わってますし、その後もやりやすいです。

 

設計図に縛られず、座組にこだわる

そして一番力を入れてやっている出版においては、僕が心動かされた「人の考え方やノウハウ」を本という仕組みでプロデュースしています。

感動して泣くだけじゃなくて、心はもっといろんなことで動きます。すごさに憧れたり、文章の巧さにほれぼれしたり、その姿勢に共感したりと様々です。

その心動かされたコンテンツを、「著者が目指す世界」を実現していく「鍵」になるように本を設計します。本だけでなく、その本を受け取った人の感情の受け皿や、そもそも適切な読者にちゃんと届けるための「販促」も設計図の中に含まれます。

設計図を書くところから、その実現のために必要な座組を組んでいくのもすべて出版プロデューサーの仕事です。

 

出版は仕事でやってますし、会社員時代から10年以上かけて2000冊以上の本に関わったこともあり、かなり詳細に描けるようになったと思います。

しかし、だからこそ、設計図そのものに縛られない余裕も出てきました。

 

実際にプロジェクトを進めていく時に重要なのは「仕組みが機能する」ということであって、僕の設計図を100%再現することではありません。仕組みを機能させるのに必要なのは、ベストな人に仕事をお願いすることです。

だから僕の描いた設計図の通りにならなきゃイヤだというのはなくて、本が「人と人とが助け合う仕組み」としてより多くの人を助ける形になるなら、例えば本の内容が僕の描いた企画から半分以上変更になっても構わないと思っています。

僕と一緒に本づくりをされた編集さんはお分かりだと思うのですが、「信じて任せて欲しい」タイプの編集さんには、僕は本当に信じきって口出ししませんし、「どんどん意見を聞いて一緒に作っていきたい」タイプの編集さんには自分なりの意見を言わせていただいてます。

 

就活支援団体のように、ときには自分がいないで回る方が良いとも思うし、ニシュランガイドのように自分が「鍵」として必須で、感動体験を何度も再現する座組みも良いと思います。

どちらせによ、自分以外の人の力を借りて実現する仕組みがすごく楽しい。

 

今は「自分が描いた設計図で行く!」ということより「自分が描いた座組で行く!」ということを重視しています。

もちろん、相手に迎合して合わせるということじゃなくて、その設計図にふさわしい方を選んだという自分の目を信じるイメージです。※

 

と、最近この道20年以上の先輩が「今回の座組は今までの中でもトップ3に入るくらい良い!」と他のメンバーに話してくれていたと聞いて、すっかり嬉しくなってこの記事を書きました(笑)

※ふさわしくない人を選んでしまったら、なるべく早くその人に座組から外れてもらわないいけません。設計図が書き換えられすぎて、徐々に全体がおかしくなるのでかなり要注意です。(出版ではこういうミスは無くなってきたのでご安心を)

 

お客様を大切に思うなら、感情の受け皿を作ることが大事。あと、プロデューサーとしての指針【後編】

前回の記事の続きになります。前回の記事はこちら↓ お客様を大切に思うなら、感情の受け皿を作ることが大事。あと、...